IS 漆黒の雷龍   作:レインスカイ

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大きな網を張っているのはどちらでしょうか。

Q.『紅椿』は出ますか?

A.予定皆無です。
そもそもバラされてますから。
でも、コアだけは登場してもらう予定です。


狂勇災典 ~ 逃遁 ~

Ichika View

 

そして演劇が始まる。

しかし…何故こうなったのか。

今の俺は演劇の舞台を右に左にと走り回っている。

『全力で(以下省略)』

その原因は他ならぬ楯無さんだ。

何故か知らんが、王冠を寄越せと言い寄ってくる女子一同。

いや、俺以外女子しか居ない学園だからそれは仕方ないけどさ。

そして俺が走った場所には苦無に似た形状の刃が突き刺さる。

これは知っている、中国の手裏剣だ。そしてそんな危険なものをブン投げているのは

 

「一夏ぁっ!その王冠を寄越しなさいよぉっ!」

 

ドレスという極端に走りにくい衣装をしている鈴だ。

なお、そんなもんをブン投げられていては王冠を渡す暇も無い。

 

「いい加減走り回るのも飽きてきたな…そもそも学園に入学してからなんで俺だけ毎日走り回らなけりゃならないんだ…」

 

バルムンクとナイフを抜刀。

鈴の中国手裏剣を弾き飛ばす。

だが、コイツは同じものを何個持っているのやら。

袖から、スカートから、背中から、胸元から、手品師かよ…。

とはいえ、所詮は鈴の小さな手だ、一度に投げられる数も上限がある。

当たらないものはスルーし、命中しそうなものは刀とナイフで弾き飛ばす。

俺を仕留めたいのなら拳銃でも持って来い。

発作を起こして恰好の的だ。

そんなことをすれば千冬姉とマドカが黙ってないだろうがな。

 

「ああ!もう!面倒くさい!

兄貴に飛び道具が通用しないのはわかりきってるから、こっちに切り替え!」

 

今度は青竜刀を抜刀してくる。甲龍お得意の二刀流のようだ。

俺に二刀流で渡り合えるつもりかよ。

最近はメルクだけでなく、鈴まで剣の特訓に付き合い始めているから、実力はそれなりに知っている。

メルクと比べてみると、剣速は劣るがパワーはそれなりだ。

細い腕だが、膂力は損所そこらの女子よりは上だ。

 

「かかって来い!」

 

「甘いわね、アタシの目的はアンタに勝つ事じゃなくて!」

 

ギィン!

お互いの刀がぶつかる。二刀流と二刀流の剣舞に観客席が沸き立つ。

別の方向から視線を感じ、後方へ跳ぶ。

俺の居た場所に針が…いや違う、矢が突き刺さっている。角度からすると…

 

「あそこか!」

 

視線の先にはセシリアが居るのを発見。

舞台の端にある塔の形をしたセットの窓部分から狙い撃っているようだが…あんな巨大なセットを誰が作った…?

俺の事情を察してだろう、スナイパーライフルではなく『吹き矢』だ。またレトロな物を引っ張り出してきたものだ。

だが30mは離れた場所に命中させる技量は見事言わざるを得ないだろう。

だが、俺が対処をする必要は無さそうだ。

何故なら

 

「兄さんに何をするつもりだ貴様ぁっ!」

 

「ひぃいいいいいいいっっっ!?」

 

マドカが片づけるからだ。

なので俺は目の前の鈴に集中集中!

悪いが一気に片づけるか。

 

ナイフを鞘に仕舞い、刀も同様に鞘へ収める。そしてその鞘ごと左手に持ち、右手を柄に。

この構えは鈴も知っている。二刀流よりも最速の一閃。

 

「や、ヤバ…!」

 

「逃がさないぜ!」

 

駆け抜けざまに抜刀!

