咲-Saki-消えゆく京-   作:神狼K

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まず最初に……申し訳ありません!、選択肢では二人でしたが衣さん一人ヒロインに追加です!、あとは麻雀描写がありますが手抜きです!。私の力不足がこんな残念な結果を招きました、大変申し訳ありません!。それからこれを投稿したあと活動報告にて選択肢がありますので、ぜひ参加してください



海底に浮かび上がる京

そこにいたのは三人の男女一人は見覚えがあった。

 

「ハギヨシさん…?」

 

一人は俺の師匠であり友達でもあるハギヨシさんだ。他の二人は見覚えがあるが思い出せない。

 

「……京太郎君ですか、久しぶりですね。どちらに言っていたのですか?」

 

ハギヨシさんがこちらを見ると、最初は二人の少女達の方を見ていたが二人が何かを言うと直ぐに寄ってきた。

 

「……ちょっと事情があってな。ハギヨシさんこそどうしてここに?」

 

「おや? お忘れですか? 私は龍門渕家に仕える人間です。そのお嬢様が来ているのなら私も付いていきますよ」

 

「あぁ! 思い出した! あの二人は透華さんと天江衣さんだ」

 

「今あなた私の名前を呼びましたわね!」ピーン

 

透華さんの名前を呼ぶと凄い速さでこっちに寄ってきた。頭にある癖毛がなんか、ピーンと立っていた。

 

「は、はいそうです。覚えていませんか? 清澄の部員だったんですけど」

 

「そうでしたわね!あなたは清澄のサポートをしてらしていた須賀京太郎ですわね!」

 

「覚えていてくれて光栄です」

 

「いやですわ! ハギヨシの友達は私の友達でもありますわ! 気軽に名前でもらって構いませんわよ」

 

そう笑顔でいってくれる透華さん。

 

うわぁ凄い寛大な人だな。ハギヨシさんが仕える理由が良く分かる。

 

「とーか! ハギヨシ! 一体だれと話しているのだ?」

 

そこへ来たのが見た目は無邪気な子供に見えるが麻雀の実力はトップクラスの雀士、天江衣さんだった。

 

「初めまして、俺の名前は須賀京太郎と言います。元清澄麻雀部にいました」

 

「元? 清澄を辞めたのか?」

 

衣さんが疑問に思いながら首を傾げている。

 

「はい、やむを得ない事情がありまして。では失礼します」

 

俺はこれ以上話すとボロが出そうだったので立ち去ろうとしたのだが……。

 

「待ってください」

 

ハギヨシさんに引き止められてしまった。

 

「……他にも何か?」

 

俺は突然苦しくなった心臓の痛みをこらえて平然を装いながらハギヨシに聞く。

「…いえ、もしよろしければご一緒にプライベートプールに行きませんか?」

 

 

「そうですわね、今日会ったのも何かの縁ですわ。ご一緒に行きませんこと?」

「うむ!きょうたろうも一緒にどうだ?楽しいぞ?」

 

ハギヨシさんの提案に便乗して賛成する透華さんと衣さん。

 

うーん、どうしようか、まぁこれも一時的な発作なわけだし体調に関して問題はないだろう。

 

「はい、分かりました御言葉に甘えさせていただきます」

 

俺はせっかくの誘いを無下にしたくないし、むしろ誘ってくれて嬉しかったので行くという選択肢をえらんでしまった。

 

「オッホッホッホッホ! では参りましょうか!」

 

…まぁ、透華さんの性格上逃げられるとは思っていなかったが。

 

そう思いながらハギヨシが運転する車に乗り込む。ちなみに外見からしてリムジンだ。あの長いやつを想像してるヤツはそれで合っている。

 

中を見るとテレビが付いていたり、座席がふわふわだったり、広かったりと高級感が溢れる作りになっている。

 

「……」

 

座るとやはりふわふわだった。なんだかクセなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

十分後、プールに到着した。

 

「ここですわ!」

 

「広いですね」

 

「では着替えましょうか。京太郎君はこちらに来てください」

 

「は、はい」

 

俺はハギヨシさんに付いていき、着替えた。

 

 

 

 

十分後

 

俺は予め用意されていた水着に着替えた後、準備運動をしてさっそくプールの中に入った。

 

水の中はひんやりとした冷たさが身体全体を駆け回り良い気持ちだ。

 

「……よし!」

 

俺は病院に行ってから運動が全然できていなかった。

だから今日はたくさん泳ごう!

