IS 漆黒の雷龍   作:レインスカイ

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あの人は見掛けによらず、実はかなりの実力者だったんですよね。
なお、今回は視点がコロコロコロコロと変わりますので要注意です。


意外な才

Ichika View

 

更衣室での着替えを終わらせた後、グラウンドに向けて走り出す。

シャルルは先ほどの軽い脅しが効いたのか、俺に並んで全力疾走をしていた。

グラウンドには間に合った。

 

一組と二組の生徒の…多分、七割程は集合しているだろう。

マドカは妙に疲れているようだが…

 

「何かあったのか、マドカ?」

 

「ラウラがむやみに走りだしたから、グラウンドに案内するのに…手間取って…」

 

「ああ、なるほどな」

 

当の本人であるラウラはケロッとしている。流石は現役軍人、ポーカーフェイスの達人だな。

今は鈴と何やら話をしている。

手紙には鈴の事も書いていたから、仲良くなれると信じていよう。

 

「全員整列しろ!授業を始めるぞ!」

 

千冬姉の号令に、俺も生徒の列に加わる。

ラウラは指先までピシッとのばしている。さて、俺も集中しようか。

 

 

 

Lingyin View

 

「では、今日から近接格闘実戦訓練を開始する」

 

千冬さんの号令に、私もラウラに倣って背筋も指先ものばす。

一夏の手紙に、私や簪やマドカも一緒に便乗させてもらい、ある程度は親しいつもりでいた。

まあ、実際に向かい合ってみると…なんか堅苦しいのにどこかユニークなような…妙な感じだ。

 

一夏の事を聞かれたりしたけど、ちょっと言葉を濁した。

 

ラウラも一夏のPTSDの事は知ってる。発作を起こした現場に居合わせ経験もあるようだし。

左手の後遺症の事も知ってるらしい。

それが悪化して、一夏は感情を失った事を話したけど…何故、悪化したのかは話すべきかどうか悩んだ。

まあ、そのタイミングで授業が始まって助かったかな。

 

「今日は戦闘訓練を行う。

…そうだな、…凰!オルコット!前へ出ろ」

 

「えぇっ!?あたしぃ!?」

 

「な、なぜわたくしまで!?」

 

「専用機持ちはすぐに始められるからな、前に出て機体を展開しろ」

 

まあ、指名されたからには仕方ないわね。

一丁、やりますか

 

「はぁ、なぜわたくしまで…」

 

セシリアも乗り気じゃないらしい。

 

「お前ら、少しはやる気を出せ。

…アイツにいいところを見せられるぞ?」

 

あたし達に千冬さんが耳打ちしてくる。

途端にセシリアがやる気を出すけど…現金な奴だと思う。

それにしても千冬さんは意地が悪いなぁ。

一夏には簪が居るのを知ってるのに。

まあ、オフレコにしてほしいって、一夏と簪に頼まれてるから、あたしは黙ってるけどさ。

絶対に千冬さんは面白がってるわね。

セシリアは一夏と簪の関係をしらないからこその、この反応。

 

「それで、相手はどちらに?

鈴さんとの勝負でも構いませんが」

 

「…現金な奴…本当の事を知ったらどうなるんだか…」

 

「何の事ですの?」

 

「なんでもないわよ」

 

まあ、バレたら一夏と簪を助けてあげようかしら、後で奢ってもらうけどさ。

 

「オルコットと凰の相手だが」

 

その瞬間、妙な音…というか、声が聞こえた。それも「ど、どいてくださ~~い~~」と間抜けな声が…

 

「上から!?」

 

方向は殆ど真上、山田先生が錐揉みしながら落下してきていた。

危険を察知したらしく、一夏とマドカがISを展開して飛翔する。

 

「兄さん!」

 

「任せろ!」

 

一瞬で指示を出し、即座に実行。

的確に山田先生を空中で受け止め、静止した。

あの二人兄妹だけに良いコンビよね…。

 

「た、助かりました~。

ありがとうございます~」

 

「…次からは気をつけてください」

 

「兄さんの言う通りだ」

 

「は、はい…」

 

…どっちが教師だかわからない。

山田先生が地面に降りてから私も甲龍を展開し、双天牙月を構える。

今回の訓練内容は近接格闘訓練。あたしや一夏の十八番だけど…。

 

「セシリア、アンタなんでスターライトを構えてるのよ?」

 

念のために確認してみるけれど、一夏は視線を明後日の方向に向けていた。

よし、発作は起こしてない。

 

「わたくしの得意武器ですもの♪」

 

「たわけ!今日の訓練内容は近接格闘訓練だ!

