鎮守府の片隅で   作:ariel

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少し迷ったのですが、記念すべき第一話の赤城さんは、少し中途半端な形になってしまいましたから、改めて赤城さんの話にしました。食べ物の方は、おそらく皆さんも好きな(私も大好きです)コロッケにしています。


第二二話 赤城とコロッケ

「これは…私一人では、とても無理ですね…。赤城さんに手伝ってもらいましょうか。」

 

私のお店に積みあがったジャガイモの山…北海道に進出していた軽巡洋艦の阿武隈さんが、鎮守府に戻ってきた際に、私のお店に運び込んでくれた物なのですが…これだけ大量のジャガイモどうしましょう…。ジャガイモは日持ちしますので、少しずつ使っても問題ないのですが、折角の新ジャガイモですし…急いで牛挽肉を購入してコロッケにしてしまおう…と考えました。とはいえ、これだけのジャガイモの皮を剥き、細かく切って潰す…となると、私一人ではとても無理です。それに、玉ねぎや牛肉と混ぜる作業も考えると…やはりここは、赤城さんにお手伝いをお願いした方が良さそうですね。

 

 

「鳳翔さん…赤城来まし…なんですか!?このジャガイモは…。凄い量ですね。赤城が食べてもいいのですか?」

 

「…頑張って手伝ってくれれば、赤城さんも食べられますよ。今日はこれを使ってコロッケを作りますから、ジャガイモの皮剥きや潰す作業を手伝ってください。たぶんこれだけの量ですと、200個近いコロッケが出来ますから、今日売れ残ったコロッケを赤城さんにあげますよ。」

 

「200個近いコロッケから、今日売れ残ったコロッケを全て食べて良いのですか!?赤城、一航戦の誇りにかけて頑張ります!」

 

赤城さんの気合は十分なようですから、しっかり働いてもらいましょうか。それに…コロッケは鎮守府食堂でも人気メニューと聞きます。ですからたとえ200個のコロッケを作ったとしても、注文が殺到するでしょうから、赤城さんの手元に残るのはそれほど多くないと思ます。報酬としては、丁度良いところでしょうか。それでは、ジャガイモの下準備は赤城さんに全て任せてしまい、私はそれ以外の作業をしましょう。

 

「赤城さん、それではそのジャガイモの皮を全て剥いて、火が通りやすいように小さめに切り分けてください。かなりの量がありますので大変だと思いますが、よろしくお願いしますよ。」

 

「鳳翔さん、お任せください!ジャガイモの皮剥きは得意ですし、切るだけなら問題ありません!」

 

赤城さんの料理は、味付けが少し濃いようで、若い妖精さん達には受けが良いのですが、ベテラン妖精さんには少し不評だと、私の艦の烹炊長から聞いています。ですが料理の腕はそれなりの物があるようですから、今回のように下準備は任せてしまっても問題ありません。

 

それでは私の方は、一緒にコロッケに入れる玉ねぎを微塵切りにしていきましょうか。200個コロッケを作るとなると…玉ねぎは20個程微塵切りにすれば十分でしょうか…。少し大目になるかもしれませんが、玉ねぎを大目にして甘みの強いコロッケにしても良いかもしれません。目が痛くならないように、手早く微塵切りにしてしまいましょう。

 

 

赤城さんの方も順調なようですね。見る見るうちに、切ったジャガイモの山が出来上がっていきます。これが瑞鶴さん辺りにお手伝いをお願いしていたら、おそらく今の半分も終わっていないでしょうね…。それでは、微塵切りにした玉ねぎに火をとおして、ついでに牛挽肉と今の内にあわせておきましょう。流石にこの量ですから、中華鍋でも使わないと無理ですね…。

 

