転生したのに最強じゃないってどう言うことだってばよ!   作:オルクス001

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 新年明けてましたおめでとうございました。
 もうちょっと捻ったサブタイは付けられないのかと、自問自答を繰り返す作者です。えっ? 答え? できると答えていれば、もっとましになってますよ(自嘲)


第1章 神狼たちの午後
特別任務


「なかなか来ないな。早く朝のミーティングをしたんだけど」

 

 特務支援課のメンバー5人が待っている人物。それはもちろん課長のセルゲイだ。

 さき程から待っているものの、一向に来る気配がない。

 

「二度寝すればよかったかな」

 

 俺が欠伸をしながら言うと、その後をランディが続けて。

 

「で、昼過ぎに起きてカジノだな」

 

 何と言うか、さすがランディだ。

 

「典型的なダメ人間ですね」

 

 ティオが呆れ顔で俺の、いや、全員の気持ちを代弁するように言う。もしかすると、俺もその括りに入れられているのかもしれないが。

 そんなやりとりをしていると、お待ちかねの人物がようやく来た。

 彼は、ミーティングを始めようとするロイドを遮って、本部から連絡があったことを伝える。どうやら【特別任務】を言い渡されたようだ。なんだよそれ、超胡散臭い。彼も詳しいことは聞かされていないようで、客人が待っているから本部に行って来いとだけ言われた。

 

 × × ×

 

「はぁ、またあの副局長か」

 

 客人が副局長室にいるとわかり、溜息を吐く俺。絶対愚痴・小言の類を聞かされるだろ。

 ロイドがノックをすると、中から神経質そうな声が聞こえてきた。

 

「失礼します」

 

 そう言って部屋に入るロイドの後ろを4人がついて行く。

 中には副局長と2人の女性がいた。女性は制服を着ていることから、どこかの組織なのだろう。と、俺は推測する。

 

「げげっ!!」

 

 ランディが片方の女性を見ると、急に大声を出す。なんだ、知り合いか?

 

「あら、随分なご挨拶ね。ランディ・オルランド」

 

 相手の女性は、少しも表情を変えず言い放つ。対するランディは、乾いた笑い声を上げるしかないようだ。

 

「君達、敬礼をしろ! この方は警備隊副指令を務めておられる、ソーニャ二佐だぞ!」

 

 副局長のその言葉を聞き、ロイドとエリィは敬礼をしつつ、無礼を詫びる。

 二佐は軍隊で言う中佐に当たるようだが、実質、警備隊のナンバー2で、指揮官としてのカリスマ性なら横に並ぶものはいない。と、ランディが説明してくれた。目の鋭さからして、かなりの人だとは思っていたけど、そこまでとは……。

 ロイドが要件を聞くと、ソーニャ二佐は俺達に小言を言う副局長を黙らせ、内容を説明する。どうやら最近自治区外で魔獣の被害が多発しており、その応援として俺達が呼ばれたわけだ。通常、市街での魔獣被害は、全て警備隊が担当しているのだが、今回の事件は警備隊でも手詰まりの状態らしい。しかし警備隊が手詰まりの状態で、俺達に何かできるとは思えない。その事をエリィが問うと、二佐は。

 

「【警備のプロ】では手詰まりでも、【捜査のプロ】なら何かわかるかもしれないわ。まずは、これだけを見て捜査して欲しいの。無駄な先入観を与えないためにね」

 

 と言って彼女は、横にいた女性に資料を渡させた。

 

「……」

 

 ん? どうしたロイド。

 彼は相手の女性隊員を見て固まっている。相手が怪訝そうに聞くと、我に返ったかのように「なんでもない」と答え資料を受け取った。内容は警備隊の調査資料のようだ。

 彼女は、最後にランディに「よく馴染んでいるようね」とだけ言って、部屋を後にした。

 2人が去った後、ランディは大きな溜息をつく。

 

「君の上官だったのか?」

「いや、直接の上官ってわけじゃねえけど、訓練とかで何度かな」

 

 なるほどね。それよりも俺はロイドの方が気になる。

 

「それよりもロイド。どうした? いきなり固まって。もしかして一目惚れでもしたのか?」

「そんなわけ無いだろ。ただ、どこかで見たことのある顔だなと」

 

 なんだそれ。口説き文句にしか聞こえない件。完全に「おや? どこかで出会いませんでしたか?」「あら、そうかしら」みたいなやり取りが始まるだろ。そんなことを考えていると、副局長が大きな咳払いを1つし、小言を言ってきた。

 

「全く揃いも揃って私の忠告を無視しおって。どうなるかわかっているんだろうな」

 

 くだらん脅し文句だ。それくらいじゃあ俺はビビらないぜ?

 

 × × ×

 

「狼型魔獣か」

「クロスベルの固有種ですか?」

「いや、聞いたことがないな」

 

 現在本部で警備隊の調査資料を見ているのだが、【アルモリカ村】、【聖ウルスラ病院】、更には【鉱山町マインツ】とほんとに各地で起こってるらしい。と言っても、俺はどこにその場所があるのか、知らないけどな。てか、そんなに広域ならニュースになってないのがおかしいだろ。また政治家上層部からの規制か?

 

「こいつ相当にずる賢そうだぜ。こりゃ凄腕の狩人を雇った方がいいかもな」

 

 それもそうだな。俺達の出れるような事件じゃないだろこれ。

 ロイドは何やら考え事をしているようで、エリィが尋ねると、彼は【捜査の観点】から見た場合について考えていたと言った。

 彼曰く、この調査資料からは、犯人のプロフィールや動機が全く見えてこないらしく、それらは初めに分かるものだと言う。

 その後色々と話し合った結果、俺達はまず、事件について1番詳細に書かれていた東の外れにある【アルモリカ村】へ行くことにした。

 こっちへ来て初めての自治区外。楽しみではあるな。いや、正確に言うと初めてじゃないかな。こっちの世界に来たときは、郊外にいたし。




 さて、1章に突入したわけですが、これからどうしよう……。明るい感じの書きにくいよー(心の叫び)。じゃあなんで書いたんだって言うね。
 今年は投稿のピッチをあげていきたいですね。はい、頑張ります。後文字数も。
 では、今年もよろしくお願いします。

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