鎮守府の片隅で   作:ariel

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今回のお話は、戦闘艦ではなく工作艦の明石さんが主人公です。料理の方は…ちょっと珍しい野菜かもしれませんが、明日葉を使った料理にしました。少しだけ旬の時期を考えると遅目なのですが、私自身はこの野菜とても好きです。最近はこの野菜の特徴でもある、ほろ苦さを消した料理も多く出ているのですが、私の好みとしては少し昔ながらの料理法で作った明日葉料理だったりします。あのほろ苦さがお酒に合うんですよね^^;


第八五話 明石と明日葉の卵とじ

「最近仕事が多すぎるんですよね~。疲れた~。」

 

「あらあら、明石さん大丈夫ですか?良かったら、少し仕事の量を減らすように、私の方からあの人に伝えましょうか?」

 

「い…いえ、鳳翔さん。ほとんど私の趣味のような感じですから、提督には何も言わなくてもいいです!(…というより、言わないでください。)」

 

「そうですか…。それならば良いのですが…。あまり無理をしてはいけませんよ?」

 

ここ数日、私のお店では見かけなかったのですが、今日は明石さんが来ていますね。とはいえ今日の明石さんは来店したのと同時に、カウンター席に崩れるように座り、今は突っ伏しています。どうやら、かなり疲労が溜まっているようですね。明石さんは、この鎮守府に所属する工作艦として活躍している子で、この鎮守府の工廠全体を取り仕切っている立場にいます。そして軽巡洋艦の夕張さんと一緒に、鎮守府内における兵器の改良にも携わっていますから、鎮守府全体から見ると非常に重要な子です。

 

それにしても…これ程疲れるまで仕事をしていた…というのは、いくら本人が言うように趣味のような仕事とはいえ、問題がありますね。明石さんは断っていましたが、途中で倒れられたら鎮守府全体が困りますから、やはり私からあの人に事情を伝えて、仕事量を減らしてもらった方が良いのではないでしょうか。

 

「鳳翔さん。何か軽く食べられる物とお酒もらえます?流石にコッテリした物はちょっと…。それと出来れば、野菜中心でお酒に合う料理だと嬉しいです。」

 

「分かりました。野菜中心でお酒に合う、あっさりとした料理ですね?それでは…少し味に癖がありますが、今日は明日葉が入っていますので、これを使った料理をお出ししますね。」

 

そんな明石さんからの注文は、野菜中心で軽く食べられる料理、そしてお酒に合う料理でした。やはり…今日はかなり疲れているようですね。いつもの明石さんでしたら、夕張さんや兵器改良を頼みに来た艦娘の子達と一緒に来店し、コッテリした料理も含めて、かなりの量を食べています。既に先日の作戦も完全に終了し、鎮守府は平穏な状態に戻っている訳ですから、明石さんもそれ程大量の仕事があるとは思えないのですが…。いずれにせよ、まずはリクエストされた料理を準備して、明石さんの様子を少し伺いましょうか。

 

明石さんの今日の疲労具合を考えますと、少量の料理をお酒と共に楽しみたい筈です。となると、少し味に特徴があり、少量の料理でもお酒が楽しめる料理を作らなくてはいけません。幸いな事に今日は明日葉が入っていますから、疲れが貯まっている明石さんに出すのには丁度良い料理が準備出来そうです。今日手に入ったものは、少し旬の時期から考えると遅目の明日葉ですが、明日葉は独特なほろ苦さと後から出てくる甘さに特徴があり、大人の味が楽しめます。おそらく駆逐艦の子達には少し早い味かもしれませんが、明石さんであればきっと楽しんでくれると思いますし、疲れている時にはこのような味の料理が好まれそうです。

 

しかし…明日葉をどのように料理するのか…これは少し悩みますね。定番ですと明日葉の天麩羅ですが、生憎今日はあっさり系の料理が指定されています。また癖の強い明日葉を食べるためには、バター炒めなどで癖を消すのも良いのですが、これもアッサリした料理か?と言われると、少し違う気がしますね。…そうですね。今日は明石さんも疲れているようですから、栄養バランスが取れるように卵で明日葉をとじたものを出しましょうか。これでしたら味は純和風ですし、明日葉のほろ苦さも楽しめ、尚且つお酒との相性もばっちりです。

 

