やはり魔法科高校の魔王の青春は間違っているストラトス 作:おーり
劣等生をちらりと読んでみて既に想定している設定が破綻しているという罠
というか八幡の性格が難儀すぎて友人キャラと普通に仲良くなれないし…、
つうわけで世界線の統合に伴って学校の仕様と通っている生徒にも色々手を加えます
八幡にちょっとは救いがある世界になりますよーに
でもあの子無駄にさいきょー過ぎて攻略難度がルナティックwなんという難解ヒロインw
あ、今回女性キャラ出ません
「あ、H×H再開してる」
早朝から登校したところで学校など開いてる筈もなく、俺は近所のコンビニで時間を潰していた。
昨日に発売された週刊少年雑誌の、期待していた長期休載漫画の再開に、思わず胸を躍らせながらの立ち読みである。少年二人の冒険描写はもうお終いなのだろーか。
それにしても己の権能の使い勝手の悪さには本当に呆れ果てる。
透視すると相手側からも覗かれるとか、説明書くらい用意しといて欲しいもんだ。
それで女子から同情を誘うとか、俺は二次創作転生オリ主かよ。
ボーデウィッヒも簡単に絆されおってからに。
それが男子のプライドをボキッと圧し折っていることに気づいていなさそうだ。
奴には今日から鈍感系ちょろインの称号を与えてやろう。
……いや、あれはどっちかというと惚れた脹れたの好意とは別物だな、多分。
どちらにしろ、己の黒歴史を見られてしまったことがネックだ。
例えば、虐められていた女の子を助けたと思ったら俺が虐めの対象となって村八分になっていたこととか(しかもその女の子も相手側で)。
例えば、付き合ってくださいと言われたその子に“付き合い”の間終始財布扱いされていたこととか(しかも別の男とデートしているのを街中で偶然見かけてしまっていたり)。
例えば、友人だと思っていた奴が何も説明せずに転校していって後日にそのことを別の奴に教えられたりしたこととか(以降一切の連絡が無い)。
……いやたとえ話だよ? 別に実話じゃねーよ? あれ、おかしいな? 視界が妙にぼやける。疲れ目かな?(棒読み)
そんなたとえ話のようなブラックなヒストリーがあるかどうかはともかく置いといて、全て見透かされているということは俺の心の弱い部分もしっかりと把握されてしまっているということに他ならない。
これから距離を置こうにも、『俺のことを全部知っている』と錯覚したままに遠慮なしに近づいてきそうだ。
……やべぇ、家にも学校にも俺の居場所がねぇ。あっ、前からだな!(錯乱)
それにしたって司波の本家の四葉さん。(ちなみに読み方はヨツバで合っているらしい、とは深雪さん談)俺をとりあえず囲おうというその心意気はもう明け透けなので今更反抗はしないが、それにしたって入れるところはもう少し考えてほしかった。
補欠なお蔭なのか、まともな授業が今の所受けた記憶が無い。
いや、魔王様をわざわざ育成しよう、とか殊勝な態度に乗り気でないのは理解しているし。人類の敵扱いだしね? 体面はともかく内心的にはさ?
そんな奴を魔法科高校へ入学させたのは、対抗策を練る時間稼ぎとか、若しくは事故に見せかけて殺ってしまおうとか? そういう目論見は論破しているのよ、俺も。
だからこそそれに付き合う気は無いから、こっちはまともに学修して、エリート校の出身として無事に卒業して、何事もない順風満帆な将来(理想の主夫生活)を目指していくのだけどな! 侮ってんじゃねえって話だぜ!
