咲-Saki-消えゆく京-   作:神狼K

15 / 24
UAが20000を越えましたが、私はまだまだ未熟者ですのでこれからも精進します。

今回も活動報告にて選択肢がありますのでよろしくお願いします。



京の誘い

‐‐‐‐ん?

 

「………あれ?」

 

私はゆっくりと意識を覚醒させる。

 

まだ視界がぼんやりとしている。でも後頭部がずきずきしていた。

 

「…私は一体…?」

 

自分の記憶を確かめながら考えているとドアが開いた。

 

ガチャ

 

「照さん、起きたんですね」

 

入ってきたのは京君だった。京君は笑顔のまま私の方へと歩み寄ってきた。

 

「……さてと」

 

ピト

 

私の額の上に冷たいタオルをゆっくり被せる京君。

 

「……きょう…くん」

 

「大丈夫です、俺はここに居ますよ」

 

私が手を伸ばせば直ぐに京君は私の手を優しく包み込むように握ってくれた。

 

それだけでも私の心に安らぎを与えてくれる。どうやら私は京君病にかかってしまったようだ。

 

「本当にビックリしましたよ。何しろ突然顔を真っ赤にして倒れたんですから」

「…ごめんね」

 

「良いんですよ」

 

京君は私に向かって太陽のような笑顔を振り撒いて私を見つめてくる。

 

「……部長は?」

 

「雪那さんならとっくに帰りました」

 

「……そう」

 

私は内心舌打ちをした。せっかく真相を確かめるチャンスだったのに……。

 

「……照さん、雪那さんと何かあったんですか?」

 

心配そうに私の顔を覗く京君。私は京君の言葉に少しビクってしてしまったけど、私は話せなかった。

 

「……私と部長の問題だから」

 

「そうですか…。でも何かあったら言ってください!。俺、照さんの力になりますから!」

 

「京君………ありがとう」

私は微笑みながら京君の頭をそっと撫でた。

 

「と、当然の事です!//」

少し照れる素振りを見せながらも京君は私の瞳から目を逸らさずにそうはっきりとした声で私に告げた。

 

「……ふふ」

 

そんな京君の姿はとてもたくましく見えた。

 

『グゥ〜〜〜』

 

「あっ」

 

突然2つの音が鳴り出した。……この音はまさか、っと私はお腹が減っている事を知らせる音という事に気付いて顔が真っ赤になって恥ずかしい気持ちになった。

 

「お腹……すきましたね」ニコッ

 

「う、うん///」

 

「それじゃあ……」

 

私がそう言うと京君は立ち上がって………私を抱き抱えるように持ち上げた。

 

「ふぇ?、きょ、きょうくん!?」

 

「この時間帯だと、もうある程度店は閉まってますからね、でも一つだけ良い店があるんですよ」

「でも照さんは病み上がりですからこうやって抱っこしてるわけです」

 

京君の心遣いはありがたいと素直に思う、けど……やっぱり私の恥ずかしい気持ちは変わらない。

 

「嫌…ですか?」

 

「良いよ!行こうよ!楽しみにしてるからね!」

 

断れるわけない。だって京君は捨て犬みたいな目をするんだもん。だから私は断れないのは仕方ない……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は京君にお姫様抱っこをされながら夜の暗がりを進んでいた。

 

「それで京君は何処に向かっているの?」

 

「それはまだ言えませんけど、俺がこの場所《東京》に来て数日後ぐらいに偶然見つけたとっておきのお店なんですよ!」

 

誇らしげに京君は笑顔で話す。でも私でも知らないお店って一体なんだろう…?。……あ、もしかしてピンク色のお城……?