それでは早速、明日葉の卵とじを作りましょうか。まずは明日葉を食べやすいように一口大の長さに切り分けます。そして茎の部分と葉の部分を分けておきます。後はこれを煮込むだけですが、今回は少しだけ柔らかめになるように含め煮にしましょう。お鍋の中に、出汁、日本酒、醤油、みりん、砂糖を入れたら一煮立ちさせて、味を馴染ませます。そしてこの中に明日葉の茎の部分を入れて…多少は歯ごたえが残らなくてはいけませんから、2-3分煮ましょうか。…そろそろ良いですね。それでは最後に葉の部分にもサッと火を通すために、葉の部分を入れます。

 

良い感じに明日葉に火が入りましたね。それではここに味を調えるための塩を少量入れて…後は火を止めてから卵を回し入れて、蓋をして蒸らしたら完成です。とても簡単な料理ですし、すぐに作れる料理ですが、この料理なら疲れた明石さんも満足してくれるのではないでしょうか。

 

後は…お酒をどうしましょうか。明石さんがいつも飲むお酒は甘めのお酒が多かったような気がしますが、流石に今日の料理は少しほろ苦いという癖がありますので、あっさり飲めるやや辛口のお酒が合いそうですし、香りが強すぎるお酒は駄目ですね。…そうですね、明石さんの名前を冠した、少し辛口のお酒を出しましょうか。

 

「明石さん、おまたせしました。今日は明日葉の卵とじを作ってみました。少し味に癖があるかもしれませんが、とても美味しい料理なので一度試してみてください。それと…お酒なのですが、今日は少し辛口のお酒を準備してみました。『神鷹 純米明石』という明石さんの名前を冠したお酒ですから、こちらも楽しんでいってくださいね。」

 

「ありがとうございます、鳳翔さん。料理もお酒も楽しみですね。早速いただきますね。」

 

 

 

工作艦 明石

 

 

言えない…絶対に言えない。ここ数日私が忙しかった理由が、私の自業自得だなんて、絶対に鳳翔さんには言えない。これが提督の耳に入ったら…いえ、秘書艦の金剛さんの耳にでも入ったら…困ったなぁ。ついつい大好きな機械弄りに夢中になってしまって…肝心の仕事を放ったらかして楽しんでいた所を、第六駆逐隊の子達に見つかっちゃたのは、失敗だったかなぁ。それで私がサボっていたのを黙っていてもらうために、口止めとして駆逐艦用の新型電探を開発してあげると、空手形を切っちゃたのは…。あれ…なかなか作るの難しいのよね。

 

この電探開発で、これまで金剛さんが溜め込んでいた帳簿外の資材は減っちゃうし、第六駆逐隊の子からは急かされるし、本当に踏んだり蹴ったりで、もうクタクタなのよね…。こんな事なら、始めから大人しく提督に怒られていた方がマシでしたね…。今日は私自身のメンテが必要だと思ったから、一人で鳳翔さんのお店に来たけれど、やっぱりこのお店いいわ…。鳳翔さんの性格もあるのだろうけれど、このお店に入って席につくだけで、落ちつくのよね。

 

しかも私が疲れている姿を見て、理由は詮索せずに軽い食事とお酒をサッと出してくれたけれど…本当に神様、仏様、鳳翔様ですね。今日は私の名前を冠したお酒まで出してくれたし、どんな感じのお酒かなぁ。まずは料理を楽しむ前に、このお酒から一口行きましょうか!

 

…ふぅ。私自身は飲兵衛じゃないけれど、今日のお酒は五臓六腑に染み渡りますね。いつも私が飲んでいる甘口のお酒ではないようですけど、口の中に入れた瞬間に広がる控えめな香りがいいですし、疲れきった体がスッと受け入れてくれる棘のない味…いいですね。多分、今日の料理はあっさりした味の料理を準備してくれていますから、その味を邪魔しないように香りと味がそれ程強くないお酒を出してくれたのですね。鳳翔さんに感謝しないといけませんね。

 

さぁ、それじゃ鳳翔さんが作ってくれた料理の方も、いっちゃいますか!?…明日葉の卵とじと、鳳翔さんは言っていたけれど、明日葉という野菜を食べるのは私は初めてなんですよね。折角だから、野菜の部分だけで一度食べてみましょうか。…うっ、苦っ…、なにこれ、鳳翔さん料理に失敗したのかも…って、あれ?最初に口の中に広がった苦味が急に消えて…今度は甘みが出てきましたね。あっ…この味、私好きかもしれませんね。それに…野菜の部分だけで食べましたから、あれだけの苦味を感じたのでしょうけれど、卵と一緒に食べたら…早速試してみましょうか。