とっととブレードを展開しろ!」

 

「は、はいぃっ!」

 

千冬さんの怒鳴られてセシリアはインター・セプターを展開し、右手に握る。

でも浅ましくスターライトを左手に握ったままだったので、出席簿で頭を豪快に叩かれるのだった。

 

「とっととその射撃武器を仕舞え!」

 

「は、はいぃっ!」

 

「セシリア、あなたまさかとは思うけど、近接格闘訓練を未だにやってないとか言わないでしょうね?」

 

返事は無かった。その代わりにこめかみの辺りから汗がツーッと一筋流れ落ちるのが見える。

 

「ほほう、オルコット。

以前は織斑兄妹に近接格闘であれだけの目に遭っておきながら自分の欠点を克服しようともしていなかったのか。

代表候補が聞いて呆れる」

 

あたしも衝撃砲を扱う際の欠点は自覚してるので、ハイパーセンサーを上手く使いこなせるように訓練はしている。

まだうまくいってるとは言えないけど。

 

「今日の訓練ではその射撃武器の展開を禁じる、いいな」

 

「は、はいぃぃっ!!」

 

 

 

 

 

Ichika View

 

鈴とセシリアがコンビを組み、山田先生を相手に模擬戦が始まった。

その間にシャルルが『ラファール・リヴァイヴ』についての説明をスラスラとこなす。

流石はフランス出身の国家代表候補生、自国が開発したISに関しての知識は豊富なようだ。

 

そうやって解説をしている最中、5分も経っていないのだが戦闘が終わった。

結果は鈴とセシリアの惨敗だった。

元日本代表候補生相手では分が悪かったようだ。

なお、やはりセシリアは近接格闘訓練をしていなかったようで、素人丸出しだった。

鈴が懸命に攻めているものの、容易に避けられ、時には受け流されている。

そしてトドメはセシリアを鈴にぶつけ、二人が言い争いになっているところにグレネードを投擲し、爆発させる。

なかなかに豪快だ。

山田先生は振る舞いが子供っぽいところは有るが、今後は敬意を持って接しよう。

 

 

「では、専用機持ちをリーダーにして、各自訓練を始めてもらう。散開!」

 

千冬姉の合図で生徒が散らばって…いかなかった。俺とシャルルの所に密集している。どうしろってんだよ…。

 

「この馬鹿者どもが!

出席番号順に散れ!」

 

これにより、マドカ、鈴、セシリア、ラウラ、シャルル、そして俺の所に人数は平等に散らばった。

1グループにつき、7~8人程になった。

 

「それじゃあ訓練を始めようか」

 

学園に配備されている訓練機は2種類。

俺が格納庫から選んで持ってきたのは、日本製第二世代量産機である『打鉄』だ。

汎用性よりも安全性を重視、これが訓練の基本だろう。

実習で使う際には『打鉄(うちがね)』と『ラファール・リヴァイヴ』のいずれかを選べる。

グラウンドを見回してみると、『打鉄(うちがね)』を使っているのが俺、マドカ、鈴の3グループ、『ラファール・リヴァイヴ』を使っているのがシャルル、ラウラ、セシリアの3グループだ。

くっきりと分かれたようだ。

 

「待て、織斑兄」

 

スタートしようと思った矢先にストップが入る。誰かと思えば千冬姉だ。

 

「どうしました?」

 

「他のグループとメンバーを一人入れ替える。いいな」

 

「了解」

 