 

「何か今変な事考えてませんでしたか?照さん」

 

「ううん、何でもないよ?//」

 

 

 

 

 

「もう少しで着きますからね」

 

そしてしばらく歩いていると京君は路地裏を通って左側にある階段を上り始めた。

 

すきま風が私の頬に触れる。なんだか少しドキドキした気分になる。

 

……それにしても、私は京君の腕を京君に気付かれない程度にそっと触った。

 

京君の腕って表面は柔らかいのに芯はものスゴくがっちりしてる…。

 

「着きましたよ照さん!」

私が京君の腕に夢中になっていると京君が私に着いた事を知らせながらドアを開けていた。

「また来たのね坊や」

 

お店の中は落ち着いた静かな雰囲気だった。

 

でもそんな事より気になった事がある。それは……

 

「坊や…?」

 

京君に対する店員のお姉さんの態度だ。なんだか親しそうだから、少し嫉妬をしてしまう。

 

「あら、なかなか可愛らしいお嬢さんを連れて来たわねぇ。坊やの恋人?」

 

京君にそんな事を聞く店員。こ、恋人って…///。

 

今の私の顔は多分真っ赤になってる。他人からそんな風に見えるのかな?って思ったり。

 

「残念ながら違いますよ」

そうやんわり否定する京君。残念って事は脈あり…なのかな?、て私は密かに期待をしてしまう。

 

「あら、そうだったの?。お似合いだと思うわよ」

 

「はは、ありがとうございます」

 

にこやかに店員と話す京君。

 

「さぁ、とにかくお座りなさい。いつもみたいに料理が欲しいのよね?」

 

「はいお願いします!」

 

「分かったわ、待っててね。お嬢さんもリラックスしながら待っててね」

「はい…」

 

私が返事に満足したようで店員は笑顔で奥の方にある調理場に向かって歩いて行った。

 

「あの人は朝倉里奈さんって言うんだ」

 

「ふーん。でも何で路地裏にあるこの店に?」

 

「それは「うぇーい!」……来た」

 

私は奇声が聞こえた方を見ると酔っぱらった小鍛治プロと三尋木プロ。そして若干顔は赤いけど酔っぱらっていないはやりプロがいた。

 

「あー!京太郎きゅんではないれすか!」

 

「…健夜さん、また随分酔っぱらってますね」

 

「知らんけどぉ!私も健夜プロも酔っぱらってないしー」ケプ

 

「…なんかごめんね?」

 

「…なんではやりプロはそんなにテンション低いんですか?」

 

私はツッコミどころ満載なところはスルーして一番気になった事を聞いた。

 

私がそう聞くと、はやりプロは顔の顔が苦笑いになった。

 

「そりゃ目の前でゲロ吐かれたらテンション下がるよー」

 

どうやらプライベートでは逆に苦労してようだった。

「ドンマイです、はやりさん」

 

「うぅ、ありがとう京太郎君…」

 

京君が労うと、はやりプロは嬉しそうに京君に抱きついた。

 

「……それより、もしかして京君がこのお店知ってるのって……」

 

「察しの通り酔っぱらいに絡まれたからです」

 

「里奈ちゃん!どんどん料理持ってきてー!」

 

「あはは…」

 

私もはやりプロにつられて思わず苦笑いしてしまう。

でもプロ達の珍しい姿を見られたのでこれはこれで貴重な体験だと思った。

 

「お待たせ坊や」

 

そして里奈さんの料理がついに完成した。京君のお墨付きなので私は結構楽しみにしていた。

 

「…いただきます。………………あ、美味しい」

 

私はまず目の前にあったペペロンチーノを頬張ると、口一杯にきつくならない程度にニンニクの味が広がった。

 

「そうですよね!美味いですよね?」

 

京君も同じく私の隣でハンバーグを食べていた。

 

 

 

「そうだ、明日休みでしたよね?。もし良かったら明日一緒にどこか出掛けませんか?」

 

料理を食べ終わった後に京君が急にそう言ってきた。

それってデートなのかな?っと思った私はもちろんオーケーした。

 

「うん良いよ」

 

「良かった…。いつの間にか元気になってますしね」

「京君が看病してくれたから……「コラー!、何イチャイチャしてんらー!」」

私と京君が話してる時に突然健夜プロが京君に抱きついてきた。

 

「わふ!?」

 

「京太郎君!、私はアラフォーじゃないよー?アラサーだよ!」

 

健夜プロは小さな胸を京君の顔に押し付けてグリグリしていた。なんだか京君は苦しそうだ。

 

