転生したのに最強じゃないってどう言うことだってばよ!   作:オルクス001

7 / 15
仲裁

「おっ! やってるやってる」

 

 目の前にはDQNが、一触即発の雰囲気を醸し出している。

 

「そんなイベントみたいに言わないでくれ」

 

 ロイドがため息まじりに言う。

 片方は赤いジャージのようなものを着ていて、いかにもヤンキーと言ったところ。

 もう片方は青いフード付きの宗教服の様な物を着ており、暴力とは無縁のような感じがする。

 その2グループが今まさに喧嘩を始めようとしたところに。

 

「はいはい、ストップ」

 

 と、ロイドが割って入った。

 

「あぁ? 誰だてめえ! 引っ込んでろ!」

 

 赤い方の1人が怒鳴る。

 やだ、DQN怖い。

 

「そ、そうだ! お、お前らには、か、関係ないだろ!」

 

 青い方の1人も言う。

 

「ハッ! お前らが暴れてるせいで、ご近所さんに迷惑がかかってんだよ!」

 

 鼻で笑いながら、精一杯怖くして言う。

 

「うっせえんだよ! やんのかオラ!」

 

 えっ? ちょっ!

 

「こいつら連れの女に、いいとこ見せようとしてんのかぁ? 返り討ちにしてやるよ!」

 

 いいとこ見せる前に、いいとこ見せられますよ?

 

「お、俺達にたてついたこと、こ、後悔させてやる!」

 

 あいつどもりすぎだろ……。

 てかいつの間にか、標的がこっちに向いてる。

 

「なんかすみません」

「はぁ、来るぞ!」

 

 彼はため息をつき、トンファーを構える。

 赤い奴は釘バット、青い奴はスリングショットか……。

 スリングショットワロタ。

 

「近接は俺、ランディ、リンドウでやる。2人は遠距離をやってくれ!」

「了解よ!」

「了解です」

 

 釘バットを振り上げ突っ込んでくる2人をまず、ハルバードで牽制。

 

「ぐっ!」

 

 衝撃波で止まった一瞬を狙い、腹に蹴り入れる。

 蹴られた腹を抑え、数歩下がった。

 

「クソがぁ!」

 

 奴はすぐに体勢を立て直し、風の音と共にバットが頭を狙う。

 それを横に飛び、回避すると。

 

「もらったぜ!」

 

 俺の後ろにはランディがいて、すでにハルバードを構えている。

 

「がはぁ!」

 

 再び衝撃波で数メートル吹っ飛び、気絶した。

 ロイドの方を見ると、バットの攻撃をただ避けている。

 ⁇ あれくらいなら楽勝だろうに。

 そして、振り切った瞬間を狙い顔面パンチを繰り出した。

 トンファーのパンチが、顔面にクリーンヒットしたDQNは、後ろに倒れた。

 あれは痛い、絶対折れてるだろ。

 エリィ・ティオの2人は、射撃で武器を落としたところをティオが制圧している。

 さすがっす。

 

「ぐっ! こいつら……」

「な、なんだあの杖。ビ、ビリビリする」

「こいつらを先にやるぞ」

 

 再び武器を構える。

 

「おいおい、俺がいない時に面白いことやってんじゃねぇか!」

 

 その時、赤いジャージを着たごつい男が来た。

 (ヘッド)だよね?これ絶対(ヘッド)だよね?

 

「ヴァルドさん⁉︎」

 

 ヴァルドって言うのか。

 

「何勝手なことやってんだよ、ああ?」

 

 彼は仲間の首を掴み、脅す。

 

「す、すみません」

 

 首を締められている少年が、苦しそうに言葉を吐き出す。

 

「君達も僕の言うことが、聞けないのかい?」

 

 反対側からは、青い方の頭ぽいのが来た。

 こっちは細い体で、優しげな青年だ。

 その横には、スキンヘッドの大男がいる。

 こっちが頭かな?

 

「ワジ、だってこいつらが……」

 

 青年はワジと言うらしい。

 

「ったく、相変わらずどこぞの宗教みたいな格好を部下にさせやがって、気持ち悪りぃんだよ」

 

 ヴァルドがワジにそう吐き捨てる。

 

「別に僕がさせてるわけじゃないんだけどね。そっちこそ、そんなに怒ってばかりじゃ、ダメだよ」

 

 彼は少し笑みを浮かべ、言い放つ。

 

「ちょっとストップ! 両方ともこれ以上続けるつもりはなさそうだし、2人に任せて大丈夫かな?」

 

 ロイドさん、それは無理じゃないでしょうか。相手はガチのストリートギャングだぜ?

 

「ククク」

「フフフ」

「「ハーハッハッハ‼︎」」

 

 2人が突如笑い出した。

 

「今はまだ準備が整っていないから引くだけで」

「整い次第やり合うつもりだぜ? どちらかが潰れるまでな‼︎」

 

 お2人さん、結構仲良さそうで。

 その後お互い一言、覚悟しておけと言って帰ってしまった。

 

「あの様子じゃ近いうちにやり合うな。あれじゃ血を見ることになるぞ」

 

 ランディが、表情を曇らせ言う。

 

「とりあえず任務は終わりましたし、これでいいのでは?」

 

 ティオが提案をする。が。

 

「いや、ここで引けばいつまで経っても警察の評判は良くならない。なんとか、本気でやり合わないようにしよう」

 

 ロイドは続ける気のようだ。

 

「そうね」

「じゃあ、まずは理由から探ろう。そうそう総力戦なんて、やるわけないからね。それなりの理由があるはずだ」

「了解だ」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。