IS 漆黒の雷龍   作:レインスカイ

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Q.簪ちゃんのサービスショットを今後とも期待したいっす!
最大で布地を何%にまで削る予定っすか!?
P.N.『スケヴェ大魔王』さんより

A.ペンネームェ…。
このペンネームで此処に載せるには悩んだけど、投稿主様に押し切られました…。
いや、サービスショットも何も…既に『布地0%肌色100%』やっちゃってますから…


Q.ワイシャツ羽織ったお嬢ちゃん達を見た時よりも…バニーガールなお嬢ちゃんに囲まれた時の方が、一夏君の反応が大きかったわね。
「目のやり場に困る」って言い切っちゃってたね。
下着姿でウロウロするバニー隊よりも刺激強かったの?
そこん所どうなのよ少年?
ちょっとオッサンに教えてみ?

P.N.『とあるレ〇ヴンの真似』さんより

A.
一夏
「ノ、ノーコメントだ!!」


Q.バニーガール姿、誰が一番似合ってると思ったの一夏君!?
P.N.『渡り鳥』さんより

A.
一夏
「ノ、ノーコメント!」


Q.簪ちゃん達だけじゃなくて、メルクちゃんにもバニースーツを着せてみない、一夏君?
P.N.『クローゼット』さんより

A.
一夏
「俺の手で着させろと!?
幻滅されるだけだろ!?」

Q.中学生バニーガールの皆を見て、目の癒しになったんじゃないの?
P.N.『匿名希望』さんより

A.
一夏
「もう止めてくれ…」


煌翼冥天 ~ 儚願 ~

Ichika View

 

襲撃者は簪達に任せて連行させ、俺はバイクを回収してからIS学園への通学に戻ることにした。

大橋を渡りきった先には、やはりと言うべきか千冬姉が腕を組んで仁王立ちをしていた。

 

「…遅刻だ」

 

だと思ったよ。

あんなドンパチやらかした後、バイクで通学したとしても遅刻になるだろうとは思っていた。

…結局こうなるんだよな…。

 

「だが、今回は事が事だ、お咎め無しにしておこう」

 

「そりゃあ有難い話ですよ」

 

とは言え、今回ばかりは流石に気になるところがある。

それも無視などできない点がいくつもある。

こういう学園に通っているからだろうけどな…。

 

「あの連中が搭乗していたISのコアはどこから奪われたものなんですか?」

 

「…国家機密だ」

 

「じゃあ、あのIS、機体は何処から?」

 

「それも踏まえてだ」

 

埒が明かない。

 

「こちらは朝っぱらから襲撃を受けた身だ。

しかもホテルから出て市街地を走っている最中にドンパチやらかしてきた連中だぞ。

その程度、知る必要があるだろう」

 

「知ってどうする?」

 

「起訴なり何らかの処置ができるはずだ。

あのISに搭載されていたコアが複数の国家から奪われたものだとすれば、それぞれの国家に忠告を促し、警告も出来る。

間抜けにも一国家からまとめて簒奪されたのだとすれば、その国家からISコアそのものの管理不行き届きが露見するだろうがな」

 

「国家のバランスが崩れるだろう…」

 

もともと国家間なんぞバランスが取れていたかどうかも疑わしいだろう。

ISコアの一つであろうとも国家の防衛云々が上下する世の中だ。

口には出していないがあちこちの国家がより一つでも多くのコアを狙っている事など言われずともわかる話だ。

奪うどころか奪われていては話にならないだろうけどな。

 

「今更か、俺が言いたいことは言った。

昨日の襲撃の事もあるんだ、俺とてナーバスになるさ。

そこん所、少しは考慮してほしいんだ」

 

「心の片隅に留めておくさ」

 

それならそれでいい。

さて、俺はバイクを駐輪場に停めてくるかな。

 

 

 

 

 

 

「一夏君も本当に苦労しているわねぇ」

 

「他人事みたいに言わないで下さいよ、気が滅入る」

 

昼休み、俺は生徒会室にて茶を啜っていた。そして手元には時折見ている料理の本。

昨日といい、今日といい、立て続けに襲撃なんぞ来たら誰だって気分が悪くなる。

しかもそのターゲットが俺で、周囲への被害を考慮しないようであれば殊更にだ。

銃器を振り回すような連中ばかりで、昨日から発作が何度も起きそうになってそういう意味でも頭が痛いんだ。

 

