本日発売の遊戯王『決闘王の記憶-決闘都市編-』、皆さん買いますか? 俺は買えたらいいなぁ…って状態です。予約はしてません。しようと思ったら忘れてた、とかじゃありませんよ?
ブラマジガールのカードとプロテクター目当てなんですけどね。ちなみに超電磁タートルの時は買えませんでした…おのれぇ。
買えなかったら神羅万象の本買います!
ちなみに主人公名は読者の皆様に感情移入してもらいやすいよう、プレイヤーとしております。読みにくければご一報くださいませ。
それでは、どうぞ
天気は快晴。そして休日。カードショップ店内は、多くの人で賑わいを見せていた。
「人多いなー」
俺も、入ってびっくりした。対戦テーブルは既に満席。シングルコーナーも立ち見している人がいる始末だ。
それもそのはず。今は7月序旬で、外は暑い。店内は空調管理を冷房に切り替えており、家にいるより心地いい。時間を潰せて娯楽を楽しめる、ということで入り浸る人間が多いのだ。
店内の光景に圧倒されつつ、俺は目当てのモノを探しに向かう。
「お、あった」
商品棚に立てかけてある『ソレ』を手に取ると、そのままレジへ。カウンターに居た店員の兄ちゃんは人のせいか暑さのせいか、少しばかり疲れているように見える。
少しだけ同情した。働くって大変だ。俺も今後の進路を考えねば。
レジに商品を置くと、バイトの兄ちゃんがバーコードを通す。疲れていてもさすが店員。手際が良い。
手早く清算を済ませた俺は、商品が袋に包まれるのを眺めることとなった。
「あざっしたー!」
店員さんの空元気な言葉が耳に響く。俺は袋を受け取ると、店員さんに軽く頭を下げて背を向けた。
袋の中身は遊戯王の構築済みデッキ、『青眼龍轟臨』だ。それも一つ。実用的な買い方とは言えないが、今の俺にはとりあえず十分な数だ。あとは手っ取り早くシングルで済ませられる。
「乙女も銀龍も、そう高くないしなぁ」
そう言えば龍の霊廟が新しく制限になったらしい。なんてことだ。有能墓地肥やしを一つ失ってしまった。
まぁ征竜なんかの墓地肥やしにもなるし、強いから仕方ないだろう。レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンといい、ドラゴン族もそこそこ弱体化を受けている気がする…。
そんなことを考えていると、誰かが俺を呼び止めてきた。
「ねぇ、君」
誰、と振り向けば見知らぬ青年。少し髪を逆立てた様は今時の若者、といった様子だ。しかし、顔立ちは見慣れない。
本当に、誰だ?
「え、俺?」
「そう、君。ちょっと俺とデュエルしてかない?」
どうやら俺であってるらしい。ただし、おそらく赤の他人。少なくとも記憶にない。
この絡まれ方は新しい。ちょっと面貸せよ、的なノリ。正直怖い。
いや、この人からすれば気さくに話しかけてくれたんだろうけど。
「えっと、俺今手持ちのデッキないですけど」
「ソレ使えばいいじゃん。あぁ、賭けデュエルじゃないから安心して」
少しだけ鬱陶しげに言うと、気にせずに相手は笑った。買い物袋を指さされれば、さすがにできないとも言えない。先ほどの言い方ではデッキがあればやると言っているようなものだし。
急用がある、とでも言えばよかったと後悔……俺ってバカだな。
「実は知り合いとやる予定だったんだけど、なんか遅れるみたいでさ」
そんなこと知らないし。よりによって俺じゃなくても。
店員さんも「レジ近くでやめてくれない?」みたいな目を向けてくる。ただし注意とかしてくれない。
俺は悪くないのに…世の中って理不尽だ。
「頼むよ。必要ならいらないカードも渡すからさ」
どれだけデュエルしたいんだろう、この人。
とはいえ、そうまで言われたら断る気にもなれない。丁重にカードの譲渡をお断りして、デュエルの申し出を受けた。
後で揉め事になるのも面倒だしね。
「分かりました。少しだけなら」
……そういえば、フリースペース空いてたっけ?