 

「……スゥーー」

 

ジャッバン!

 

俺は壁を蹴り得意なクロールで水中を泳ぐ

 

そしてリターンをしてまた泳ぐ、それを繰り返しながら徐々に身体を慣らしていく。

 

「〜〜〜♪」

 

ふと、右側を見てみるとブラジル水着を着た透華さんの姿があった。今はビーチチェアに座りながらハギヨシさんにうちわで涼んでいた。

 

「……ぷはぁ!」

 

そういえば衣さんは何処へいったんだ?

 

そう思いながら俺が辺りを見回していた時……

 

「おーい!きょうたろう!」

 

「おっ!」

 

俺の背後から衣さんの声がして後ろを振り向いた時に衣さんがこっちに向かって飛び込んできた。

 

そのため、俺は反射的に衣さんを抱き抱えてしまった

 

 

「衣さん、危ないですよ」

 

「うん? きょうたろうが受け止めてくれたから問題ないではないか」

 

 

衣さんは俺の方を見て首を傾げながら言ってくる。でも俺が受け止めてなかったら危なかったんだけどなぁ。

 

「そういえば衣さんは泳ぎは上手い方なんですか?」

 

「うーん……。衣はそんなに身体は大きいほうではないからな、大して速くはないな」

 

 

「つまり上手いほうではないと?」

 

「……………うん」

 

 

俺は少しいじわるな質問をすると、衣さんは恨めしそうに俺のほうを見ながら頷いた。

 

「じゃあ俺が教えましょうか?」

 

「……む?」

 

俺が泳ぎの指導を提案すると衣さんは意外そうな顔をした。

 

「何でそんな意外そうな顔をするんですか?」

 

「…衣を弄り倒すのかと思った」

 

「俺そんなに人足らしに見えますか!?」

 

衣さんの思わぬ言葉にうちの部長を思いだしながら衣さんにツッコミをいれる。

 

「それはどうでも良い。本当に教えてくれるのか?」

「は、はいもちろんです! ……まぁ、俺で良ければですけどね……」

 

「……うむ! その心構え気に入った! 是非とも衣に教えてくれ」

 

「はい! 分かりました」

 

こうして俺が先生で衣さんが生徒の奇妙な指導が始まった。

 

 

 

 

 

「うーん、こんなもんかな?」

 

俺は衣さんにある程度の事を教えたあと。合格を言い渡した。

 

「はぁはぁ、やっと終わったのかぁ…」

衣さんの身体は小さいため、長時間の練習には向かないのだが三時間も俺の指導を熱心に聞いていた。

 

よっぽど泳ぎの遅さがコンプレックスだったようだ。

 

「お疲れ様です、今運びますね、……よいしょ」

 

「こ、コラ!衣は子供じゃないぞ!」

 

俺が衣さんをお姫様抱っこで運ぼうとすると、衣さんが大きく反応した。

 

「いや、別に子供扱いしてるわけじゃないですよ? ただこの運びかたのほうが楽だし、衣は疲れてるようですしね」

 

俺はただ気を使って衣さんを運んでいるだけだという事が伝わったのか、衣さんは黙ってしまった。

 

「あ、着替えはどうしようか?」

 

このまま女子更衣室に入る訳に行かない事に今さらながら気がついた俺はどうしようかと頭を悩ませる。

 

