異世界より”超高校級”が参戦するようですよ!   作:ヤッサイモッサイ

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どうも、1年前くらいに一話だけ二次創作をあげてそのまま存在を忘れていた野菜です。
「小説家になろう」のほうでも別の名前で地味に活動しています
今回は思いつきで書きためていた作品を少し投稿してみようと思いまして。
ただ作者は問題児たちが異世界から来るそうですよ?の原作その他メディアミックス作品を持っておらず知識はアニメと他の方々の書いた二次創作から来ています。だからセリフもちょっと違うらしいです。気になる方は正しいセリフを教えてくださればなぁと思います。では短いですが一話目をどうぞ


chapter1 絶望からの浮上と異世界からの落下
異世界の手紙


異世界の手紙

 

 

 

 

 

「────クソッ…………。」

 

 

暗く…………長い髪を引き摺りながらも男は荒廃した世界を進む。

さながら幽鬼のような外見ながらも力強いその歩みと妖しくも輝く紅き双眸は力に満ち溢れていた。

顔に浮かぶ玉のような汗が唯一彼の疲労具合を表している。

 

 

男の名はカムクライズル…………様々な実験を経て一時期は超高校級の”希望”とまで言われるようになった元凡人。

 

 

…………いや”元”を付けるのならばそれは凡人にではなく超高校級の希望に対しての方が適切か……。

 

今の彼は世界を絶望で満たすための端末…………希望を絶望に塗り替えた女の駒に過ぎない。

 

 

先程までだって彼女の意思のままに絶望を伝播させる為の活動をしていたところなのだ。

 

 

(まぁ半ば失敗に終わりましたがね。)

 

その時の記憶まではないものの無事に電子の世界から脱出出来た………………そこまではいい。

 

 

問題はなぜか自身と同じ絶望の端末がその身に希望を宿していたことにある。

 

ゲームの中で何が起きたかまではわからないまでもこうして自分がここにいるということは間違いなく希望化は失敗した筈なのだ。

 

江ノ島盾子に何が起きたかはわからないが、現に捕らわれた端末の三分の一以下とはいえ確かにかつての同級生達はかつての…………いや、それ以上の輝きを持っていた。

 

 

(…………わからない。)

 

カムクラには理解ができなかった。

 

かつて超高校級の希望と呼ばれたからこそ”本物の超高校級の希望”を知らないカムクラにはその情報が…………その才能だけが唯一欠落していたのだ。

 

(わからない───がおもしろくもない。)

 

未知───ある意味カムクラが求めているものではあるが何故かこの”未知”だけは不思議と癪に障った。

そもそもカムクラがそういった感情を抱いている事が異常なのだが憔悴しきったカムクラがそれに気づくことはない。

 

いくらカムクラとはいえ希望に囲まれた状況下…………自身の正体不明の不調もあり取れる選択は逃亡しかなかった。

 

 

「───本当につまらない。」

 

だが本当のところカムクラにとって計画の失敗などどうでも良かった。

 

 

彼の目的は現状ただ一つ…………”つまらなくない事”。

 

先ほどの未知すらもカムクラからしたら「おもしろそうだから」と言った考えでしかない。

ただただ希望であり続けるために必要なもの以外のすべてを…………むしろ必要なものすらも捨て去ったカムクラに残るのは機械的な絶望への奉仕と未知への極僅かな”諦観”。

 

どうせ未知なんて無いと断言しきる…………運命すらも自身の才能だと断言しきる”元”希望ゆえの諦め。

 

それが唯一辛うじてカムクラを人間の形に止め絶望へと誘った理由。

 

 

───故にカムクラがどんよりとした空から落ちてくるそれに興味を持ってしまったのは仕方のないことだと言える。

 

伸ばした手に収まったのは蝋で止められた豪奢な便箋。

宛名は間違いなく自分宛だ。

 

空から降ってきた自分宛の手紙というだけでも十分に怪しいがそれが無くともに星の数程もあるカムクラの才能の全てがその手紙の怪しさを証明していた。

 

だがカムクラが興味を抱くのにはそれで十分。

 

 

感情など忘れた身で有りながら少し焦り目に開かれた手紙にはこう書かれていた

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 

その才能を試すことを望むならば、

 

己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 

我らの"箱庭"に来られたし』

 

 

その意味をカムクラが理解するまでの極々僅かな時間の間にカムクラの視界は荒廃した世界から自然豊かな異世界へと移り変わったのだった


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