咲-Saki-消えゆく京- 作:神狼K
ホテルで会った照さんの隣にいたのは……
「ねぇねぇ、テルー。あの人誰?」
淡い金色の長髪をしていて、可愛い美少女だった。
「京君は須賀京太郎っていうんだよ……」
「そうなんだー。私は大星淡! よろしく!」
金髪の娘……大星淡は興味深そうな顔で俺を見た後、自己紹介をしてきた。
「ああ! よろしくな淡」
俺と淡は握手を交わした。少しひんやりしてるな。
「あの淡がまともな自己紹介を……。やっぱり京君は何かもってるね」
照さんは何か言っていたが、小さくて何を言ってたのかは分からなかった……。
「ねぇ、京太郎。京太郎はどこから来たのー?」
「長野からだ」
淡の質問に俺は正直に答えた。
「へぇー、京太郎って麻雀できる?」
「できるが………弱いぞ。凄くな……」
俺は少し暗い表情になりながら、淡の質問に答えた。
麻雀か……。病気や照さんとの再会とかバタバタしてて全然できてないよな……。
「そうかなー。なんか京太郎からは強そうな匂いがするのになー。まぁいいや! ぶっちゃけ強いほうが好きだけど、京太郎だから許す!」
「なんだよ! 許すって」
あはは、と俺は可笑しくって、笑った。
「さぁ? 自分で考えろー。」
プイッと淡は俺から視線を逸らした。
「なんか短期間で仲良くなってる……」
照さんは驚いたように、目を丸くしていた。
というわけで、麻雀不足なことに気付いた俺は麻雀打つことにした。
麻雀をするために、とりあえず照さん達白糸台の部屋に移動した。
「わぁぁぁ……」
そこは広かった。なぜか自動麻雀卓があるしな。……なんであるんだ?
「じゃあ打ちますか」
「ふふん、まぁ少しは手加減してあげるよ」
「京君、よろしくね」
「……須賀君は大丈夫だろうか……。まぁ照は手加減が上手いはずだから大丈夫だろう」
上から、俺、淡、照さん、菫さんの言葉で、菫さんは俺を勇気づけるように話す。……まぁ俺は焼き鳥だろうけどな……。
「リーチ!」っ
淡がリーチをしてくる、強いなぁ……咲達みたいだな…
「……」っ
「うーん違うな」
とりあえず一発での放銃は免れたようだった
「ツモ!」
しかし淡はあがった、けどなんか久しぶりに放銃しなかったな、……次あがり目指そうかな無駄だろうけど
「お、リーチです」っ
その後運がよかったのかリーチに漕ぎ着くた
「ツモです!」
やった……信じられない、まぁ周りが凄く手加減してるのはわかる…だけど俺からすればそれでも十分強すぎるにもかかわらず上がれたなぁ、嬉しいな
その後は結局四位だったが何回かあがれたから嬉しかった
「ふーん、なんだ凄く弱いわけじゃないじゃん、うちの二軍の中ぐらいはあるんじゃない?」
「え、そんな事ないぞ、俺は全然弱いよ」
「もう!京太郎はなんでそんな謙遜するの!強いったら強いの!」プンプン!
「お前、褒めながら怒るとは随時器用だな」
菫さんがなんか呆れていた
「だが須賀君、淡の言う通りだぞ、確かに私達にはまだ届かないが初心者なのにここまで強いのは凄いんだそ、」
「京君はもうちょっと自信をもったほうがいいよ?」
「…ありがとう」
なんだか温かい気分になった、俺は一旦白糸台勢に別れ(といってもお隣だが…)を告げた、
250(白糸台)→260(京太郎&千冬)という感じ
「ただいま…、千冬姉は出掛けてるのか…ん、電話だ」
『宮永咲』
「咲か…あいつも東京来るんだよな……まぁ俺がいなくてもあいつは大丈夫だろ………でも咲と話そうかな」ピッ
「もしもし…咲か?」
『京ちゃん……なんで学校辞めたの?』
「はは、お前はバカ正直に聞いてくるな」
『そうだよ私はバカだもん、……なんでなの京ちゃん寂しいよ…悲しいよ』
咲……ごめんな、俺は今病気なんだ、だから会えない……と言えたらよかったんだよな、だけど俺の口は違う言葉がでてきた
「……本当にか?」
『えっ?』
「お前と最後に一緒に登校したのはいつだったかな、一緒に遊んだのは?お前や俺の家に来たのは?一緒に帰ったのは?」
『京ちゃ…』
「俺が雑用や買い出しに苦労してる時、部活が終わっても整備をさせられてる時お前は何をしてた?」
違う……俺が自分から隠してたんだ心配や迷惑を掛けないように…自業自得なのに……
「最後にお前と打ったのは何時だっただった?俺は麻雀を打ってる記憶さえないがな……」
やめろ!咲を傷付けるな!止まれよ!俺!
