最近寝床に睡眠薬を置くのが日常になりつつ本格的に不眠症になってる雨空です。
体育祭編の開幕です。
短くなるかもしれませんが、ご容赦ください。
コスチュームや衣装を提案してくださった皆様に心から感謝します。
ですが某投稿主様、『むしろ開き直って裸一貫で全力疾走』は流石に無いでしょう。
さて、私も知らない分野とも在るようなので、参考資料を探しにBOOK OFFに行かなければ。
Q.今から次回作品に期待していいですか!?
なんなら一夏君による飯テロ作品でも!
P.N.『袋叩き』さんより
A.
気が早すぎますってば、速度違反です。
次回作品に関してですが、まだまだ構想が雑ですし、クオリティがさがり、どのみち福音編までが限界になります。
主人公の嫁が誰になるのかは…以下自主規制
なお、アンチに関してはは以下自主規制。
出来れば、この作品で人気になり、別作者様からも出演依頼が入ったメルクは登場させてあげたいのが本心ですが。
この作品でもお馴染みになりつつある一夏君による飯テロは…別作品に短編集にでもすべきか…う~む…。
Tatenashi View
「さてと、今日は楽しくなりそうだわ♪」
一夏君と簪ちゃんが休学を終わらせたその日の翌日、IS学園では体育祭が開かれる予定になっていた。
修復途中のアリーナも、再度使用の目途も立ってきているからか、全学年が一か所に集まるという稀有な光景。
けれど、肝心の体育祭も、学年での人数に差が出てきてしまっているから、調整が至極大変だったわね。
そこで思いついたのが、体育祭の前座は全生徒を一か所に集めて行わせ、競技自体は別々のアリーナで行わせる、というものだった。
…一か所に集めるのは時間の無駄に思えるかもしれないけれど、その思考はその辺のごみ箱に豪快にダンクシュートしておく。
それによって学業経験による差を完全撤廃させる。
学年別に体育祭を執り行い、それぞれでチーム対抗を執り行う形状だった。
共通しているのは競技内容と、それによる取得得点だけ。
これで凡その公平さを出せるように仕組んでみた。
「うぅ…これでようやく体育祭を執り行えるわね…」
なお、私は先日の件で、『実況』という名義で
ついでにチームのメンバーはといえば
虚ちゃんは最終的には午後の部だけ通常通りに三年生の部に参加するようになってるから、この場に来てたりする。
一夏君は、別の事情があった為、午前中の競技はすべて欠場だった。
「すー…すー…」
その当の本人はといえば、解説者の席にて静かに寝息を立てていた。
背凭れも肘置きも無い、一本足の丸椅子の上で、腕を組み、胡坐をかいて座って寝てるんだもの、どれだけ器用なのよ。
しかも刀とナイフを大切そうに抱えてるんだもの…。
…まあ、仕方ないといえば仕方ないけども、どうしてもイタズラをしたくなるのは人の
「更識先輩」
背筋に突き刺すようなこの冷たさが無かったらなぁ…。
一応誤解は解いた…つもりだけど、根に持たれてるのよね…。
うん、気持ちは判る、私だって盗撮される側になっちゃったら胸糞悪いもの。
だからといって盗撮する側になっちゃったら意味がないわよね。
ごめんなさい簪ちゃん、だから足元に霜を立てるのを止めて!
「次にあんなことをしたら…半世紀先にまでクール便で送り届けるから」
「その脅迫がすさまじく怖い!?」
簪ちゃんの専用機『天羅』の仕様能力は『気圧操作』。
大気全てを掌握し、風から大気中の水の支配にある。
無論、気圧に気温、風速、風向きまで思うが儘。
果ては温度、別の言い方をすれば『熱』すら自在に操るわけだから、大気を急激に冷やして冷凍させたり、氷を作ったり、逆に氷の融解までなんでもござれ。
シンクロ値が急上昇でもしているらしく、機体を展開せずとも、感情で操作が可能になってるから、怒らせると…先日の私のようになっちゃったりしちゃうのよね。
本気で怒らせたら、物の数秒でコールドスリープ、そのまま数日単位から数世紀先にまで送り届けられるだろう。
…これからは気を付けよう…、うん…。
しかも今回は現場には一夏君も現場にいたわけで、千冬さんからしこたま怒られて拳骨だったからな…。
ついでに、デジカメはメモリースティックごと氷で串刺し、お小遣い半減一年間の刑に処されてる。
反省してます、はい。
だから霜柱を立てないで…!