 

…やっぱり、私が考えたとおりですね。卵とじの部分と一緒に食べると、先程の明日葉の苦味が卵に包まれて、出汁の味などによって丁度良い感じに苦味が抑えられています。これは…癖になるほろ苦さですね。少し疲れて鈍くなっていた味覚を、このほろ苦さが覚醒させてくれるような気がしてきます。また、このほろ苦さの後からやってくる野菜独特の甘味も素晴らしいですね。最初に失敗作だと思ってしまったのは、反省しなくてはいけません。

 

今回のようなほろ苦さと甘味の両方を楽しめる複雑な大人の味を楽しむためには、その料理の味を邪魔しない控えめな香りと味のこのお酒が非常に合います。料理とお酒の相性など、これまで明石は考えていませんでしたが、考えてみれば工作機械でもそれぞれの機械同士の組み合わせに相性がある訳ですし…これからは少し考えてみたほうがいいかもしれませんね。いずれにせよ、このように素敵な料理とお酒に囲まれて、本当幸せですねぇ…。

 

 

 

鳳翔

 

 

明石さんが、少しホッとしたような表情で、料理とお酒に舌鼓をうっていますね。来店当初の疲れきった表情が消え、今は穏やかそうな表情を見せていますから、体力的にはともかく、精神的には少し落ち着いたような気がします。明石さんはこの鎮守府の要となるような重要な艦娘ですから、少しでも元気になってもらえて私も嬉しいです。それにしても、明石さんがここまで追い詰められる程仕事に追われていた…というのは、鎮守府の運営としては問題がありますね。やはり、私の方からあの人に一言言うべきでしょうね。

 

ガラッ

 

「あっ!やっぱり明石さん、ここに居たわ。ねぇねぇ明石さん、折角作ってもらった電探なんだけれど、これは雷が欲しかった対空電探ではないわ。」

 

「そうなのです。電達が欲しかったのは、水上電探ではなくて対空電探なのです!」

 

あらっ?第六駆逐隊の四人が来ましたね。雷ちゃんや電ちゃんの口ぶりでは、明石さんを探していたようですし、電探を明石さんに作ってもらったようですが…駆逐艦の子達が独自に兵器開発の希望は出せなかったと思いますし…どういう事なのでしょうか。

 

「あれ?電達が欲しかった電探って、水上電探じゃなくて対空電探だった?でも…今更変更は出来ないし…困りましたね。あっ、そうだ。代わりにこの料理食べ…って、これも駄目ですね。これは大人の味ですから。」

 

「!私は一人前のレディーだから、問題ないわ。仕方ないわね、欲しかった電探ではないけれど、明石さんに作ってもらったのは間違いないし…代わりにこの料理で、この間の事は黙っていてもいいわよ。」

 

??黙っていてもいい…ですか?少し私も混乱していますが、明石さんとこの子達との間で何か問題が発生したのでしょうか?いまいち事情が掴めませんね。明石さんは、指を口に当てて駆逐艦の子達に『シーッ』と言っていますが、なにやら微妙な雰囲気が漂ってきました。それと…暁ちゃんは、明石さんの料理を食べさせてもらうと言っていますが…流石に暁ちゃんにこの味は早すぎると思いますので、止めた方が良さそうですね。

 

「あの…暁ちゃん?悪い事は言いませんから、この料理は止めておいた方が良いですよ。これは少し…その…暁ちゃんには食べ難い味になっていますから。」

 

「暁…鳳翔さんもそう言っているんだ…止めておいた方がいいさ。」

 

「何言っているのよ、響。それに鳳翔さん、私は一人前のレディーだから問題ないわ。ということで、明石さん一口いただきます!…ギャー!な…何これ。」

 

…言わないことではありません。流石にこのほろ苦い味は、お酒を嗜む大型艦の皆さんにとっては好きな味ですが、普段このような味をあまり経験していない暁ちゃんには…。暁ちゃんも急な苦味に驚いたのか大騒ぎですし、周りの他の艦娘の視線も集中しました。そして、そんな注目を浴びてしまった暁ちゃんは、流石にこのままでは恥ずかしいと思ったのか、精一杯取り繕おうとしていますね。