狙うのは青竜刀の刃の付け根の部位。

ギャギィッ!と耳障りな金属音が響く。

これだけで青竜刀は根元から折れた。

まずは鈴とセシリアがリタイアだ。

 

「お疲れさん」

 

「あ~もう!悔しい!」

 

舞台から飛び降りると今度はシャルロットだ。

 

「ごめんね一夏、僕も出演することにしたんだ♪

それに一夏は事態が悪くなると下に向かって逃げる癖があるのは僕も知ってるからね♪」

 

そうか、そうか、態々お前も俺の逃げ道をふさぎにかかってくるのか。

 

「だったら容赦しないぞ」

 

シャルロットが持っているのはボウガンだ。

セシリアに続いてまたレトロなものを…。

なんだ?

IS学園のどこかのクラスではアンティークショップだとか武具屋でもやってるのか?

…あ、2年4組で展示で西洋の武具一覧展とかやってたっけか。

…ボウガンがアンティークと呼べるのかは俺には理解できないが。

 

「僕もだよ!王冠、渡してもらうから!」

 

ボウガンの特徴は知っている。

弓に矢を番えるまでは弓矢となんら変わらない。

ただ、照準をつけるのに、片手だけで出来る。

それが違いだ。弓矢と拳銃の間に存在する武具、それがボウガンだ。

だから、その欠点は弓と同じだ。

 

ビュッ!

 

矢が俺の体を掠める。

それから次の矢を番える。

ボウガンは弓と同様に連射が出来ない。

連射性が無い代わりに、複数の矢を一度に射出するボウガンも存在していたらしいが、シャルロットの持つボウガンはそれに当てはまらない。

そして

 

また矢が飛んでくる。

刀でそれを弾く。

これくらいは今は容易に出来る。

対射撃攻撃訓練で幾度も繰り返してきているからな。

 

「嘘っ!?」

 

「終わりだ!」

 

逆手に抜刀したナイフでボウガンの弦を切断した。

弦が無ければ矢を番えられない。

すると射撃もできずにジ・エンドだ。

 

「悪いな、なんで王冠を狙っているんだか知らないが、面倒そうな気がするから。

じゃあなっ!」

 

「一夏、まってよぉっ!」

 

追いすがってくるシャルロットを後ろに俺はセットとして作られた塔を駆け上る。

その頂上に待っていたのは…

 

「ラウラとマドカか」

 

二人が両手に持っているのはナイフだ。

そういえばこの二人、白兵戦で使う武器は同じだったな。

 

「兄上、悪いが王冠を渡してもらうぞ!」

 

「いいや、兄さんの王冠をもらうのは私だ」

 

二人同時にするのは面倒そうだ。

なので…少々悪巧みをさせてもらうか。

この考えなら時間も省ける。

 

「なら先ずは二人で勝負しろ、それで負けた側と俺が対戦してやるから」

 

「勝負だラウラ!」

 

「望むところだマドカ!」

 

…人の話の途中でこの二人はナイフでの近接格闘をおっぱじめる始末だ。

人の話は最後まで聞け、そして『負けた側』と言った筈だぞ。

二人の内、勝った側はリタイア、負けた側もそのあとで俺と戦えるはずもないので同時にリタイア確定だ。

なのでマドカ、ラウラ、揃ってリタイア確定。

俺は二人が白兵戦をしている間に塔の後ろに用意されていたロープウェイを使い、別の塔へと移動していく。そして到着した先で待ち構えていたのは

 

「…また面倒な奴が…」

 

篠ノ之だった。

 

「い、一夏!王冠を渡してもらうぞ…!」

 

「お前まで参加してたのかよ…!」

 

どいつもコイツも…この王冠に何の意味があるっていうんだ?

