異世界より”超高校級”が参戦するようですよ! 作:ヤッサイモッサイ
時間があったので一日に2回投稿。おそらくもう一生ない
さてさて、今回もまたアンケート?できれば答えてくれると嬉しいです。
今回は表現です。
多分ですけど作中の「死者蘇生」だか「蘇らせようとしている」と言う感じの表現をしたところをそのまま受け止められた読者さんがいたらしく。「別に花村ちゃん達は死んでないよー」と言ってくれたんですが作者的には殺したつもりはなく、ただそれに近しい事をするに当たって少し盛った言い方をさせていたつもりでした。
もしそこら辺がわかりづらかったという方がいましたらメッセージでも感想でも何でもいいので教えてください。
そんでその方ばかり来られても変えたらいいのかよくわからんので「別に構わんよ」という人もぜひ教えてください
では今回はマイルドカムクラ〜作者風〜をお楽しみください。
最悪の絶望と最初の絶望と絶望の豚カツ
「よもや目覚めて最初に見るのが貴方とは…………もはや分かりやす過ぎて考えるまでもない。」
「ちょっとちょっと!そんな使い古された存在みたいな言い方って無いクマー!」
「ぴ、ぴぃー!内容と語尾が噛み合ってないよ!」
…………何だこの茶番は。
「何にしても帰ってきてくれて嬉しいよ。あの超高校級の希望を、あのザッコザコな日向君のままにしておくのは世界クラスの損失だもんね!」
「な、なんか良く分からないけど…………僕、ゲームに勝ったんだよね!だよね!」
「うん!そりゃもちろん────ありゃ?」
身体の調子は悪くない。状況も理解出来る。
いきなり彼女が出てきたことに懸念はあるが…………この体を使っている以上問答無用で絶望に犯されることはないはず…………そう考えればこの体も悪くは無いのか?
────まぁ何にせよ…………
「ゲームが続いてる?どういう事だよぉ。お前、何かした?」
そう問いかけてくるのは天使の如き愛くるしさを持つシロクマの右半身と悪魔の如き醜悪さをみせる赤き瞳のクロクマの左半身をくっつけた様なヌイグルミ。
「した…………とも言えるししていないとも言える。非常に瑣末ごとですがこの状況の原因は僕ではなく…………
「…………腐っても超高校級の希望…………って事だね。全く前哨戦にしか過ぎないここでこんな妨害に合うだなんて僕ってば本当についてない。これじゃまるで超高校級の不幸だよ!」
…………ゲームの内容は自由。
先程までは討論で決めていたか…………討論というには些か片方が正気を失いすぎていてお粗末だったが。
「あれれぇー?返事が無いのは寂しぃなぁ…………学園長を無視するなんて、許しませんよぉー!」
「箱庭に来てもなおその体とは…………先の勝負では随分と手痛く絶望できたみたいですね。ここはひとまずおめでとうと言うべきですか?」
「…………本当に嫌味なやつだなぁ。そういうお前は随分と明るくなったじゃないか。ツマラナイしか感情のない妖怪ツマラナイな君はどこに行ったのさ。体だって日向創ままじゃない。」
自身の体を見下ろすが確かにあの暗く世界と自分を分けるかのように伸ばされた髪は視界に入ってこない。
「…………希望を持たない希望に向かって希望の質問とはまた随分と絶望らしいですね。
「世界の破壊者が随分と希望を語るね…………。まぁいいよ、花村くん。やっちゃいなさい!」
「え、僕!?というかだってあれ絶望に染まったんじゃ──」
「無理ですよ。いくらあなたが頑張ろうと僕を絶望させることはできない。」
「…………希望が努力を否定するのかい?」
「
「とことん主人公に向かないやつだなぁ君は。」
「友情一割、努力一割、勝利一割、運7割よりも勝利十全、運十全のほうが事件は解決できると思いますけどね。逆境がお望みならば確かにそうでしょう。最もそれは何よりも絶望的なあなたが望むものではないんでしょうけど。」
…………さて、虎狩りも終わったようだし。あまりノンビリもしていられませんね
「ゲームを終わらせましょうか。僕は
「あの不良生徒の根性を叩き直してあげちゃってよ花村くん!」
「え、だから僕なの!?」
恐らくながら彼は元々完璧に絶望に沈みきってないように見える。
だからこそ