「……健夜プロ何をしてるんですか?」

 

見かねた私が健夜プロを京君から離そうとするけど……離す気配はない。

 

「何、私は京太郎君とイチャイチャしてるんだけど!」

 

「…京君が苦しそうです。離してください」

 

「いやだー」

 

…ダメだこのプロ早くなんとかしないと…。

 

私がそう思っていると健夜プロはいつの間にか眠っていた。

 

「あー、やっと健夜ちゃんも眠ったんだ」

 

「…咏プロも寝てますね」

「この二人、散々暴走したあと眠っちゃって見事に翌日になると忘れてるからねー」

 

「…健夜さんやっと寝ましたか……運びましょうか?」

 

京君は静かに健夜プロを剥がしたあと膝枕をしながらはやりプロに提案する。

 

「うーん、じゃあタクシーを呼ぶからそこまで頼めるかな?」

 

「はい分かりました」

 

京君は手慣れた手つきで健夜プロをおぶる。

 

「京君、慣れてるみたいだけど毎日巻き込まれてるの?」

 

「いや……知り合いにもこんな人いるから…かな」

 

京君がそう言いながら歩き出した。私と咏プロを背負ったはやりプロも歩き出す。

 

「里奈さん、また来ますね!」

 

「フフ、またおいで坊や」

里奈さんに見送ってもらったあとに再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はやりプロとも別れて暗い夜道を歩いていた。

 

正直門限は過ぎてるけど今更なのでそこはスルーしておく。

 

「照さん」

 

「なに?」

 

「俺って強くなれてますか?」

 

そう突然私に聞いてくる京君。思わず私は京君の顔を覗いた。

 

……京君の目は真剣だった。だけどそれと同時に不安な目をしていた。

 

この前にもこのような質問を言ってきた事を私は覚えている。

 

やっぱり不安なんだ京君は………自分が強くなっているのか不安でしかたないんだと私は思った。

 

「…昔の話しをして良いかな?」

 

「良いですよ」

 

京君は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに私のほうを見て頷いてくれた。

 

「じゃあ話すね?」

 

 

 

私は雪那部長との間のわだかまりを告白した。

 

今思えばあれは勢いで言ったのかもしれないけど、京君に話した事には後悔はしていなかった。

 

「私だって最初は強くなかった…。5歳頃から麻雀を始めて…10年以上も努力してインターミドルを優勝したり出来たんだよ…」

 

「照さん…」

 

「でも京君は違う。京君は麻雀を始めて5ヶ月弱…。しかも実践経験をほとんどない状態だよ?。まだまだこれからだよ。だから…自分を卑下しないで…」

 

私は京君を抱き締めた………出来るだけ優しく安心できるように…。

 

私はこれぐらいしかできない……。でもどうか……どうか…京君が絶望しませんように……。

 

「ありがとうございます照さん……」

「京君…?」

 

「…俺、がんばります。ですから照さんも頑張って壁を乗り越えてください!」

「っ!…うん!」

 

私と京君は暗闇の中でも笑いあっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…

 

「ふわぁぁ…」

 

今日は京君とのデート…遅刻するわけには行かない私はいつもより早く起きた。

「…京君のおかげで遅刻しなくなったかも」

 

私は小さな変化に気付いて笑顔になる。

 

「顔洗って早く約束した場所に行かないと…」

 

私はベッドから起き上がって、軽く背伸びをして体をほぐしたあと早足で寮の個室にある洗面所に向かった。

 

 

 

洗面所に着いて顔を洗ったあとにまた部屋へと戻って服がたくさん入ってるクローゼットを開けた。

 

「…どれにしようかな」

 

いつもみたいな服装にしようかな…。それとも別の服装にしようかな……。

 

「…うーん」

 

選択肢は活動報告にて!

 

ーーーーーーーーーーーー[途中経過]

 

照の好感度が上がりました!

 

照に覚醒フラグが建ちました。

 

京太郎の寿命が1ヶ月伸びました…!

 

京太郎の余命残り3ヶ月

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。