 

「あれからずっと考えていたんだ…。

私に無い何かを」

 

「…で?答えは出たのか?」

 

「…いいや、まだだ…」

 

「まあ、簡単に答えが出せる問いじゃなかったからな。

あっさり答えを出していたとなると、それこそ信用できずに見下げ果てていたぜ」

 

互いに刀を構える。

『剣で語る』。

暑苦しい話だが、コイツにはソレが一番(しょう)にあっているのかもしれない。

俺はそこまで暑苦しくはないのだが。

 

 

それにしても…なんでドイツもコイツも王冠を執拗に狙うんだか。

物語の設定では機密文書内蔵だとか。

俺だってこの王冠を外せるものなら外してしまいたい。

だが、実際に内蔵されているのは機密文書ではなく、悪質な仕掛けだ。

取扱説明書なるものには『自分から外すと感電します♪』とまで書かれている。

文章自体とそのノリのなんつーミスマッチぶり。

危険なことを記しているにもかかわらず『します♪』って…。

書いたのは楯無さんだな。

 

「…やれやれ…ここから逃げても追ってくるだろうからなぁ…」

 

だったら動けないようにしてやるだけか。

篠ノ之が振り下ろす刀を弾き飛ばし、左手でナイフを引き抜き、順手に持ち替える。

そのまま体を回転させ背後からナイフを振り下ろす。

 

ビリビリビリビリィッ!

 

ナイフで肉を裂いてもこんな音はしないだろう。

俺が切り裂いたのは篠ノ之が纏っていたドレスだけだ。

それを背後から上から下まで余さず裂いた。

 

「な、な、な、な!」

 

「あ…やっちまったか、コレは。

じゃあトンズラだな」

 

更にオマケとばかりに拾っておいた中国手裏剣を投擲。

残ったドレスの生地を塔の床に縫い付ける。

 

「じゃあな!」

 

どんな状態の顔になっているかは知らんが、これで篠ノ之は動きたくても動けまい。

仮に俺の手でドレスを切り裂かれたなどと証言したとしても、肌が斬られていない事を指摘され、信じてもらえないだろう。

それを実践させるのも苦しい話だ。つーわけで篠ノ之はこれで終わりだろう。

これにてマドカ、ラウラ、鈴、セシリア、シャルロット、篠ノ之は撃退した。

他に居るとすれば。

 

「見つけましたよお兄さん♪」

 

おっと、メルクが居たな。

 

「お手合わせお願いします」

 

他の面子とは違い、メルクはドレス姿ではなく制服のままだった。

更にメルクの腰にはシンプルな十字剣が携えられている。

左腰と腰後部に携える形になっているのは、俺の影響だろう。

 

「ああ、いいぜ」

 

メルクが抜刀し、俺と同じ構えになる。

こうして見ると本当に鏡合わせのようだ。

 

「参ります!」

 

「来い!」

 

互いに地面を強く蹴って一気に肉薄する。

刃と刃がぶつかり合い、火花を散らす。

それも一度だけではなかった。

5秒で合計8回。

そこから今度は鍔迫り合いになる。

 

「ずいぶんと速くなったなメルク」

 

「これでも修行していますからね!

お兄さんをずっと目標にしているんですよ!」

 

「そうかい!」

 

一歩引き、メルクの体を引き込む。

だが、それすら承知していたのか、今度はメルクが後方に跳躍する。

絶影流は速度がものを言う剣技。

これはまるで時間稼ぎのようだな…。

 

「何が狙いだ?」

 

「あちゃ、もうバレましたか…」

 

再び刃が咬み合う。

右手の刀だけでなく、左手のナイフも縦横に振るう。

メルクも両手の剣で応戦してくる。

 

「この演劇の目的は二つあります」

 

今度は蹴り技も合わせる。

それに同調するかのようにメルクも踊るかのように蹴り技を編み込んできた。

動きは理解できている、そのすべてを俺が叩き込んでやったのだから。

だが、教えてもいない動きにまで対応できるようになっているようだ。

これは映像を繰り返し見て観察していたのかもしれない。

 

「一つは、お兄さんの王冠を奪う事。

これに関しては、ほかの方に訊いてください」

 

「いや、訊くよりも前に襲ってきたから全員熨しておいたんだが」

 

「手加減なさすぎですよお兄さん…」

 