「おりむ~、お疲れだねぇ…」

 

「のほほんさんは相っ変わらずだよなぁ…」

 

いつも目を細めてニコニコと。

実に毎日が楽しそうだ。

とは言っても、この人がクッキリと目を見開いた瞬間などさして見た覚えすら無いの気がするだが。

まあなんだ、のほほんさんも先日のCBFで各自の機体を弄る事が出来て充実しているのかもしれない。

 

「でも、一夏の気持ちは判るかも…」

 

「ははは、同情してくれるのなら少しは有難いかもな」

 

俺が苦笑いをすれば簪も同様に。

そして虚さんも苦笑いだ。

 

「でも~、いっくんってば考え物によってはモテモテってことだよね~?」

 

「テロリストにそんなモテたくはないんですけどね。

なにぶん、嫌な意味で有名人になっているわけですから」

 

そして束さんはいつからこの部屋に居たんだか。

もののついでにクロエも。

…今更過ぎて口に出す気にすらならないんだがな。

 

「で、何かわかりましたか?」

 

「コアはアメリカから盗まれたものみたいだったよ、それも全部ね」

 

何やってんだアメリカ。

御宅の国のアラスカで調印された条約はどうなってんだ。

世界の警察をのたまっている国家が一番出し抜かれているとか笑い話にもならんぞ。

だが妙だ、ISコアはそれぞれの国家が厳重に管理していると授業でも学んだが、何故こうも出し抜かれている?

束さんが国際IS委員会をのっとってからは、その本部はアメリカから日本に移されたと聞いている。

束さんは国家の動きにもともと興味がなかったのかもしれないだろうが…?

 

「ん~?どうしたのかないっくん?」

 

「いえ、別に…今回のような事がもう二度となければと思いましてね」

 

CBFでの襲撃、夜間での襲撃、早朝の襲撃。

たった二日間で三度も襲撃を受けた人間なんぞ、それこそ片手で数えられる程度しかいないかもしれない。

そこに俺の名前が加わるわけだ、嫌な話だな、オイ。

 

「一夏君、そういうセリフ、ただのフラグになっちゃうからね」

 

ほっとけチクショー…。

ってーか俺の本音なんですよ…。

そしてのほほんさん、ちょっと目を離した隙に肩車なんぞしてんじゃねぇ…。

あ~もう…毎日が疲れる…

 

「ところで一夏君、また何か新しい料理に挑戦でもするのかしら?」

 

「ええ、今度はちょっとばかり時間がかかる料理にでも挑戦してみようかと」

 

開いたページには『豚の角煮』。

味が充分に染み込み、理想的な触感に至るまで二日はかかるとか聞いたことがある。

俺もまだ挑戦もしていないし、自信も無いな。

食堂のバイトとかでも、これだけは手出しさせてもらえなかった。

 

「おりむ~って料理上手だよね~」

 

「少なくとも、壊滅的な味のものを食わされるよりかはマシだったからな」

 

マドカが帰ってくるまではキッチンは俺の独壇場だったからな。

それに、千冬姉は基本的になかなか帰ってこなかったから、さらに俺の料理も拍車がかかって止められなくなったからな。

鈴の家でのバイトもあったし、更識家に下宿させてもらっている間も何度も厨房を借りたよなぁ…。

 

「それに、作った料理を誰かに食べてもらったり、『美味しい』って言ってもらえるのも嬉しいもんですよ。

早い話、『誰かの為に作る喜び』ってやつですかね」

 

だから俺は今でも時たま、皆に弁当を振舞っていたりする。

もちろん、栄養配分とかも計算しているからなかなかに好評だ。

料理人冥利に尽きるというか何というか。

二学期になってからは簪も手伝ってくれたりしているから、ことさらに楽しいんだよな。

 

「ねぇ一夏、この次には何の料理をしてみる?」

 

「そうだな、寒くなってきたら鍋を囲むのも悪くなさそうじゃないか?」

 

「あ、いいね」

 

うん、こういう相談も楽しいもんだ。

 

 

 

「そうね…それじゃあ次はこんなイベントを作ってみようかしら」

 

「楯無さん、今度は何を企てているんですか?」

 

「企ててって…もう少し言い方を選んでくれないかしら?

