理想郷の皇帝とその仲間たち   作:海豹のごま

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戦わずして勝てるなら、それを使わない手はない


麻帆良祭 三日目
七十四話 罠と危機


 麻帆良祭三日目の朝、いつも以上に賑わう麻帆良をネギは歩いていた。ネギは一番告白率の高いこの日に、世界樹パトロールを遂行しようと考えていた。だからそのために、魔力溜まりへと足を運んだのである。

 

 

 そこへ一人の少女がやって来た。それはあのアスナだった。アスナはゆっくりとだが、確実にネギの下へと移動してきたのだ。また、その表情は何か不思議そうな感じで、何か疑問を感じているような顔だったのだ。

 

 

「おはよう、ネギ先生」

 

「おはようございます。アスナさん」

 

 

 とりあえず二人は朝の挨拶を済ませ、お辞儀をしていた。そしてアスナはその後に、ネギへと質問をしたのである。しかしそれは、ネギにも不可解なものだった。

 

 

「ネギ先生、私に何の用?」

 

「え?用って?」

 

 

 アスナはネギに呼び出された感じに、その質問をしていた。だがネギは、その質問がまったくわからないようであった。一体どういうことなのかと、ネギは逆にアスナへと質問し返したのである。

 

 

「あの、一体何のことでしょう?」

 

「んん? ネギ先生が私に用事があるって、手紙を送ったじゃない」

 

「ええ? そ、そんなことしてませんよ!?」

 

 

 なんとアスナは、ネギから手紙を貰ったと言う。その手紙をポケットから取り出したアスナは、ネギへとそれを見せたのだ。手紙を見たネギは、何がなんだかわからなくなってしまい、目を回していたのである。

 

 

「本当に? こんなの部屋の前に置いてったじゃない……!」

 

「こ、こんなの知りませんよー!!?」

 

 

 そしてアスナはその手紙をネギへとつき返すと、ネギはそれを読んで見た。 なんとそこに、この場所に来てほしいような内容が書かれていたのだ。ネギはこんなものを書いた覚えも、アスナの部屋の前に置いた覚えも無かった。だからまったく理解できず、頭がこんがらがってきてしまったのである。

 

 

「じゃあ誰がこんなものを送ったって言うのよ……」

 

「わかりません……。でも僕はこのような手紙、書いた覚えすらありません……」

 

 

 そこでアスナは、ならこの手紙は何だというのかと、少し不機嫌そうにネギへと追求していた。しかしネギも手紙など書いた覚えも、出した覚えもないのだ。わかる訳がないのである。もはや頭を抱え、一体どういうことなのかと、ネギは悩み始めていた。するとさらに、別の少女たちがネギの下へとやってきたのだ。

 

 

「ネギ先生、おはようございます」

 

「おはようございます」

 

「おはよー!」

 

 

 それは図書館探検部の三人だった。そう、のどか、夕映、ハルナだったのである。彼女たちもとりあえずネギへと、朝の挨拶を丁寧にしていた。

 

 

「のどかさんにゆえさんに、ハルナさん、おはようございます」

 

 

 ネギは三人の登場に少し驚いたが、とりあえず挨拶し返したようだ。そんな驚くネギを不思議に見る三人は、とりあえず自分たちが思っている疑問をネギへと打ち明けたのである。

 

 

「あのー、私たちに用事とは一体なんでしょう?」

 

「のどかならともかく、私たちが呼ばれるのは一体……?」

 

「そ、その手紙は……!?」

 

 

 それはやはり手紙だった。ネギが知らぬ、ネギ出しの手紙だったのだ。のどかはどういった理由で呼ばれたのかわからない様子で、ネギをずっと眺めていた。また、夕映も同じ気持ちだったようだ。何せのどか一人が呼ばれるならわかるが、三人揃ってとなるとどういう用件なのかつかめないからだ。

 

 

「これ? ネギ君が私たちに残してったものじゃないの? 部屋の前に置いてあったけど……」

 

「ち、違います……!」

 

「うーん、困ったわねぇ……」

 

 

 ネギの挙動不審な態度に、ハルナはこの手紙のことをネギへと話した。ハルナものどかだけが呼ばれるんはわかるが、自分も一緒と言う部分に何か引っかかりを覚えたようだ。だが、やはりネギはその手紙を知らないので、出した覚えがないと言うしかなかった。そんな現状を見ていたアスナは、その謎を考えながら腕を組み、難しい表情をしていたのである。

 

 

「どういうことでしょうか……」

 

「じゃあ、この手紙はネギ先生が出した訳じゃないの!?」

 

 

 夕映も一体どうしたのかと、不思議そうな表情で疑問の声を出していた。また、ハルナも再びその手紙のことを、ネギへと質問していたのだ。しかし、そこでさらにネギの下へと少女が二人やってきたのである。

 

 

「はれ、のどかにゆえにハルナ、それにアスナも、どうしたん?」

 