「……ハギヨシさんはいないし、透華さんもとっくにあがっているしなぁ…」

 

「……仕方ない、運ぶだけならセーフだろ。衣さん!」

 

「な、なんだ//」

 

「今から女子更衣室まで運ぶので着替え終わったら言ってください。また入って、衣さんを運びますので」

「…わ、分かった」

 

俺の言葉に返事をする衣さんだが何故か顔が赤い。もしかして、風邪でも引いたのだろうか。

 

「衣さん?、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫だ!」

 

「……そうですか」

 

仕方がないので俺は黙って歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、着きましたよ。俺は急いで着替えてくるので、…あ、衣さんはゆっくりで良いですからね?」

 

「むー!子供扱いするな!」

 

「別にそんなつもりじゃないのに……。じゃあいってきます!」

 

これ以上機嫌を損ねたら、あとで気まずくなるので俺は素早く着替えに行く。

 

 

 

 

 

side衣

 

「むぅ、衣を子供あつかいしないのはあいつぐらいだな」

 

なんだかんだでとーか達は悪い意味ではないが、衣を子供扱いするからな。

 

「うんしょ、うんしょ」

 

衣は濡れて脱ぎにくい水着を脱ぎながら考えていた。

「…きょうたろうは麻雀では強い部類なのだろうが、衣からしたら凡人だ」

 

だがきょうたろうの中から、とんでもない強大な力を感じとったのだ。

 

「衣は気になる。……夜あたり誘うか…?」

 

いや、気が向いたらでいいか。それにいくら強大でも万が一衣を恐れられたら……………悲しいからな。

 

「よーし、早く着替えねばな」

 

衣はそそくさと身体を拭きながら着替える。

 

靴下、パンツ、服、スカート、最後は少し濡れている髪の毛にウサギの耳みたいなカチューシャを付けて完成だ。

 

「衣さーん、入って良いですか?」

 

む、ちょうど良いタイミングできょうたろうが来たな。

 

「入って良いぞ」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

side京太郎

 

「分かりました」

 

ガチャ

 

俺は衣が着替えた事を確認すると部屋に入る。

 

「…ん?、まだ髪の毛が乾いてませんね。もしよかったらついでに俺が髪を乾かしましょうか?」

 

俺も髪の毛乾いてないんで、っと言葉を付け足して衣さんに聞いてみる。

 

「わかった。頼んだぞ」

 

衣さんはドライヤーがある場所の椅子に座る。どうやや俺に任せてもらえたようだ。

 

「了解しました、衣様〜♪」

 

俺はドライヤーを持ちスイッチを押す。そして相変わらず少しうるさい音をたてながら温かい風がでてくる。

 

「んん♪」

 

俺が髪の毛に優しく触りながら髪をなで回すと、心地よいのか甘い声をだしながらニヤけている衣さん。

 

「気持ちいいですか?」

 

「うむ、なかなかここちいいなぁ……」

 

少しずつ滑舌が悪くなっていく衣さん。だがそんなに気持ちいいが良いならやっている俺的には嬉しいな

 

「ありがとうございます」

「…むかし、誰かにやっていたのかぁ…?」

 

「まぁ、咲とかには『昔』はやっていましたね」

 

「昔は、か。何だか寂しさを覚える言い方だな」

 

「本当ですね」

 

衣の言葉に同意する俺。咲と俺は昔ながらの幼なじみだった。毎日遊んだり、学校では隣の席だった、もちろん今でも奇跡的に同じだが、最近は麻雀やいろいろあって俺と遊ぶ事はなくなり、和達ばかりになってしまった。

 

「それにしても情けないです…」

 

「何がだ?」

 

「俺は咲が他の同性のやつの友達ができて俺の事を忘れかけるぐらいできて欲しかった、だけどいざできて咲がいなくなったら、寂しくなっちゃって」

 

「……人という生き物は一人では生きて行けぬ。その感情はまともだ」

 