今度は一夏君も参加できるイベントを、と思ってね」

 

…なんかすっげー嫌な予感…。

俺も参加ってことはすでにフラグがおっ立つどころか確立してるじゃねぇか…。

 

「あら、何かしら一夏君、その目は?」

 

「楯無さん、今度から弁当はお握りだけでいいですね?」

 

「お願いだからもっと手間暇かけて!?」

 

「中身は楯無さんが苦手としている梅干しにしましょうか」

 

「そっちのほうで手間暇かけちゃうの!?」

 

この程度の鬱憤晴らすにはちょうどいいかもな。

で、次は何を企てているのかが気になり、楯無さんの手元の用紙を見てみるが…

 

「何だコリャ?」

 

まったく読めない。

暗部で使われているであろう暗号なのだろうが、俺は下宿させてもらっていた間に、それに関しては一切教えてもらえなかった。

当たり前な話だろうけど。

用紙の上から下まで、そして右も左も暗号尽くめである。

読めない。

何か規則的なパターンとかが見つかればそれを手掛かりに解読が出来るのかもしれないが、そのパターンすら見つからない。

まさに暗号文だ。

 

「そりゃ簡単に読まれたら暗号文にはならないわよ、悪いけど、今度の全校集会まで秘密ね♡」

 

「そうですか」

 

そのまま返すのは癪なので束さんに見せてみた。

 

「ふむふむ、専用機所有者同士でのトーナメントか~。

面白いことを考えるね~」

 

「一度見ただけで暗号を読まれた!?」

 

本当に束さんの頭の中身はどうなってんだか。

一度かち割ってみてみたいかも。

修繕出来る自信は無いけどさ。

 

「んでんで、一般生徒の皆にはそのトーナメントを見てのレポート提出とかも義務付けられてるみたいだね。

それから教師には内緒で誰が優勝するかのトトカルチョまで予定に入ってるらしいね」

 

「…楯無さん、トトカルチョって…」

 

「…アハ♡」

 

笑って誤魔化すなよ。

誤魔化しきれてないからな。

それにトトなんてオッズが大きく傾くのはわかりきってるだろうが。

 

「今度から、おねえちゃんのお弁当はバターサンドイッチだけにする」

 

「簪ちゃん!?

それはいくらなんでも極端すぎるでしょう!?

お願いだからもっと手間暇かけてぇっ!」

 

「バター塗るのも面倒だ、パンの耳でいいだろ」

 

「一夏君!?

誰かのために作る喜びは何処に行ったのよ!?」

 

こういう形ならこの人、完全に落ち込むんだよな。

さてと、それじゃあ事が判ったんだし対策考えておかないとな。

 

「束さん、CBFにて導入した専守防衛型の無人機はまだ動きますか?」

 

「もっちろん!束さんの手にかかれば、無人機の強化なんてお手の物だよ!

さあさあ、だから私にも噂のお弁当を」

 

「防御能力を強化してください、生徒の避難が一番大事ですから。

弁当に関してはクロエに色々と教えておきますよ」

 

「ありがとうございます、お兄様♡」

 

だからお兄様呼ばわりは…いや、もういいや。

 

「ちょっと大変になりそうだし、簪も手伝ってくれるか?」

 

「うん、いいよ」

 

よし、人手ゲットだ。

頼りにしてるぜ。

 

「あ、ちなみにいっくん。

次回のトーナメントだけど、1対1みたいだよ♪」

 

「へぇ、サシでの勝負ってわけか。

そりゃ都合がいいや」

 

輝夜の機体能力は1対複数に向いているが、どちらかというと俺個人としては1対1のほうが俺には向いている節がある。

広範囲攻撃能力があったとしても、だ。

 

「そうだ束さん、訊きたいことがあるんだ」

 

「ん?何かな?」

 

「『オルトロス』って何かわかりますか?」

 

「『オルトロス』…?

何かの神話に登場してくる双頭の犬の名称じゃなかったかな?」

 

双頭の犬、ね…?

