やはり魔法科高校の魔王の青春は間違っているストラトス   作:おーり

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前話数ヶ所を修正
証人→要人にしたり、
服部(憶測)の実際の内心を閑話的に挟んだり
まあ特に読まなくっても問題ない程度の修正です

ところでGXのISのお色気?シーンが露骨すぎてなんかもう読んでいられないんだが俺だけなry


≠≒=、この数式が判ったひとは挙手。ヒントはトラウマ

 

 

 それは俺の眼球がまだ言うほど腐っていなかった時代の話。

 大体小学校4年の頃だったと思うのだが、俺は女の子をイジメから救ったことがある。

 イジメられていた彼女は結構な男勝りであったのだが、美少女と言っても差支えは無かったであろう器量だったにもかかわらず、クラスの男子からは“ゴリラ女”とか“男女”等と言った適当な徒名で馬鹿にされていた。

 単純に彼女が通っている剣道教室での成績というか体面が良く、そこいらの男子顔負けの実力者でもあったことが、同じ教室に通っていた男子らを経由して発展していったのだろう。

 ――どうでもいいのだがお前ら、くい●とか●棘とかを前にして同じこと云えんの?

 今にして思えばそいつらは彼女のことが好き、というか気になる程度には好ましかったのかと思われる。

 小学生男子って言うのは、単純に好きな奴を虐めたりする傾向にあるからな。

 俺? 当時からハブられていましたが何か?

 イジメの現場からは遠巻きにハブられて、周囲からそいつらの関係性をぼんやり覗うという、子供らしくない子供をやっていましたが何か?

 ぶっちゃけ彼女のことを直接弄った覚えなど無く、当時のクラスの空気に引っ張られるように『彼女=つよい』みたいな認識であったことは否定できない。

 つうか情報が俺には直接入ってこなかったから、仕方ないと思うんだが!(強調)

 

 話を戻すが。

 そんな性別間違えたみたいな益荒男感溢れるであろう認識をされていた彼女が、ある日男子らを見返す意気込みとかが在ったのかもしれない。

 某アイドルのように、頭にリボンをつけて登校してきたのである。

 それだけで女子力が上がるとは今では全然思えないのだが、当時の俺からしてみれば中々に天啓的であった。

 益荒男感を感じていた俺がその認識を改めるくらいには、少しだけ恥ずかしそうに登校してきた彼女は普通に“女子”であったよ。

 閣下も中々侮れねぇな。

 

 しかし、いつも彼女を弄っていた男子らには、相応の意地みたいなものがあったのだろう。

 可愛いのは分かっているが、認めたら負け、みたいな空気が朝の一瞬で生まれていたのが俺でも良く分かった。

 1人のガキ大将が「にあわねーんだよぉ!」と赤面しながら言ったのを皮切りに、他の奴らもそこはかとなく遠回しな拒絶で掛け合いが始まる。

 そんな状況を見てられなかった俺は、1人空気の読めない感じでクラス中の男子の声を遮った。

「そんなことないだろ、可愛いぞそいつ」

 すると、当然の如く俺に対して集まるバッシングの嵐。

 空気を読めてない、正確には空気を読まない島津的な俺の発言を、俺を否定することで彼女を直接否定できなかった鬱憤晴らしへと無意識に変換させる男子ら。

 声は次第に大きくなり、仕舞いには「好きなのかよー?」といった思春期特有のやっかみが。

 恥ずかしくは無いが、いい加減にウザったくなってきた俺は更なる爆弾で事を占めようとした。

「寄って集ってしか何にもできないお前らのような男らしくない奴らなんかより、コイツの方がずっと好きだね」

 最初に弄られていた彼女は顔を真っ赤にし、その日は逃げ帰るように早退していった。

 

 ……可笑しいな。

 当時の俺はカンピオーネでも何でもない、只の人間だったはずなのに。

 なんであんなサタナキア的口説き文句みたいな台詞が出たわけ?

 間違いなく黒歴史確定の言葉だったと思われる……。

 

 さて、それで話が終わったかと思えばそうでは無く。

 その彼女、翌日には何故か転校していった。

 詳しい事情などは一切告げられることは無く、転校先も不明。

 その結果が、俺の最後の発言にあったのだと周囲の奴らは疑い始める始末。

 ――……結局小学校卒業までそのネタで一貫し、最終的には周囲の奴らが己で都合のいいように記憶を改ざんして、イジメていたのは俺の方であった、と他の奴らにも吹聴して回っていたらしい。

 こうして俺のハブられ人生の序幕が上がったわけである。

 全く華々しくない。

 

 

「――お、思い出したか?」

 

 

 その件の女子が、確か苗字が篠崎と言ったはず。

 要人保護プログラムとかいう、テ●朝が独自で設定しているフィクション世界の事かと思いきや、どっこい現実にあった隠れ法案が本当なら、苗字を変えることも事情を語らずに住居を変えることも納得はいく。

 が、本来結びついちゃダメなはずの黒歴史とトラウマがイコールで結びついている俺からしてみれば、そんなことが今更わかったからと言って易々と許せる気分にはならない。

 ぶっちゃけ小学校の頃の人間関係が後を引いて、中学でも碌な出会いが残っていなかったからな。

 気を赦しては裏切られる毎日であった実情を鑑みて、絶許ノートに名を連ねた女子の筆頭が目の前に居る。

 そんな気分の悪くなる再会に、目前で顔を赤らめてもじもじと可愛らしそうな仕草をしている程度じゃあ、俺の心は一切動かねぇんだよぉ!