今度からはおふざけももう少し自重しないとね。
問題にならない程度に!
足元と背中から感じる冷たさを極力無視してパンフを見てみる。
えっと…最初は体育祭の花形競技でもある玉入れね。
クラス別対抗にしたかったけど、夏休みあたりから退学した生徒も居り、クラス対抗式は完全撤廃。
ある生徒を代表としたチーム編成式で行う形になった。
これにて人数の差も完全に撤廃可能だものね♪
えっと、玉入れだけど、チームから四人一組で出場して合図が出たら音は時間切れになるか、体力が尽きてバテてしまうまで競技は続く。
「後…コレは面白そうね♪」
午後の競技に設けられている、『仮装障害物競争』を想像してみる。
今年は男子生徒である一夏君が居るからか、被服部がかなり張り切ってたわね。
どんな衣装を用意してくれているんだか。
…ハズレ衣装が無い事を祈りたいわね、本当に。
何故か知らないけど、ラウラちゃんとシャルロットちゃんが口出しをしていたから少しばかり心配だわ。
杞憂に終わればいいんだけど…。
私は見物だけしようっと♪
Kanzashi View
昨晩、皆と一緒に食事をしてから後がすさまじく大変な事になってしまってた。
それは、今日のお昼ご飯の問題だった。
「まさか、こんな事になるだなんてね」
それは、一夏が休学している期間に組み込まれていたスケジュールの一つに原因があった。
その内容は、食堂スタッフとの料理勝負だった。
学園祭に、学園襲撃の後に全校生徒に一夏が惜しみなく手料理だとかドリンクを作った事で、やはりというか、多くの生徒の胃袋を掴んでしまい食堂のスタッフが、また辞職した。
それにより購買部のお弁当の売れ行きが跳ね上がっているけど、私達が一夏が作ってくれたお弁当をよく食べていることで回りの不満と、食堂の残存スタッフの鬱憤が炸裂。
今回の体育祭でのお弁当は、食堂スタッフが作ると言ってきたものの、一夏のお弁当を望む声が多すぎるわけで…とばっちりの形で『一夏VS食堂スタッフ』による料理勝負が執り行われるはずだったんだけど…一夏は休学していたわけだから、鈴達が代理出場。
結果だけで言えば、鈴達の圧勝だった。
で、お弁当だけど…ものがものだけに、前日の夜からキリキリ舞いだった。
早い話、一夏、マドカの二人で徹夜で料理に明け暮れた。
私や鈴を始め、皆も手伝う旨を告げたけど、午前中の競技もあるからということで、早々に退室させられることになり、一夏達は寝ずに料理に集中していた。
「…良い仕事ができた。
じゃあ、俺はこのまま朝の自主訓練に向かうよ」
早朝、部屋に帰ってきた時にそう言っていた。
そしてそのまま目の下に隈をつくったままの状態で早朝訓練に出かけようとしたところで私がストップさせて…今に至る。
生徒全員が集まり、お弁当が配布されてからそれぞれのアリーナに散会するまではよかったけど…ここでとうとう寝てしまってる。
「すー…すー…」
「くかぁ…」
一夏、マドカが静かに寝息を立てて寝ていた。
「兄妹そろって無理しすぎだよ…」
『まあ、見逃してあげなさい。
二人とも頑張りすぎてるんだもの』
私が最後に見たときには、一夏は一人でコンロを20口も同時に相手にしていた。
鈴達でも一人で5口が限界だったのに…。
『手抜きが許せないのかしらね。
お弁当も拘り過ぎだわ』
「お握り弁当でもいいと思ったんだけどな…」
私のお弁当の中は、コロッケに温野菜、それに消化に優しいスープ、デザートにシュークリーム。
…もうお弁当とは言えない気がする。
しかも冷えたりしないようにランチジャーを使ってるとまで来た。
ほかにもいろいろとリクエストが入り、『唐揚げ弁当』『生姜焼き弁当』『サンドイッチ定食』『スタミナ牛弁当』『おにぎり弁当』『ヘルシーサラダ定食』その他諸々etc、etc…。
それら全てのリクエストに応じてるんだもん…今から将来が少し心配だな…。
それと、重箱だとかバスケットを幾つも見たのは…きっと気のせいだと思いたい。
「かんちゃ~ん、玉入れ、頑張ろうね~!」
「うん、行こう、本音!」
本音は私と同じチームになってた。
えっと…クラス対抗制度が今年は撤廃されチーム対抗制度になってたけど…。
一夏とマドカをリーダーとした『蒼色』チーム
シャルロットとラウラをリーダーとした『緑色』チーム。
私とメルクがリーダーとした『赤色』チーム。
セシリアと鈴がリーダーの『黄色』チーム。
以上の四つ。
なお、箒は黄色チームに入ってる。
「えっと…私、撮影の為とはいえ、場違いな気がするんですけども…」
虚さんは…う~ん、三年生なのに撮影班として一年生の会場に居るわけで…ちょっと居心地が悪そうだった。
…手にはデジカメ…お姉ちゃんの仕業…じゃなくて、クラスメイトに撮影をせがまれたらしい。
うん、変な写真を撮影してたら現行犯で没収ってことで。
この人に限ってそれは無いと思うけど。
「大丈夫だよ~♪
楽しむのに学年なんて関係無いから~♪」
「では、見物ということで…」
「さあさあ、競技を楽しみましょう!♪」
お姉ちゃんはいつも楽しそうだなぁ…。
ヴィィィーーー!