で、俺の所のグループに入ってきたのは

 

「おりむ~、よろしく~」

 

簪に続く、一年一組の癒し系女子、のほほんさんだった。

で、こちらのグループから追い出されるのは誰なのか。

 

 

「篠ノ之、お前はデュノアのグループに移れ」

 

視線を合わせる事も無く、命令を下していた。すげぇ辛辣だ、今更だが。

 

「わ、私が…!?そんな、何故ですか!?」

 

篠ノ之が文句を言っているが、俺はその騒ぎを無視して、訓練を始める事にした。

 

「出席番号順だと…最初は誰だ?」

 

「は~い!私です!

一年一組出席番号1番!

相川清香!趣味はスポーツ観戦とジョギング、所属している部活はハンドボール部!

寮の部屋は1026号室、ルーメイトはマドカちゃんです!」

 

いや、自己紹介は頼んでないから。挙手してくれればそれだけでいいから。

だが長々とありがとう、今後も妹を頼みます。

 

「訓練を始めよう。

稼動はだいたい出来ると思うから、まずはそのまま歩行を。

続けて武装の展開をやってくれ。

近接戦闘用ブレード、葵をコールだ」

 

「は~い!」

 

そんな感じで各自実戦訓練をやってみる事になった。

 

「こんなに大きいのに全然重さを感じないなんて凄いね~!」

 

「PICの作動は問題無いみたいだな、パワーアシストもされてる。

じゃあ10回程自由にブレードを振るった後、次の人に交代だ」

 

「は~い」

 

視線を別の方向に向けてみる。

ラウラとマドカが少々心配だったが…問題無く、丁寧に教えているらしい。

ラウラも心配していたが、シュヴァルツェア・ハーゼの皆と友人レベルで接していたんだろう、学園の生徒が相手でも大丈夫そうだ。

 

「あの~、織斑君」

 

「ん?どうした…って、まだ搭乗してないのか?」

 

「乗れなくて…」

 

見れば、訓練に使っている打鉄は直立している。相川さんに視線を向けると…苦笑しながら両手を合わせていた。

不審に思い、打鉄(うちがね)を見てみると直立した状態…どうやら飛び降りたな。

 

「授業での訓練では、交代して使用するんだ。

跪ずいた状態にして降りてくれ」

 

打鉄を見上げるが…どうするかな。俺が攀じ登って体位を調整するかな。

 

「織斑君、乗せて!」

 

次の人、井川さんが両手を広げてニコニコと笑っている。

いつでも準備はいいですよ、とでも言いたそうな感じだが…

 

「…どうやって?」

 

「それは勿論」

 

耳打ちで「お姫様抱っこ♪」と言ってくるではないか。

…出来ない事は無いだろうけど…マドカが鋭い視線を向けてくる。

その間にもほかの女子生徒も同じような体勢になっている。

のほほんさん、君もか…。

 

だが全員の微笑みは直後に凍り付く。

 

ジャッコン!

 

そんな音と共に全員の脳天に向けてサイレント・ゼフィルスの射撃ビットが押し付けられたからだ。

揚句にプライベートチャネルを開いて「却下だ兄さん」だそうです。

 

「姿勢を直すから、それから乗ってくれ。

交代する時には、各自姿勢を調整して、次の人が乗りやすいようにしてくれ」

 

ブーイング炸裂。

だが我慢してくれ。

手間を省く為だと俺は俺自身に言い聞かせた。

付け加えて言っておくか。

 

「飛び降りるのは結構だが、捻挫するなりして後悔するのは自分だぞ。

姿勢を整え忘れて飛び降りた場合、授業終了前にはを格納庫に戻してもらうからな。

一先ず、相川さんは決定だな」

 

「織斑君の鬼!」

 

誰が鬼か。至極心外だ。

しかしだ、手伝ってもらうって事だ。

 

 

 

 

 

午前中の訓練が終わり、更衣室に向かうが、その際にはシャルルが時間をずらしていた、それも強要してまで。

体の傷を見られたくない俺としては構わないが、やはり怪しい。

まあ、確信こそしているが、干渉してこないのなら、それはそれで構わない。

アリーナを出て、一旦教室に戻る。

今朝から用意しておいた弁当を手に持った所で

 

「い~ちか!屋上で食べましょ!