「……そうですか?」

 

「うむ、きょうたろうはさきのためを思ってずっと願っていたのだろう? ならむしろきょうたろうは清廉潔白な人間だと衣は思うぞ」

 

「衣さん…」

 

衣さんの言葉が自然と心に響いた。

 

衣さんの言葉には、説得力があった。

 

「…嬉しいです、ありがとうございます! 衣さん!」

 

俺は満面の笑顔で衣さんにお礼をいった

 

「こ、衣は何もそこまで褒められる事は言ってない! きょうたろうを知っている者なら誰だって言うはずだ!///」

 

「はは、それじゃあ髪の毛も乾きましたし行きますか」

 

「うー、またお姫様抱っこか? あれは意外と恥ずかしいのだがな」

 

「なら、止めます?」

 

俺は衣がお姫様抱っこが嫌なのかと思いそう聞いた。

「せ、せっかくだから続けろ!」

 

「はい分かりましたよ」

 

衣さんの許しももらえたし早くハギヨシさんのところに行かなくちゃな。

 

「それじゃあ行きますよ」

俺は衣を抱き抱えながら歩き出した。

 

 

 

 

 

車の前で待っているハギヨシさんを見つけて駆け寄る。

 

「おやおや、さすが京太郎君ですね。もう衣様と仲良くなられましたか」

 

「はい、衣さんとは仲良くなれそうです!」

 

「そうですか、では車にお乗りください。あとそれから今日は予定がなければ龍門渕家の別荘にお泊まりになりませんか?」

 

「えっ?でも‐‐」

 

「ご心配は無用です、その家には私とお嬢様と衣様しかおりませんから」

 

俺の心配事をよんでいたかのようにハギヨシはそう話す。

「はは、分かりました! 今日は是非泊まらせていただきます」

 

「かしこまりました、では座席にお乗りください」

 

ハギヨシはわざわざドアを開けてくれたので、俺は衣さんを抱き抱えまま車に乗った。

 

「むぅ! 私より衣のほうが目立ってますわね…」

 

「あはは…」

 

相変わらずの透華さんの性格に微笑ましいほうの笑みが漏れる。

 

「それでは出発いたします」

 

ハギヨシさんがそう宣言した。

 

「そういえば透華さんは何で東京に?」

 

「それは清澄の応援にですわ。私達を倒しておいて負けるだなんて許せないからですわ」

 

「透華さんらしいですね。じゃあ俺が会ったのも偶然なわけですね」

 

「そうですわね、しかし貴方に出会えてラッキーでしたわ」

 

「何でですか?」

 

透華さんは嬉しそうな顔をしながら言うもんなのでつい聞いてしまった。

 

「それはハギヨシの友人がとても素敵な方だった事を確認できたからですわ」

 

「……俺って素敵ですかね?」

 

透華さんの言葉を疑うわけではないが過大評価じゃないかと俺は思う。

 

「それは悪い謙遜ですわよ。もう少し自信を持ちなさいな」

 

「は、はい」

 

俺は透華さんの言葉に頷くが、俺には謙遜しているといった自覚は無かった。

 

 

 

 

 

龍門渕邸‐‐‐IN別荘

 

「さぁ、着きましたわよ」

「……大きいですね!」

 

俺は驚きの声をあげた。透華さんが言っていた別荘は大手企業の旅館みたいに大きかった。

 

「さぁ、こちらですわよ」

透華に先導されながら俺は別荘の中に入っていく。

 

中に入ると、広い玄関があり、そこで靴を脱いで中にあがる。

 

とにかく広かった事だけは確かだ。もう何がなんだか分からん!

