幸せに生きたい少女   作:ヒロー

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通算、十話超えました。


じゅういちわ    ぬるい

―――数週間後。午後8時30分。

 

「今日、注目の一戦です!200階まで対戦相手を皆殺しにしてきたアーデルハイト選手対6連勝中無敗のエンカ選手による異色のルーキーと無敗の実力者との一戦!どちらが勝利するのでしょうか!」

 

あれから、黒髪黒目になった私は直ぐに、200階クラスでの参戦を申し込みました。

ですが、対戦相手が決まるまで時間が多少かかりました。

念能力者と相対するのはこれが初めてなので、とても楽しみです。

 

そういえば、最近水見式を改めてしてみたら、葉っぱどころかコップと水も腐ってしまいました。予想していたことですが、普通に特質系になっていたようです。

え・・・?目が赤くなった状態・・・?

???何を言っているのかわかりませんが、私は本来、碧眼ですよ?

 

「使えない相手に対して随分粋がっていたようだが、それもここでおしまいだ」

「そんなつもりはないのですが・・・」

 

考え事をしていたところに、対戦相手の方が冷やかな言葉をかけてきます。

ここまでの試合確かに、対戦相手を全員殺してしまいました。しかし、それはあくまで事故や不可抗力と言ったもの。仮に裁判になったとしても無罪になることでしょう。

それなのに「粋がってる」なんて、人聞きの悪いことを言ってくれますね。

 

まぁ、実力者と言われているようですし、この試合には期待しましょう。

でも、私の円展開範囲は今現在、直径約31メートルほどなんですよねぇ。

今は夜ですし、この狭いリング上なら、いつでも腐らせることが出来ます。

ですが、ゴリ押しばかりして勝利しても、もしもの時本当に苦戦する可能性を考えると少しでも経験を積みたいです。

それにこの試合が映像に残ることを考えたら、知られたところでどうにかできるようなちゃちな能力ではありませんが、能力はあまり発動しないようにしたいところです。

 

「それでは・・・始め!」

 

開始の合図を聞いて基本である凝をしてから、今回は、先手を取ろうと前へ―――。

 

「ファイアーボールッ!」

「――――はぁ!?」

 

私は驚愕の声とともに炎に包まれた。

 

「決まったああああああ!エンカ選手の得意技ファイアーボールだああああああああ!!」

 

「「「おおおおおおおおお」」」

 

「ガキのころ住んでた家が燃えたんだ。それからだ・・・火に対して強い恐怖と憧れを抱くようになったのは・・・ふっ、まぁ成仏しろよ」

「いえ、生きてますけど」

 

呆れた声を出しつつ、ひょっこり炎から姿を出します。

何か語りだしてましたね。この人・・・。

 

「ぉぉおおっと!アーデルハイト選手無傷!服が所々焼けて煤けていますが無傷です!」

「な・・・馬鹿な無傷だとぉう」

「ええ、温かったですよ。あなたの炎」

 

いきなりでしたから、驚きましたけどタバコや練炭、ガスストーブと暖炉に焼却炉とバーナ等に比べればかなり温いですねぇ。

 

「うふ。父さんのおかげですねぇ」

「舐めた口をならばもう一度食らえ!ファイアーボーッ・・・ぐぅぇ」

「馬鹿の一つ覚えに同じことしかできないのですか・・・」

 

一瞬で間合いを詰めて首を断ち切りました。

はぁ・・・。失望です。

 

「おおおおおエンカ選手の首があああああ!」

「・・・勝者アーデルハイト選手!」

 

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお」」」

 

初めての念応力者相手の実戦だったのに、弱すぎて参考になりません。

もしかして、天空闘技場の念応力者のレベルは総じて低いのでしょうか?

こんなのが紛いなりにも実力者扱いされているなんて・・・。

 

―――そういえば出会いたくないですけど、見ないですねぇあの人。

 

試合相手のレベルの低さに呆れながら、自室へと帰えることにしました。

 




―――そういえば出会いたくないですけど、見ないですねぇあの人。
・・・それはフラグ!

エンカ選手

新人狩り3人衆以上カストロ未満。

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