まずは温めた中華鍋にバターを入れて、ここに微塵切りの玉ねぎを入れて、弱火でじっくり火を通していきます。あまり強火にして一気に炒めてしまいますと、せっかくの玉ねぎに焦げが出来てしまい、苦味が出てしまいます。ですから、ここは玉ねぎを焦がさないようにじっくり火を入れて、最終的に飴色になるまで炒めなくてはいけません。

 

 

玉ねぎがしんなりしてきましたね…。それではここに牛挽肉をあわせます。今回は大量の玉ねぎですから…投入する牛挽肉の量も3kg近いです…。大きめの中華鍋を使っていますが、それでもかなり大変ですし、私も力仕事は苦手なのですが…ここは頑張りどころですね。大体火はとおったでしょうか…。最初に入れた玉ねぎも飴色になっていますし、良い色合いになりました。後は味つけのために、ここに日本酒と砂糖、醤油そして胡椒を入れていきましょう。ここでしっかり味つけをしてしまえば、後からコロッケにソースなどをかけなくても、美味しく食べる事が出来ます。ですから、ここで今回のコロッケの味が決まってしまいますので、この部分は赤城さんに任せずに私が行わなくてはいけません。…えぇ、いい感じの味がつきましたね。ここにジャガイモが入りますので、玉ねぎと牛肉の部分は少し濃い目の味で問題ないはずです。後は、これをジャガイモと混ぜるために冷やしておけばOKですね。赤城さんの方はどうでしょうか。

 

「赤城さん、どうですか?順調に行っていますか。」

 

「鳳翔さん、全く問題ありません!赤城頑張りました。もうジャガイモを茹ではじめていますから、後少しで下準備が終わります。こんなに頑張ったのですから…今日余ったコロッケ…全部赤城にくださいよ?」

 

やはり赤城さんを、食べもので釣ったのは正解だったようですね…。いつも以上のモチベーションで働いてくれました。しかし…寸胴鍋に一杯のジャガイモ…これは潰すのも相当大変ですが…、やる気満々の赤城さんであれば問題ないでしょうね。私より、はるかに力がありますから…。

 

「赤城さん、それでは大体ジャガイモに火が通りましたら、申し訳ないですが茹でたジャガイモを取り出して、しっかり潰してください。」

 

「お任せください!」

 

これだけの量のジャガイモです。いくら赤城さんと言えども、全てを潰し終わるまでには、かなりの時間が必要でしょうから、私はそれまで他の料理の下準備をしていましょう。今回作るコロッケは牛肉コロッケですから、あまり具材の中にお芋の塊が残っていない方がありがたいのですが、赤城さんの力であれば問題ないでしょう。

 

 

「鳳翔さん!全部潰し終わりました。…それにしても、やった本人が言うのも変ですけど…凄い量ですね。これだけあれば、どれだけの量のコロッケが…ジュル…ハッ!」

 

赤城さん…たしかに潰したジャガイモが山のようになっているのは壮観ですが、まだコロッケにもなっていない材料だけを見てヨダレを垂らすのは、止めてください。

 

「赤城さん、それでは私が作った玉ねぎと牛肉の具と、赤城さんが潰したジャガイモを少しづつとって、ボウルに入れてしっかり混ぜてくださいね。…摘み食いは駄目ですよ!摘み食いしたら、コロッケは食べさせませんからね。」

 

「だ…だ…大丈夫です。摘み食いなんてしません…たぶん。赤城にお任せください!」

 

少し信用出来ない返事ですが、流石に報酬のコロッケを棒に振ってまで摘み食いはしないと思いますから、赤城さんに任せましょうか。私は衣の準備を今のうちにしてしまいます。後は、赤城さんが混ぜた物を適当な大きさに丸めて小判型にして、衣をつければ揚げる前のコロッケが出来上がります。

 

コロッケの衣…今回は、具に味がついていて玉ねぎも大目に入っていますから中身はシットリすると思います。ですから衣の部分は、サクッとした食感を出したいですね。溶き卵に小麦粉、そしてパン粉で少し厚めに衣をつける事を考えれば、これくらいの量を準備しておけば大丈夫でしょうか…。後は、出来上がった揚げる前のコロッケを保管しておくためのバットを準備して…。