「こ、このかさんや刹那さんまで!?」

 

「みなさんもネギ先生から、手紙を貰ったんですか?」

 

 

 なんとそれは刹那と木乃香だった。さらに二人も、その手紙を部屋の前で拾ったらしく、ネギへと会いに来たようだった。それを見たネギは、もはやよくわからない状態となり、完全に混乱していた。この人の集まりように、のどかも手紙を見せて、全員同じ用件でやってきたのかと聞いたのである。

 

 

「そういえば手紙、私宛以外にも来てた気がしたけど……」

 

「アスナにもこの手紙来とったん?」

 

 

 そしてアスナは自分の分以外にも、もう一つ手紙があったのを思い出したようだ。アスナは木乃香よりも先に手紙を拾ったらしく、それを知っていたのである。そこで木乃香はアスナの話を聞いて、同じ手紙がアスナにも来ていたのかを、ぽやっとした表情で聞いていた。

 

 

「そうなんだけど、ネギは知らないってさ……」

 

「不思議なこともあるんやなー」

 

「ですねー」

 

 

 アスナは木乃香の質問に、間違いないと頷いていた。ただ、その手紙を出したはずのネギは、そのことを知らぬと言うのだ。だから一体何がどうなっているのかと、深く考えていたのである。しかし木乃香はマイペースなのか、のんびりと構えてこの謎の現象を捉えていたようだった。

 

 その横で、さよも同じくのんびりとした態度を見せていたのである。なんとまあ、この二人は緊張感がないようだ。そうしている間に、さらに人が増えたのだ。いや、突然出てきたと言った方が正しい登場だった。

 

 

「なにやら不可解なことになっているようでござるな」

 

「うわ!? 楓さん!? まさか……」

 

「うむ、ネギ坊主の考えるとおりでござるよ」

 

 

 どういう訳か楓までやってきたのである。ネギはそれに驚き、もしや例の手紙が関係あるのではと考えた。そこで楓はそれを察したのか、手元からその手紙を出し、ネギに見せたのだ。そうしている間にも、またまた少女が増えてきた。

 

 

「アイヤ、みんな集まってどうしたアルか? みんなもネギ坊主から手紙をもらたアルか?」

 

「あらら、くーふぇまで」

 

 

 今度はなんと古菲がやってきたのだ。ほとんどここではつながりの無い古菲が、なぜかネギから手紙を貰ったようだった。古菲もそのことに疑問を感じながら、とりあえずやってきたのである。謎の手紙の被害者が増えたのを見たアスナは、まさか古菲まで被害にあうとは思っていなかったようだ。だが、それ以上に驚くべき人物が、ここへやってきたのだった。

 

 

「な、なんだこの集まりは……」

 

「千雨ちゃんじゃない。もしかして……」

 

「もしかしてって、お前らもこの手紙を……?」

 

 

 さらにやってきたのは千雨だったのだ。千雨までもが謎の手紙で呼ばれ、ここへやってきたのである。ネギからの手紙を見た千雨は、魔法のことで呼ばれたのかと思ったようだった。しかし、実際来て見れば随分人だかりが出来ており、それに驚き少し引いていたのだ。アスナはそんな千雨に、もしかしなくてもと手紙を見せたのだ。すると千雨も、同じ手紙を取り出し、そのみんなに見せたのである。

 

 

「ネギ先生、一体どういうことなんです!?」

 

「ね、ネギ先生~!!?」

 

「そ、そう言われても……」

 

 

 もはや誰もが混乱し、一体どういうことなのかをネギへと追求していた。特に夕映とのどかはネギの横で、この手紙は何なのかを困った様子で聞いていたのだ。そんな二人に絡まれるネギも、自分でやったことではないので困り果てていた。一体誰がこんないたずらをと考えつつ、どう言い訳しようか必死に考えていたのだ。

 

 完全に混乱したネギだったが、そこで突如、発砲音らしきものを聞いたのである。それは、やや高めの建物の上から聞こえたものだった。ネギはその音の方向へと目を向けると、何か落ちてくるのを目撃したのだ。

 

 

「あれ、何か落ちてくる……」

 

 

 ネギの方へと落下してくる物体。それは懐中時計だった。しかし、ただの懐中時計ではなく、やや凝ったデザインのものだった。すかさずネギはその落下してきた懐中時計を、落ちて壊れないように拾い上げたのだ。そして、その時計をじっくり眺め、誰が落としたのかを探して、周りを見回したのである。

 

 

「何それ、懐中時計……?」

 

「それにしては派手やなー」

 

 

 その懐中時計をアスナも木乃香も珍しそうに眺めていた。それ以外の子たちも、懐中時計が気になる様子で、そっちに目をやっていたのだ。だが、そこで突然回りの景色が一変したのだ。まるで空間がねじれるような、ゆがむような謎の現象だった。