しかしそんな俺の目論見は今の所頓挫中。このまま自習続きだとまともな高校生活を送ることができなくなる……はともかくとして、―ほら、ぼっちがまともかよ?っていう世間一般的なツッコミがあることぐらいは俺も自覚しているからね?友達いなくて何が悪いんだ!って俺自身は声を大にして言いたいけど、やっぱりマイノリティに厳しいのはどういう世界線でも共通事項らしいし?とりあえずは大義名分的な意味合いでの例え話だから。な?―このままでは学力の面での懸念が浮上する。
専門学校系だからと言って高等学校なのは間違ってないんだし、期末テストとかの定期考査ぐらいは普通にあるだろ? どうやって勉強すればいいんだよ……。
………………あれ? 普通に詰んでない? ……やべぇ、このままじゃガチで学生生活を棒に振る。
「――あっ」
「あん?」
どうすんべか、と昨今の若者っぽく訛った思考が言語化する前に、後ろを通った誰かの呟きに思わず首を傾げた。
その声音が俺の方に向けられていたのは、長年の気配探知(ボッチは人の気配に敏感にならなくては生きてゆけない)でわかったので思わず振り返ったが、行動した時には既に後悔していた。
……スルーすれば良かったじゃん、俺……。
見下ろしたのは頭一つ分低めの可愛い系女子高生。今時珍しいくらいに化粧っ気が皆無なのが目を引き、その上に美少女にしか見えないのだから思わず凝視してしまった。いや、一瞬のことだから不快感を与えないレベルだと思うけど。
しかし、声に反応してしまったことが普通に悔やまれる。
今時の女子はどんな見た目でも「はぁ? 何見てんのコイツ?」みたいな思考がデフォで働くのだ。
そして女尊男卑の世界では、そういう時ほど碌でもない展開が待っている。ソースは俺。
この少女がいくら純朴そうに見えても、彼女が何かに反応したのだとしても、自分には向かっていないものだと判断してスルーしておけば良かったのである。
そうすればいつかのあの時も、電車で痴漢の冤罪を掛けられないで済んだのに……ッ!
……ちなみにその時は中学に上がったばかりの年齢だったので、駅員からの口頭注意で済ませられた……。全く信用されなかった。泣きたい。ていうか泣いた。
苦い過去はともかく……どうしよう、お互いにフリーズしちまったい……。
幾許かの逡巡の後、彼女は意を決したように口を開いた。
「あっ、あの、司波君、だよね?」
「えっ、アッ、ハイ」
ん? この娘俺のこと知ってるの?
思わず声が裏返ったのが功を奏したかは知らないが、少なくともいつかの冤罪の様な扱いを受けることは無い気配が見えてほっとする。
え?コンビニでそんなことあるかって? ……万引き犯に間違われたことがある俺に同じことが言えるか?
あの時は逃げてく女子らに背後から蹴っ飛ばされて、気が付いたら同じグループとして店員に拘束されていたからな……。しかも俺だけ。以来、其処のコンビニ系列では一切買い物をしない。
「転校してきたばかりだからわからないと思うけど、同じクラスなんだ」
「そ、そうなんすか」
いや、今はトラウマを思い出している場合じゃないだろ。しっかりしろ俺。
多分走馬灯的な意味合いで事態を回避する方法を脳が模索している可能性が大。
綻ぶような笑顔で会話を続ける彼女に、どんな反応したら正解なんだよ! とエマージェンシーが鳴り止まない。
こういう時こそ権能の出番だろ! 働け神秘! ……駄目だ! 役に立つもの多分ない!
「あ、僕は戸塚彩加です」
「し、司波八幡、だ」
わかってるよー、とまた笑顔が綻ぶ戸塚。
なんだこの娘。天使か。
昨夜から今朝に引き続いていたハニトラに対する警戒心も燻っていたはずなのだが、肝心のハニトラ仕掛けたのがボーデウィッヒというロリ女神系お姉さんだったせいか長年培ってきた本能はなんかもうゆるふわである。
ああ、この娘になら騙されてもいいかもしれんわ……。
と、なんだか早朝から駄目人間な俺がそこに居た。
● ● ● ● ●
戸塚彩加。同クラスの男子である。
【緊急速報】 男 子 で あ る 。
大事なことだから二度言ったが、よく見ると下はズボンだった。化粧っ気無いのも納得だわ。
そんな小動物系小柄男子戸塚彩加は、昨日一日不動で居た俺が普通に気になったらしい。昨日の内に声をかけておこうかと考えていたらしいが、それを周囲に止められていたと口にして、慌てて訂正しようという心意気が見られたのが八幡的にポイント高し。結局訂正は成功していないのだが、涙目になって「ほ、報復とか、しない?」とクラスメイトを慮った思慮深さに感激した八幡は「そんなことしねぇよ」とニヒルに笑って言いましたまる
……つうかやっぱしクラスからそう思われていたのか。か、悲しくなんてねーし! お蔭で戸塚と知り合いになれたし!
むしろクラスメイト、オマエラ良く戸塚を止めた。クラスメイトに危ない橋を渡らせようって考え出さない良い子たちで、ちょっとだけ気分が良くなる。……いや、その生贄を捧げられるか否かの瀬戸際になっていた対象、俺だけどな。
さて。
そんな俺に何が話であったのかと、聞いてゆくうちに憤慨の気持ちが盛り上がる。
――うちの学校の教育課程は大学とかと同系統の、選択授業方式であったらしい。
………………最 初 に 教 え ろ よ !!!
大体他の新入生に遅れること2週間だけど、新しい学校に慣れていない生徒に最低限のガイダンスをやってほしいと願うのは間違ってるのか!?