のんびりと会話をしているが、この間にも互いの剣が幾度もぶつかりあっている。

幾度も続く金属音に耳が慣れてしまってきている。

俺とて本気を出しているわけではないのだが…ここまで長続きできる相手はそうは居ない。

久々に楽しめる。

 

「で、もう一つの目的は何だ?」

 

「ある人物を探すためです。

学内ネットワークにて、生徒達にある人物のモンタージュ画像が送られています。

その人物を探し当て、学内ネットワークを通して通告した人には、今度の中間試験で点数が加算されるんです。

その代わり、今回の学園祭で演目投票で生徒会に投票しなくてはいけないんですけどね」

 

…俺はその為の餌として扱われているのか。

 

メルクが刺突攻撃を繰り出す。

右手の剣での刺突の後に左手の剣で繰り出される刺突を弾く。

『穿月』からの『填月』を凌いだ後には十字を描く蹴り技『薙月』が続く。

逆手に握られたナイフを力強く振るう。

メルクは俺の刃を捌く。

だが甘い、さらに一段加速させる。

その瞬間に膠着状態から、メルクが防戦一方になった。

 

「で、探しているのは誰なんだ?」

 

「…すみません、お答えできません」

 

「…訳有りか、俺が教室で倒れたのと何か因果があるとでも?」

 

「それも含めて、です」

 

どうやらメルクを含めてみんなが口を閉ざしているようだ。

俺にここまで黙っているということは、よほどの訳有りなのかもしれない。

 

「そうか…なら必要以上に訊き出さない方が良さそうだ」

 

「…すみません…」

 

謝罪は不要だと思うんだが、こういうところではコイツは真摯だよな。

じゃあ、手早く終わらせるとしようか。

 

 

「だが、ずいぶんと穴だらけの計画だな。

モンタージュ画像で誰の顔が送信されているのか興味も無いが、その人物が危険人物だった場合はどうするつもりだ?」

 

「報告は通信などではなく、地下のシェルターへ口頭連絡になっています。

なお、常に4人以上で固まって連絡を入れなければならないシステムになっています。

ちなみに、来賓の方に同行してもらえれば、今度の中間テストで5点追加していただける仕組みも含められていますよ」

 

なるほど、最悪でも一人は連絡が出来るようにしているというわけか。

更には生徒と一緒に来賓まで地下シェルターへの避難をも促す周到さ。

安全性は考慮されているようだ。

 

 

 

 

 

さて、ともなると残るは

 

「待ってたよ、一夏」

 

「もうそろそろ出番が巡ってくると思ったぜ、簪」

 

塔を降りていく途中、中腹にて簪と遭遇した。その手にはお得意の薙刀が握られている。

服装に関しては薙刀の試合の時と同様に胴着と防具を着用している。これがドレスだったらヒラヒラして相手をしにくいから助かった。

 

「王冠、渡してもらうから!」

 

「皆もそうだが、なんでこの王冠を狙ってるんだか」

 

そんな事をボヤいている間に俺と簪の試合は始まっていた。

簪は薙刀で、俺は刀とナイフの二刀流だ。何故かはわからないが、簪は苦笑をしている。

 

「やっぱりお姉ちゃんは言ってなかったんだ…」

 

「どういう事だ?」

 

互いの武器をぶつけながらの戦闘とは周囲から見ればシュールだろうな…。

 

「一夏の王冠を奪った人は、生徒会入会と同時に一夏と同じ部屋に同居出来る、そんな話だったの」

 

王冠を死守していて良かった!

