FLEET COLLECTION ~艦CORE~   作:ARK-39

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夕張と耐久実験がしたい・・・。
夕張「なッ、何をイキナリ言っているんですか!?」

・・・。
それでは本編を再開します。


#19前半ノ1

<<オイオイ、結構な数いるんじゃないか!?>>

<<提督、鎮守府側からの支援砲撃に注意してください。幸運を。>>

 エルールと明石の通信を聞き流しながら、レイヴンは艦隊を出撃させてゆく。

((オ、二連続で選んでくれるんだ。もしかして鈴谷に惚れた?))

「鈴谷、いっきまぁーす!」

((敵はまだこちらに気付いていないよ!))

「青葉突撃取材敢行します!」

 拠点艦からは鈴谷と青葉がカタパルトで打ち出される。

 丁度、敵艦隊が侵攻する港と反対の港に拠点艦を停泊させていた。

 青葉の言うとおり彼女らの出撃は未確認だろう。

 そして、

「さっさと行くわよッ!

 こーなったら何もかも焼き尽くしてやるわ!」

 先ほどの件からものすごく怒っている叢雲が深海棲艦に八つ当たりせんとAMSを勝手に接続してキサラギ社の試験用カタパルトから出撃しようとしている。

 当然「ヴァリアブルユニット・ブルーフレーム」を装備した状態である。

 というより、艦娘からAMSを接続できるのか・・・。

<<叢雲、ぜひコチラもテストしていただきたい。>>

「ん、悪くないけど・・・どういう武器なわけ?」

 キサラギ社の研究員が叢雲の両手に銃らしきものを握らせた。

 銃らしき、とはその見た目が銃以外には見えないものの、銃とも思えない形状だったからである。丁度<オーメル>辺りが造りそうなデザインだ。

<<「レビヤタン・プロジェクト」の武器の一つです。

  レーザーマシンガンモードとオープニングブレードモードを使い分けてください。>>

 すると叢雲が握っていた銃が変形し、剣になった。

「悪くないわ。さぁ!出撃するわッ!!」

 勢いよくカタパルトから打ち出され、腰部のヴァリアブルスラスターに火が入る。

「ヴァリアブルスラスターフルシンクロ。オーバードブーストッ!!!!」

 今までのOBとは比べ物にならない加速で叢雲が戦場に突入していった。

____________________________________________

 

<<支援砲撃。撃ちー方始め!>>

「お、ぎょうさんキタでー!

 ウチらも負けてられへんなぁ!」

「当然!

 アウトレンジ、決めます!」

 鎮守府に装備されている<有澤重工>製「対深海棲艦近距離迎撃用ガトリンググレネード」のアツい砲撃を縫いながら<ファシネイター>艦隊のエンブレムを付けた軽空母の艦娘、龍驤と瑞鳳が艦載機を発艦させて行く。

((いい感じです。私を遅れていられません!))

 旗艦の大鳳も戦線に赴く。

「さあ、やるわ!旗艦大鳳、出撃します!」

 大鳳も腰部据え付けの飛行甲板から艦載機を発艦、敵部隊に向かわせる。

((あれが今回の・・・。

  ・・・いいだろう!))

 彼女らの提督であるジナイーダも、敵の要塞を見て俄然ヤル気だ。

「さぁ大鳳、花道は開けておいたで!

 いってみよう!」

 大鳳には敵要塞までの一本道が出来上がっていた。

 龍驤と瑞鳳は運用できる艦載機の数こそ少ないが、一機一機が強力に仕上がっている。

「ありがとうございます!

