AWよりも迫力というか奥深さが凄かったですね。
サントラ、パンフ、主題歌CDの全てを購入した私に隙は無い。
円盤が発売されたら、即日購入せねば。
リアルが多忙な為、今以上に不定期更新になります。
織部礼子=オータムって、一夏のや千冬さんのことをどのように思ってたのですか?
P.N.『鱗ロス』さんより
→織斑家両親
幼かった頃は、顔もマトモに覚えていなかった。
組織を牛耳るようになってからは、憎悪していた。
→千冬
朧気だが、覚えている。
実の両親が居ないという自分と同じ境遇を持ちながら、自分とは違い、栄光を掴み表舞台の頂点に君臨しているのが気に入らなかった。
なお、組織を牛耳る者と瓜二つだというだけで一方的に千冬に憎しみを抱いていた。
だが、挑んでも勝ち目がないのを察していた為、間接的にでも苦しませようと思っていた。
→マドカ
千冬が捜索している妹であると知っていた。
同じ顔をしているだけでなく、千冬や一夏を慕っているとも知っていた為、千冬同様に苦しませようと思っていた。
→一夏
何も知らずに平凡な少年として生きていた為、格好の的。
誘拐した先で散々苦しませ、溜め込んでいた苛立ちや憎悪ををひたすらに刻み込む。
人体実験の最中、一夏が『苦しみの続く生』よりも『刹那の死』を望むも、その覚悟を嘲笑い、一生涯続く精神外傷を負わせた。
スコールから指示された人体実験ではあったが、それよる成功など最初から望んでおらず、一夏が苦しんだ果てに死亡した際、誰よりも嬉々としていた。
尤も、一夏による逆襲、二年もの時を越えた復讐は、オータムにとっても想定外だった。
こんな感じですね。
Ichika View
「はぁ…はぁ…!」
訓練場の片隅に置いていたボトルの水を一気に半分飲み干し、残りは頭から被る。
頭を冷やしてから木刀を握る。
「師範、もう一度お願いします」
「うむ、では始めよう」
刹那、師範の大柄な体が消えて見えた。
その瞬間には懐に入られている。
振るわれる木刀を受け流す。
その瞬間には間合いが一気に引き離されている。
戦いは間合いを制することから始まり、それに終わる。
更識家に伝わる『
話を聞いていた分には頭では理解しているが、体が思うように動かない瞬間が幾つもある。
速さがもの言う『
だが、習得は難しい。
ガッ!
幾度も振るわれる木刀をその度にぶつけているが、まだまだだ。
一歩踏み出す瞬間には間合いは引き離されている。
かと思えば、懐に入り込まれ、打ち上げられる。
かろうじて反応は間に合った。
だが足が地上に戻るよりも先に木刀が振るわれる。
そのまま俺だけ空中にとどまるのを強制されるかのようにいくども木刀を咬み合わせる。
こんな経験はシャルロットと生身でやりあった時以来だ。
時折思っていたが師範、この人は千冬姉とはベクトルが違う系統での武人だ。
いや、暗部に通じているからこその近接戦闘特化か。
実際には武器を選ばない御仁だ。
俺が下宿していた時には、刀だけでなく、槍、薙刀、大太刀、斧、二刀小太刀、組討術、居合、弓、苦無、投擲、鎖分銅、鎖鎌、暗殺術にも秀でているとか。
刀やナイフに頼り切っている俺には真似が出来ない天才だ。
それに付け加え…
「…また…!」
吹き飛ばされた直後に着地、その瞬間には懐に。
蹴りを繰り出しても受け流されるだけでなく投げられる。
「『
分身したかのような勢いで拳が突き込まれる。
木刀で5発は受け止めるが、2発は受け流す。
それでも体に鈍い痛み、再び吹き飛ばされる。
訓練場の壁面に足をつけて衝撃を和らげると同時に、体をバネにして跳躍。
今度はこっちから懐に入り込む。
「その意気や、よし…だが!」
木刀を素手で受け止められる。
だが、そっちは
両足で胸板を蹴り飛ばす。
「ごほっ!?」
今度は師範が吹き飛ぶ。
「
先程と同じ、足をバネにして相手に一気に踏み込む技術なら俺も会得している。
ISでは『
考えろ、反応出来ないような速度で接近するようなものではなく…。
「つまり、
「…!」
『臆裏陽』はモーションが大きすぎる。
『陽絡舞』は、そのモーションを極力…いや、全力で…全て削ったものだとするのなら…!
「ほほう、いいぞ!」
反応された。
なら、もっと加速を…!
「そこまで!」
ガガイン!
鈍い音が響いた。
俺の目の前で師範が鼻血を吹き出しながら仰向けに体が傾き
ドッタァァンッッ!!
弩派手な音を立てながら訓練場にて大文字に倒れた。
ガチャァァンッッ!!!!