 

 

「わ!? な、何が!?」

 

「何これ……?」

 

 

 その現象が収まると、景色が完全に変わっていたのだ。そしてネギたちが次に見た光景は、なんと荒廃した麻帆良だったのである。周りの建物は完全に瓦礫と化し、見るも無残な状況だった。誰もがその光景に、驚き戸惑うことしかできなかった。

 

 

「せっちゃん、これは……?」

 

「わかりません……」

 

「辺りがお墓のように真っ暗に……!?」

 

 

 さらに辺りは朝方だと言うのに薄暗く、不気味な雰囲気をかもし出していた。木乃香はこの現状が尋常ではないと察し、刹那の横に移動していた。また、刹那も何が起こったのか、まるでわからずに居た。いや、わかった方がおかしいと呼べるような現象だった。その木乃香の後ろで、この景色が墓地のようだと、さよはふと思ったようだ。

 

 

「どうやら治まったようでござるが……」

 

「辺りが突然暗くなたアル……」

 

「どうなってやがんだ……これ……」

 

 

 また楓はすでに周囲を警戒し、この現状を理解しようと必死だった。そんな楓の横で古菲はこの現象に衝撃を受けており、周りを見渡していた。ここがどこなのか、まさかあの麻帆良なのかと、そう考えていたのである。そして千雨は、この不可解な現象に頭を抱え、身を震わせていた。何で関係の無い自分が、こんな目にあっているのだろうかと、顔を青ざめさせていたのである。

 

 

「のどか……」

 

「ゆ、ゆえ……」

 

「なんだか不穏な空気が流れてない……?」

 

 

 そんな最中、夕映とのどかはくっつきあい、お互いの恐怖心を抑えようと頑張っていた。この薄暗い廃墟が、あの麻帆良かもしれないと考えると、恐ろしくてたまらないからである。その二人の前で、謎の現象を受け止めながら、何か嫌な予感を感じるハルナがあわてた表情で周囲を見渡していたのだ。すると、瓦礫の山から男の声が聞こえてきた。この廃墟に人が居たのである。

 

 

「クックックッ、どうやら賭けは俺の勝ちみたいだな、えぇ?」

 

「本当にここへ瞬間移動してくるとはなぁ……」

 

 

 その声はまるでチンピラだった。また、なにやら賭けをしていたようで、その男が勝ったと喜びの声をあげていたのだ。なんとネギがそちらへ目をやると、男が瓦礫の山の上に、えらそうな態度で座り込んでいたのである。その男、髪は茶髪でもみ上げが太く、目つきが悪い雰囲気がチンピラな男だった。目の下にはくまが出来ており、見た目で悪人とわかるような表情だった。また、その横にも別の男がおり、賭けに負けたようなことをその男に話していたのだ。

 

 

「だ、誰ですか!?」

 

「待ってください。いつの間にか囲まれています……!」

 

「そのようでござるな……」

 

 

 ネギはとりあえず、その瓦礫の上の男へ驚きつつも話しかけた。だが、刹那は妙な気配を感じ取ったようで、すでに自分たちが囲まれているのを察したようだった。楓も同じく囲まれているのがわかったようで、すでに臨戦態勢となっていたのである。

 

 

「俺かぁ? 俺の名は辰巳リュージ。そして俺の特典(アルター)はぁ!!」

 

「な、何これ……!」

 

「こ、こりゃあのバカ二人と同じ……!!」

 

 

 そこでネギの質問に、その男が答えたのだ。その男の名は辰巳リュージと言うらしい。さらに特典と言うからには、明らかに転生者だということだった。紹介を終えたリュージが特典を説明しだすと、リュージの体を虹色の光が包み込んだ。すると周りの瓦礫が砕ける音を立てて消え去り、虹色の粒子となって周りに渦を巻き始めたのだ。そして、突如オレンジ色の物体が、そそり立つようにして構築され始めたのである。

 

 その現象にアスナは驚嘆の声を上げていた。魔法や気ではなしえない、おぞましい現象だったからだ。この光景をよく知っていた千雨は、この能力が法やカズヤと同じものだとわかったようだ。そう、この能力こそが、あの二人の操るアルター能力と言うものだった。

 

 

「これが俺のビッグ・マグナムだ! さあ諸君らに告ぐ。俗に言う動くなってやつだ!」

 

「突然のデンジャラス! これ夢だよね?」

 

 

 そのアルターが完全に構築されると、そこには宙を浮く巨大な回転式拳銃が現れたのだ。これこそが辰巳リュージが貰った特典(アルター)、その名もビッグ・マグナムである。形状は単純で、グリップや引き金の部分が存在しない、ただの巨大な回転式拳銃だった。だが、その大きさは大砲と同等であり、弾丸の大きさもそれ相応に巨大なのだ。

 

