転生したのに最強じゃないってどう言うことだってばよ! 作:オルクス001
▂▅▇█▓▒ (’ω’) ▒▓█▇▅▂うわぁぁぁ!!
話の切り方的に章単位はまずかったんです。
「だー! 見つかんねぇ!」
現在俺は港近くの公園にいる。
え? なんでそんなとこいるかって? 仕事さ☆
観光客の落し物を我ら支援課が、探している最中なのだー!
どうやらカバンに穴が開いていて、落としたようだ。
しっかし、見つからん!
確か財布と土産、それからもう1つ何かを落としたらしい。その何かは、本人も覚えていないのだとか。
無理だよ? 流石にわからないものを探せなんて、無理だよ?
もういいや、後は4人に任せよう。
ちょうど近くにアイス屋があったので、買うことにした。
これは調査の一環だからね? 決してサボリではない!
「アイス1つください」
「あいよー」
ミラを渡し、アイスを受け取る。
「そう言えば、昨日この辺りで男性が何か落としてるのを見ませんでしたか?」
ほら! サボリじゃないだろ?
「んー。カバンに穴が開いて、慌ててた兄ちゃんなら知ってるぜ。俺は拾ってないけど、あそこの姉ちゃんなら拾ってるんじゃないか?」
ビンゴ! キタコレ!
「ありがとうございます」
俺はおっさんに教えてもらった、散歩中の女性に声をかけた。
「あの、すみません警察のものです。昨日この辺りで落し物を見ませんでしたか?」
「ええ、見たわ。これでしょ?」
こ、これは! 共和国行きのチケットじゃまいか! これ1番大事なんじゃ……。
「警察ならあんたに渡した方がいいわね。はい」
「ありがとうございます」
チケットを受け取り、アイス片手に依頼主のいるホテルへと向かった。
ホテル前に行くと、ちょうど他の4人も来ていた。
「あなたもですか」
ティオが俺のアイスを見て、ため息をつく。
「ち、違う! こ、これは調査の一環でだな」
「はぁ、彼も同じことを言ってましたよ?」
ティオの横にはランディがいた。
その手には……アイス。
「お前もかよ!」
「まぁそれは置いておいて、リンドウの方はどうだった?」
「ああ、見つけたぜ。共和国行きのチケットをな!」
「そんな物まで落としていたのか……」
ロイドが呆れたように言った。
「これで全部集まったようだし、依頼主の元に行きましょ」
エリィを先頭に依頼主の元へ向かう。
つか、俺だけ1人行動だったのか……。
その後、ささっと落し物を渡し、職場に帰り報告を済ませる。
「お疲れ様です」
支援課のサポーターのフランが、労いの言葉をかけてくれる。
俺達の受ける任務、通称【支援要請】は、事務所の端末から受注及び報告ができるようになっていて、それを管理してくれているのが、彼女だ。
「ん? これは……手配魔獣!」
「おいおい、また出たのかよ」
あのジオフロントって魔物の巣窟じゃねぇか。
「これ俺たちで倒さないか? 前回の奴だって、しっかり準備していれば大丈夫だったはずだ。これを放っておけば、またギルドに回される。それじゃ意味がない」
「確かに……そうね。賛成よ」
「いいぜ、俺も賛成だ」
エリィとランディが同意の声をあげる。
「問題ありません」
「同じく」
ティオと俺も賛同する。
「じゃあ、しっかりと装備を整えてから行こうか」
* * *
「リンドウ! そっちいったぞ!」
「まかせろ!」
ジオフロント内には、戦闘の音が響き渡っている。
「逃がさない!」
「ナイスショット! 流石だぜ、お嬢」
「近くにはもういないようです」
「わかった。引き続き手配魔獣の捜索を続けよう」
さてさて、どこにいるのやら。
しばらく進むと、前回のあの場所についた。風の剣聖に助けられた、あの場所だ。
「いましたね。あれです」
ティオの指す方に視線を向けると、そこにはコウモリがいた。
なにこいつ、デブすぎだろ。
名前はメガロバットと言うらしい。
取り巻きのグレイブバットが1、2……4匹か。
「奴の動きは遅い、先にランディとリンドウで取り巻きを!」
「アイサー!」
「任された!」
2手に分かれ、それぞれ2体ずつ相手をし、その間に残りの3人が、メガロバットの動きを止める。
袈裟懸けに斬りおろし、1体目を倒す。そのまま横に振り抜き、2体目も倒した。
もうこいつらなら楽勝だな。
俺はロイド達に加勢すべく、メガロバットに走り込んだ。
その時だ、奴が真上に飛んだ。しかも、羽ばたくのではなくジャンプだ。
「くるぞ!」
「へっ?」
ロイドの声と同時に、奴が落ちてきた。
ちょっ!
俺は地面を蹴って回避する。
直撃はまぬがれたものの、着地時の衝撃波が浮いている俺の体を襲う。
「うわっ!」
そのせいで俺は吹き飛ばされ、地面を転がった。
浮いていたおかげで、地面からの衝撃は免れたが。
「大丈夫か!」
「オーケー、風に飛ばされただけだ」
あんなのまともにくらったら死ぬよ? ピザの尻に潰されて死亡とか、笑えねえわ。
とか思ってたら巨体が、こっちに突進して来たでござる。
「やべっ!」
反応が遅れたせいで、直撃する……わけないだろ?
ほらティオが、アーツで防いでくれた。
俺に当たる前に奴の体が横にそれた。
「サ、サンキュー」
「しっかりしてください」
はい、ごめんなさい。
そうこうしている間にも戦闘は続き、ランディが奴の腹を切りつけた。
「今だ! やっちまえ!」
彼の合図でロイドが飛び出す。
「ハァァァァァァァ!」
連続で殴り、1歩下がる。
「タイガァ! チャージ‼︎」
青い虎のオーラが見えた。
なにそれカッコイイ!
直撃した奴は、爆散した。
「おお、すげえな。」
ランディも驚いている。
「タイガーチャージ、俺の技の中でも上位に入るものだよ。奴がもしこれを直撃して生きてたら、流石にやばかった。」
なるほど……必殺技か……欲しい。
「さて、こいつも倒したことだし、帰ろうぜ!」
ランディがスタンハルバードを担ぎ、言った。
「ああ、そうだな。」
そう言った時だった。
突如ロイドの携帯が鳴り響く。
電話の内容を聞くと、どうやら旧市街地で何やら喧嘩が起こりそうな状態らしい。
はいはい俺達支援課の出番ですね。厄介事押し付けやがって。