 

 

「ニュースを見た時は驚いた、お前がカンピオーネになっているとは、な」

 

 

 そしてそのことで個人特定して仕掛けてきた新しいハニトラですね、わかります。

 服の上からも視て判る程度にはおっぱいも大きそうですもんね。

 お前本当に先々月まで中学生だったのかよ。

 成長率が可笑しいぞ、普通に。

 

 あと口調が初めからタメ口なんですが、それわ。

 いや、別に敬語に直せっていうわけでは無いけどね?

 ただ、もう少し何も言わずに去って行った良心の呵責というか誠意の欠片みたいなものを仄めかせて欲しいなーって。

 

 

「そうだ、中学では剣道はやっていたのか? 私は大会で優勝もしたぞ」

 

 

 と、ドヤ顔を見せるしのののさん。

 ……? なんで俺も剣道やっていたみたいな言い方してるの……?

 

 ――あ、こいつも記憶を改ざんしてる……?

 

 口上では詳しく触れなかったが、記憶の改ざんというものは人間結構やるものであるらしい。

 己に都合のいい記憶を、自己保身の為かそれ以外か、で意外と勝手に組み替えることは多々ある。

 例えば、友人が言ったはずの言葉が、自分がした約束になっていたり。

 まあ俺は友人なんていないんですけどね!

 

 つまり、しのののさんの中では、『俺は彼女の味方になった唯一の男子であり、同じ剣道教室にも通っていた仲のいい幼馴染である』と変更されているらしい。

 通りで“幼馴染”なんていう身に覚えのない設定が、最初に彼女の口から出たわけである。

 ……どうしたものかなー、否定するのは簡単だけど、それをキチンと受け止めてもらえるだろうか……?

 

 

「な、なあ、何か、いい加減に話してもらいたいのだが……」

 

 

 ……ぶっちゃけ嫌だ。

 口も利きたくない。

 一説に寄れば嫌悪は好意の裏返しで、その天秤は思いがけないことで簡単に傾くと何かで読んだ覚えはある。

 が、目の前のコイツに傾くほどの“何か”が今は無いし、正直本来は別の学校に通っている身なのだから関係性も遠巻きのままに合同授業も終了してほしい。

 下手に会話をすれば好感度がぐんぐん上昇する、そんなチョロイン感というか、一昔前のギャルゲーみたいな感じが、コイツからは感じるわけである。

 ソースは某落とし神。

 最終的にちひ●を選んだ理由が、最近なんとなくわかって来たわ。

 

 そう答えあぐねていると、

 

 

「ちょーっと、あなたたちー? 授業サボっていけない子たちねー、早く教室に行きなさーい?」

 

 

 と、背後から声が。

 って、背後ぉ!?

 

 

 

     ×     ×     ×     ×     ×

 

 

 

「すんません、助かりました」

「ううん、いいのよー。おねーさんとしても、本物のカンピオーネと会えたことがちょっぴり自慢だしー」

 

 

 誰に自慢するんですかねぇ……。

 あと俺色々見破られ過ぎ、メガネを装備している筈なんだけどなー。

 

 背後からぬるっと現れたこのお人は、どうやら此処の生徒会長であるらしい。

 その姿を見た途端に、ISを展開して屋上から遁走したしのののさん。

 つうか専用機を持っているって……、学園の生徒であれば誰でも与えられるとか、そんな校則があったりするんかな。

 それとも代表候補生の一人だったとか。

 俺的にはそっち(後者)の方が良いな。

 それならアレが国から命令されたハニトラの一種であると割り切れるから良心の呵責は無いし、要人保護の意味合いも納得がゆく。

 

 所で俺、最初は某ブリュンヒルデさんに教室移動を命じられていたから、道案内のアイツに遁走されると学園で野垂れ死ぬことになるのですが。

 と、言う処を救っていただいたのが件の生徒会長である。

 どうでもいいけど、そういう肩書というかカテゴリというかのお人に遭遇する確率が、ここ最近でぐんと急上昇していますよね。

 これも魔王効果かな(すっとぼけ。

 

 

「さーて、あんまり待たせすぎちゃダメだろうし、名残惜しいけれどおねーさんはもういくね? 先生方に宜しくー」

 

 

 昨今の新キャラにしてはすっきりとした別れ方で、IS学園の生徒会長は第二演習場まで俺を案内すると、颯爽と立ち去って行った。

 まるで乾いた風を絡ませているかのよう。素敵!抱いて!

 俺、あの人に会えただけでもこの学園来た意義があったわ……。

 もっと見習えようちの会長もー。

 ただ髪の色がクリアブルーというのは若干戴けなかったが。

 

 と、それより早くに中入らんと。

 待たせすぎていて激おこムカチャッカマックスとかだったらシャレにもならん。

 

 

「す、すいませーん、遅れまし……」

 

 

 と、扉を開けたそこに待っていたのは。

 

 

「お待ちしてました、王様……!」

「来てくださったことには感謝いたしておりますので、せめてお慈悲を……!」

 

 

 ――……何処かで見たような、2人の金髪美少女の土下座姿であった。

 ……え? 何で居るの?

 

 

 





~メインヒロイン(笑)
 もっぴー知ってるよ!
 じ、次回辺り挽回できるって、
 もっぴー知ってるよ…っ!

~くい●、千●
 前者はともかく、後者の前で口に出せば半死確実
 ところでニセ●イのお色気キャラは確実に鶫ですよね

~乾いた風
 今もカラオケで歌われたりするのかなぁ、ラルk

~金髪…土下座…うっ、頭が…!
 …? この組み合わせ、何処かで見た覚えが…


長くなりそうだから此処まで
次回がネタの嵐に成りそうな予感

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