 

「鳳翔さん、第一波準備完了しました!続いて第二波の準備に取りかかります…いよいよですね…コロッケが出来上がるのが、今から楽しみです…ジュル…」

 

「赤城さん…まだ赤城さんのお腹の中にはコロッケは入りませんよ。赤城さんがコロッケを食べられるのは、閉店後ですから…。」

 

「グルグルグル…目の前にこんなに美味しそうなコロッケが並んでいて食べられないなんて…気が狂ってしまいそうです…しかし一航戦の誇り…こんなところで失うわけには…」

 

その瞬間、盛大なお腹の虫の音と共に、まるでこの世の終わりでも見たかのような顔を赤城さんが見せましたが、ここで甘やかしてはいけません。勿論、開店前に賄い食は出す予定ですが、コロッケは商品ですから閉店までお預けです。

 

さて、まだあまり立ち直っていない赤城さんは放っておいて、最後の仕上げをしましょう。赤城さんが混ぜてくれたジャガイモと玉ねぎと牛肉を、適当な量に取り分けて手でお団子上に丸めていきます。後はお団子状の物の中央部を潰しながら小判型にして…小麦粉を薄くまぶしたら、溶き卵をつけて、パン粉をまぶして…どんどんバットに並べていきますか。流石にこれだけの具材となると、私がやっても一苦労ですね。…ひー、ふー、みー、よー…全部で約200個…これだけコロッケが並ぶと壮観ですね。とはいえ、私の予想ではこのほとんどが今日一日で無くなってしまいますので、赤城さんの手元に5個も残れば御の字でしょうね…。一応保険はかけておきますか…。

 

 

「いらっしゃい、天龍さん、龍田さん。」

 

「あっ、鳳翔さん。今日はコロッケがあるんだな。悪いけど、俺達に2個ずつ出してくれよ。龍田も食べるだろ?」

 

「勿論よ、天龍ちゃん。鳳翔さんのお店にコロッケがあるのに、注文しないわけないじゃな~い。」

 

「鳳翔さん、長良達にもコロッケ2つずつ、お願いします!」

 

早速、コロッケの注文が入りましたね。天龍さんと龍田さん、そして長良さん達四人が2つずつ注文ですから、急いで12個揚げてしまいましょう。…パチパチパチ…コロッケが揚る音がいいですね。あっという間に小金色の美味しそうな塊が出来上がっていきます。出足は好調のようですね。

 

 

 

航空母艦 「赤城」

 

 

えっと…今、軽巡洋艦達6人が注文したコロッケの合計は12個…一人あたま2個ずつ…そして、一日にお母さんのお店を訪れる艦娘の数を50人と見積もれば…残り100個!私の手元に、あの美味しそうな塊が100個…100個も残ります!今日の閉店まで…一航戦の誇りにかけて頑張らなくては…。あぁ…閉店が待ち遠しいです!

 

 

「ぱんぱかぱ~ん!鳳翔さん、今日はコロッケがあるんですって!?4つお願いします!」

 

「こんばんは、鳳翔さん、高雄にも4つ揚げて下さい。」

 

なっ!私のコロッケが…。どうして4つも…ここは一航戦の誇りにかけて、ちょっと文句を言わなければ!