『………ゥ……ッ』
咲が泣いてる!………俺の感情……照さんの時のように勝手にペラペラ喋る口………
「っ!!」
ツ---
俺は無理矢理唇を閉じ噛み締めた……血がでてもお構い無く……咲は傷つけたくないんだ…。
『ごめ…んね』
『わたし……何も分かってあげられなかった……』
『ごめ「咲!!!」……っ!』
俺はこれだけは言わなくちゃいけない
「ごめんな……こんな幼なじみで………」
『っ!!京ちゃプツン…………………………』
俺はそれだけ言って切った本当に俺は最低だな言うだけいって切るなんて……自己険悪に浸るなか俺はとりあえず自分をおもいっきり殴った……
「京ちゃん!どうしたんだ!その傷は…」
「……すいません」
「……手当てしたやるからこっち向け………唇まで切れてるじゃないか…今仙豆をやる食え」
「………」ポリポリ
仙豆って…ドラゴン〇ールかよ………はぁ……早く風呂入って寝たいな、幼なじみ傷つけて最悪な気分だ…
「じゃあ、俺風呂入ってくるから…」
「大丈夫?お風呂私もいようか?」
この人本気で言ってるから凄いよな、……まぁ今は冗談言える雰囲気でもないか
「…大丈夫だよ千冬姉、じゃあ入るね」
「…うむ」
入浴タイム
「…熱いな」
身体に熱が伝わる…この熱さが生きてる実感をわかせる…余命宣告から3日、残された時間も少ないから無理矢理状況を飲み込んだが正直怖い……死ぬのがなにより俺が死んで悲しむ人がいるのか……?、だが脳内に浮かぶのは…母さん、千冬姉、そして……咲と照さん、俺は何がしたいんだろうか?照さんとは再会してなぜか仲が良い……咲とは遠く離れてる…。対照的だよな、咲とは中学まで仲が良かったが麻雀や病気のせいで遠い仲になり、照さんとは昔はあまり話さなかったが今は麻雀と病気のおかげで再会した、そして良い仲になった…… 、
「くっ!どうすれば良いんだよ!!」
俺はどうすれば……
入浴終了
結局結果を見いだせないまま寝床に入る
「…お休み京ちゃん」
「うん、お休み千冬姉」
俺は疲れたので考えるのをやめて寝る事にした……
翌日、俺は早く起きた、出かける時は一声かけると言われたので千冬姉にちょっと外の空気吸ってくると言い、部屋を出た
外…
俺は今外にいる、夏なので外はもう明るい、しかし人影は少ない、俺はその中を歩いている時、視線を感じた…
「……」チラッ
「……」バッ
……なんだ、淡か……ってえっ?まだ見つかったと気づいてないな、これは…………ふふ
「……ぐっうぅ急に胸が痛くなってきたぞー(棒読み)」
「京太郎!?」バッ
「冗談だって冗談!ははっ!」
「バカ!!」
「いぃ!?」ビクッ
「心配したんだからぁ……」ポカポカ
「お前…咲みたいだな」
「だれ?」
「…なんでもないさ、さてなんでこんなとこにいるのかな?」
「…偶然通りかかって京太郎を見つけたから話かけようと思ったら話す機会を失って……」
「なるほど、お前可愛いな」なでなで
「ふぁっ!な、撫でるなぁ…///」
「照れるなよぉ、このこの!」ツンツン
「……いい加減に……っ!?ひっ」
「?、どうした?」
「(淡…京君に手をだしたら『デス』だよ)」ニコォ
「(ヤバいヤバい!なんでテルーが?更に笑顔が怖いよ!なに!?デスって)」ガクブル
「淡?」
「ひ、ひゃい!」
淡噛んだな…大丈夫かな、俺は淡に
「大丈夫か?」と声を掛けるが淡は震えたまま動かない、どうしたんだ?っと考えていると
「あっ、京君!おはよう、奇遇だね」
「はい、おはようございます」
「淡?ちょっと来ようか?」
「ひ!た、助けて……」
照さんは何故か淡を連れて「バイバイ」と言いながら立ち去っていった……
「なんだったんだ?」
こうして俺は部屋に戻る……
朝食を食べた後、千冬姉は出掛けたが俺は外に出ても問題ないらしい、ちょっと外に出ようかな。
インターハイ会場
「はぁ、なんで俺はこんなとこに来ちゃったのかなぁ」
やっぱり未練が……ありまくりだよな、さて入るか、俺はとりあえず、試合を観ることにした、まだ二回戦だが清澄は接戦していた、白糸台は圧勝かな、咲…頑張ってるかな…、俺は会場を立ち去ろうとした…が、そこに一人の人物が現れる……それは……