異世界より”超高校級”が参戦するようですよ!   作:ヤッサイモッサイ

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どうもお久しぶりです。無事入試も終わり今は結果を待つばかりです。思うのはなぜ自分は理系に来てしまったのかということばかりですが今更行っても仕方がありません。もしもの場合は来年も頑張るのみです!
とりあえず更新を再開したいとは思いますが今回の話は特に長期のスパンで書いたために不自然に文体が変わっていたりするところがあるかもしれません。教えてください。まだ何か言うことがある場合は活動報告に載せます
では長らくお待たせしました、本編です


祭り明け、夜空に残る、火の香り。日向心の一句

祭り明け、夜空に残る、火の香り。日向心の一句

 

 

 

 

「フッ、───セイッ!!」

 

巨大な何かが石を打つ音が響く中、少女が宙を舞いながら一人踊る。

……と詩的な表現をすれば随分と美しい光景に聞こえなくもないが現実目の前で見るには心臓が強くないといけないだろうな。少女が美しいだけにでっかい土塊に追い掛け回されているさまは余計に悲惨な結末を予想させるものだ。

白夜叉の誘いのとおりにギフトゲームに参加しているが今のところ俺のサポートが必要そうな場面は特にない。

たまに敵のゴーレムとでもいうべき人形の製作者が地面を変質させたりゴーレムの動きを極端に変化させてこそいるものの春日部は危なげなく対処している。

それでも万が一を考えて敵が砕いた地面の破片を投げつけては動きを牽制したり変化した地面をえぐったりしている……だがそれももう終わりのようだ。

ゴーレムのひときわ力の乗った拳をグリフォンの風の恩恵を使って躱しすぐさま返す勢いでその体を粉砕する。

身体、感覚の強化に幻想種の力……更には動物と言葉を交わす事が出来る力というのは語るまでもなく凄まじい力だ。だからこそ大会進行役の白夜叉が春日部の決勝進出を告げたのもある意味必然だろう。

 

「おつかれ春日部」

 

俺の横で春日部を応援していた三毛猫を拾い上げながら春日部も俺のねぎらいに答える。

 

「うん、応援ありがとね。創、三毛猫も」

 

またそれに答えるように三毛猫も声を上げる。

 

『気にせんといてーな。それよりもお嬢!ついに決勝やで!』

「うん、ここまで来たらひと頑張りだね」

「相手も決勝まで勝ち上がってきた猛者だ。油断するなよ?」

「しないよ、創もいるし」

 

……うん、このギフトゲームのパートナーが春日部で本当に良かった。これが仮にほかの二人だったら……想像したくはないが十六夜にあらゆる意味でぶち壊される大会が幻視できる。久遠に至ってはそれよりもひどい。氷河期の再来待ったなしだ。この世のどこにそんなアイスエイジを経験したいなどという酔狂な男子高校生がいるのか?そんなものどこにだっている訳が無い。

そんな風に心の奥底で穏やかな気持ちになっていると周りのざわめきが少しまた大きくなったように感じた。

 

「なんだ?」

「創、あそこ」

 

春日部が指し示す場所へと目をやれば白夜叉に並ぶように豪奢な気飾りをした少女が一人。

印象ははただただ「赤い」と言ったところか?

 

「……階層支配者ってやつか?さっき見たやつと肌色や髪色がそっくりだ」

「……うん、確かジンの友達……だよね?」

 

春日部が遅まきながらやってきたジンにそう尋ねるがジンはどうも遠慮したように

 

「そ、そんな!僕がサンドラ様のご友人だなんて恐れ多いです!」

 

……うんまぁそれが普通の反応か。俺の仲間にもいたぞ、俺らとは立場からして違う不思議と跪きたくなる存在感の持ち主が。

ジンが慌てふためき春日部が興味津々に追求する中それらのざわめきを割るようにして少女が口を開いた。

 

「ご紹介にあずかりました、北のマスター・サンドラ=ドルトレイクです。北と東の共同祭典・火竜誕生祭の日程も今日で中日を迎えることができました」

 

