ゲーマー兄妹はVRMMORPGを始めたそうです。 作:EDFストーム1
ちょっと独自設定も入れてきますんであしからず...
それでは第十八話です、どうぞ!
「や、やっとここまできましたわ〜...」
疲れた表情でステフはガッツポーズを決めた。
レベル上げを初めて3日目、現在のステフのレベルはやっと10になった。
空達のステフ強化計画は着々と成果が出て来ている。
「よし、これならそろそろ迷宮区に行けんじゃないのか」
「lv10なら...大丈夫」
レベル上げをしながら俺達は迷宮区の入り口もすでに捜索済みだ。
ステフのレベルが上がるまで待っていたがようやく安心なレベルまで持って来れた。
「でも空達とはまたレベル差が開いて行く一方ですわ」
「そりゃ俺達の方がステフよりレベルが高いのは当然だろ」
ステフからしてみれば、空とテトはlv16、白はlv19と差は開くばかりなのだ。
だが空達にはカサンカ村につくまでの経験値差があるので差が元からあるのは当然だ。
「とりあえず今日はもう暗くなって来たしそろそろ宿屋に戻るとしようぜ」
「そうだね、僕も疲れたよ〜」
「私もクタクタですわ〜、この世界にお風呂がないのが残念ですわ...」
「お風呂なんて...生きるのに..必要無い」
このソードアートオンライン、食事や睡眠などかなり細かい所まで調整されてはいるがトイレや汚れ、お風呂等がないのだ。
トイレや汚れがないのは確かに便利?だと思うのだがお風呂がないのは女性陣には不評だったりしていた。
お風呂は精神面的にも必要だと思う、結構心も落ち着くし。
まぁ、白みたいにお風呂が嫌いな人もいるが...
もしかして茅場もお風呂が嫌いなのだろうか?
そんなことを四人で口論しながら俺達はトールバーナへと戻るのであった。
「前回と比べてスゲー早いペースで来ちまったな」
俺は今、カサンカ村の次の街、トールバーナの入り口の前までやって来た。
カサンカ村周辺でレベル上げと酒場で受けたクエストをクリアしてレベルも13とかなり鍛え上げた。
だけどβテストの時と比べるとかなりのハイペースである。
たしか俺がβテストの時にこの街を訪れたのはサービス開始から二週間後くらいだったが今回は僅か6日目でここまでやって来たのだ。
レベルの上がるスピードもβテストの時と比べ物にならないスピードだ。
このゲームの中でもレベル上昇スピードはずば抜けたペースだと自分でも思う。
そう、ある四人を抜いたらである。
カサンカ村の酒場で聞いた四人組。
初日でホルンカ村をショートカットしてカサンカ村へ向かうなどという無謀な作戦を成功させて3日前にはすでにトールバーナに到着しているというプレイヤー達だ。
俺も初日からかなりの死闘をしてなんとか生き残ったがいきなりカサンカ村を目指してなんかいたら確実に死んでいただろう。
しかし、リスクの対価としてその四人組は俺なんかよりもレベルは高いはずだ。
最後にとどめをさしたプレイヤーは他のプレイヤーよりも多く経験値を貰える。
ソロプレイヤーには有利な効果があるお陰で俺は毎回経験値を多く貰ってはいるがそれでもその四人組にはとどかないだろう。
そんな四人組に少しでもレベルを近づけるにはともかく次の街に急いでもっとレベルの高い場所で狩りをしなければならなかった。
これがキリトの行動速度を早めた理由の一つだ。
「今日はもう宿屋で寝たいところだが...その前に」
こっちの目的がキリトが行動速度を早めさせた最大の理由だ。
そう、本当に「 」なのだろうか?
店主に聞いた所によると名前は空と白、テトにステフ。
宿屋で休む前にこの四人だけには会っておきたかった。
俺はトールバーナ中を探した。
しかし空達を見つける事は出来なかった。
「もう20時になるってのに一体どこに行ってるんだ?」
もう日は落ち、まわりは真っ暗だ、もちろんフィールドもだ。
街の中にいるからまだ街灯等で多少明るいが街の外、つまりフィールドなど数メートル先を確認するのも困難だろう。
俺はリトルネぺントの時に経験済みだがあんな経験は二度とご免だ。
こんな時間までレベル上げをしてなどいたら正真正銘の化け物だ。
「もしかしてすれ違いでもう宿屋に入っているのか?」
そう思い宿屋に向かおうとした時、街の門の方から喋り声が聞こえてくる。
俺は声を頼りに声の主達を探す。
そして俺はようやくその四人組を発見した。
「だから風呂は絶対必要だぞ妹よ!!」
「そうですわ!女性としてお風呂が嫌いなのはどうかと思いますわよ!」
「わ〜、この二人の意見が一致するなんて珍しい事もあるんだね〜」
「にぃ...お風呂で裸は...論理コードで...見えない」
「なん...だと...?なら風呂いらんわ」
「ええっ空!?あなたお風呂をなんだと思ってますの!?」
「あ、やっぱりそんなことなかったね...それよりも早く宿屋に戻らない?」
どうやら風呂について口論しているようだ...