 

「愛宕さん、高雄さん!あまりコロッケを食べていたら、太りますから。2つずつにしてください!あまりたくさん注文されると、赤城の分がなくなり…」

 

「赤城さん!」

 

…うぅぅ…お母さんに睨まれました…。愛宕さん達の目の前にあの美味しそうな塊が…4つも…私の物になるはずのコロッケが…。あっ…また1つ、愛宕さんのお口の中に消えて…あぁぁぁ…

 

 

あれから次々に艦娘達が来店しては、コロッケを注文していきます。今日はいつもよりもお客さんが多くないですか!?しかも皆コロッケを注文していきます…。とどめは、長門さんを始めとする戦艦達…なんですか!あの注文は…。まるで私に対する嫌がらせの如く、一人10個も注文しました。流石に長門さんに対して文句は言えませんが、思わず睨みつけてしまいました。…しかし長門さんは、そんな私の視線など何処吹く風で、次々と『私の』コロッケを口の中に…あぁぁぁ…もう、勘弁してください。残りのコロッケは25個…。私の計算では100個余るはずだったのですが、何処で計算を間違えたのでしょうか。しかし、もうそろそろ閉店時間です。このままいけば…。

 

「鳳翔さん、こんばんは~。瑞鳳から、今日は鳳翔さんのお店にコロッケがあるって聞いたんだけど…まだ残ってる?翔鶴姉と空母寮でゆっくり食べたいから、持ち帰りいいかな~?」

 

…五航戦…まさか、彼女達まで私の邪魔をするつもりでしょうか…。加賀さんではありませんが、先輩を敬うという教育が足りなかったのかもしれません。いくつ注文するのか分かりませんが、私のコロッケが更に減る!?…そんな。

 

「まだありますし、持ち帰りも大丈夫ですよ、瑞鶴さん。いくつ揚げましょうか?」

 

「う~ん、翔鶴姉の分も含めて15個頂戴!」

 

バンッ!…もう我慢出来ません。これ以上赤城のコロッケが減ってしまっては…。思わず机を叩いてしまい大きな音が出たため、瑞鶴さんが驚いてこちらを見ています。!そうです、折角こちらの存在に気付きましたから、ここは一航戦の誇りにかけて瑞鶴さんにプレッシャーをかけて、注文を思いとどまらせ…。

 

「赤城さん!」

 

ひっ…お母さんに更なるプレッシャーをかけられて、私の方が黙ることになりました…。肝心の瑞鶴さんは、私の方を不思議そうに見ただけで、注文はそのまま…。瑞鶴さん…食べ物の恨みは怖いですよ…覚悟しておいてください。先輩を敬わない五航戦には、空母寮に戻ったら加賀さんにお願いして、海軍精神注入棒の出番です!…あれだけあったコロッケが…結局私の手元に10個だけ…そんな…あれだけあったのに…。

 

「赤城さん?震えているようだけど、何かあったの?」

 

「あ!加賀さん…い…いえ、なんでもありません!ところで、今日は遅かったのね?もうすぐ閉店よ?」

 

そういえば、いつもであればもっと早い時間に来店する加賀さんが、今日は来ていませんでした。なんでも提督から用事を言いつけられていたようで、今日はこの時間まで仕事をしていたそうです。…猛烈に嫌な予感がします。

 

「鳳翔さん、今日はコロッケがあると聞いていたのですが…まだありますか?」

 

「えぇ、大丈夫ですよ加賀さん。今日は遅くまで仕事大変でしたね。いくつ揚げますか?」

 

「残りは、そこにある10個だけですか?それでは、全部お願いします。流石に私もお腹が空きました。」

 

!!!!!!お腹が空いているのは、私もです!加賀さん!私のコロッケが…私のコロッケが…。しかし、ここで加賀さんを止めようとしても、お母さんのプレッシャーが…私のコロッケをどうやって守るべきか…。

 

「か…加賀さん!?コロッケのような油物ばかりでは、太りますよ?コロッケは一つにして、野菜の煮物の方が良いのではないですか?」

 

「??どうしたの?赤城さん。あなたらしくもない。流石に今日は私もお腹が空いているので、しっかり食べたいだけです。いつもはそれ程食べませんから、大丈夫よ。」

 