 そこでリュージは、同じくアルターで構築した照準用の銃型デバイスを、ネギたちへと向けて恫喝し始めた。この不思議な現象に、ハルナは夢なのか現実なのかわからなくなっていたようである。そんな彼女たちを見たリュージは、とりあえず脅しのために、一発弾丸を発射しようと照準を定めたのだ。

 

 

「夢かどうか自分で確かめなぁ! はぁあぁ~! テストショットオオォッ!!」

 

「クッ、弾丸は巨大だが、神鳴流に飛び道具は通じぬ!」

 

 

 そしてリュージは、その巨大な弾丸を彼女たちへ向けて発射したのだ。それを見た刹那は、大砲の弾ほどの弾丸を受け止めるべく、すぐさま刀を抜いて攻撃を始めたのだ。何せ神鳴流には飛び道具などは通用しない。すべて打ち落とすことが出来るからである。だが、そんな刹那を下品に笑い、余裕の表情を見せるリュージが居たのだ。

 

 

「ハッハッハッ! その弾丸は……」

 

「ハッ!」

 

 

 刹那はすぐさま弾丸を刀で切り裂こうと、右手に刀を握り締めた。そこで迫る弾丸へと、刀を振るったのである。しかし、リュージはその様子を笑いながら眺め、ポツリと一言こぼしたのだ。

 

 

「散弾だ!」

 

 

 すると弾丸が光り輝き、弾け飛んだのである。なんとこの弾丸、は炸裂して拡散する散弾だったのだ。近距離で突然破裂した弾丸に、刹那は一瞬気を取られ、そのはじけた破片を受けてしまった。

 

 

「クッ!」

 

 

 まさか弾丸が突然破裂するとは思わなかった刹那は、弾丸の破片を浴びて全身に傷を作っていた。だが、それでも何とか刀で防御したようで、ダメージをある程度抑えた様子だった。そして、なんとか体勢を立て直し、後退して着地できたようである。

 

 

「せっちゃん!」

 

「ゆ、油断しました……」

 

 

 そこで傷ついた刹那へと木乃香が心配して走ってきたのだ。今ので全体的に傷つき、血が流れていたのである。ただ、それでも刹那はその傷を受けてもなお、リュージを睨みつけ戦意を失ってはいなかった。そんな刹那を、見下した様子で高笑いし、えらそうに踏ん反るリュージだった。

 

 

「ひょろっちぃな! 神鳴流剣士!」

 

 

 リュージは刹那を弱いと連呼し、汚い笑い声を発していた。その笑いは荒廃した暗闇の麻帆良に響き渡り、遠くまで届いているかのようであった。そして、今の光景に驚いたネギは、その巨大な銃を警戒していた。あの巨大な弾丸は炸裂し、広範囲に攻撃できることがわかったからだ。また、楓はリュージを睨みつけながら、その動きを見逃さないようにしていたのだ。さらに、他のメンバーは今のリュージの攻撃に、慌てていたり怯えたりしていた。

 

 

「ちょっと、大丈夫なの!?」

 

「せっちゃん、大丈夫!?」

 

「……この程度、なんてことありません……」

 

 

 リュージが空を向いて高笑いしている中、それを無視してアスナも刹那の下へとやってきて、心配の言葉を述べたのだ。木乃香も同じく大丈夫かと、刹那へと心配そうな表情で話しかけていた。刹那はその二人に、問題ないといいつつも、傷の痛みを我慢していたのである。

 

 

「せっちゃん、今治すえ……」

 

「ありがとう……、このちゃん……」

 

 

 また、木乃香はそこで、巫力の治療を刹那へと施した。すると巫力の光が刹那をやさしく包み込み、傷を癒し始めた。そして見る見る傷が癒え、刹那は再び力強く二の足で立ったのである。

 

 

「アレは一体何アルか……?!」

 

「わからぬ……。だが普通でないことは確かでござる……」

 

 

 だが、その様子を見ていた古菲も、謎の現象と攻撃に戸惑いを感じていた。その隣で楓も、リュージが使ったからくりの謎を考えていたのである。二人はアルターというものを知らないため、普通じゃ考えられない摩訶不思議な現象としか捉えられないのだ。そこで突然攻撃してきたリュージに、ネギは多少怒気のこもった声をあげていた。

 

 

「なんでこんなことをするんですか!!?」

 

「はぁ? そんなこともわからねぇのか? だったら教えてやるよ」

 

 

 ネギはどうして突然攻撃してきたのかがわからなかった。攻撃するのなら理由があるはずなのだが、その理由がわからないのだ。だからリュージへと、それを質問したのである。しかし、リュージが返した答えは、想像以上にひどいものだった。

 

 

「お前らを捕まえれば、好きなように使っていいとビフォアとかいうやつから言われてんだよ」

 

「な、何だって……!」

 

「あの男か……!」

 

 