出た言葉は主催者らしい言葉で特に面白味のあるものではなかったがやはりどこか様になっているというのは彼女の天性の才能というもののおかげなのだろうか?たしか聞いた話ではジンと同い年と言う話だった……つまり齢11であの堂々たる……とまではいかない迄もはきはきと己の役割をつとめているということだろう。

そのサンドラに促されるがままにジンの持っていた招待状とやらを確認すれば書かれていた文字がバラバラに散らばり形を変えて再び組み合わさっていく。一通りの移動が終わったあとには今回のギフトゲームの決勝戦の詳細へと変化していた。

 

『ギフトゲーム名”造物主達の決闘”

 

・ゲーム参加コミュニティ

・ゲームマスター ”サラマンドラ”

・プレイヤー ”ウィル・オ・ウィスプ”

・プレイヤー ”ラッテンフェンガー”

・プレイヤー ”ノーネーム”

 

・決勝ゲームルール

・お互いのコミュニティが創造したギフトを比べ合う。

・ギフトを十全に扱うため、一人まで補佐が許される。

・ゲームのクリアは登録されたギフト保持者の手で行うこと。

・総当たり戦を行い勝ち星が多いコミュニティが優勝。

・優勝者はゲームマスターと対峙。

 

・授与される恩恵に関して

・”階層支配者”の火竜にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームに参加します。

”サウザンドアイズ”印

”サラマンドラ”印』

 

ゲームの詳しい内容はまだ書かれてないようだが対戦する相手コミュニティの名前はかろうじて記載されていた。

 

「ウィルオウィスプと……ラッテンフェンガー?」

 

ウィルオウィスプってのは確か墓場とかに出る炎の球のことだったか?

ラッテンフェンガー……というのは聞いたことが。

何にせよこれで今日の日程は終了のようで早くもサンドラのあいさつも終盤に差し掛かっている。

俺は今一度夜の帳に包まれ様相を変えつつある赤く燃える町並みを眺めながら少しの違和感を捉え始めていた。何事にも理由があるというごく当たり前のことを白夜叉の言葉と共にリフレインさせながら、ただただ思考を繰り返してそれでもなお違和感の正体を掴めずにいる。

 

既に災厄の音色は奏でられているというのに俺といえば……未だにどこかでこの世界のことを甘く見ていたのだった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

所変わってここは先ほどのギフトゲーム運営本陣営の謁見の間。名前の通り謁見するための部屋であり常識的に考えて礼を失する行動のその全てを控えるべきこの空間は流石と言うべきか主に十六夜の影響で相も変わらず緩い空気が流れていた。

 

「随分と派手にやりおったの。おんしら自重と言う言葉を知らんのか?」

「辞書には刻まれてるが使ったことは一度もねぇ!」

「自信満々にいうことですかこのおバカ様!!」

 

……白夜叉が言っているのは街の真ん中の破壊された時計塔のことだが……あれには一応黒ウサギもかんでいたはずだよな?

もちろん口には出さない。一応俺は捕まってないことになってるし視界の先でその姿よりも赤いオーラを迸らせて憤る例の階層支配者の血縁がいるからだ。

一応白夜叉が体面を気にして作った真面目な顔で叱っているがそれでも男の機嫌は収まらない。フンッ、と力強く鼻で目の前の光景を笑い飛ばしてはその姿に見合った厳つい声で高圧的に言い放った

 

「ノーネームの分際で我々のゲームに騒ぎを持ち込むとはな!相応の厳罰は覚悟しているか!?」

「これマンドラ。それを決めるのはおんしではなかろう。」

 

だよな。かといってあれだけの騒ぎ……いくら親交があるとはいえ……ってそのマンドラとやらの反応からは親交があったように見えないんだが?