アンタの弁当も用意して…」

 

鈴が教室に飛び込んできた。

その手には弁当箱が二つ。

 

「悪い、弁当は間に合ってる」

 

俺の肩に提げられている弁当は俺のだけではなかったりする。

マドカ、ラウラ、簪、千冬姉の分も作っておいたから、弁当箱が合計五つ。

なお、千冬姉にはこれから渡しに行く。

 

「だが同席させてもらうか。

マドカと簪とラウラも連れていくぞ」

 

「まあ、あたしはそれで良いわよ」

 

簪とマドカにメールを送信し…お、ラウラを発見。

 

「ラウラ、一緒に昼飯どうだ?」

 

「兄上、私も同席していいのか?」

 

「一夏さん、わたくしも同行させていただいてよろしいですか?」

 

「セシリアもか?

構わない、屋上に行くぞ。

それと、もののついでに…シャルル、お前も来いよ」

 

訓練の帰りに購買に行っていたらしいシャルルにも声をかけておいた。

相当もみくちゃにされたのか、髪があちこち跳ねている。

疲労しているようだが、午後の授業は大丈夫なのか?

 

「うん…そうさせてもらうよ。

でも一夏、その刀とナイフは何なの?」

 

「…気にしないでくれ…」

 

途中で簪と合流し、更に千冬姉にも弁当を渡しておき、階段をのぼっていく。

長ったらしい階段の果てにあるドアは、女子でも開けるように、とても軽い作りだ。

幸い、屋上はガラガラだった。

女子高らしい、と言えば良いのか、屋上は庭園のようになっている。芝生だって丁寧に手入れされている。

座り心地も悪くない。

 

「さてと、昼飯にするか」

 

ボックス席の一角に座ると、俺の右には簪、左にはマドカが座る。これは既に日常だ。

そしてマドカの左隣にはラウラ、簪の右隣にはシャルルが座る。

…何故かセシリアは不満そうだが。理由は…察しないでいよう、その方が楽だ。

 

「これが簪の弁当、こっちがラウラ、続けてマドカの弁当だ」

 

なお、冷えたりしないように保温機能付きの弁当箱だ。

 

「最後に、俺の分、と」

 

「アンタ、早朝の稽古してからそんなに作ってたの…?」

 

「今日の朝稽古は早目に切り上げさせてもらったんだよ。

鈴やセシリアは食堂を使うと思っていたから、作ってなかった。悪いな」

 

まさかこの二人も作ってきていたとは思えなかった。

 

「それじゃあ、食べようぜ」

 

箸を握り、食事を始める。

うん、アスパラベーコンの焼き具合は調度良いな。

卵焼きは…うん、いいな。

 

「一夏って料理が上手なんだね」

 

「まあな、昔からやっていたから、これくらいは出来るようになるさ。

それに、修行もしていたんだ」

 

ドイツで外国の料理を、更織家では、のほほんさんと簪にもご馳走していた。

おかげで簪と楯無さんの好みは完全に把握し、胃袋を掴んでいる。

 

「兄さんの作った卵焼き、美味しい…」

 

「私はこの野菜スープが好き」

 

マドカと簪もご満悦だ。

で、ラウラは…

 

「…もぐ…もぐ…もぐ…」

 

リスのように頬張っていた。

いや、寧ろ『ウサギの様に』とでも言うべきだろうか?

しかしだ

 

「そんな食べ方をしてたら…」

 

「…もぐ…むぐ!?