あぁぁぁ…お母さん、コロッケを全部揚げないでください…それ…赤城のものです…。あぁぁ…私のコロッケが、加賀さんの目の前に並んでいきます…そして加賀さんが一つずつ口の中に…これほど加賀さんの笑顔を憎らしく思った事はありません。あぁぁぁ…あと一個だけ…私のコロッケの最後の一個が…加賀さんの口の中に…消えました…。

 

「ふぅ~、流石は鳳翔さんのコロッケ。美味しかったです。ありがとうございました。今日はもうすぐ閉店だと思いますから、もう帰りますね。赤城さん、それではまた後ほど。」

 

憎たらしいまでの笑顔で、加賀さんが店を出て行きます。そして今日のお母さんのお店も閉店しました。あれだけあったコロッケの山…残ったのはやるせない怒りだけ…お腹がすきました…。

 

 

 

鳳翔

 

 

閉店と同時に、赤城さんが崩れ落ちるように床にへたりこみました。いえ…何を考えているかは分かっています。あれだけ、今日のお客さんにコロッケを食べないように…とプレッシャーをかけていましたから、どうせ碌でもない計算をして、自分のコロッケの取り分を計算していたのでしょう。ですが、コロッケは他の艦娘にとっても大好物の一つです。最後の加賀さんは計算外でしたが、おそらくこうなるだろうな…という私の予想は当たりました。

 

…まぁ、保険をかけておいて正解でしたね。

 

「赤城さん、ごくろうさまでした。今日は作る手伝いから、最後まで本当に助かりました。ありがとうございます。」

 

「う…うぅ…赤城のコロッケが…」

 

どうやら、全然私の言葉も耳に入っていないようですね…食べ物一つで困ったものです。とはいえ、赤城さんがコロッケを食べたかったのはよく分かります。仕方ないですね…。

 

「赤城さん?実は後から少し食べようと思って、コロッケを10個取り分けていたのですが、一緒に食べませんか?あまり元気がないようなので、無理にとは言いませんが。」

 

ガタッ!…赤城さんが急に立ち上がって、私の方に突進してきます。…娘のような子とはいえ、この反応は怖すぎます。目が血走っていますし、表情も…尋常ではありません。そんなに食べたかったのでしょうか…。

 

「ほ…ほ…鳳翔さん!食べます!勿論食べます!余分に取ってあったのなら、言ってくださいよ~。赤城、全力で食べます!」

 

いや…一応私の分も入れて10個なので、全力で食べられたら困るのですが…。まぁ、いいでしょう。とりあえず赤城さんも少し落ち着いたようなので、取り分けていたコロッケを一気に揚げましょうか。

 

 

 

航空母艦 「赤城」

 

 

流石お母さん!ちゃんと取り分けてあったなんて、思っても居ませんでした。おそらく開店前に取り分けていたのでしょうけど、赤城は全然気付きませんでした。しかしこれで、私も念願のお母さんのコロッケを食べる事が出来ます。席に座って大人しく待っていると、お母さんがコロッケを揚げていく音がここまで聞こえてきます。…あぁ…いい音ですね…待ち遠しいです。

 

「はい、それではこれは赤城さんの分よ。熱いですから、ゆっくり食べるのですよ。」

 

私の目の前に7個のコロッケが並んでいます。たぶんお母さんが気を使って、赤城に多めに揚げてくれたのだと思います。本当にうれしいです。いえ、そんな事よりも…早速いただきます!あぁ…まだ表面の油がパチパチしている…本当に出来たてのコロッケ…一口では流石に大きすぎますから、まずは箸で少し大きめに切って…

 

…美味しいです。待った甲斐がありました。表面の衣が少し厚めでサクッとしていて、中のしっとりした具との対比が素敵です。中の具は赤城も手伝いましたから知っていますが、ジャガイモと玉ねぎと牛肉が入っています。玉ねぎの甘さと牛肉の香りと食感…これがジャガイモの中から現れると本当に最高です。ジャガイモの部分も自分が作っただけあって、美味しさも一塩です。

 

