転生したのに最強じゃないってどう言うことだってばよ! 作:オルクス001
「だ、ダメだ! 警察なんか通すわけないだろ! 帰れ!」
「ここは引いた方が良さそうだ。また後でこよう」
俺達はヴァルド率いる【サーベルバイパー】のアジト、【イグニス】に来ている。が、門番の男に追い返されてしまい、先にワジ率いる【テスタメツ】のアジト、【トリニティ】へ向かうことにした。
トリニティはバーのようになっており、誰でも自由に入ることができる。
中に入ると、すぐに部下の数人が来た。
「お、お前らさっきの」
「何しに来た! 答えようによってはただでは済まさん!」
拳を構え、こちらを睨みつけて来る。
「ここは聖地だ、騒ぎを起こすな。」
スキンヘッドの大男が出て来て、2人を制止する。
「俺達は何も君たちと、殺りあうために来たわけじゃないんだ。ちょっと話を聞きたくて。」
「と言ってるが、どうする?」
「いいんじゃないかな?」
奥からワジの声が聞こえてきた。
「入れ」
そう言い、スキンヘッドがワジのいる場所まで案内してくれた。
「やあ、何の用かな? 君達が何を言っても、僕達はやめないよ」
「別に止めに来たわけじゃない、ただ理由を知りたくてね。本気で殺りあうような理由が何かあるんじゃないか?」
ロイドがそう言うと、彼らは黙り込んだ。
おそらく俺らに話していいのか考えているのだろう。
「それを知ってどうするつもりなのかな? それに話したところで僕達にはメリットはなさそうだ」
「確かにその情報と交換できそうな話は持ってないよ」
「ハハハ! ギブアンドテイクも出来ないなら、教える必要はないね」
「ギブアンドテイクは出来ないさ。でも、俺達警官は闇に光を当て、隠された真実を暴く仕事だ。だから、君達の闇にも光を当てることはできるよ」
くっさー☆ そのセリフくさすぎる!
「アハハハハハハ!」
ワジが笑い出した。俺は必死に堪えてるのに……。
「面白いね! 気に入ったよ」
「別に笑われるために言ったんじゃないけどな……」
「いいよ、アッバス教えてあげて」
「ワ、ワジ」
「全てワジに任せろ」
「…………」
横の2人が再び何か言おうとするが、スキンヘッド……アッバスに止められた。
話によると、この間夜道を歩いていた仲間が1人、サーベルバイパーに闇討ちをされ、病院に運ばれたらしい。
被害者の名前はアゼルと言うらしく、今だ意識不明。
意識不明? ならなんで犯人がわかる?
その答えはすぐに出た。
傷痕だ。
彼の体には打撲痕があったらしいが、その中に微かだが切り傷があったらしい。
「なるほど、奴らの釘バットか」
「そう言うこと。最初は部下が勝手にやったのかと思ったんだけどね……さて、話すことは全部話したよ? 期待しておくよ」
「ああ、必ずいい話を持ってくるよ」
話を聞き終わり、俺達はイグニスに戻ることにした。
しかし、中には入れてもらえない。
どうしようかと考えていると、エリィが突然武器を差し出した。
「私達は敵じゃないわ。信用出来ないなら、武器を貴方に預けておくわ」
彼女の行動に少年は戸惑う。
「い、いいよ。ヴァルドさんに聞いてくるから、待ってろ」
そう言って、彼は中に入っていった。
しばらくすると、彼が戻って来て、中に入れてもらえることになった。
エリィすげぇ。
中はライブ会場のようで、爆音が鳴り響いている。
「うるさいですね」
ティオが顔をしかめる。
舞台の中央にヴァルドはいた。
「てめぇら何しに来た」
「君達が本気で殺り合う理由を聞きたくてね」
「ハッ! 俺はあいつらのようには行かないぜ? お前らが俺らに勝てば教えてやる。」
「だ、ダメだ! 俺達は警察だ」
「なら、女2人を置いていけ」
俺はとっさに横にいたティオを手で庇うようにする。
部下も突然の発言に驚いている。
さて、どうしようか。この相手はさっきみたいなギブアンドテイクは通用しない。全員が頭を抱える中、俺はひとつ思った。
「練習試合の名目で、タイマンはればいいんじゃ」
全員が、なに言ってんの? こいつ、みたいな目でこちらを見る。
「ほう、おもしれぇ! お前が? やれるもんならやってみやがれ!」
そう言って彼は、横のドラム缶を釘バットで殴り飛ばす。
へしゃげたドラム缶が壁に当たり、轟音を立てる。
隣のティオが突然の音に、目をつむり肩をビクつかせる。
可愛いな。
素直にそう思った。
って、そんなこと思ってる場合じゃねぇ‼︎
「武器を抜け! まさか素手で挑もうってんじゃないだろうな?」
「まさか、するわけないじゃん」
精一杯平静をよそおい、答える。
「無茶です!」
ティオが叫ぶ。
うん、知ってる。なんで俺がタイマンはるんだろうね。そんなつもりじゃなかったのに。俺的にランディとかに任せるつもりだった。
仕方ない、死なない程度に頑張るか! 主に俺がね?
やっぱ文字数少ないな。
地の文を増やせばなんとかいけるかな。