それが彼女の狙いだったのなら…………そんな風に考えれば絶望につけ込まれるか。
今の状態では僕の才能も十全にその力を発揮できないようだ…………
「状況的には五分と言ったところじゃないかな?」
「違いますよ…………状況は既に五分ではなく僕に十全です。」
たしかにこのままいけば良くて硬直状態…………でもだからこそ貴方にはこの一手は
「花村輝々は初めから僕を憎んでなんかいませんから。」
「…………何言っちゃってるの?花村くんの絶望の根底は君だよ」
「えぇ、だからあなたは彼を初めに僕に当てたのでしょう?でも当の花村輝々は僕の言葉を否定できない。」
事実花村輝々は僕の言葉を否定していない。
「…………なんで?」
「さぁ?ただ…………彼にも思うところがあった。それだけですよ。」
「…………そうだとしてもなんでそんなことが分かったのさ。花村くんの絶望は本物だったはずだよ?」
「この際絶望が本物かどうかは関係ないんですよ。問題なのはその絶望の原因を目の前にして彼の態度が何も変わらなかったこと。そしてついでにいうならば彼の絶望は本物じゃなかったということですよ。」
「お、オイラは確かに絶望して───」
「絶望した人間は絶望なんかに憎しみを抱きませんよ。持つのは十人十色の愛だけ…………ゲームは始まるまでもなく決まっていたんです。」
…………だからこその茶番。
「相手が
─────故にツマラナイ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あれ?そういえば何か忘れている様な…………」
謎の鬼化した樹木のこともあって気を緩めることができずにいたフォレスガロとのギフトゲームも曜さんが怪我をしましたがなんとか終わりジン坊ちゃんが囚われていた傘下のコミュニティに旗を返しているところでふとなにか足りない感じが致しました。
「あら?日向くんは私たちの応援もよそに何処に行っているのかしら?」
「日向さんですか?」
そう言えば確かにいないような…………そもそもギフトゲームが始まった時点で居なかったような…………最後に見たのは…………ギアススクロール確認の前!?
「い、一体どこに!」
急いで黒ウサギ自慢のウサ耳で周囲を探ると何やら謎の力が働いている空間が付近に存在しました。ものすごく気味の悪いその空間、なぜ気づかなかったのかと思えるほど存在感を放つその空間に日向さんはいらっしゃいました。
ですが放つ雰囲気は何時ものモノではありません。
目の前に立つクマさんのようなヌイグルミと料理人姿の男性と対峙する姿は何処か鋭くなにか空恐ろしいモノを感じました。
しかし謎の空間のせいか会話までは聞き取れません。
それでも無理やり会話を探ったのは日向さんと向かい合う二つの影の”イケナイ”空気です。
それにしてもウサ耳の干渉をふせぐことができるのは余程特殊なギフトゲームの時位しかありません。
黒ウサギはウサ耳を使って急いで確認とってみました。分かったことは行われているゲームが魔王のものであるという事。
思わず背筋が泡立ち顔から血の引くのがわかりました。
「い、一体何が!?」
黒ウサギの尋常ならぬ様子に詰め寄る飛鳥さんに反応することすらせず必死に空間への介入を続けます。
そうしてようやく聞こえてきた会話は何やら物騒でよく日向さんが口にする”絶望”と言った言葉。おそらく当事者でなければ理解が難しいその会話の中でひときわ異色を放つ今の鋭い日向さんを指すであろう…………
「……世界の破壊者?」
「どうしたよ黒ウサギ。いきなり随分と物騒な事つぶやくじゃねぇか。」
「いえ…………その、なんといいますか…………。」
いつの間に旗を返し終えたのか戻ってきていた十六夜さんが話に加わります。
「先程から随分と焦っているけれど日向君がどうかしたの?」
そうでした!あまりな表現に驚いて一瞬我を忘れましたが今日向さんは魔王のゲームの真っ最中。何とかして助けに行かねばなりません。
「お聞きくださいお二方───」
「何だもうゲームが終わったのか?早かったな。」