と言ってもやはり口には出せない。白夜叉の声に応えるように玉座から立ち上がった小さい体躯から声が発せられたからだ。

 

「”箱庭の貴族”とその盟友の方。此度は火竜誕生祭に足を運んでいただきありがとうございます。今回あなた方が破壊した建造物は白夜叉様のご厚意により修繕がなされ、また人的被害も奇跡的に無かったということなので私からは今回のことは不問にしたく思います。」

「え、まじで?」

「へぇ?太っ腹なことだなそれは。」

 

思わずあげた声が十六夜と被った。それくらい衝撃的だ。まるでVIPのような扱いの良さだが……ノーネームである以上はありえないと思っていたことが案外起こるもんなんだな。

 

「うむ、まぁおんしらは儂が直々に協力を要請した身。被害がなかったのが幸いしたのぅ。」

 

修繕費と路銀は前報酬と思ってくれとナチュラルに経済力と懐の広さを披露してくれる白夜叉だ。

そしてその会話の流れから今回俺たちがここに来た理由を話し出す。

サンドラの目配せにマンドラを残して配下は下がりこの部屋には俺を含めて7人のみになった。途端にどこか重苦しい空気が一部霧散しかわりにとても華やかな笑顔を浮かべたサンドラがジンへと駆け出した。

 

「ジン、久しぶり!コミュニティが襲われたときいて心配していた」

「ありがとう、サンドラも元気そうでよかった」

 

……やはり地位持ちとはいえ子供は子供、ということか。もっともジンもサンドラも普通の子供に許される生活を送ることはないのだろうが。

 

「世知辛いもんだな」

「違うね、俺らの世界が甘すぎたんだ。力が全て……わかり易くて辛いも甘いもあったもんじゃねぇのさこっちは」

「……たまにはその捻くれた物言いを何とかできないのかお前は?厚顔不遜にも程があるしな」

「ヤハハッ、俺ほど真っ直ぐな奴もそういねえよ」

 

だからそう言う事じゃないんだがなぁ……まぁ「その様に気安く呼ぶな、名無しの小僧!!」───おいおい。

 

柔らかくなっていた空気をその一喝でぶち壊したのは未だにその苛立ちを隠さぬマンドラだ。久しぶりの再会に話を弾ませる二人に我慢の限界が来た……といったところだろうがなんにしても大人気ない、なにせわざわざ人払いをした意味を分かっていてやっているのだから。

なお、人ごとのようにしている俺の目の前ではマンドラがジンへと振るった剣を十六夜が蹴り返し、その何を捉えているのかわからぬ双眸で凶刃の元凶を睨みつけている。

 

「おいおい、知り合いの挨拶にしちゃ穏やかじゃねぇぜ。今の止める気なかったろ?」

「あたりまえだ!サンドラはもう北のフロアマスターになったのだぞ!誕生祭も兼ねた共同祭典に”名無し”風情を招き入れ───」

「それ以上はやめといた方がいいな、マンドラ」

 

全く持ってどこへ行っても飛び出すのは罵声の数々。実力が認められる世界と言えば聞こえはいいがそれは示せなければ力があろうとも埋もれてしまう世界ということだ。だから余計によからぬ事を考える輩も出てくるし視界も狭まる。

 

「……なんだ貴様は?」

「お前たちが招待した”名無し”のメンバーだよ。素性も知らず自分の主の前に立つことを許したのか?」

「なんだ日向、口は慎まなくていいのか?」

「俺たちは客分だ。招待者に払う礼儀と感謝こそあれ下っ端にまで掛ける情けは無い。自身が招き客人として扱った存在の主を独断で殺そうとするような行動の方が余程自身の主の名誉に関わるということにも気づかない馬鹿野郎の授業料をもらってもいいぐらいだ」

「客分だと……?随分と大きく出たな田舎者が。一流のコミュニティともなれば客もまた選ぶもの、お前らのような”名無し”など端から論外だというのだ!」

 

………………。

 

「仮に───」

「何?」

「──仮にお前が北のフロアマスターになったとしたならば、確かについてくるものは多いだろうがそれ以上の進展は無かっただろうな。少なくとも今回の祭りは失敗に終わっただろうよ」

 

誕生祭という特別な祭り……それ故に持つ意味はとても大きく、俺などが口に出したりすれば怒るのも無理はない。だがそれでも俺は()()()()()()()()()()()()

王としての背中ならば既に見てきている……ならば問題ない。瞼の裏に思い浮かぶ王としての使命を負った少女と最後まで仲間のために死んでいった男を見てこの俺が竦むわけにはいかない

