幸せに生きたい少女   作:ヒロー

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じゅうにわ     いのち

自室に帰り、デリバリーで頼んだマルゲリータを食べながら『お友達』からもらった血を入れてあるワインボトルから、空のグラスに血を注ぎ入れて口に含みます。

 

「ふむ・・・。この、喉越しは16歳くらいの女の子AB型かな?」

 

利き酒ならぬ利き血をしてみながら、まだ見ぬあの人ことヒソカさんについて考えます。

 

どうしましょうか?戦う?いいえ、それはだめです。

勝つか負けるかの戦いではなく、殺すか殺されるかの戦いになるのは間違いなく、重要度が高い人物である彼を殺すのはまずいです。だからといって、手加減をしたら逆に私が殺されるかもしれません。

 

そうですね。天空闘技場に彼が現れたら私は天空闘技場から去ることにしましょうか。

結論を下した私は、マルゲリータをゆっくりと食べ終えた後、残りの血を一息で飲み干して、シャワーを浴び湯船に浸かり、一日の疲れを取ってからお気に入りの浴衣に着替えて、ベッドに入り就寝したのでした。

 

 

 

 

天空闘技場のリングの上、自らの手で殴りつぶしミンチになった死体を無感動にアーデルハイトは眺めていた。

 

「また殺したああああああああ!!」

「・・・勝者アーデルハイト選手!!」

 

「「「おおおおおおおおおおおおおおおお」」」

 

悲鳴に近い解説の声。疲れたような審判の声。そして観客の大歓声。

 

「アーデルハイト選手!これで無敗のまま、相手選手を皆殺しにして3連勝!」

 

それらを背につまらなそうにアーデルハイトは、会場を後にした。

 

 

ここ天空闘技場を訪れて2か月以上が経過しました。

当初感じた懸念通り、ここの念応力者のレベルは総じて低いようです。

やはり、大した収入にも、経験にもならないなら貯金があるうちにここを去るべきですかね。

 

 

「やぁ♥君凄いね♥」

「・・・どなたですか」

「あっごめん♠ボクの名前はヒソカ♥よろしくね♥」

「私の名前はアーデルハイトです」

 

帰り道の通路で声をかけられました。

ここ2か月以上会わないと思ったら、とうとう会っちゃいましたよ・・・。

 

「知ってるよぉ♥君の試合見てたからね♥」

「そうですか・・・」

「僕も200階クラスでね♠久しぶりに試合の申し込み来たんだ♥どうだい次の試合僕と対戦しないかい♥」

「申し訳ないですが、お断りします。私ここから出ていくことにしたので」

 

対戦の申し込みを断り、悩んでいましたが、天空闘技場を出ていくことを決定。即座に、その旨を伝えます。

 

「え♠どうして出ていくんだい?」

「ここにきて2か月以上たちますが、200階クラスでの試合はお金になりません。私もっと、お金稼ぎたいんですよね。」

 

嘘ではありません。一番の理由はここのレベルが低くいことですが、それを話したら自分と戦えばいいという話になりそうですから、話さないだけです。

 

「そう・・・♦それは残念だ♠そうだ、これボクの連絡先♥何か困ったことがあったら連絡してね♥」

「あ・・・ありがとうございます」

 

断るのも面倒なのでとりあえず受け取ります。でも、何があってもあなたに助けを求めることはないです。

 

「ところで今夜一緒に食事「申し訳ありません。これから予定があるので食事はお断りさせていただきます」

 

食い気味に言って、その場を足早に立ち去りました。

 

「・・・・・・♦」

 

 

 

あれは、無理です。

戦うの大好き。殺すの大好き。そんな禍々しいオーラが漏れ出していました。

 

私もそれなりに人を殺してしまっていますが、彼のように楽しいからという理由で殺したことは一度もありません。ヒソカさんとは相容れないそう思いました。

 

 

 

例え話になりますが、食卓に並ぶお米は農家の方が汗水流して、一生懸命働いて作ったものです。

それを知っていれば、食べ残すなんてことはできないはずです。

それにもかかわらず、ヒソカさんは知っていながら食べ残すどころか、面白いからという理由で食べずに捨てるのです。

 

―――そんな、もったいないことをするなんて、本当に人の命を何だと思っているのか・・・。

 

ヒソカさんに対して呆れとも怒りともいえる感情を抱きながら、できる限りヒソカさんに関わりたくない私は、お店で買っておいた大きめのキャリーケースに荷物を詰め、絶をしながら天空闘技場を早々に後にするのでした。

 




ここから時間の経過が原作開始に向けて早くなりそうです。

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