〜幻想創造主 Imagination Overdrive〜 作:MAGUロイド
今回は、二つの視点で…とか言ってみますが、実際二つの視点で書くとか難しすぎて吐きそうです
今回も短いですが、ゆっくり読んでいってね!
「……!……と!」
…あぁ、声が聞こえる、誰の声だろう
「…と!…じ…か!ま…と!」
これは…誰の声なんだろう、俺はどうなったんだろう……確か…能力を使って変身して…インベスを倒して……そしたら烏丸とかいう奴が現れて……そうだ、俺はあいつに…あいつに負けたのか…
「…ぉい!…と!へ…をしろ!」
この声は…慧音さん…か?…ダメだ、意識がはっきりしない…とにかく…目を開けないと
「…さひと!?おい!大丈夫か!」
ああ、やっぱり慧音さんだった、声もよく聞こえる
「大丈夫か!今病院に連れて行ってやるからな!」
病院…?今…俺の身体はどうなっているんだろう…全身の感覚がない…意識がぼーっとする…ダメだ…目が…………
「正人!?おい!?正人ーー!?」
慧音が正人の身体を揺らすが、意識を手放した正人は反応を示さない
紫は既に何処かへ行ってしまっていた
「くそ!とにかく永遠亭に連れていかないと…でもそのためには迷いの竹林を越えないと…くそ!時間がないってのに!妖怪の賢者は何処へ行ったんだ!」
慧音が嘆く声を聞いてか、竹林の方向から一人の少女が現れた
「慧音!どうしたんだ!」
「ああ妹紅!丁度よかった、こいつを永遠亭に運ぶのを手伝ってくれ!」
妹紅と呼ばれた少女は、慧音の腕に抱かれている少年をみて驚愕する
「お…おい、何だこの傷は…それにこいつは…」
「説明はあとだ!早くしてくれ!」
「あ…あぁ、わかった!その代わり永遠亭に着いたら全部教えてもらうからな!」
「ああ!はやく案内してくれ!」
慧音が正人を担ぎ走り出し、妹紅は案内のために先行し、竹林へと消えて行った…
再び正人視点
「…ん…?あれ…?ここはどこだ?なんでこんなところで寝てるんだ…?」
たしか、烏丸と戦って、ボロボロに負けて、慧音さんの声が聞こえて…そこからどうなってこんな和風の部屋で寝てるんだろう…
「…ダメだ、頭が…」
…とにかく、今は寝よう…少しでも体力を回復させとかないと…
「目が覚めましたか?」
「!!?!??!?」
なんだ!?なんでだ!?いつの間に枕元に女の子が!?もしかしてずっといたのか!?
「おはようございます。私は魂魄 妖夢(こんぱく ようむ)と言います、この白玉楼の主の世話係兼庭師をしています」
「…白玉楼?ていうのかここは」
「はい、
「…!なんで俺の名前を…」
「実は、つい先ほど紫様がいらっしゃいまして、もしかしたらここに貴方が来るかもしれない、という事を聞いておりましたので」
「あぁ…そういうことか。それよりも、なんで俺はここにいるんだ?」
「それは…貴方が死んだからです」
「…え?」
「何度も言わなければなりませんか?死んだんですよ、貴方は」
「え…死んだ…ってことは…ここはもしかして…」
「ええ、この白玉楼は、死者の集う場所、言うなれば冥界…という感じでしょうか」
「あぁ…そうか、俺死んだのか…なんか実感ないな」
「ええ、ですがすぐ生き返ってもらいますよ?」
「…え?生き返ることが出来るのか?」
「はい、とは言っても緊急事態ですので。そう無闇に生き返らせる事はしません、というか出来ません、もっと言うと、死んだ人間を生き返らせる事自体そうやすやすと出来るものではありませんしそれも出来ません。ですが今の状況がそれを可能としているのです」
「今の状況?」
「はい、今幻想郷では様々なモノが蔓延っています、つまるところ、貴方がいないとまともに敵と戦うことができない、というのが紫様の判断です、それに加え、貴方とほぼ同時期に、この白玉楼に直接幻想入りした人間もいますので、彼の力を使えば比較的容易に生き返る事が出来ます」
「俺と同時期に幻想入りした人間…」
そういえばあの神?みたいな変な奴が言ってたな…俺を含む数人が能力を持ったって…その人たちは全員幻想入りしたのかな…?