しかも今回の具は、最初から味付けをしていたので、何もつける必要がありません。しっかりとした味のついた玉ねぎと牛肉の旨味、そしてそれらが染み込んだジャガイモの味が口の中に広がって…そして胡椒の僅かにピリッとしたアクセント…本当に言う事なしです!…これは、箸が止まりません。

 

 

…あっという間に、私のコロッケが無くなりました。一心不乱に食べていたので、今気付いたのですが、お母さんも私の方を見てニコニコしています。

 

「赤城さん、幸せそうですね。本当に美味しそうに食べているので、私も見ていて嬉しくなりましたよ。今日は手伝ってくれて本当にありがとうございました。…これ、空母寮に戻ったら食べなさい。」

 

あっ…箱の中にコロッケが3つ…。やっぱり、私がいくつになっても、お母さんは、お母さんです…。今日は私にとっても、本当に幸せな一日でした。こんなに幸せな気分になりましたから、五航戦への教育的指導は中止ですね。美味しい物を食べると、恨みも消えていくというのは、たぶん間違いないと思います。




何故か知りませんが、たまに凄く食べたくなるコロッケ。野菜コロッケ、蟹クリームコロッケ、コーンコロッケなど色々な種類があるコロッケですが、私が一番好きなコロッケは、今回登場した牛肉の挽肉が入った牛肉コロッケです。同じ肉入りコロッケでも、合い挽きを入れたコロッケもありますが、やはり牛肉コロッケが自分の中では一番なんですよね^^;

コロッケは市販の物を買ってきても安く美味しく食べられますが、やはりここは自分で作りたい所です。少量ですと手間もそれ程かかりませんので、我が家では時々、私もそうですし家内も作ります。自分で作ると微妙な味なども調整できますから、やはり自作が一番かな…。

コロッケ(4-6個)

じゃがいも :大2-3個
玉ねぎ   :半分くらいで大丈夫
牛の挽肉  :80-100gくらい

日本酒   :適量
みりん   :適量
しょうゆ  :適量
胡椒    :ちょっとだけ
(味付けは個人の好みで)

小麦粉   :衣の下地
溶き卵   :一個分
パン粉   :衣の部分 (厚さに応じて適量で)


さて私の小説では、二度目の赤城さんの登場となりましたが、やはり食べもの系の艦これ二次小説を書くうえで、赤城さんはキーキャラになるのかな…と思います。ですから、まだ書いていない子が居るのに、二度目かよ!というのは無しでよろしくお願いしますm(_ _)m。しかし、ふと目次を見直して見ますと、実は各艦種で、私の一番好きなキャラって、まだ書いていないんですよね…。温存しているという訳ではないのですが、自分の好きなキャラって、思い入れといいますか、自分独自の受け取り方も色濃く入ってしまうため、逆に書きにくいんですよね…。

ちなみに私の好きな艦ですが、基本的には、長きに渡って国を守るために戦い抜いた艦が好きなため、以下のような感じです。

戦艦:榛名 (開戦から、最後は呉鎮守府で浮き砲台となるまで戦い抜いた艦)
空母:瑞鶴 (帝国海軍機動部隊は瑞鶴と共にあり!帝国海軍で一番好きな艦です。)
軽母:鳳翔 (最初の空母にして最後の空母。帝国海軍の空母の歴史ですよね)
重巡:利根 (真珠湾からミッドウェー、南太平洋、マリアナ、レイテと戦い抜いた艦)
軽巡:矢矧 (登場は遅いけど、天一号作戦で二水戦の旗艦として大和と共に沖縄へ)
駆逐艦:初霜 (数々の海戦に参加し、天一号作戦でも生還した武勲艦)

ということで、鳳翔さんを除く5隻の話はいつ書けるかな…と私も心配になっていたりしますw。まぁ、外伝などの形で少し出してからになりそうですね^^;

今回も読んでいただきありがとうございました。私もようやく帰国できるため、少しホッとしています。

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