競技スタートの合図が放たれ、全員が自分たちのクラスの籠の足元へ走っていく。
玉をいくつも纏めて掴み、放り投げる。
入るものもあれば、入らない玉もあるのは当たり前。
投げ入れる玉が無くなってしまえば、束博士お手製の無人機、アースガルズがフィールド上に補充してくれるから投げる玉の限界数が無い。
「こぉンの学園は牛舎かぁぁぁぁぁっっ!!」
二組の方向を見れば、鈴が絶叫してるのが見えた。
えっと…玉を投げ入れるときにはジャンプする人もいるわけで…えっと、その…。
…絶叫してる鈴には悪いけれど、放置して、続行される競技に集中することにした。
「そ~れ♪」
鈴の絶叫が聞こえてる中、何故かお姉ちゃんがテントから飛び出してが必要以上に跳ねるものだから、鈴の絶叫が続く続く…。
全力でからかってるみたいだった…。
そんな絶叫が続く中、一夏とマドカは…
「くかー…」
「すー…」
…信じられないほどに熟睡していた。
マドカは体操服で、一夏は制服姿のままで。
一夏にせよ、鈴にせよ、そっとしておこう…。
Ichika View
誰かの叫び声が聞こえた気がしたが、気のせいだろうか?
少しだけ眠りが阻害された。
遠目に見えるのは…鈴?
何を叫んでいるのかはわからない。
まあいい、どのみち俺とマドカは午前中は欠場なんだ。
このまま眠らせてもらうとしよう。
「…ん?」
背中に何かが触れるのを感じる。
ダルいが、少しだけ視線を向けてみると
なんだ、マドカか…。
くぁ…眠ぃ…もう少し寝とこう。
真昼間から寝続けるとか普段じゃ絶対にやらないんだが、久しぶりの徹夜だったんだ、多少のわがままは許されるだろう。
いろいろとスケジュールが入って寝る時間を削ってはいたが、自分なりにいろいろと改善して、眠りの質を濃くすることによって、短い時間で充分な休息をとれるようにとかしてみたからあのスケジュールを捌けるようになったが、やはり眠いものは眠い。
ゆっくり寝てやろう。
異論は聞かない、今は睡眠こそがジャスティスだ。
Laura View
午前中は兄上が全競技欠場ということで、多大なハンデが発生してしまわないか考慮された。
兄上の瞬発力と、類稀なる脚力があればリレー形式の競技では圧勝が可能だとみていたのだが、昨晩からの行動が祟って…とうよりも事前からそれが決められていた為、欠場は仕方がなかった。
その為、チームメイトが安堵していたのは…まあ、私のせいではあるまい。
チームの生徒全員が多くの競技に出られるように、そして可能な限り勝利できるようにと話し合った結果がこれだった。
体育祭のようなイベントは軍の中にはなかったからか、やはりこういう行事は私からすれば新鮮に感じられる。
この学園の部活動は、学園の外に出ることが無い。
様々な国籍の学生がいるため、公式大会では国籍云々の問題が生じてしまうからだ。
その為、部活動は学生にとってはガス抜きになってしまっているのが現実。
この体育祭も、結局のところはそれに近いのだろう。
立て続けに想定外事象が続いている今年だからこそ、それは顕著になってしまっている。
「ラウラさ~ん、チーム対抗リレーの順番が近いですわよ~!」
「うむ、承知した」
「ラ~ウ~ラ~♡」
「ヒィッ!?」
クロエの声が聞こえた気がした。
あの女の対応にはいつになっても慣れない。
兄上には悪いが、あのクロエだけは好きにはなれない。
パシャ!パシャパシャ!
