遊戯王 デュエリストのお兄さん 蒼銀の導き 作:ひろやん(すぴ出身)
海馬を無事(?)に現実世界に連れ戻した後、私は海馬コーポレーション本社ビルの一室でペガサス会長にエジプトでの経過報告をした。
「ここまでが過去の世界と異世界で経験したことになります。尚サンプルとしてリアルソリッドビジョンシステムに対応した異世界のディエルディスクを持ち帰ってあります」
「分かりました。しかしインダストリアル・イリュージョン社にはこの技術を解析するだけの設備も人材もアリマセーン。解析は海馬コーポレーションに依頼することになるでしょう。それで、オベリスの封印は成功したのですか?」
ペガサス会長の質問に対して私は3枚のカードを差し出した。
「それが…、増えちゃいました」
「オゥ!ノォ!」
異世界からの帰還後、オベリスクを狙ってグールズが襲ってきた。もちろん全員撃退した。そして撃退したグールズのメンバーはオベリスクが筋肉信者にしたのち墓守の一族に預けた。今頃彼らは古代エジプト人のように褌一丁で無料奉仕に勤しんでいる事だろう…
そんな事を繰り返しているとマリクがオシリスとラーを持ち出して闇のゲームでデュエルを挑んできた。そのデュエルでオシリスを操る表人格のマリクを倒してオシリスを奪い。続いてラーを操る闇人格のマリクも倒してラーも奪った。
その後イシズから名も無きファラオが眠りから目覚めた今、神のカードの封印が解かれるのは必然。今は3体の神を実力で倒した私が持っているべきだと言われて今に至る。正直に言うと、神のカードの保有者という称号よりも降りかかってくるであろう厄介ごとの方が大きいと私は思っている。
「参考までに聞きたいのですがどうやって神を倒したのですか?」
オシリスの時はマリクが原作同様にスライムの盾と手札制限をなくすコンボを使ってきたので
ラーの時はワンターンキルの効果を使って攻撃してきた時に罠カード『自業自得』を使ってマリクのライフを0にした。当然『融合解除』を使う事は知っていたので対策もして。オシリスにしろラーにしろ効果を知っていて対策を考えていた。そしてマリクがその事を知らなかったから勝てたようなものだ。あまり自慢できる勝利ではない。
「分かりました。では3枚の神のカードはキリノが保管してください。エジプトでの命令はこれで完了したことにしま~す。それでは今後の事について命令を下します。口頭ですが辞令を言い渡しま~す。辞令 本日付けを持ち桐野 優一をインダストリアル・イリュージョン社特別係長の任を解き海馬コーポレーションへの出向を命じます。インダストリアル・イリュージョン社名誉会長 ペガサス・J・クロフォード」
「海馬コーポレーションへの出向ですか?」
「そうデ~ス。役員待遇で迎え入れる事で話は着けてありま~す」
昇進させると約束してもらっていたけれども海馬コーポレーションへ役員待遇での出向になるとは思ってもみなかった。
「
つまり拒否権は無いと。
「こちらでの住居の手配と引っ越しの手続きはインダストリアル・イリュージョン社が手配をしておきま~す。何か要望が有れば後でまとめて担当の者に伝えておいてくださ~い」
「分かりました。その辞令謹んでお受けいたします」
最初の出会いは良くないものだったけれどもペガサス会長の元で働くのは楽しかったんだけれどもな。
「では出向前に私からの最後の命令がありま~す」
最後の命令?
本当なら遊戯の話を書くつもりでしたがエジプトでの報告の話を書いていたら話が中途半端になったのでここで区切る事にしました。
キリノはビッグ5がいなくなった海馬コーポレーションで海馬、木馬に続くナンバー3になりました。海馬の取り巻きの黒服たちは海馬の面倒を見てくれる人が来てくれて大喜びです。
ペガサスはキリノが能力を生かせる職場で待遇も給料も上がり母国へ凱旋させたくらいの気持ちでいます。