 リュージはビフォアから、この場所にネギたちが現れることを教えられていた。そして、ネギたちを捕まえれば、後は勝手にしてもよいと言われていたのである。それゆえリュージは、仲間たちを連れてここへやってきて、ネギたちが現れるのを待ち構えていたのだ。

 

 また、その理由を聞いたネギは、かなり驚いていた。そのビフォアという男にそう言われたからといって、ここまでするのかと思ったのだ。さらにビフォアの名を聞いた刹那は、大きく反応を見せていた。あのビフォアという男は胡散臭かったが、まさかこのような輩をも使うとは思っても見なかったようだ。

 

 

「そのとおりだ! だからお前らをとっつかまえて、ちっとばかし俺らの玩具になってもらおうと思ってなぁ!」

 

「な、なんでそんな……!」

 

「ひ、ひどいです……!」

 

 

 さらにリュージは、笑いながら盛大に説明を続けていた。その内容はさらに品性に書けたもので、誰もが目を疑うようなものだった。これにはのどかも表情をこわばらせ、怯えた様子を見せていた。加えて夕映も、そんな仕打ちを許せないと感じ、怒りの表情を見せていたのだ。

 

 

「つーことで、お前らは俺たちに捕まる運命なんだよ! あばよ!!」

 

「こ、こいつら……!」

 

 

 説明を終えたリュージは、ネギたちに照準を向けたまま、その引き金を引こうとしていた。そんなリュージにアスナは憤激の視線を送り、まずはリュージやその仲間を倒さなければならないと考えはじめていた。なんということだろうか。そしてリュージはその引き金を引き、ビッグ・マグナムから弾丸が発射されたのである。

 

 

…… …… ……

 

 

 麻帆良祭三日目の朝、超はネギが移動している魔力溜りを監視していた。いや、それ以外のすべての魔力溜りも監視や、消えたビフォアの足取りも追っていたのだ。そこでネギを画面越しで見ていた超は、何か変な感覚を覚えたのだ。あのネギが、やたら生徒に詰め寄られていたのである。これは何かあると考え、超とエリックはその場所まで遅いで駆けつけたのだ。

 

 

「超よ、本当に何かあるのか? ただ生徒がネギに集まっているだけではないのかね?」

 

「そう思いたいネ。 だがあの場に居たクラスメイト全員が、同じ手紙を握っていたのヨ」

 

 

 ネギの居る魔力溜りへと急ぐ超とエリック。エリックはそこで何がおかしいのか、超へと聞いていたのだ。何せネギは一応教師で、そのに生徒が集まるのは不自然なことではないからである。だが超は、些細なことだったが、あの手紙を見逃してはいなかった。ネギの周りに集まったクラスメイトが全員、同じ手紙を持っていたのだ。そればかりは逆に不自然と感じたのだ。

 

 と言うのも、ネギがその集めたクラスメイトに用事がありそうには見えなかったのである。それに今日は慎重に動くように、超は昨日ネギへと話したのだ。このような、うかつなことをするはずがないと、考えたのである。

 

 また、魔法を知っている生徒だけならよいが、魔法を知らぬ生徒もその場に含まれていた。だからこそ、超は何か危険を感じて、そこへ向かったのだ。しかし、ネギを目視出来る距離に差し掛かったとき、銃声らしき音が空から聞こえたのである。

 

 

「居たネ! ネギ坊主……!」

 

「な、何の音だ!?」

 

 

 するとそちらに超は目を向けると、ネギの方へ何かが落下して行ったのだ。それはまさしく、超がビフォアから盗まれた懐中時計型航時機カシオペアの一号機だったのである。超はそこで、その意図に気がつきしまったと考えた。

 

 

「ネギ坊主! それを投げ捨てるネ!!」

 

 

 だが、時すでに遅し。再び超がネギたちの方を向き叫ぶと、カシオペアが起動して強制的に時間跳躍されてしまったのだ。エリックもそれを目撃し、やられたと考えた。何せネギはタイムマシンであるカシオペアの存在を知らない。完全な初見殺しの罠だったのである。

 

 

「なんということだ! 彼らがどこかの時間帯に飛ばされてしまったぞ……!?」

 

「まさか、私から盗んだカシオペアを、こうも簡単に捨て駒に使うナド……」

 

 

 エリックは消えたネギたちを見て、大きく叫んでいた。こんな方法でネギたちを無力化するなど、思ってなかったのだ。超もビフォアのこの大胆な罠に、力なくうなだれるしかなかった。自分から盗み出したカシオペアを、ネギご一行を無力化するための装置に使うなど、考えても見なかったのだ。

 

 いや、直一が見せたデータの中に”原作知識”としてネギが無効化される方法が記されていた。その方法は、やはりカシオペアを利用した策略だった。ところが超はカシオペア自体を、ネギに教えてもいなければ渡しても無かったのだ。つまり、超はネギがカシオペアを持っていないので、あの方法は使えないと考えてしまっていたのである。

 

 