続けて甲高い音。
見てみれば瓶…しかも酒瓶だ。
アルコール臭が酷ぇ…。
えっと…酒の銘柄は…『鬼殺し』と『スピタリス』だった。
…酒豪も裸足で逃げ出すすさまじく強い酒だった。
「一夏さ~ん、少しは休憩を挟みなさいね~」
「は、はい…ご忠告痛み入ります、絹江さん」
時間を見れば既に昼の12時を越えている。
…鍛錬を始めてから…えっと…8時間が経過していたようだった。
片隅に用意していたボトルもこれにて4本尽きている。
合計1.4Lだったんだがな、それ以上の汗をかいた気分ではある。
まあ、頭から被ってたりしてたら尽きるのも当たり前なわけだが。
「それと、お風呂に入っていきなさい」
「いえ、ですがそこまでお世話になるには」
「 ね ?」
「…お世話になります」
妙に迫力あるんだよな、この人。
別に怖くもなんともない、だが刃向かったら後々が面倒だ。
この人にも鍛錬に付き合ってもらったためしは幾度もあるが、獲物が厄介だ。
絹江さんは嫁入りした人らしいが、そのあとになって自分なりに武術を学んだっていうから『暗部=脳筋』なんてイメージが出来かけてしまった。
簪を見れば、そのイメージが払拭されるわけだが。
そして、この人の獲物は『鋼糸』だ。
長袖の服、その袖の中に仕掛けが在るらしく、近接、間接、遠距離、なんでも自在だ。
なお、俺も教えてもらおうと思ったが、『向いていない』の一言で切って捨てられた。
まあ、実際に本当に刀とナイフと体術にしか向いてないのは自覚してるし。
それでも習得しようとは思っている。
まあ、絹江さんの場合は、その技術をヒスを起こした場合にも使って庭の岩をさいの目切りにしてる時もあるんだが。
ヒスを起こしているのもそうだが、八つ当たりの内容もドン引きだ。
「それにしても、一夏さんも『陽絡舞』習得まで、残り一歩という所まで来ていましたね」
「そうですかね…?『臆裏陽』も習得は結構躓いていたんですけど…」
あとはその
「ですけど、一夏さんはそれを習得した後に『絶影流』に取り込むつもりではありませんか」
「ええ…最終的には、そうなるかもしれません。
すみません、勝手なことをして」
「いいえ、構いません。
それに、私は思っているのですよ。
一夏さんなら、きっと大きな変化を作り出してくれるのではないのかと」
変化、か…。
この人が言いたいのはESの事か?
それとも別の何かだろうか?
「これは私の勝手な想像と期待ですけどね。
貴方なら世界に新たな理を作り出すのではないのか、と」
「大袈裟ですよ、絹江さん。
俺は一介の高校生ですよ?
それはまあ、確かに
「ええ、先ほども言ったように私の勝手な想像です」
あ、そ。
俺が風呂の湯舟に漬かった頃、訓練場の方向から
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~っっっ!!??
私の最後の酒がぁぁぁぁぁっっっっ!!??」
なんて野太い悲鳴が聞こえてきた。
…また仕事をサボっていたツケだとかなんとか。
流石に、床の汚れと、垢と、汗まで混じった酒など飲めないらしく、そのまま掃除したらしい、…師範本人が。
先代当主の威厳はどこに行った…!?
あれから、俺はこの先の戦いが苦しくなるであろう事を想定し、学園を休学して訓練に勤めた。
今日で一週間と三日。
その間に学園の事を忘れる勢いで刀とナイフを振るい続ける。
その間に『絡陽舞』を会得し、『絶影流』の流れに取り込む。
対集団殲滅用の技『絶影・周』で体にガタが来ていたのではこの先は話にならない。
だからこそ、連続過剰運動にも耐えられるようにしたかった。
まあ、本当は『色々と有りすぎたのだから、お前も充分に休養をとれ』と千冬姉から言い渡されたんだけどな。
休むどころか訓練漬けと知られたらどうなるやら。
半殺しは確実だろうな、どうでもいいけど。
幾日か過ぎた頃
「行きます」
右手に刀、左手にナイフ。
その宝刀を共に逆手に握る。
ここから先は…割愛しておこう。
その日の訓練を終え、部屋に戻る。
下宿をしていた頃から使っていたからか、この部屋には愛着がわいてきていた。
自宅にも部屋があるのに、贅沢な考えだと思う
だが、こうやっていつまでもボーッとしているわけにもいかなかった。
更識家に来る直前に、倉持から借りてきたノートパソコンを開く。
そこには俺が思い描くESの形が記されている。
「…宇宙進出技術開発技術ともなれば、それでもスペースシャトルに頼らざるを得ない現状、ESはやっぱり革新的な技術であることは間違いないのかもしれない。
だけど、それを疎ましく思う連中が多すぎる」
ESの開発を邪魔に思うテロリストだとか、利権団体が『神罰』だとか『制裁』だとか言ってあちこちの研究所を襲撃し、殺戮が繰り広げられている。
ただ、妙なことはある。