 

 

 

 

 

 

 

このあと俺は部屋に案内されて今は部屋にあるソファーにもたれ掛かっていた。

「…はぁー、疲れた」

 

さっきも言った通り、俺は病気になって以来本格的な運動をしていなかったため体力が落ちていた。だからこうして脱力していた。

 

「(…確か余命宣告から一週間ぐらいは経ってるんだよな)」

 

俺はこうして脱力する合間も一週間を振り替えっていた。

 

俺は病気があったから照さんに出会えたんだ、そしてホテルで淡と出会って自分に自信を持つことの大切さを学ぶ事ができた。

 

照さんが一緒にいたから能力に覚醒できた、それも照さんにそっくりな能力……。

 

「あはは……」

 

俺の能力といっても妖夢という能力の精霊(?)って奴がいないとろくな制御もできないけどな。

 

「……俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ」

 

必ず生き延びてやる!

 

そう胸の奥に決意を固めているとドアからノック音がした。

 

コンコン

 

「須賀京太郎! 少しよろしいですか?」

 

「はい、どうぞ!」

 

ドアが開くと透華さんがいた。透華はドアを閉めると素早くこっちのほうへと近寄ってきた。

 

「須賀京太郎!」

 

「は、はい?」

 

透華さんは俺のほうを見つめる

 

「夕食が終わった後麻雀で勝負しなさい!」

 

そして透華さんは何の脈もなく麻雀の勝負を吹っ掛けてきた。

 

「良いですけど、何でですか?」

 

俺は透華さんの誘いに困惑しながらも透華にわけを聞く。

 

「特に理由はありませんわ。強いて言うなら貴方の実力を知りたいからですわ(衣も気に入っている事ですし、もし彼に実力があるなら是非龍門渕に招待したいものですわ)」

 

「……そうですか? 透華さんの期待に応えられるか分かりませんが、やるからには……負けませんよ!」

俺は自分らしからぬ闘争心を燃やしながら透華にズバッといい放つ。

 

「そうですか! なら私も全身全霊をもってお相手しますわ!」

 

こうして俺達は夕食後に勝負する事を約束した。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終わった後、俺と透華さんと衣さんとハギヨシさんの四人は麻雀卓で向かい合っていた。

 

ちなみに衣さんとハギヨシさんは数あわせのためだ。

まぁ二人共快く引き受けてくれたが……。

 

「(うー、衣がきょたろうを誘おうとしていたのに……。とーかに先を越されてしまった…)」

 

なんか、衣さんがしょんぼりしているけど……。

 

「では、始めますわよ、須賀京太郎!」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

今回の麻雀のルールは特別ルールにした

 

①持ち点は25000点

 

②衣さんとハギヨシさんが和了っても俺と透華さんは点数を失わない

 

③東一局、四局、南一局、四局は俺が親で残りは全て透華さん

 

これ以外は全て通常ルールだが、これのメリットは親が多く沢山のチャンスがあること、デメリットは相手にもチャンスがあることだ。

 

「(俺が見たところ透華さんは和と同等ぐらいの実力はありそうだ…)」

 

俺はこれから始まる麻雀に緊張の色を見せながらも開幕した。

 

 

 

東一局親:京太郎

 

「(配牌は絶好だ。問題は俺がこの好配を上手く生かせるかだな)」

 

俺はそう思考しながら牌を切る。

 

 

 

 

 

そして数巡後に俺はリーチ宣言をした。

 

京太郎配牌

 

{二三四④④⑤⑥⑦77888}

 

「(断公九に“7”のドラが二つでツモったら満貫か…。シャボ待ちだから、今の俺なら、ツモれるはずだ)」

 

 

 

そして2巡後に俺は和了する。

 

「ツモ! リーチツモ断公九ドラ2で満貫です!」

 

和了:京太郎 25000→37000

 

放銃:透華 25000→13000

 

「ぐぬぬ…、なかなかやりますわね」

 

透華さんは悔しがっているが、俺は喜びに浸る余裕はない。次の跳満はほぼ確実に和了るが最後まで油断はできない…っ!