「ええ、ですがすぐには生き返らせません」
「え、どうして?」
「そのことも含めて、私の主から話をして頂きますので、ついて来てください、客間へ案内します」
「あ、うん」
布団から立ち上がる、寝ながら話を聞いてたので気付かなかったが、真っ白な服を着ている、いつ着替えさせられたのか、ここに来た時からこの服なのかは知らないが、いかにも幽霊っぽい服だ、おまけに身体を見てみると傷がなくなっている、痛みすらなかった
そうして妖夢と名乗った少女の後をついていくと、大きな部屋の前についた
「幽々子様、連れて参りました」
「入りなさい」
「失礼します」
妖夢が大きな襖を開けると、部屋の中には水色の着物を来た、ピンク髪の人物がいた
「西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)よ、この白玉楼の主であり、冥界の主でもあるわ」
「よろしくお願いします……率直に聞きますが、すぐには生き返れないとはどうゆうことですか?」
「妖夢…喋っちゃったの?私から言いたかったのに…」
「も、もうしわけありません、幽々子様」
「まあいいわ〜、それで、話なんだけど…すぐには生き返れないのはいくつか理由があってね、まず一つは、貴方を生き返らせる準備が整っていないの」
「準備…ですか」
「ええ、貴方を生き返らせるための準備というのはね、貴方の肉体がちゃんと残っていて、なおかつ生き返って直ぐに死なないように、生きていくための最低限の状態を保っていること、そして魂を肉体へ送るための手段、この二つだけよ」
「それさえ整えば生き返れるってことですね」
「ええ、そうよ、でも生き返ったところでまたあのレベルの敵と戦ったらまたここにくる羽目になるわよ?」
「ぐ…」
くそ、言い返せない…俺にもっと力があれば…
「そのために、貴方にはここにいる間そこにいる妖夢と修行してもらいます、勿論時間はあまり無いわよ」
「修行…ですか」
「ええ、貴方に強くなってもらうために、紫が提案してくれたの」
「紫さんが…ですか……一つ聞きたいんですが、ここで修行するとして残された時間はどれくらいなんでしょうか」
「そうねぇ…長くて五日ってとこかしらね…」
「五日…ですか」
「えぇ、勿論準備が整えば直ぐに生き返ってもらうことになるけど……それでも妖夢の修行は厳しいわよ?やる気はあるかしら?」
「ええ、やってみせますよ、強くなるために」
「そう、なら頑張ってね……修行は三十分後に初めます、ちなみにここでは能力は使えるから、存分に鍛えて頂戴、幻想郷を救うためにも」
「…はい!」
その頃、正人の身体は慧音と妹紅により永遠亭へと運ばれていた
「師匠…この人、大丈夫ですかね?」
「傷の程度は酷くないけど…内側の損傷が大きいわね」
台に横たわる正人の身体を見て、心配そうに問いかける、ブレザーにうさ耳の少女に、その隣の人物はあくまでも無表情で答えていた…
その正人の身体は、とても痛々しいものだった、全身至る所に傷がついており所々流血している、中でも一際目立つのは烏丸が変身したカイザのグランインパクトの直撃を受けた胸の、大きな痣であった
「師匠…この人…もう死にかけて…いや、死んでますよね…?なんで治療を…」
「いいから、とにかく傷を塞ぐのよ」
「はい…」
既に事切れた正人の身体を治療している二人の姿が、そこにはあった
…俺は今、妖夢と修行…というか、純粋な決闘をしている、なんでかって?それは妖夢が
「トレーニングなんて必要ありません、時間がないですから実践…というか戦闘経験を積むことが最優先ですよ」
って言い出したからだ、それで数日闘ってるわけだけど…これがめちゃくちゃ強い、変身してるのに、何の変哲もない唯の木刀でボロ負けにされている
「ぐ…」
「そんなものですか?仮面ライダーの名が聞いて呆れますよ!」
「う…おぉぉぉぉぉ!!!」
「…!はっ!」
「うぁっ!」
ダッシュし、パンチを放つが軽々避けられて背中に木刀の一撃を喰らう、これが何故かものすごく痛い
「く…まだまだ!」
「…いえ、一度休憩にしましょう、今日でももう二時間も殴られ続けているんですよ?強くなるためには、ただ滅茶苦茶に修行をすればいいってわけじゃないんですよ、適度に休憩を取らないと、疲労が溜まりますからね」
「…あ、あぁ」
妖夢の言葉を聞き、変身を解く、身体中が痛いが、しょうがないだろう、俺と妖夢は縁側に座り、暫しの休息を取る
「はぁ…なんで攻撃が当たらないんだろ…」
「うーん…理由としてはいろあろ思いつきますが…一番大きな要因はやはり武器が無いことですかね」
「武器か…やっぱり必要だよな」
「はい、武器があるかないかで攻撃の間合いも広がりますし…何より、正人さんみたいに戦闘経験がないような人が丸腰で戦いに挑むなんて自殺行為もいいとこですよ」
「武器…武器ねぇ…………」
(…確かここでも能力は使えるはずだよな…なら、あのメモリを作り出すことも出来るはず…)
「……………」
(集中しろ…思い浮かべろ…銀色で、Mのマーク…)
「………出来た」
「いきなり集中しだしたかと思えば…何ですかそれ?今のは正人さんの能力ですか?」
「ああ、俺の能力で作った、これがあれば武器が使える筈だ」
「そうですか…じゃあ早速試してみましょう!」
妖夢はおもむろに立ち上がり、背中の剣を抜き払った…
今回はここまで
妖夢可愛いよ妖夢
…はっ!私は今何を…
第四話終了です、例によって例のごとく短いですね、ごめんなさい
白玉楼の正人は、魂だけっていうか思念体みたいな設定ですので、あしからず
あと、白玉楼に幻想入りした人間は、次回出します
すみません、眠いのでこの辺で切り上げます
ほんと申し訳ないです
次回は修行編その二です
それでは次回も
ゆっくり読んでいってね!