 大鳳、敵要塞に突貫します!」

 大鳳が勢い良くOBで一本道を駆け抜けてゆく。

 しかし、当然敵はそれを良しとするはずがない。

「くっ、その程度!」

 深海棲艦による両面からの”歓迎”を、大鳳はいなし、躱しながらなお疾走する。

「Ahhhhhhhh!!!!!!」

 あるいは立ち塞がってきた敵を本来空母が装備しない武器で倒してゆく。

 「試製リニアバレルクロスボウ」で二体の軽巡ホ級を一度に撃ち抜き、

 「肩部パルスキャノン」で群がる駆逐艦各級を焼いてゆく。

 「背部/脚部ロケット」をうまく牽制に使い、

 「多弾頭マイクロミサイル」が敵の意識を大鳳に向かわせない。

 そして、果敢にも大鳳に最も肉薄した重巡リ級エリートは左腕に装着されていたレーザーブレードによって、無残にも三枚おろしと化したのだった。

 最後に大鳳の前に立ちはだかるのは、要塞とその統括者だけとなっていた。

「見えた!」

<<よし、大鳳、行けるな?>>

「当然よ、やるわ!」

____________________________________________

 

 ヲ級は研究台の上でそれを察知した。

((深海棲艦ガ来タノカ・・・ナラ・・・。))

<<ン、ヲ級、何をするつもりだ。寝ていてくれ。>>

 監視員の忠告を右から左へ、ヲ級は”身体”を起こした。

<<起きられるのか、仮装着しただけだぞ・・・。>>

「・・・起キラレル姿ニシタノハオ前達ダロウ。」

 ヲ級が自らの、新しい身体の調子を確かめている間に監視員は思い出した様で、ヲ級を脅す。

<<待て、何をするつもりだ。

  発言次第では止む無くも致し方ないことにするぞ。>>

「コノ身体ノ御礼ガシタイ。

 恩ヲ仇デ返ス様ナコトハ、深海棲艦(ワタシタチ)ハシナイ。」

 そのまま、いとも簡単にヲ級は試験用カタパルトへ向かう。

<<武器が無いぞ、どうする?>>

「右腕ノ”リパルサーレイ”ヲソノママニシテ、ソレニヨク似タプラズマキャノンヲ左腕ニモ新シク搭載シタノハ何処ノドイツダ。」

<<・・・。>>

 そしてヲ級はカタパルトから打ち出され、海面に着地する。

「ソレニ、ワタシニ合イソウナ武器ハアノ向コウニアル。

 ソウダロウ?」

 

「アレハ、アノ子ニハツライダロウカラナ。貰ッテヤルトシヨウ、ウン。」

____________________________________________

 

「コチラ現場の青葉ですゥ!

 どうですか見て下さいッ!

 我が<レイヴン>艦隊が誇る旗艦、叢雲がスゴイ事になっていますー!

 どうでしょう、解説の鈴谷さん?」

「えー、解説の鈴谷ですー。

 あの動きはですねー、そーですねー。

 って!そーいう時間じゃないでしょうが!

 ほらっっとぉ!」

 ・・・随分と器用に戦っている青葉と鈴谷である。

 それもそのはず、彼女達は現在旗艦の叢雲によって楽をさせてもらっている。

「当てるわ!」

「邪魔よッ!」

「沈みなさい!」

「そこね!」

 縦横無尽に敵を薙ぎ倒して征く、ヴァリアブルユニットを装備した叢雲を見て鈴谷が呟く。

「でもさー、コレってアレじゃん?」

「んん!なんですか鈴谷。アレって?」

「コレさ、アレだよアレ。」

 

「スーパーなんとか大戦。」

「せめてそこはアナザーなんとかエピソードでしょう鈴谷・・・。」

____________________________________________

 

前半ノ2に続く。




読んでくださって有難うございました。

ACでは起こりえないであろう戦闘ですが、これは艦COREですから。

ノ2は叢雲の戦闘です。
アイツがやってきます。

-補足、というより蛇足-

<ファシネイター>の編成ですが、提督のジナイーダ曰く
「被弾率の軽減が見込めるいい編成だ。」
だそうです。

筆者、最近ゲーム本編にて夕張を入手。
秘書艦にしていて放置ボイスにやられた模様。

蛇足にまで付き合っていただき、有難うございました。
私の作品を読み続けてくださるのであれば、応援、アドバイス等いただけますと有難い限りです。

追記、長くなりそうになったので短く調整して三つに分けました。
追追記、まさか四つになるとは筆者もびっくり。

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