知らねーよ! 資料もガイダンスも入学パンフも手元に一切ねーよ! 学校側か司波側か、どっちでもいいから、お し え と け よ ッ!!!
………………今から授業を選択するには受付を終えた講義もあるため少なくなっているらしい。
そんなわけで、天使が、間違えた、戸塚が教えてくれた受けられる授業を、一緒に受講する流れへとなったのであった。
なったのであった、が……。
「……えーと」
「あっ、お、お前は昨日の二科生……!」
……昨日の、なんと言ったか、あの突っかかってきた哀れな男子。確か、
「ああ、モブ崎君だっけ?」
「誰だよ!? 僕の名前は須藤だ!」
知らんよ。というか名前とか聞いてないしどうでもいい。
須藤とやらは俺と戸塚と同じ講義を履修しているらしく、目的地である体育館へと歩む道すがらずっとしつこく自慢話ばかりをしていた。
そんな俺たちが履修した講義は『魔法実践学習』。内容は魔法を使った実践形式の講義で、要するに体育に近いものだ。
最初に戸塚が提案してくれたのだが、俺が魔王≪カンピオーネ≫ということを理解すると同時に、魔法に関して素人であるということも理解してくれていたらしい。
まあ、転入生という形で普通科高校(元々通っていた地元の『総武』は一応は進学校だが)からこの時期に送り込まれてきたのだから、事前に魔法学という分野に関して一般公開されている以上の学習量があるわけはないしな。
魔法は一般的に誰でも扱えるというわけではなく、血縁によって補われる資質だとされている。
それらはESP因子が遺伝子にどう関係しているか、が重要となってくるとか聞いた気がするのだが、そもそも俺は魔法関係を扱えないから詳しくは知らん。ただ、本家筋には件の因子が伴っているらしいので、深雪さんとかがやはりその筆頭となるわけだ。
当然それに準ずるように、魔法科高校に通う生徒らは因子を持つ血縁で幼い頃から相応に教え込まれてきたエリートとなる。
それはそれで努力が積み重ねられたわけであるから、中々に偉いとは思うよ。一般人とは完全に見ているものが違うから、話が合うはずもないって当然的に理解も出来るけどな。
そしてその中での二科生(補欠)というのもまた、言葉の通りとなってくる。
そいつらは要するに、それぞれの家柄で蹴り落とされた負け犬ってことだ。負け犬と一般に言っても資質的に『魔法使いである』ことは間違いないから、やっぱり一般人に紛れ込ませるわけにはいかない、という理屈も混じってくるのだけど。
魔法科高校が存在する一番の理由はそこにある。
血縁で強力な魔法使いが世間一般の非魔法使いと同じレベルで生活できるわけはない、だから生活圏を分けて常識の摩り合わせを長期に掛けて執り行う必要性が存在する。
魔法科高校は一般的には高校生であるが、今まで家庭学習に近い環境で学修してきた魔法使いらの常識レベルを信用しても良いものか、を図るための登竜門でもある。エリートらは順調に卒業してゆけば、国の舵取りへと転化する人材に成り得るのだ。その時常識がありません、などと他から言われてみれば国の教育課程の面目は丸つぶれなわけである。
ちなみに存在理由が他にあるとしたら、俺たち『人類の敵』に対抗する下準備だと思うね。
血縁ではない資質で存在する呪術師。
努力次第ではあるが根本的に性別で分けられるIS乗り。
そして神秘を伴っていない魔法使い。
これら三つを摩り合わせないと、どうしたって格上存在の魔王や神には叶わないからな。
魔法科高校はIS学園と違って軍属や独立国家ではないけど、研究機関に准ずるものじゃねーかと、最近思ったわ。
どれもこれも、本格的なコミュニティとなっているところは治外法権的な空気があるからなー。某麻帆良とか学園都市とかと似たような雰囲気。戯言だけど。
さてそんな研究機関での『実践』とは、まあ要するに魔法の撃ち合いによる技術的進歩を促す講義。と捉えられる。
話を戻すが、俺は魔法に関しては面白いくらいに素人だが、神秘に関しては今の所地上にて俺に勝てる人類は皆無となる。
神秘とは要するに神の興す『現象』だ。
魔法は魔法で物理現象を思考で変容できる、っていうチートな性能だが、超能力という立場上人の想像力を超える現象にまで発展させるにはまだ研究が足りない。
理論上は何処までも上げられる、という議論は今は要らん。
悔しかったらその『理論』を対まつろわぬ神に使ってみろ。
ちなみに呪術は呪術で神秘を伴うわけだけど、出力不足っていう課題が上がる。今の所は置いておこう。
もう一度話を戻すが、魔法の撃ち合いに『神秘』を伴ってはいけない、という理屈は無い。
現に、この学校には呪術師の分野の生徒も通っているらしいので、そこを許容するしないの話では既にないのだ。
……俺の独壇場じゃね?