「じゃぁ君が先か後決めていいよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
なんか初心者に戻った気分で、俺は答えた。結局、フリースペースは空いていた。いや、正確には退いてもらった、というべきか。
気さくな兄ちゃん達が俺のストラクを見て初心者と思ったことが原因だ。違うと説明したものの、休憩も欲しかったそうなのでご好意に甘えているのである。
…こういう時に人の温かみを感じる。少し気持ちがほっこりしたのは言うまでもない。
「じゃぁ先行で」
先行ドローが廃止されて数ヶ月経つが、未だに慣れない。手札を五枚用意すると、内容を見ずにそのまま伏せておく。
相手も手札を5枚用意したのを確認すると、俺と相手の言葉が重なった。
「「デュエル」」
プレイヤー LP8000
青年 LP8000
「俺のターン!」
《先行》 プレイヤー 手札5
俺は手札を確認。構築済み一つではそう良いカードが来るわけもないが、先行から動けることを考えれば良い手札だった。
「俺は、手札から『ワン・フォー・ワン』を発動! 手札にある『
『ワン・フォー・ワン』 通常魔法(制限)
効果
手札からモンスター1体を墓地に送って発動できる。
手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
『青き眼の乙女』 効果モンスター チューナー
星1/光属性/魔法使い族/ATK 0/DEF 0
効果
このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。
その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。
その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。
また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードがカードの効果の対象になった時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。
「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない
「更に、『
『
星1/光属性/ドラゴン族/攻 300/守 250
このカードが墓地へ送られた時、デッキから「青眼の白龍」1体を手札に加える。
プレイヤー 手札5→3→4
「へぇ、そのデッキじゃ良い流れだね」
「同感です。俺はカイザー・シーホースを1体通常召喚。カードを一枚伏せてターンエンドです」
【エンドフェイズ】 プレイヤー/先攻 1ターン目
プレイヤー 手札4→2
場 青き眼の乙女×1(表側攻撃表示) カイザー・シーホース(表側攻撃表示)
伏せカード×1
俺はエンド宣言をしたあと、相手に目を向ける。先行でやれることは全部やった。あとは相手がどう動くか!
青年は楽しそうに笑みを浮かべ、口を開く。
「じゃぁ俺のターン、ドロー」
《後攻》 青年
【ドローフェイズ】 手札5→6
青年がデッキからカードをドローし、手札に加える。見た感じスリーブはZEXALに出てきた青色の皇の鍵。しかも二重で透明スリーブを織り込み済み。遊戯王プレイヤーにしては控えめな感じであるが、あいにくスリーブからは何のデッキか判断できなかった。
「俺は、手札から『召喚僧 サモン・プリースト』を召喚!」
そう言って場に出したのは紫ローブの魔法使い。条件付きでモンスターの再展開を可能とする嫌らしいモンスターだ。遊戯王Rで天馬月行が「最新最速の高速召喚モンスター」と詠ったのは伊達じゃない。
「そしてサモン・プリーストの効果発動。手札の魔法カード1枚を墓地に送り、デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚することができる」
『召喚僧 サモン・プリースト』 効果モンスター(準制限)
星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600
(1):このカードが召喚・反転召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはリリースできない。
(3):1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
「俺は手札の『増援』を墓地に送り、『E・HERO シャドー・ミスト』を特殊召喚」
『
星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1500
「E・HERO シャドー・ミスト」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「E・HERO シャドー・ミスト」以外の「E・HERO」モンスター1体を手札に加える。
「最新のHEROデッキ!?」
本当にごく最近出たばかりの十代デッキ。しかも青眼龍轟臨なんて目じゃないほどの豪華仕様の構築済みデッキだ。パーツとしても優秀で、俺も実は欲しかったりする。
そのスリーブ付き、きっと実践向けに組んだ奴だろう…難易度高くないか、おい。
「そう、強いよね。俺はシャドー・ミストの1の効果を発動。デッキから『マスク・チェンジ・セカンド』を手札に加えるよ」
そう言って、青年はデッキから目当てのカードを取り出す。シャッフルしたあとデッキを出してきたので俺がカットして、元の場所に戻した。
【メインフェイズ1】
青年 手札6→4→5
場 『召喚僧 サモン・プリースト』×1 『
「2体のモンスターでオーバー・レイ。エクシーズ召喚。現れろ、ダイヤモンド・クラブ・キング」
青年がモンスター2体を重ね、その上に黒枠のモンスターを置いた。これもまた二重スリーブ。エクストラまで統一したスリーブを使っているということはショップバトルもしているのだろうか。道理で強めの構築なはずだ。
アーク・ナイトじゃないだけまだいいけど、ランク4エクシーズは大抵悪さするよなぁ、と内心愚痴る。
「クラブ・キングの効果発動。X素材一つを取り除いて、ターン終了時まで守備力を0にする代わりに攻撃力を3000にできる! 取り除くX素材は召喚僧サモン・プリースト」
『No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング』 エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/岩石族/攻 0/守3000
レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
