異世界より”超高校級”が参戦するようですよ! 作:ヤッサイモッサイ
Wi-Fiが無いとハーメルン開けないので帰郷の間は投稿できませんでしたー!
…………たった三日間なので言い訳には使えませんがね。
まぁ毎日は無理ですけど週一、がんばれたら週2ぐらいで投稿していきたいです。
…………カムクラちゃんの一人称って何でしたっけ?
災禍の痕、既視感、そして憤怒
───何だ…………これ…………。
眼前に広がるはかつて人が住み営みがあったであろう痕跡…………風化してほぼ更地になった広大な大地である。
かろうじて形を保つ建造物には日常の風景が残されており、それが何よりもこの場の異常性を証明していた。
だが何よりも俺が覚えたのは────既視感。
自身が”絶望”としてあらゆる破壊と恐怖を振りまいた世界………………ここはそれの縮小劣化版だ。
「なるほどな、確かにこれは…………。」
ここは黒ウサギのコミュニティが存在していた場所…………これが仮に魔王とやらが襲撃した結果だとするのなら…………それは一体いつの話だ?
どう言った破壊を振りまけばこうなる?
少なくとも物理的じゃない…………単なる風化ならばまだ振動や酸による酸化で規模に違いこそあれど再現は可能だろうが…………それならばここまで自然な感じは出ない。作り物のような感じが出るだろうし何よりもまだるっこしい。
かと言って時間を操りました───なんて言われたら黒ウサギには悪いが勝ち目が無い。
言っちゃなんだがそれは那由多の数のモノクマを相手にするのと大して変わらぬ絶望具合だ。
「おい、黒ウサギ。魔王とのギフトゲームがあったのは何百年前の話だ?」
十六夜が破壊の片鱗に触れながら驚きを含んだ声でそう問いかける。
どこか興奮混じりの十六夜とは対称的に黒ウサギは湖で見せた悲痛の表情で驚愕の事実を告げる。
「わずか三年前の話でございます。」
────三年。
変化の激しい子供でさえ三年でここまで変わることはないだろう。
でもそれ以上に…………三年である。
絶望が入学し過ごした”二年”
世界が崩壊したのは三年目だ。
ひどく奇妙な運命である。
「ハッ、そりゃ面白い冗談だ…………いやマジで面白いぞ?この風化しきった街並みが三年前?」
だが十六夜はそんな運命や現実すらも鼻で笑って飛ばした。
「…………俺は面白いとは思えないけどな。あんまりにも馬鹿げてる。」
ここに来て俺はようやくひとつの可能性が見えてきた。
俺が先程まで才能を使えていた原因はカムクラだ。
つまりまだ絶望は死んでいない…………むしろあの世界において神の如き扱いを受けていた”絶望”という存在がこちらに来ている可能性は…………割と高い気がする。
白夜叉がカムクラの存在に気がついたのももしかすれば────
「…………確かに馬鹿げてやがる。断言するがどんな力のぶつかり方をしようがこんな事にはならない。この木造の壊れ方なんて膨大な時間経過による自然崩壊にしか見えない。」
「ベランダのテーブルにティーセットがそのまま出ているわ。これじゃまるで生活していた人間がフッと消えたみたいじゃない。」
「…………生き物の気配が全くしない。整備されなくなった人家なのに獣がよってこないなんて…………。」
「『どうやって成したのか』、『なにが起きたのか』、『なぜこうなったのか』…………わからないことだらけだな。」
何せ見た目はただの廃墟。調べようにも調べられることはそう多くない。
考えることは多いが考えられることは少ない、こう言った状況じゃロジカルダイブもヒラメキアナグラムもあまり意味はなさそうだな
「…………魔王とのギフトゲームはそれほどに未知の戦いだったのでございます。彼らがこの土地を取り上げなかったのは魔王としての力の誇示と、一種の見せしめでしょう。彼らは力を持つ人間が現れると遊び心でゲームを挑み、二度と逆らえないよう屈服させます。僅かに残った仲間もみんな心を折られ……コミュニティからも、箱庭からも去って行きました」
…………どうにも深刻だな。
やはりどの世でも人を殺すのは絶望なのか?
何にせよこれで白夜叉がゲーム盤とやらを持っている理由がわかったな。
どちらにせよあれほどのものを展開しなきゃならない程の力ってどんなものなのだか…………
そして────そ れ を 使 わ ず に こ こ ま で 人 を 踏 み に じ れ る わ け か
どこの世界でも本質は絶望か?神とか星とか言われるような存在が揃いも揃ってこれなのか?
弱者が自身のところへ這い上がるのがそんなにも怖いか?弱者をいたぶるのがそんなにも楽しいか?
醜悪が過ぎる。
それを許すこの箱庭のなかの汚染が許せない。
結局は自分の力を一方的に振るうことに快感を覚えてるただの下衆じゃないか。
そんな人間でも分かることが………………
「…………なんでわからないんだよ。」
気のせいなのか頭の裏の主張がまた強くなった気がする。
…………気を落ちつけろ。俺が絶望に飲まれてみろ…………手伝うって決めた事を投げ出す以上に最低な状況になるに決まってる。
「魔王…………か。ハッ、いいぜいいぜいいなオイッ!想像以上に面白そうじゃねぇか!!」
そんな日向の激情をよそに十六夜はどこまでも十六夜らしく嘲笑う。
自身の決意の元となった惨状に感情を殺す黒ウサギ
自身が協力すると誓ったものの大きさに言葉を失った飛鳥と曜
絶望を認識したことでより深く失意に染まる日向
そしてただただ嘲笑う十六夜……………………コミュニティ《ノーネーム》が再び翼を広げようしていた
そこで笑える十六夜君まじリスペクト