連戦の飛鳥さんはキツいかもしれませんが急いで救助に向かってもらおうとそうお二人に呼びかけようとしたところでそれは予想外の人物に遮られます。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あら、日向くん。今まで何処に居たのかしら?コミュニティの仲間が死ぬ思いで猛獣に立ち向かっていたというのに。」
「悪かったよ。それにしても久遠から死ぬ思いって言葉が聞けたあたり少しは俺達にも気を許してくれたのか?」
「なにを───」
「だってお嬢様出会った頃なら絶対俺らに弱音見せなかったよな、なぁ日向?」
「あぁ。いやようやく仲良くなれたみたいで嬉しいぞ。」
「〜〜〜〜ッ!!?春日部さん怪我までしたのに友達として余裕だった言うのはどうかと思っただけで別にそんな他意があったわけでは……そう、そうよ社交辞令みたいなもの───」
「…………社交辞令なの?」
焦って色々と残念なことになっている久遠へ春日部が追撃をかけて見事に撃沈させる。
「それにしても久遠の言う通り怪我してるな。結構大きいけど動いて大丈夫なのか?」
「あまり大丈夫じゃないけど…………治癒能力とか体力とかも軒並み上がってるし見た目程深くないから大丈夫。」
「そういうふうに安心してると案外危なかったりするんだぞ?」
「むぅ───大丈夫と言ったら大丈夫。」
「こっちはまだ心を開いてくれないみたいだな。諦めろ日向。友達じゃない俺らには無理だ。」
「…………お前まだそのこと引きずってんのか?」
「うるせぇ!」
一連の流れもようやくオチがついたところで会話に入ってこない黒ウサギの事が気になった。
視線をそちらへ向けてみれば当の黒ウサギはまるで幽霊でも見るかのような目でこちらを見続けている。
「どうしたんだこれ?」
「知らね。俺が来た時には世界の破壊者がどーのーこーの。」
「世界の破壊者?私は黒ウサギと日向くんがどこにいるのかの話をしていたのだけれど…………」
「………………俺の?」
意識が戻った頃には既に花村の姿はなくなっていたが…………世界の破壊者というのはまず間違いなく絶望の端末だった花村のことだよな?あの場にいた端末だったやつは花村しか…………
────いやカムクラもそうなのか。むしろそっちの方が自然だ。俺が絶望に落ちたのならばカムクラが出てくるのが当然…………でもそれじゃなんて俺が今ここにいる?ゲームはどうなった?
…………わからないことは置いておこう。
今は黒ウサギがあの場をどこまで見たのかが問題だ。
「それで結局日向はどこに行ってたんだよ?」
「ん、ちょっと熊に追いかけられてた」
「…………それはジョークかしら、なにも面白くないわよ。」
「全くだ。流石にそれは俺も庇えねぇ。でもとりあえず興味あるから俺を案内しろ。」
「……みた……い。」
「無茶いうなっての。特に怪我人は大人しくしてろって。」
正直気が気じゃないから。
それにしても問題は山積みだな。
ジンが黒ウサギを現実に引き戻すのを横目にオレはまたもや夜空を見上げる。
やはり夜空は…………どこでも変わらない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
以前日向が黒ウサギを手伝うと決めたときは世界を救うと言っていた。
日向の世界を聞いた時は俺の世界と似た世界だったと言っていた。
白夜叉は日向の抱えているものが星ですら抱えられない物だと称した
そして黒ウサギは日向に関する何かを知った。キーワードは『世界の破壊者』。
…………おもしれぇよ。
やっぱりこの世界は非常に愉快だ。
「世界を救うだの破壊するだの…………実は身内が一番面白いんじゃねぇか?」
時々自分の世界にトリップする今の仲間を見ながらかつて感じたことのない昂りを俺は感じていた。
───────だからオモシロイ。
気づいた!?ねぇねぇ!気がついた!?
前回の前書きの「あれあれあれぇ?」って罪木ちゃんの真似なんだよ!
あと、今回は視点変更多くてごめんなさい。こういう時って変更先を書いたりするもんなんでしょうけど…………作者のわがままで書きたくないんです。
少し読み進めたら「あぁ○○視点なんだ」って分かってもらえそうなんでいいかなと。
あれ?これ前書きに書くことじゃね?
そして花村と違いモノくまの人気のなさと言ったら…………誰も触れてくれなかったよ。ショボーン