ターン終了時まで、このカードの守備力を0にし、攻撃力を3000にする。
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
また、エクシーズ素材の無いこのカードは、
攻撃された場合ダメージステップ終了時に攻撃表示になる。
「No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
「あ、普通に強い」
「でしょ? 何もないならアタックステップ入りますよ」
「何もないです、どうぞ」
相手の言葉に、カード効果を発動しないことを宣言。俺に確認後の相手は安心した様子だった。
構築済みの青眼龍轟臨に神の渓谷とか宣告とかの便利カードは入ってないんで、安心して召喚してください、俺は何も出来ません。
…くそぅ。
「じゃぁクラブ・キングでカイザー・シーホースを攻撃」
「えっと、鎖付きブーメランでダイヤモンド・クラブ・キングを守備に。それから「青き眼の乙女」に装備します」
「あー、マジかぁ」
『鎖付きブーメラン』 通常罠
次の効果から1つ、または両方を選択して発動できる。
●相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その攻撃モンスター1体を守備表示にする。
●発動後このカードは攻撃力500ポイントアップの装備カードとなり、自分フィールド上のモンスター1体に装備する。
鎖付きブーメラン。初期からあるカードの一つで、アニメでは城之内が多用していたカードとして有名ではないだろうか。
まさか相手もこんな古いカードが入ってるとは思うまい。海馬イメージの青眼竜轟臨になぜ入ってるかは定かではないが、乙女とのシナジーと旧カードの再録、といった所だろう。
実際、現在進行形で活躍中だ。
「乙女の効果発動。鎖付きブーメランの装備対象になったことで、手札から「青眼の白龍」を1体特殊召喚する」
「青き眼の乙女」の効果により、先ほど白石で手札に加えた青眼の白龍を場に出す。石版を背景にしたイラストのウルトラレア。しかも角に傷有り…スリーブなしでカードを触るのは危険だな。初期傷かもしれないけど。
あまり好きじゃないイラストなので俺の傷は少ない。初期イラストだったらきっとマインドクラッシュされてた所だ…初期イラスト欲しいなぁ。
「俺はカードを二枚伏せてエンドするよ」
【エンドフェイズ】 青年/後攻 2ターン目 手札5→3
場 『No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング』(表側守備表示)
伏せカード×2
青年が苦笑を顔に浮かべて、エンド宣言した。ご丁寧に攻撃への対策もして、だ。ダイヤモンド・クラブ・キングの守備力は青眼の攻撃力と互角。普通に考えても突破できない。
結構、辛くないか? 今の状況って。
「俺のターン、ドロー!」
【ドローフェイズ】 プレイヤー/先攻
手札2→3
「うぐっ…使うしかないかなぁ」
手札を見て、俺は呻いた。打開方法があるにはある。ただ、あの伏せカード二枚が怖い。
とはいえ、ダイヤモンド・クラブ・キングを攻略しなければジリ貧だ。攻めるなら、今しかない!
「俺は手札から、滅びの疾風炸裂弾を発動! ダイヤモンド・クラブ・キングを破壊する!」
「何もせず、クラブ・キングは墓地に落ちます」
『滅びの疾風炸裂弾』 通常魔法
自分フィールド上に「青眼の白龍」が存在する場合に発動できる。相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。このカードを発動するターン、「青眼の白龍」は攻撃できない。
「X素材だったシャドー・ミストの効果。エアーマンを手札に加えるよ」
青年 手札3→4
「なら俺は『青眼の白龍』と『青き眼の乙女』でシンクロ召喚! 蒼眼の銀龍!」
キーカード、ということでここはかっこよく決めてみる。周囲からクスクスと笑い声が漏れていて地味に恥ずかしい。
だが、ここで決めないでどうする! どうせならこのまま勝ちに――
「神の警告使うね。2000払って銀龍にはご退場願おうか」
「……ですよねー」
『神の警告』 カウンター罠(制限)
(1):2000LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、効果モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
青年 LP8000→6000
――どうやら俺の夢もここまでのようだ。
万事うまくいく、なんて思ってもなかったがこのタイミングで警告はない。本当に。
気づくと周囲からわっと歓声が上がっていた。まぁ警告を打つには良いタイミングだろう。アニメ的な盛り上がりは一切ないけどな!
「手札から死者蘇生を使って乙女を蘇生します。モンスターを一枚セットしてターンエンド」
『死者蘇生』 通常魔法(制限)
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
【エンドフェイズ】 プレイヤー/先攻 3ターン目 LP8000
手札3→2→0
場 青き眼の乙女(表側攻撃表示) ?(裏側守備)
俺のターンは何もできずに終了だ。慈悲なんてなかった。乙女を場に残せたから勝てる可能性が0になったわけじゃない、といいな。
まぁなんにせよ、次を持ちこたえてからだろう。相手にターンを渡すと、青年が頷いてドローした。
「俺のターン、ドロー!」
【ドローフェイズ】 青年/後攻 手札4→5
場 伏せ×1
「俺は手札から『
『
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「さらに手札から融合を発動! 場のエアーマンと手札のバブルマンを融合して、アブソルートZeroを出します」
『融合』 通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
『
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソリュートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する
「うわぁ、漫画版HEROってやっぱ強いわぁ」
どこか遠い目をして俺はつぶやく。明らかに書いてあることがどれもおかしい。いや、最近じゃこんな効果も普通になってきたけど…融合デッキではHEROはトップクラスの安定性があるんだよなぁ。最近シャドールとかいうのが入ったけど。
「けどソイツは場を離れないと効果使えないはず」
「そうだよ、だからここで俺も死者蘇生を使うよ。蘇生するのはシャドー・ミスト」
うん? シャドー・ミスト?