 

「ま…まぁ、最初は驚いたけれど、美味しいわね。や…やっぱり、私のような一人前のレディーには、こういう大人の味が合うわね。も…も…もう少しいただくわ。」

 

「暁、代わりに卵とじの載った親子丼を私が奢ってあげるから、無理しないの…いい?それと、雷と電と響も奢ってあげるから、そこに座りなさいな。これでこの前の事は全てチャラ、分かった?」

 

「まぁ、電探はもらっているし、鳳翔さんのところで親子丼が食べられるなら、雷はそれでいいわ。」

 

「電もそれでいいのですっ!」

 

「この提案は素晴らしい…Спасибо」

 

「まぁ…他の三人がそっちが食べたいなら、暁はお姉ちゃんなのだから、それでいいわ。」

 

「鳳翔さん。ということで、親子丼を五つ追加。この子達見ていたら、私もお腹空いちゃいましたから、一緒に私も食べますね。」

 

結局、事情がよく分からないまま、第六駆逐隊の四人も含めて五人分の親子丼を作ることになってしまいました。勿論それはそれで良いのですが、明石さんの方が第六駆逐隊の子達よりも弱い立場に居る…というのも不思議なものですね。どうやら今回の件の原因は、あまり詮索しない方が良さそうですし、おそらく禄な理由ではないでしょうから、あの人に今回の出来事を伝えるのは止めておいた方が良さそうですね。

 

ガラッ

 

今日は千客万来ですね。そして…これも明石さん関係の来客でしょうね…。夕張さんが来店です。しかも作業着のまま来店ですから、これは食事に来たというよりは、明石さんを探しに来たといったところでしょうか。

 

「あ~、いたいた。明石、直ぐに司令部に集合よ。明日の朝一で、海軍省経理局の抜き打ち監査が入るみたいだから、急いで準備しないと。」

 

「えっ!今監査に入られると…拙いですね。金剛さん達と対応を相談しないと…。鳳翔さん、親子丼一つキャンセルしてください。暁達は気にせずに食べていっていいですよ。それでは鳳翔さん、ごちそうさま~。これは…今日は完全に徹夜ですね…。」

 

その…聞いてはいけない言葉を、今日だけで幾つか明石さんから聞いた気がしますね…。夕張さんに連れられて明石さんが疾風のようにお店を出て行きました。本省の経理局がうちに抜き打ちの監査に入るとなると、穏やかではありません。…ただ監査が抜き打ちで入るという情報が既に鎮守府に入っている…というのも、まるで狐と狸の化かしあいですね。いずれにせよ、あの人には『やりすぎないように』と一言言ったほうが良いかもしれません。困ったものですね。

 

 

「Hey! 鳳翔。急いで司令部に夜食を届けてくださ~い。なんでもいいから、五人分早くもって来るネ!」

 

「は…はぁ。」

 

金剛さんから夜食の出前を頼まれましたが、この感じでは、あの人も今日は帰宅出来なさそうですね。本当に困ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

ここからはネタです。

鎮守府 司令部

 

 

「Hey! 明石。鎮守府にある資材の総量は、こっちの帳簿通りでOKですネ?ん?前回の帳簿と合わないネ。何に流用したか、あとで白状するデ~ス!Oh-Yodoは、経理局に提出する方の書類の数字と第一倉庫に入れておく資材の量をきちんと合わせておくネ。Hmm…そうネ…書類上の資材量は、これくらいにしておくネ。実数との差分は、前回の作戦で消費した形で書類を作成するデ~ス。Yuh-Bariは、『余剰分』を例の場所に動かす手配を急いでするデ~ス。動かすのに人手が要るなら、比叡と初霜と夕雲を連れて行くネ。」

 

「前回の作戦で資材を大量に使用したという形にするのですか。分かりました金剛さん。帳簿の方は大淀にお任せください。経理局も文句を言えない完璧な書類を準備しますから。それと、前回の作戦における資材の使用明細ですが…陸軍航空隊が使用した分を水増ししておきましょう。流石に海軍省経理局も、陸軍に文句は言えないでしょうから。」

 

 