「確かに一号機は特殊な機能を積んでおらん。手動で時間転移するよりも、罠に使ったほうがよいと考えたのだろうな……」

 

 

 そんな超を眺めつつ、エリックはビフォアが簡単にカシオペアを手放した理由を考えていた。あのカシオペア一号機は特殊なAIを積んでない。つまり手動で時間を移動しなければならない。しかし、それは戦闘においてとても不利であり、とても使い勝手の悪いものだ。

 

 さらにビフォアはある程度雇ったと思われる護衛が存在する。それに任せれば逃亡にさえ、カシオペアを使う必要がないのだろう。だからビフォアは、戦闘や逃亡に使うよりも、罠に使ったほうが良いと考えたのだろうと、エリックは推測していたのだ。

 

 そしてビフォアの目的は、過去を改変して未来へ帰るワケではなく、改変したあげくに麻帆良を乗っ取るというものだ。つまり、カシオペアを使って未来へ帰る必要がどこにも無いのである。それゆえビフォアは甲も簡単に、カシオペアを罠に使うことが出来たのだ。

 

 

「超よ! 何にせよここでいじけていてもしかたがないぞ! すぐさまアジトへ戻り、どこの時間に飛ばされたのかを計算しなければなんらんだろう!?」

 

「そ、そうネ……! 我々にはまだ、ドクのタイムマシンがあるんだたネ!」

 

「そういうことだ! 彼らが飛ばされた時間さえわかれば、我々の手で救いにいけるはずだ!」

 

 

 エリックはうなだれて失意に沈む超を励まし、次にすべきことを話していた。それはネギたちが飛んだ時間を計算し、どの今現在時間帯にネギたちがいるかを探すということだった。そして、エリックが作り出したタイムマシンで、ネギたちを迎えに行くというものだったである。超もそれを聞いて、さすれば急がなければと立ち上がり、やる気を出したのだ。

 

 

「超よ、昨日彼らにもしものことがあった場合、我々のアジトへ来るように伝えたのだろう?」

 

「しかり伝えておいたヨ。だから時間さえわかれば、そこへ迎えに行くだけでいいはずだヨ」

 

 

 また、超はこんな時の為に、ネギへ自分のアジトへ逃げ込むように説明してあったのだ。そう、超がネギへ渡した手紙には、超のアジトの位置が記されていたのである。加えてネギがそこへ移動したならば、今ネギが存在する時間さえわかれば、探す手間もなく迎えにいけるというものだったのだ。

 

 

「よし、ならばさっそくアジトへ戻るぞ!」

 

 

 そのことを考え、エリックと超はアジトへ戻ろうと来た道を戻ろうとした。だが、そこに謎の攻撃が超を襲ったのである。

 

 

「そうネ! そう……!」

 

 

 それはただの銃撃だった。されど、その弾丸が着弾した場所に、何かとてつもない力が働いたのである。まるで着弾した一帯を多い尽くすように、黒い渦が発生していたのだ。超はカシオペアの機能を使い、それをなんとか回避していた。またその現象を見て、まさか強制時間跳躍弾が放たれたのではないかと、超は考えたのである。

 

 

「今のはまさか、強制時間跳躍弾(B.C.T.L)……?!」

 

 

 強制時間跳躍弾《B.C.T.L》、それは世界樹の魔力を利用した、時間転移攻撃が可能な弾丸だ。これを使えばたちまち数時間後へと、飛ばされてしまう恐ろしい武器である。

 

 超はこの現象を見て、強制時間跳躍弾での攻撃だと考えた。なぜなら強制時間跳躍弾は超も研究したことがあったからだ。ただ、それを利用することはないと思っていたので、形にすることは無かった。だが、ビフォアは何らかの形で、それを形にして実現させたようだった。

 

 また、一体どうしてビフォアがそれを使っているのかは、超も不思議に思った。それでも、ビフォアが強制時間跳躍弾のデータを奪ったか、何らかの形で知ったのだろうと結論付けたようだ。

 

 

「だが待つんだ超! 我々は時間を移動することが出来る。たかが数時間先に飛ばされても、あまり大きな効果はない! だが奴らもそれを知っているはずだ!」

 

 

 そこでエリックは、超が強制時間跳躍弾だと考えたことに疑問感じ、そのことを超へと話した。エリックは、それが強制時間跳躍弾とは思えなかったからだ。

 

 なぜかと言うと、超もエリックも数時間先に飛ばされたとしても、カシオペアを利用すれば簡単に戻ってこれるからだ。カシオペアは世界樹の魔力を利用して稼動させる。今年の世界樹の大発光で、それに必要な魔力は十分あるのだ。だから世界樹の発光が収まるこの日が過ぎない限り、カシオペアを使って時間をさかのぼることが可能なのである。つまり、超もエリックも数時間先に飛ばされただけでは、無効化などされないのである。

 