 

「次にいきましょう」

 

「ええ!」

 

東一局 1本場

 

『さぁ、いくよー』

 

妖夢がそう言いながら、俺と一つになるような形で重なる。

 

こうする事で、能力が発動出来る。今のところ負担は無い。

 

「リーチ!」

 

俺は妖夢の力を借りて『前の和了った点数を次の局で倍にして和了る能力』を発動した。

京太郎の配牌

 

{一二三四五六七七七八九東東}

 

そして初盤からのダブリーだ。しかも“東”のドラが三つに、混一色も確定してるため。倍満、親の点数にして24000だ。待ちはシャボ待ちなため、恐らくロン和了りになるのだろうが、もし透華さんに直撃させる事ができれば透華さんは文句なしのトビ&焼き鳥で俺のパーフェクト勝利だが…………

 

「リーチですわ!」

 

「(まぁ、そう簡単に和了せてはくれないよな)」

 

そして次巡に俺は和了れなかいまま透華さんが満貫をツモった。

 

その後は俺がリーチのみの和了りをして、南四局まではなんとか俺がリードしているが、東三局辺りから透華さんが急に強さが増した。照さんに近いか、それ以上の力だったかもしれない。

 

だがそれでも俺が逃げ切っての勝利で終わった。

 

だが、もし最初から透華さんがこんなに強かったら、間違いなく負けていたし、下手をすれば、とんでいたかもしれない。

 

『次も勝とうねー』

 

妖夢は消えていったあと俺は力が抜けて倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に俺が目を覚ましたのはベッドの上だった。俺は辺りを見回すと衣さんが隣で寝ていた……って、ファッ!?

 

「こ、衣さん…?」

 

「……むにゃ」

 

俺が声をかけるが衣さんは寝たまんまだ。

 

ガチャ

 

そこへハギヨシさんが部屋の中へ入ってきた。

 

「おや、目を覚まされましたか」

 

「ハギヨシさん、これは一体…?」

 

俺は戸惑っているが、そんな俺を見ながらハギヨシさんは微笑みながら近寄ってくる。

 

「衣様がどうしても京太郎君を看病したいと言われましてね。ですからこうして看病を寝ずにして疲れて寝てしまわれているのでしょう」

 

「そうだったんですか……」

 

俺は衣さんの方を見ながら申し訳なさと嬉しさの混じったような気持ちになった。

 

「あの、透華さんは?」

 

「お嬢様ならお帰りになりました」

 

「え?」

 

「お嬢様はあなたに負けて相当悔しかったようでして、帰って猛特訓すると仰られていましたね」

 

なるほど、あの透華さんなら納得といえるな。

 

「そういえば俺はどのぐらい寝ていたいました?」

 

「半日ちょっとですね」

 

「えっ!?」

 

俺は思わず声を出しながら驚愕した。

そんなに!? 今までそんな事なかったからこそこんなに驚いている。

 

「…んー。おはよぅきょうたろうー」

 

と、丁度衣さんが起きたようだ。俺とハギヨシさんは顔を見合わせる。

 

「とりあえず、朝食にいたしますか」

 

「…そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして朝食をとった後ハギヨシさんにホテルまで送ってもらった

 

「では、お気をつけて」

 

ハギヨシさんがそう挨拶をして車をだそうとした。

 

「きょうたろう!」

 

だが衣さんがそれを止めた。

 

 

「私もここに残るぞ!」

 

「えっ!?」

 

きゅ、急にそんな事言われても、俺は戸惑ってしまう。

 

「京太郎君、衣様を頼みますよ」

 

ハギヨシさんは笑顔で衣さんを車からおろした。

 

「きょうたろう!」

 

「衣さん…」

 

「私も残ってお前の力になりたいのだ」

 

笑顔でそう言ってくれる衣さん。というかハギヨシさんの車がいってしまったので、選択の余地はなさそうだった。

 

「………」

 

そしてその時ある人物が俺達の前に現れた。

 

それの人物とは……

 

 


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