「あ~、俺だ。海軍大臣を頼む。…お、久しぶりだな。貴様も元気か?それよりも…経理局に抜き打ちで監査をさせるとは、どういう事だ。何?要求してくる資材の量が多すぎるだと?何言っているんだ。こっちは、艦娘の子達を良い状態で維持する事に苦労しているんだぞ。第一うちの金剛が、毎回ちゃんと根拠を提示した書類を提出しているだろ。友達甲斐のない奴だ。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるからな。先日の件、敷島様に知られたら…貴様も家庭で大変な事になると思うんだが…そうだろ?魚心あれば水心。ということで今回の件は、よろしく頼む。」

 

 

「金剛、書類の体裁は整ったな?とりあえず、海軍大臣に圧力をかけたから、形だけの監査に終わる筈だが、仕事熱心で反骨心がある奴が監察官に居るかもしれんからな。油断は禁物だぞ。あと明石と夕張、明日は工廠で待機していろ。経理局に例の場所に踏み込まれないように気をつけろよ?」

 

「分かっているネ、提督ぅ。その辺りの細かい数字合わせはOh-Yodoがちゃんとやっているデ~ス。それと余剰分は、全て前回の作戦で、陸軍航空隊と空母が使用した事にしてあるから、口裏を合わせておくデ~ス。そのおかげで、赤城達空母の燃費が凄く悪い事になっているけどサ~。何か言われたら、文句は陸軍に言ってくれとexcuseするか、空母の改修のために予算をもっと出して欲しいと言えばいいネ!」

 

「了解です、提督。余剰資材の管理は明石にお任せください。経理局に踏み込まれそうになったら、何故か知りませんが、工廠のクレーンが監査官の目の前に倒れるかもしれませんけれど。ねぇ夕張?」

 

「明石、あまりやりすぎるなよ?よし、これで明日の監査は大丈夫そうだな。金剛ご苦労だった。それと明日、経理局に何か言われても、全ての予算と資材は鎮守府で適正に管理されている…という事で押し通すぞ。…まったく、海軍省にも勘弁して欲しいものだ。余剰資材なしで作戦を遂行するなんて、考えたくもないぞ。」




何気に、私のお話で明石さんを出すのは初めての気がします。戦闘艦とは少し違う立場の明石さんですが、このお話では鎮守府の工廠を取りまとめる立場に居る艦娘という形で登場させました。そのため…ある意味この鎮守府の運営組でもある金剛一味の一員として活躍している…といいますか、予算や資材を十分に確保して部下を動かす…という意味で、こうならざるを得ない状態だったりしますw。まぁ、本人は半分趣味のような感じの仕事のようですから、その準備という事で張り切っていそうですが^^;。今回のエピソードで、大体このお話に出てくる鎮守府の組織が出せたかな…と考えています。どう考えても金剛さん&大淀さんは、提督と共に真っ黒ですが、明石さんもかなり黒に染まっているな…とw

さて今回登場させた明日葉。私の家では時々この時期に食卓にのぼります。今回の話を切欠に少し調べてみると八丈島でよく食べられる食材のようですが、はじめに来るほろ苦さと、後からくる甘さを両方楽しめる野菜として、個人的にはとても好きです。ちなみに我が家では、明日葉は天婦羅にする事が多いのですが、馴染みの飲み屋では今回の話のように卵とじにして出してもらったり、お浸しで出ることが多いような…。ということで、今回のお話は私の馴染みの料理屋での一場面を参考にしているかもしれませんw

とはいえ、この料理。どうしても苦味が最初に来ますので、子供向けではないような気がします。またこれに合わせる日本酒となると、やはり話中に出したように、あまり香りが強くない日本酒の方が合うかな…と個人的には感じていますが、この辺りは色々と好みがありそうですね^^;。いずれにせよ、暁達には少し早過ぎる味であったことは間違いなさそうです。

今回のイベント、基地航空隊を使用することで非常に多くの資源が飛んでいきましたが、あれは金剛さんが水増し請求していたのですかねw。ということは、どこかにその差分の資源が眠っているのか…(これで実際のゲームの運営が何かの補填で、資源を各1万ずつ戻して来たら、大笑いな事になるのですがw)。今回のイベントは春風こそ落ちましたが、結局親潮は来ずに終了です^^;皆さんは何とかなりましたか?

今回も読んでいただきありがとうございました。




明日葉の卵とじ
明日葉:一束
卵:二個程
出汁:400 mL
醤油:60 mL
日本酒:30 mL
味醂:30 mL
砂糖:10 g
塩:少量

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