 

「お前は王として持つべき誇りの在り方を知らない。そんな有様で吠えたところで自分が愚かに見えるだけだぞ?」

「───ここまではっきりと侮辱を受けたのは初めてだ」

 

そう言ってマンドラは再び剣を構える。

 

「そこまで吹いたのだ。もちろんその身に刃を受ける覚悟はできていよう」

「覚悟ができていなくとも問答無用で刃を振るうやつが今更形式をならうな。他に迷惑だろ」

 

俺の言葉を受けて剣が持ち上げられる。視界の端で目尻に涙を浮かばながら笑いをこらえている十六夜は今度こそ割り込むつもりはないようだ。そして俺も振るわれる刃を止めるつもりはない。もともと二人の子供の前で行われた大人の非道に腹が立っただけのこと……これ以上は過剰でしかないしその当の子供にとってもいいことではない。

 

「「マンドラッ!!」」

 

重なった二つの幼い声にマンドラの剣は静止する。ずっと見守っていたからか幾分か落ち着きのある声が白夜叉、咄嗟に出したからか少し食い気味な声がサンドラのものだ。

 

「マンドラ兄様、その方の言う通り今の兄様は余りにも礼儀を失しています!」

「……礼儀よりも、……誇りだ。名無し風情と関わるから周りから見下されるのだ!」

 

マンドラのセリフが少し詰まったのは先ほど俺が打ち抜いた言葉だったからだろう。

それよりも見下される……か。周囲の目を気にするのになんでこんな強硬策に出たのか?……例えばその周りから名無しの始末を頼まれた。だとすれば話は通るがそもそも名無しとは嫌われものである事は否定しないがかと言ってそれを理由に狙われるほど大きな存在でもない。狙う理由が普通のコミュニティにはないのだ。

それでも刃を向けて向かってきたのは事実、ならば多少無理があろうと理由がある筈なんだ。

 

「これ、いい加減にせいマンドラ!」

「”サウザンドアイズ”もだ。全く持って余計なことをしてくれる。同じフロアマスターといえども越権行為だ、『西の幻獣、北の精霊、東の落ち目』とはよく言ったものだ。此度の噂も東が北を妬んで仕組んだことではないのか!?」

 

……噂?

どうやら同じ所に疑問を持ったらしい十六夜が白夜叉へと問いかける

 

「おい、噂ってのはなんだ?今回のことも何か関係があるのか?」

 

対する白夜叉もあらかじめその話をするつもりだったのか袖口から一枚の手紙を取り出した

 

「うむ、この封書におんしらを呼び出した理由が書かれている。自分の目で確かめるがよかろう」

 

渡された手紙の封を一気に破り十六夜がその中身を確認して一切の表情を消した。

それを不思議に思った黒ウサギがそれを後ろから覗き込みに行く。

 

「……なっ、なんですかこれは!!」

 

たまらず叫び声を漏らした黒ウサギに今度はジンが封書を確認しに走る。

……流石にここまで露骨な反応を見せられれば全てが繋がるというものだ。

 

「今回の依頼ってのはあの封書のことについて……ってことでいいのか?」

「それしかねぇだろ。あぁ……確かに意外だった、俺はてっきり跡目争いか何かの仲裁だと思ってたぜ。」

 

俺に乗っかって場の和を乱す発言に再びマンドラが反応しようとするがそれよりも早く白夜叉が俺たちの言葉に答えた。

 

「謝罪はせんぞ?話を聞かずに受けたのはおんしらじゃからの」

「違いねぇ……それで?俺達にさせたい事、いやそれよりもこの封書はなんなんだ?」

 

だいたい予想はついてるけどな、と最後に付け加えて十六夜がこの場の全員を見回す。

この場にいるのは事情を知っているもののみ、今更怖気ずくものも無いだろうが十六夜としては別の意図があった。

ようやく回ってきた封書に目を落とせば書かれているのはこの世界なりの絶望の形……知らぬ間に過去2回自分が経験したであろう魔王とのゲーム……その予兆である。

 