あ…。
「青眼でも良かったんだけど、乙女の戦闘耐性が結構鬱陶しいからね。シャドー。ミストの効果発動。シャドー・ミストが特殊召喚に成功したとき、デッキから『チェンジ』速攻魔法カード1枚を手札に加える。加えるカードは『フォームチェンジ』」
「うっわぁ」
「フォームチェンジを手札から発動。 『
『フォームチェンジ』 速攻魔法
(1):自分フィールドの「HERO」融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエクストラデッキへ戻し、そのモンスターの元々のレベルと同じレベルでカード名が異なる「M・HERO」モンスター1体を、「マスク・チェンジ」による特殊召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
「『
『
星8/風属性/戦士族/攻2700/守1900
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズにモンスター1体でしか攻撃できない。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
「『
「サンダーボルトを思い出すなぁ。属性的に簡易版激流葬なんだと思うけど」
おとなしく相手の言葉に従い、場のモンスターを撤去する。乙女と、伏せてあったのはシャイン・エンジェル。対象を取らない効果なので乙女の効果は発動しない。戦闘破壊じゃないシャイン・エンジェルも同じく不発。
とことんアブソリュートZeroとは相性が悪い。
「バトルフェイズ! カミカゼとシャドーミストで直接攻撃」
「一気に3700も…!」
プレイヤー LP8000-2700→5300-1000→4300
「俺はカードを一枚セットしてターンエンドだよ」
【エンドフェイズ】 青年/後攻 4ターン目 手札5→1
場 『
伏せ×2
にっこりと笑って相手はエンド宣言をした。余裕そうじゃないか。
くそぅ、見てろよ。
とはいえ、俺の手札はない。次のドローカードが、俺の命運を決めることになる。
そう思っていたら、自然と唇が釣り上がった。相手の怪訝そうな顔が見えるが、そんなことまで気にしない。
――だって
「俺のターン、ドロー!」
――こんな展開
「ワクワクするじゃないか!」
【ドローフェイズ】 プレイヤー/先攻 5ターン目
手札0→1
俺はドローしたカードをその目で確認すると、笑ってみせた。だって、そうだろう。
今に来てこのカード。勝つにしても負けるにしても、最高だ。
「俺は手札より、速攻魔法『銀龍の号砲』を発動! 甦れ! 青眼の白龍!」
『銀龍の号砲』 速攻魔法
自分の墓地のドラゴン族の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。
「銀龍の轟咆」は1ターンに1枚しか発動できない。
『青眼の白龍《ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン》』 通常モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。
墓地から青眼を探し出し、場に召喚するために抜き取る。だがその瞬間、俺の頭に痛みが走った。
「っ!?」
こめかみから突き抜けるような痛みだ。声が出ない。目が開けられない。
何だ、これ。俺、どうしちまったんだ!?
高いモスキート音のような耳鳴りも聞こえる。理由も分からず、俺は頭を抑えて悲鳴を上げた。
その際、手から『青眼の白龍』が落ちていく光景が見えた。
「う、ぐあぁぁあああああ!?」
余りの痛みに俺は絶叫し、意識を失った。
最後に俺が見た光景は机に落ちた『青眼の白龍』と、微かな光を放つ俺のカードたちだった。
カードゲームの小説はバトルスピリッツに手を出したこともありましたが難しいですね。カードのテキストやプレイ内容など、もう少しスッキリさせておきたいところです。
今回は現実世界ということでライフ8000からのスタートでしたが、途中でばっさり切っちゃってます。最後までやることなく気力が尽きてしまったためです…不甲斐ないですね、申し訳ないです。
身内が十代ストラクチャーを買ったこともあって、わざわざ青眼龍轟臨の内容を組み直して相手しましたが、身内は慈悲もなく死者蘇生で青眼を分捕っていきましたのでこんな展開ではありません。ドローカードの内容は一緒なんですけどね。なので号砲引いた段階で青眼が墓地になく、そのまま敗北しましたorz
デッキレシピはまんま青眼龍轟臨ですので、現在は上げないことにします。ご容赦を。
では、また次回。