あの音、まさかどこからか撮影されているのか!?
『もしそうであれば…
なにを恐ろしいことを言っているんだリヒトー!?
『恐ろしいとは心外だぞラウラよ。
相棒が一生懸命になっている姿なのだ、見ていて不快に思う者など居る筈も無いであろう?』
「私が不快に思うんだ!」
『安心めされよ、その写真だがお主が兄上と慕う者にも送っておくのでな』
味方は居ないのか!?
この鬱憤、走って忘れるとしよう。
そうしよう。
『これは、よき姿を期待できそうだ』
「それを止めろと言っただろう!」
なお、クラス対抗リレーは一組と三組とでアンカーがデッドヒートを繰り広げ、僅差で勝利した。
競技が終わった直後、解説者席のすぐ近くにクロエを見つける。
「お兄様、ラウラの写真を大量に撮影してまいりました♪」
「悪い、後にしてくれ、眠いんだ…」
「では、携帯端末に送信しておきますね♡」
「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
Melk View
「えっと…あっちはあっちで凄い騒がしいですね…」
見ればラウラさんが空中で固まっている。
えっと…
自分に対して発動ってどうなってるんでしょうか?
天然なところが時折目立つラウラさんですけど、今回のあの行動は理解が出来ないです。
『先程のレース、アンカーの任だったな。
最後の最後で気を抜いてしまったようだな』
「あぅ…もう少しでゴールかと思うと、つい…」
『詰めが甘い、最後の瞬間まで気を抜くな。
普段行っている剣術の稽古と同じだ。
気を抜かずにいれば、普段通りか、それ以上の動きも出来ていた』
「はい、反省します…」
『まあ、あまり厳しい事を繰り返して言うつもりは無いさ。
次に活かせ』
「は、はい!」
テンペスタ・ライトニングのコア人格は結構厳しいです。
時折にお兄さんが見せる厳しい面に似てるんですけど、関連があったりするんでしょうか?
『午後の競技には奇妙な競技があったな』
「『仮装障害物競走』ですね。
体育委員会と被服部がかなり力を入れた競技だそうで、私も…というか、専用機所有者が全員参加するらしいです」
『面白い仮装か、はたまた衣装になるかはどうかは判らんが…まあ、精一杯頑張ってこい』
「は、はい!」
『だが、気を抜くなよ』
「はいぃっ!」
もうこのやり取りだけで脱力しそうです…。
Lingyin View
折角の体育祭、楽しんでやろうかと思ったけど、首位はバストの数値が大きい奴ばっか。
玉入れの時には本音だけじゃなくて楯無さんに、簪に、見物中の虚さんも同じく。
以前から思っていたけど、この学園は牛舎か!
「あ~もう!
思い出しただけで腹が立つわね」
「そんなキリキリしないの、ほい」
差し出されたのはスポーツドリンク。
健康に配慮されているのか、冷えてるものじゃなくてぬるめのそれを受け取り、3割ほど飲み込む。
「ふぅ、…そう言うけど…」
「うん?」
差し出してくれたのは、ルームメイト兼チームメイトのティナだった。
にっくきホルスタインの一人!
昨日の夜はシャワーが終わった後に「このブラ、最高級シルクでお気に入りだけど…サイズがきつくなってきたわね…」とか言ってたわね!
『まあ、成長は人それぞれじゃない?』
うっさいわよ
アタシだってねぇっ!
アタシだっていつかはティナを超えてやるんだからぁっ!
『えっと…頑張ってね…?』
グシャリ
気づくとペットボトルを握り潰してた。
「鈴?どったの?」
「…なんでもない…!」
グシャリ!メキメキメキ!バキャッ!
「………」
「あ、ゴメン…」
「いや、いいけど…本当にどうしたのよ?」
お願いだから前屈みにならないで!
アンタのそのでっかい胸が強調されてんでしょうがぁっ!
「ハミルトンさん、どうされました?」
「あ、山田先生。
なんか鈴が妙に不機嫌で」
不機嫌にもなるわよ!こんなホルスタインが二人の目の前に現れようものならね!
無限の蒼窮と鏡の地平線
無限の荒野と剣の墓標
その狭間に立ち
己を振り替える
次回
IS 漆黒の雷龍
『獄雷冥魔 ~ 領域 ~』
…うぇいっ!?