「うむ、では改めて申し込むとしようかの。おんしらにはこの誕生祭の間……サウザンドアイズが予知した魔王の襲来、これを退けて欲しい。」

「……なんのためにその魔王様とやらが誕生祭に襲撃をかけてくるんだ?まさかフロアマスターになれなかったからとかわけわからん理由ではないんだろ?」

「さぁの?そこまではわからんが言えることがあるとすればそれは……今回のサンドラのフロアマスター就任、これをよく思わぬ輩は少なくないということだ」

 

その理由がサンドラの年齢にあるのかマンドラの言うとおりノーネームなんかとつるんでいたからなのかは知らないが……なるほどな。こればかりは仕方がない。サンドラが悪いとは言わないが年端も行かぬ少女が突然自身たちを守り管理する上司になったと言われて納得できるものはそういない。

 

「それにしたって見当もつかないってことはないだろう?魔王なんてそこいらにありふれてるわけじゃないんだ。どの魔王が動いたにせよ関係がありそうなコミュニティを辿っていけばそのうち──」

「それは無理ってもんだろ。フォレスガロを見ればわかるが魔王の影響ってのもわりと馬鹿にできねぇしいうほど分散してねぇんだ。特に北のフロアマスターのことで動くってことはその魔王様とやらも北に随分と縁があるお方なんじゃねぇの?」

 

俺の疑問に十六夜が答えた。確かに十六夜の言う通り噂に聞く自分勝手な魔王という存在ならば影響が少ない所詮は些事に動くことはない筈だ。となれば主な活動拠点は北……つまり支配域もだいぶ広くなる。探すのは困難……か。

 

「ふむ、それもあるがいやそれ以前にだ。今回の予知はサウザンドアイズの者が未来視で捉えたものでな。その者によれば今回の魔王……不思議な事に該当する特徴を持つものがいないのだ」

「……それなら端から特定も何もないか」

 

マンドラの言う「東が仕組んだ事」とはこのことか。

確かに状況的にも心情的にも疑ってしまうのはわかるが流石に先走りすぎだな。

 

「それ故今回の件……というわけでございますね?」

「うむ、といってもわしがここにいる以上好きにさせる気は無い。おんしらへの依頼も討伐というよりかは護衛、防衛と言った意味合いが強いな。魔王はわしが抑える故ノーネームは住民を被害から守る事と数がいた場合に備えて取り巻きを抑えて欲しいということだけじゃ」

「そりゃなんとも楽そうでいいな」

「楽なわけがありますかこのおバカ様!」

 

十六夜らしからぬ消極的な一言に黒ウサギがツッコむ。確かに肝心の魔王を白夜叉が抑えてくれたとしても周りに控えるのはその忠臣達だ。弱い筈がない。

……それに気になるのは白夜叉の存在が隠されたものではないということ。

 

「まぁ何にせよひょっとすれば予知が外れて来ない可能性もある。警戒をしなくてもいいとは言わんがそこまで気張らなくても良い。おんしらは魔王の戦いが見れてラッキーとでも思っておけ」

 

白夜叉の言葉にどこか張り詰めていた空気が緩んだ。だが俺はそう簡単に気を抜けるとは思えない。

 

──仮に隠されていてもサラマンドラとは決して繋がりが無いわけではない白夜叉の存在は分かり安いのだ。そんな強者を相手に対策を練らずに来るのか?聞けば白夜叉は箱庭世界の中でも有数の実力者……真っ向から対峙して勝てると思うほどの自信家なのか、はたまた何か手があるのか……考えられる中で一番最悪なのは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────襲いくる魔王の存在が白夜叉その物であった場合、つまり”サウザンドアイズ”が敵だった場合だ。




基本的に大きな原作改変はないため最後のは伏線でもないでもないです。
そしてつい先日小説の設定を少し変更しました。主には指摘のあったカムクラくんの箱庭での立場についてです。
前までは十六夜君と同程度としていましたが実力を跳ね上げておきます。ただし日向くんにはあまり関係がありません。原作購読者の方にはもどかしい思いをさせたと思います、すいませんでした

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