 ならばここで自分たちに強制時間跳躍弾を使う意味があるのだろうか。

いや、まったく意味が無い。そんなものはただの無駄弾でしかないはずだと、エリックは思考をくぐらせたのだ。そこでエリックは一つのカプセルを取り出した。それは発信機であり、現在位置を特定する装置だった。

 

 

「今から次の攻撃時に、こいつをその着弾地点に投げ捨てる。これで時間を飛ぶのか、場所を移動するのかがわかるはずだ!」

 

「それは名案ネ! ……と言ってるそばからすぐに来たヨ!」

 

 

 そこに再び銃弾が超へと襲い掛かった。着弾した地点に闇が渦巻くフィールドが形成され、超を飲み込まんとしたのだ。しかし超はカシオペアを利用し、時間転移にてそれを回避。さらにエリックが、そのフィールド内部へと、発信機のカプセルを放り込んだのである。

 

 そしてそのフィールドが消滅し、放った筈のカプセルも同時に消え去った。エリックはそれを確認すると、すぐさまカプセルの現在位置の割り出しを始めたのだ。すると、時間跳躍ではなく座標転移だと特定できたのだ。加えて転移先となるカプセルの現在位置がわかったのである。

 

 

「超よ! 大変なことになったぞ! あの攻撃に飲み込まれれば、麻帆良の地下深くに幽閉されてしまう可能性が出てきた!」

 

「ど、どういうことネ!?」

 

 

 エリックはカプセルの転移先を見て、時間跳躍するよりもずっと恐ろしいことを理解してしまった。それは転移先が麻帆良の地下深くだったのである。途方も無いほどの地下の底の底であり、数日間は脱出させないというビフォアの意思が伺えたのだ。だからエリックは、それを超へと叫びながら話したのだ。あれにつかまれば危険だと、我々も無効化されてしまうと声を張り上げたのだ。

 

 

「これを見るんだ! 先ほど転移されたカプセルの位置が、麻帆良の底の底と表示されているだろう!?」

 

「ほ、本当ネ……。こんな場所に飛ばされたら、地上に出てくるのに数日もかかてしまうヨ……!?」

 

「早くアジトへ逃げ込むしかなかろう! 狙撃手がどこに居るかも、ワシらにはわからん!」

 

 

 超はエリックの腕に装着された機械のディスプレイを覗くと、赤い点滅した印が点滅していた。それがカプセルの現在位置を表しているものだった。また、それがなんと麻帆良の地下の底の底に表示されていたのである。超はそれを見て驚嘆し、その転移させる弾丸にはさらなる注意が必要だと、気合を入れなおしたのだ。そしてエリックは、狙撃手の位置がわからない上に、狙われている現状は危険だと判断し、まずはアジトへ戻ることにしたようだった。

 

 

「くっ! 言ってる側から攻撃が激しくなて来たヨ……!」

 

「どうしても我々を封じたいようだな!」

 

 

 しかし、その直後に強制座標転移弾による攻撃が、さらに激しさを増したのだ。なんということか、その弾丸は一定の位置からの狙撃ではなく、いかなる方向からも飛んでくる恐ろしいものだった。超やエリックはカシオペアを利用して難を逃れては居るが、かなり厳しい状況に追い詰められていた。

 

 

「これではあまり進めないネ……」

 

「このままではジリ貧だぞ!?」

 

 

 飛び交う弾丸をなんとか避け、超とエリックはアジトへと戻ろうと必死にあがいていた。だが敵も逃がさんと、確実に狙って来ているのだ。さらに弾丸はエリックと超を包囲するかのように打ち込まれ、二人は身動きが取れなくなっていたのだ。しかし、そんな危機の前に一つの光明が差し掛かったのだ。

 

 

「二人とも、乗れ!」

 

「直一君か!?」

 

「おお、猫山サン!!」

 

 

 それは直一が運転するラディカル・グッドスピードだった。エリックと超は直一を確認すると、さらに狙い打ってくる弾丸をかわし、直一の車が走ってくるのを待っていた。そこで直一は車の助手席の扉を開いたまま、すさまじい速度で二人へと接近したのだ。そしてエリックと超はカシオペアの機能を駆使して、高速で移動しているその車へと乗り込んだのである。また、二人が車に乗り込んだ直後、直一は車をさらに加速させてその場から走り去ったのだった。

 

 

「た、助かったネ……」

 

「礼を言うぞ! 直一君!」

 

「気にするな! 俺も奴らの好き勝手にされるのが気に入らないだけだ!」

 

 

 エリックと超は直一の操る車の中で、安堵のため息をついていた。この車の速度ならば、さすがに神がかった狙撃手とて狙えまいと思ったのである。難を逃れたエリックは、救出してくれた直一へと感謝を述べていた。あちらの弾数はわからないが、あのままではいずれにせよ危なかったからだ。さらに特殊な弾ではなく通常の弾丸だったとすれば、さらに恐ろしいことになっていたと考えたのである。その礼を言われた直一も、ビフォア一味に麻帆良を荒されることに怒りを感じて居る様子だった。