引っかかる節はあるが、後々に考えておこう。

 

「のほほんさん、肩の上からいい加減降りてくれないか?

立ち上がれないんだが?」

 

「私、重くないよ~?

おりむ~ってば失礼なぎにゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

簪と虚さんが背後に回っていたらしい。

何をしたのかは…まあ、いいや、気にしないでおこう。

素直に降りてくれたのならそれでいい。

 

 

 

 

そして夕食時、食堂にて

 

「ほほう、専用機所有者同士での対戦式トーナメントか」

 

「ああ、そういう事を次のイベントとして画策しているらしいんだ。

ちなみに今回は俺も参加な」

 

現在、学園に通っている専用機所有者は10名だ。

その大半が1年生だが、実力は大きく伸びていると言える。

中には俺に弟子入りしている奴も居る程だ。

 

「まあ、たとえ優勝しても景品となるものがあるかは判らないんだけどな」

 

「それって、優勝しても得があるってわけでもないんじゃ…」

 

シャルロットの危惧は尤もな所だ。

現在は景品は用意されていない、現在は(・・・)だ。

後々に用意されるのかもしれないが、俺はあまり興味がなかったりする。

 

「どのみち、来週月曜の全校集会で正式な発表があるらしいから、それまでトレーニングにいそしんでいようぜ」

 

「でも、使えるアリーナは数が限られてわよね~」

 

鈴の視線が酷く冷たい。

辞めてくれその視線、兄貴だって辛いんだ。

ってーか不可抗力だ。

暴れすぎだ黒翼天。

 

『知るかボケ』

 

薄情な相棒だった。

まったく、特異体質ってのも辛いもんだな。

まあ、アリーナがブッ壊れているのには俺も一役買ってるからあんまり黒翼天の事も強くは言えないけどな。

けどまあ、第8アリーナなんて文字通り全壊していたわけだし。

 

「でも、実力試しにはもってこいですよね。

未だに対戦したことの無い方や先輩も居ますから、視野も広がります。

一般性との皆からしても、学べることが多いんじゃないでしょうか」

 

メルクがいい娘でホントに良かった。

場の空気を一変してくれてるよ、デザートフリーパスを渡したのも無駄じゃなかったようだ、今度作る弁当は奮発してやるからな。

 

「確かにそうだね、いつも同じ人との対戦ばかりじゃ限りがあるから」

 

「うん、CBFはスピードを競う競技だったからそこまで戦闘を意識してたわけじゃないよね」

 

簪もマドカも的確な事を言ってくれている。

もう俺が言えることなんて無いんじゃなかろうか。

 

「自分なりに新しい課題も見つかるかもしれませんわね」

 

「セシリアは並列思考(マルチタスク)がまだまだ甘いしね~。

操作できるBT兵装もようやく30って所みたいだし~」

 

「マドカさん、お願いですからもう少し穏便な物言いをしてくださいませんか…!?」

 

セシリア、撃沈、と…ご愁傷様、一回戦でマドカと当ったら敗退確定かもな。

 

さてと、俺も課題といえば射撃攻撃だ。

ドイツでも鍛えたつもりだが、まだ甘い節がある。

もうちょっと命中性を上げていきたいな。

後は…そうだな…ラウラが今回の一番のダークホースかもしれない。

AICに捕まったら最後だ、カノン二門で吹き飛ばされておしまいだな。

こりゃあ俺は超高速機動訓練も必要になるかもな。

誰にも止められないような速さに至る位に…。

 

「まあ、目の前の問題を一つ一つ片づけていこうか…。

山積みかもしれないけど、一度に抱えてちゃ潰されるだけだからな…」

 

とはいえ、どの問題から片付けるべきか…。

・襲撃犯とその背後関係

・どこぞから奪われたコアの入手ルート

・各自の訓練

 

そして今年恒例のイレギュラーな事態への対応、と。

やることが多すぎる…。




訓練ががまた始まる

今度の見せ場は大きな垣根を越えたものになる

クラスどころか学年をも越えて

そして誰もが奮闘する

自分の力を信じて

更なる上を目指し…

次回
IS 漆黒の雷龍
『煌翼冥天 ~ 氷狗 ~』

あ、兄上ぇ…た、助けてぇ…

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