「――では、二人一組となって実践を開始するように。なお、この学校には相応の結界と治癒術師も備わっているので被害に関しては特に気にしなくて結構だが、命を脅かすような呪いは流石に控えるように」
担当教科のタンクトップな角刈り先生が、何気にこっちを見ながら言った気がする。
……ていうか二人一組? オノレ、イニシエの古き闇を掘り起こすとは、奴には血も涙もないのか……!
だけど今日の俺に死角は無かった! 磯野ー、じゃなかった、戸塚ー! 野球しようぜー!
「ちなみにE組は一科生と組むように。レベルが同じなだけじゃ進歩は無いからな」
……神は死んだ!
● ● ● ● ●
「ふっ、格の違いを見せてやるさ!」
戸塚と組むことが出来なかった俺と組んでくれたのは、まさかのモブ崎君、じゃなくて須藤君であった。
なんかドヤ顔しているけど良い奴だなキミ!
それにしたって先生の「二人一組になってー」はマジでトラウマ。
小中とハブられていたからなー、ついでに「はいはい、比企谷君のことが嫌いでも余っている子はいるんでしょー? 3人組の子1人きなさいー」という余計すぎる記憶まで引き出しそうになり鬱になるわ。って、思い出してんじゃねーかよ、馬鹿か俺は。
「所詮は二科生、先手はキミに譲ってやろう」
「あ、いーのか?」
この授業の単位は範囲・効果・威力などの攻性魔法を実践的に扱えるか否かで修得できるとか。
高評価が得られると思って戸塚の提案に乗らせてもらったが、改めて考えるとマジでイージーゲームだなこの講義。
とりあえず強ければいい、っていう脳筋的な授業内容に見えるし、提案してくれた戸塚マジ天使。
しかしどうするか。
ぶっちゃけ俺の権能って分かりやすい攻撃性が特に……あ、あれがあったか。
「よっしゃ、じゃあいくぞー」
「ああ、いつでも来たまえ!」
少し離れた須藤君の居る場所へ向けて、呪力を練り、言霊を紡ぐ。
曰く、魔術的言語とは何を扱うかを術者が理解していれば、どのような言葉でも発動できるらしい。
つまり、
「――エターナルフォースブリザードォォォッ!!!」
「へっ!? ふぎゅばらはぁあああああッッッ!?」
――こんな厨二な発言でも、発動可能ということである。
って、意外と威力あったな、フルーレティの権能『氷雪を扱える程度の能力』。
講義は始まったばかりだしー、ゆっくりしていってね☆
~アガリアレプト
ルシフェルの配下、魔界の将軍、第二軍団の指揮
世界中の宮廷や政府の秘密を暴く力を持ち、どんなに難解な謎でも解き明かすことが出来る
准ずる権能は『千里眼』『透視』『霊視』『遠隔視』等
発現呪文は「我に暴けぬものは無し」
~フルーレティ
アフリカを支配するベルゼブル配下の上級魔神
魔軍の副将であり、人の望む仕事を一夜のうちに完全にこなす。又、望む場所に雹を降らせる力を持つ
准ずる権能は『天候支配』『冷却』『氷雪』要するに大紅蓮氷輪丸
発現呪文は「永久に凍えし地獄を招く」
~戸塚彩香
元ガイル勢出身の男の娘。多分唯一の癒し系
プロット上あまりにも八幡に優しくない世界が出来上がったのでせめてもの罪滅ぼし
この先吐き気を催すほどのアンチが八幡を襲う!(予定)
~須藤
オリキャラは入れたくなかったのだけどちょうどいいキャラが居なかったので
元ネタが何者かは、多分察する人は結構いるはず
この先無意味なまでの暴虐が彼を襲う!(ガンバ)
~チルノのさんすうきょうしつはーじまry
そっちははじまりませんがこの先似たようなことがちょくちょくあるかも
つぶらめだまは二つしかないのでちんぷんかん?せやな。
ゆっくりしていってね☆
まあ年代がそもそも劣等生って奴と違いますからね
魔法科高校の設定、大幅に弄りました。すべては執筆が完成しないBLEACH二次の所為なんだ
だ、断じて俺が本作を把握できていないからというわけでは…!
あと八幡の性格は大体こんな感じらしいです