本当にこんなやつらが俺よりもレベル高いのか?
でも店主から教えて貰った特徴と照らし合わせても特徴が一致するし間違いない。
こいつらが例の四人組だ。
「この世界でどうやってオカズてに入れりゃあいいんだ!?」
「にぃ...論理解除コード使えば...大丈夫」
「なに!よしステフ試しに今、解除してみてくれ」
「あなた方一体何をいってるんですのよ!?」
「はぁ...僕もう先に帰ってようかな...ん?誰かいますね」
どうやらあちら側も俺に気がついたようだ。
「お、とうとう俺達以外もこの街までやって来たか、俺は空だ、こっちの白髪が妹の白で緑髪のやつがテト、あとあの馬鹿そうなのがステフだ」
「ちょっ!何て紹介してるんですのよ!!」
ステフはかなり怒った感じで反論した。
「お、おう...俺はキリトだ、よろしく」
「宜しく、ん?キリト...それってβテストの時「 」と決闘してた?」
「あれを見てたってことはお前もβテスターなのか?」
「ああ、俺達はステフ以外はβテスターだ」
さすがにこの街までたった三日で来るなんてβテスターじゃなきゃ無理か。
「迷宮区までのマッピングデータとってあるが、いるか?」
「え?いいのか、マピングデータなんか渡しちゃって」
マッピングデータは危険を賭してフィールドを進んでわかる攻略には大変貴重な情報だ。
そんな貴重な情報を他人に教える親切な奴はそういない。
「親切ってわけじゃないが、ここまで来た奴は俺達以外、まだキリトしか来てないからな。
ここで死んでもらっちゃ困るってのが理由かな」
「そうか、なら受け取るよどうやるんだ?」
「まずマップ画面でな...」
そうして俺は空からマッピングデータを受け取った。
「俺達はクエスト達成報告してから宿屋に行くがキリトはどうすんだ?」
「俺はもう宿屋で休むよ、あと一つ聞いておきたいんだけどいいか?」
最後にこれだけは聞いておかなければいけない。
「なぁ、あんたらが「 」と♠♥♦♣なのか?」
「アカウント名見てみりゃわかるだろ」
「それもそうだな...こんなに早いペースでこの街まで来るなんて「 」達以外ありえないと思っちまってな」
「でもチュートリアルの時に探してもいなかったんだろ?
ソードアートオンラインにログインしてないってこともあるんじゃねえか?」
たしかにそれが普通の人の回答だろうが俺は...
「俺もそれは考えたが全てのジャンルを制覇するのが特徴な奴らだ。
この新ジャンルのソードアートオンラインに参加してないとは考えられない」
俺は「 」達がこのソードアートオンラインに必ずログインしていてどこかにいると踏んでいる。
そもそもβテスト版にもいたんだ、製品版だけやらないとは考えずづらい。
「もし「 」達の情報を聞いたら教えてくれないか?」
「まぁそんな情報を聞けたらな、そろそろ俺達は行くぞ?」
「ああ、引き止めて悪かったな、それじゃあ」
その後、俺は宿屋へと向かった。
「まさか、まだ俺達がこのゲームに参加してると思ってる奴がいたとはな」
チュートリアルで完全に騙しきったと思ったんだが.....
「にぃ、どうするの?」
「別にどーもしないさ、俺達は正体がバレないようにするだけだ」
「空達はあのキリトさんと知り合いなんですの?」
そうだ、ステフはβテスト版の時はいなかったっけか。
「βテストの時に「 」としてキリトとは一回戦ってる。
今は手鏡の効果で俺達が「 」と♠♥♦♣って事はばれてないけどな」
「そんなことより早くクエスト達成報告して帰ろーよー
帰り道もお風呂の話で散々帰るの遅くなったんだしさ〜」
確かにテトもクタクタな様子だしさっさと報告して帰るとするか。
そして俺達はクエスト達成報告をする為に脚を速めた。
チーザがギガ上手すぎて手が止まらない!?そんな感じなストーム1です。
夏休みに入って途中で回線切る奴がオンラインで急増して若干イライラしてます。
次回2.3話後にモヤット頭のあの人を出したいです(なんでやっ!)
それでは次回またお会いしましょう!