その襲撃直前まで、レーダーに反応を示さないらしい。
これは倉持の時と同じだ。
歩兵、戦艦、戦闘ヘリ、果てはIS、それら全てがレーダーに反応しなかった。
SF映画とかで見受けられた『光学迷彩』だとかの技術が開発された話も未だに聞かない、技術を隠蔽している可能性のほうが高いわけだが。
いずれにしても、ESには、戦闘に関する技術だとかは搭載したくない。
リミッターとしたところで、それを解除するアホの出現も考慮しなくてはいけない。
考えることが多いなぁ。
開発と、不当な破壊。
そのイタチごっこにもどこかで区切りをつけるべきだろう。
というか、あのテロ団体のしつこさも相当だ。
俺が休学して羽を休めるために学園から出て、橋を渡りきったところで、また待ち伏せしてやがった。
この国の警察、アテにならないにも程があるだろう。
…前回同様に装甲車も兵も斬り刻んでおいてやったけどさ。
本土側に戻っても、復興はまだ途中だった。
CBFの翌日、早朝からの襲撃で倒壊した都市機能も、未だに回復させている途中。
すむ場所を失って仮設住宅で凌いでいる人も少ないとは言えない。
にも拘わらず、休学して学園を出た矢先、本土に渡ってすぐに襲撃を受け、その被害があまりにも大きくなった。
今回の襲撃で、已む無く市街戦闘に切り替えた。
それでも高層ビルが幾つもの砲撃に耐えられずに倒壊し、ドミノ倒しのごとく隣接するビルだとか、マンションを文字通り潰している。
被害総額はとんでもない金額に上り、国外からの支援も要請している。
ボランティアだとか、国連も支援してくれているところに、一か月と少し後に、またもやあの襲撃犯…というかテロリスト集団だ、いい加減にしろ。
いつからこの国は戦場になった。
いや、白騎士事件後、ISが再度正式発表されたころから世界中で冷戦が続いているか。
どこの国もコア欲しさに睨み合いをしているだけで、宣戦布告をしていないだけ。
どこかの国が宣戦布告すれば、
そんな事態を夢見ているだけだ。
それがどうだ、ISの時代を終わらせようと言わんばかりにESエネルギーの新開発。
性別どころか人を選ばない汎用型飛行パワードスーツ開発の発表ときたもんだ。
天災の身勝手、人を見限った、そういえば聞こえは悪いだろう。
だが、いつまでも依存し、迫害、殺戮の道具にしている側にも問題があるだろう。
あくまで俺は中立だ。
だが、謂れなき迫害には反吐が出る。
さっさとそんな時代を終わらせたいとは思う。
…まあ、これも差別的な考えのソレかもしれないが。
束さんの場合は『理解を求めぬ夢への邁進』。
テロリストの場合は『思想に依存した暴虐』。
どちらも善とは言えないかもしれない。
『道具』を『兵器』にするのは人間の
より優れた技術を求め、人間の文明は築き上げられてきた。
だが、それすら腐敗を生み出したというのであれば、人間の存在すらこの世界の過ちだろう。
にも拘らず、人間は同種族でも争い、戦乱を生み出してきた。
『国家安寧』という名義はあるかもしれないが、やってることは『殺戮』のような外道の振舞いだ。
それが今では『思想』に依存しての殺戮、迫害だ。
利権団体の場合は『自分たちだけが正しいのだから邪魔をするな』の一点張りで暴虐を働き続けている。
そしてその『暴虐』を貫くための『司法権力』を手にしている。
なら、そいつらを一掃するのは、どうする?
答えなんて出るはずもない。
奴らはたとえ『迫害』『殺戮』『謀略』を明かされたとしても、蜥蜴の尻尾切りだとか正当化も続けている。
表向きにそれを世間が否定しないのは、風潮が生み出されたため。
そして各個人の臆病さにも原因がある。
…今はこの考えは辞めよう。
答えなんて出るはずもない。
それよりも今は俺の問題をどうにかしないといけない。
ひどい言い方だが『夢』も『理想』も『野望』も『希望』も人間のエゴから生み出されたものでしかないんだ。
裏が在ろうと無かろうと、関係無く、な。
「…っと、もうこんな時間か…。
夕飯でも作るか」
学園祭以降、学園の食堂の味は落ちているからか、自炊することが比較的多くなってきている。
あれから更識家で初めて料理を作ったりしみたのだが、周囲の反応が酷い。
どいつもこいつもorz状態ってどういうこった。
サーモンとバジルのテリーヌ作って完成したら項垂れていたんだが。
コトレッタ・アッラ・ミラネーゼだとか、フィンケンヴェルダーショレーとか作って見せた途端に通夜の雰囲気になったのは失礼にも程があるだろ。
仕方ないので懐石料理を作ったら料理長が壁に頭を打ち付けていたが、どういうこった。
バイトしてたら自然と身についただけだったのに。
…今日は何を考えてもマイナス方向に向かってしまいそうな気がする。
「訓練を続けるか…」
どうやら俺にはそれが今は向いているようだ。