 

 

「このままアジトへ戻るとしますか」

 

「頼んだぞ!」

 

「お……お願いするヨ……」

 

 

 そして100キロオーバーの速度で直一は車を走らせ、超一派のアジトへと急いだ。しかし、直一の荒い運転で超は気分が悪くなっていたようである。口にハンカチを押さえ、顔を青くして、吐き気に耐えていたのだった。

 

 そう気分悪そうにする超の横で、エリックは割りと平気そうな顔をしていた。このエリックも、車の運転がある程度荒いらしく、直一の運転には慣れてたようである。そんな超を無視するかのように、いつも通りテンションを上げて早口を語り、車を加速させる直一が居たのだった。

 

 

…… …… ……

 

 

 その直一が運転する車を目で追いながら、銃を下ろす男が居た。そう、この男こそが超とエリックを狙っていた狙撃手だったのである。そして麻帆良の建物の中で一際高い建造物の中で、男は攻撃を中止して猛スピードで突っ走る車を眺めていたのだ。

 

 

「……逃げおおせたか……。あの速度では狙うのも面倒だ」

 

 

 その男以外誰も居ないその建物の中で、狙撃手は一人つぶやいていた。獲物を逃がしたというのに語気は冷静で、まるで取り逃がしても問題ないかのような言い草だった。表情にもそれがよく表れており、まったく感情を感じないほどに仮面のような無表情であった。

 

 

「さて、次のミッションへ移らねばな……」

 

 

 するとその男は手に持っていた銃を分解し、アタッシュケースへとしまいはじめた。そしてそれが終わると、すぐさまその場を後にして、次の目的地へと歩き出したのだ。

 

 

「次のターゲットは麻帆良の魔法使いども、そしてその後は強敵だと聞いていたが……。面白い得物だといいのだがな……」

 

 

 この男の次の目標はビフォアから強敵だと話されていたようだ。それを相手にすることを、男は楽しみだと考えていた。何せこの男は狙撃手として、幾多の敵を葬ってきた。だがそれは単調な作業となっており、最近退屈していたのだ。だからこそ、自分の狙撃を回避し生き延びようとする相手を狙撃することに、愉悦を感じて始めていたのだ。

 

 

「面白い弾丸も貰ったことだし、さっさと済ませるとしよう……」

 

 

 男が語った面白い弾丸とは、あの強制時間跳躍弾のことだった。この弾丸は世界樹の発光で発生した魔力を利用して、着弾地点の相手を数時間先に飛ばすものだ。その弾丸を子供が新しい玩具をいじるように、男は指先で丁寧につまみ、マジマジと眺めていた。

 

 

「命は奪う必要はないと言われたが……。いや、死ぬよりも恐ろしいことを体感出来るならば、そちらの方が酷というものか。今回の雇い主は随分とえげつない男だ……」

 

 

 ビフォアは魔法使いたちを消すよう命じては居なかったようだ。だからこのスナイパーの男に、強制時間跳躍弾や強制座標転移弾を渡したのである。だが、それは死なないようにするという、優しさから来る配慮ではなかった。この麻帆良が今後どうなるかを魔法使いどもに見せつけ、オコジョになって苦しんでもらうというものだったのだ。それは、ある意味死ぬよりも過酷なものになるだろう。そうやって他人を落とすところまで落とし、その上へと登り土足で踏みつける行為を楽しもうという言うものこそ、あのビフォアと言う男なのだ。

 

 

 そこで男はその弾丸を眺め終わると、すぐさまバッグへとしまい、移動するために立ち上がったのである。

そして男は静かに建物から外に出て、まるで麻帆良祭の参加者のように、麻帆良の道を歩き始めた。だが、その雰囲気は明らかに麻帆良祭の参加者とは異なり、異様なまでの不気味さを漂わせていた。

 

 そんな男は人を避ける訳でもなく、逆に人にまぎれて移動していた。そうすることにより、魔法使いが自分に気がついてもなかなか手が出せないと考えて居るからだった。魔法使いたちは魔法をバラす訳には行かないので、一般人の前では飛んだり魔法を撃つことができないからである。そうやって魔法使いを警戒しながらも、ターゲットとなる相手が近くに居る可能性がある場所まで、ゆっくりと移動していたのである。

 

 

…… …… ……

 

 

転生者名:辰巳(たつみ)リュージ

種族:人間

性別:男性

原作知識:あり

前世:暴走族

能力:アルター、ビッグ・マグナムによる広域戦闘

特典:スクライドの立浪ジョージの能力

   手下が集まるぐらいのカリスマ

 

 




なんということでしょう
この美しいヨーロピアンな建物も、匠の技で殺風景な瓦礫の山に

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