む~~~~~!!!!!!」

 

…言わんこっちゃない。

そして案の定、喉に詰まらせてしまい、簪が慌ててお茶を渡す。

これがかつては『ドイツの冷氷』と呼ばれていた人間なのだろうかとさえ思えてくる。

苦笑…なんて俺には出来なかった。

相変わらず感情が出ない。

仕方ない話ではあるが。

マドカが慌ててラウラにお茶を飲ませ、事なきを得た。

 

「ラウラ、さっきの食べ方はなんだ?」

 

「クラリッサから学んだんだ。

日本では迅速に食事をするのが基本なのだと。

それを実践してみたのだが」

 

…牛丼屋だとかのジャンクフード店の話ではなあろうか。

だがそこまで掻き込んで食べる人間のほうが珍しいだろうと思うのだが。

たかが食事で死人を出すつもりなのか、あの人は…?

 

「ラウラ、ハルフォーフ副隊長の話を鵜呑みにするのはよくないからな」

 

「む?何故だ?クラリッサ程に日本文化に詳しい隊員を私は知らないのだが」

 

『日本文化』じゃなくて、あの人の知識は『ヲタク知識』なんだよ…。

 

 

 

 

で、数分後。食事が終わってから

 

「兄上、久しぶりに試合をしてもらえないか?」

 

「やってみるか?」

 

「うむ!」

 

傍に置いていた刀を左手に持つ。鞘をそのままに、刀の柄を右手に握った。

ラウラは両手にナイフを握る。あの頃と同じ、ナイフ二刀流。マドカとは似た構えだ。

 

「「始めるぞ!!」」

 

俺達は、同時に芝生を強く踏み出した。

 

 

 

Charlotte View

 

目の前で繰り広げられている光景に、思わず目を奪われた。

世界唯一の『男性IS搭乗者』である織斑 一夏君が、ドイツの代表候補生と同等に張り合っている。ナイフ二刀流に対し、刀一振りで相手をしてる。

 

「…凄いね…」

 

「一夏は、まだ本気を出してない」

 

あれで本気じゃない…。その言葉に驚愕した。現役の軍人を相手にして、本気を出さずに渡り合うだなんて…。

 

「兄さんの本気は、刀だけじゃない。

武器は刀だけじゃないんだ」

 

「本気を出したらどれだけ強いんだろ…」

 

ISを使わず、白兵戦になったらとてもじゃないけど勝てそうにない…僕の目的を果たせそうにない。

目的…それは織斑 一夏の専用機である『白式』の強奪、もしくはデータの奪取。そして…

不本意だけど、デュノア社の為…。

そして、僕の居場所を守る為に…

 

「どうすればいいんだろう」

 

 

 

Ichika View

 

「此処まで」

 

その言葉を合図に、俺は刀を鞘に仕舞う。

居合を行う際には幾度も行う行動だ。とはいえ、もうそこまで力を入れてはいない。ラウラも逆手に握ったナイフを鞘に戻している。

 

「兄上の刀は、あの頃よりも速くなっていたな」

 

「これでも訓練を繰り返しているからな。

俺はまだまだ未熟者だよ、千冬姉にはまだまだ追い付いていないさ。

…近付いているかもしれないけどな」

 

鞘を腰に挿す。

食後の運動には調度良かったかもな。

簪が渡してくれたタオルで汗を拭った。

 

「そうか…手紙に書いていた通りだったんだな。

今回は良い訓練になったぞ」

 

「お互いにな」

 

「次は私が白星を奪う!」

 

いい心構えだと思う。だが『兄上』と呼ぶのは辞めろ。

早くも諦めているが。

 

「じゃあ、教室に戻るか。

俺は弁当箱とかを寮の部屋に戻してから教室に行くからな。

全員遅れるなよ」

 

それだけ言って、俺は屋上の淵から飛び降りた。教室から飛び降りるのとはまた勝手が違うが、造作もない。

たかが数メートルの差でしかない。




おはようございます。
レインスカイです。今回は実践訓練とお昼の風景でした。
弁当箱は購買で購入した保温機能つきのランチジャーを使用している設定です。
朝に作ったお弁当がお昼になっても暖かいってなんだか嬉しいですよね。
私も学生のころには大変お世話になりました。
それではまた次回!お昼頃にお会いしましょう!

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