ってその理屈じゃ篠ノ之の行動理由が理解できないだろ…。

男女同衾を俺に咎めようとしていたアイツだぞ。

まあ、動けないようにしておいたから文句も言ってこれないだろう。

 

「俺としては王冠を外すと感電するからなぁ」

 

こうい危険な仕掛けを人の頭上に施さないでほしい、勘弁してくれよ…。

 

「じゃあ私が取ってあげようか?」

 

「とはいえ、この試合を中断するのも気が引けるからなぁ」

 

簪の薙刀の技量はもう達人の域に達している。

俺としてはこんな楽しい試合を中断させたくはなった。

 

「じゃあ、俺を負かして奪い取れ、って事にしようか。

乗るか反るか?」

 

「乗る!」

 

いや、そこまで目を輝かせなくていいから…。

目が凄いキラキラしてるぞ。

新しいおもちゃを目の前にした子供のようだ。

ふ~む、簪がこんなにも目を輝かせてくれるとはな…彼氏冥利に尽きるというやつかな。

だがこの言葉がダメだったかもしれない。

 

「おっとっ!?」

 

執拗に王冠を俺の頭の上から落とそうとする。

自然と首から上ばかりを狙ってくる。

対処は難しいものじゃない。見切って受け流す。

だが、そのまま力任せに横なぎに振るってくる。

薙刀とて重量はある、刀よりも重い。

それを理解してのこの横薙ぎの払いだ。

完全に膠着した。

こんな技術まで使ってくるとはな…!

 

「やるじゃねぇか…!」

 

生身での戦闘では足技はあまり使いたくない、特に簪には。

恋人を蹴り飛ばすとか言語道断だ。

 

「いつまでも、負けたくないから!」

 

「上等!」

 

どう攻めるか、そう考えた直後だった。

 

『さあさあ!ここからが本番!これより一般エントリーの皆さんも乱入スタート!

最初に王冠を奪い取るのは誰なのか!

大武闘シンデレラ!

第2幕の始まりです!』

 

なんつー事を企んでんだあの人は…

ええい、こうなったら感電覚悟だ。

 

「簪!」

 

「は、はい!」

 

頭から王冠を引っぺがし、簪の両手に掴ませる。

これで決着は着いた…筈だ。

 

「………?」

 

覚悟していた感電のショックは…来ない?どうなってるんだ?

 

「楯無さん?これで終わりですよね?」

 

『あら?おかしいわね…?センサーが反応しない?

その王冠、ニセモノかも…♪』

 

この状況を絶対に楽しんでるだろうあの人は!

確信犯じゃないのか!?

 

『さあ、ここから予定変更です!

なんと王子様は機密文書を隠すためにこの場には偽物の王冠を持ってきていました!

本物の王冠はこのアリーナの何処か!

さあさあ、張り切って探してみましょう!』

 

「楯無さん…」

 

「お姉ちゃん…」

 

何を考えているんだあの人は…。

 

「ともかく、一時休戦だ。王冠を探し出すぞ。

発見したら簪に渡すから」

 

「う、うん、楽しみしてるから」

 

さてと、どこを探したものかな。

探すアテなんぞ全くない。

つまり…今度はこのアリーナ全土が戦いの場だ。

なんつー事をしでかしてくれるんだか。

あちこち探し回るだけでも時間を無駄に使ってしまう。

そうしている間にほかの生徒に発見されてしまえば最悪だ。

 

そして頭上から生徒の声

 

『篠ノ之さん!?ちょ、なんて恰好をしてるの!?

なんで半裸なの!?』

 

『み、見るなあああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!』

 

簪との対戦ですっかり篠ノ之を忘れていたな。

…この場は走るのが得策だな。なので全力疾走だ、うかうか時間を使っていられないぞ!

今度はアリーナ全土が舞台なんだ!

まったく…この学園に入学してから毎日走ってばかりだ!少しは休ませろ!

何処の誰を探させるためだか知らないけど、毎日走らされているこっちの身にもなってみてくれ…。

 




龍の眠りを妨げるなかれ

彼の存在は人智を超えしものなり

龍の怒りに触れるなかれ

触れしその刹那、一切の希望を捨てよ

龍の逆鱗に触れるなかれ

其は、『創世』に連なりし混沌の翼


次回
IS 漆黒の雷龍
『狂勇災典 ~ 葬翼 ~』

口から零れたのは

絶望と憎悪に染められた怒りの呪詛

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