咲-Saki-消えゆく京- 作:神狼K
選択肢は活動報告です。
今回もよろしくお願いします!
「ここは無難にトランプでもするか?」
「トランプか…良いぞ!、衣もやりたい!」
「ふふん♪、トランプの実力も高校百年生という事を分からせてやるんだから!」
衣さんと淡もやる気を出してるみたいだし、トランプをする事にした。
だがその前に俺は立ち上がってキッチンに向かう
「どうしたのだ?きょうたろう」
「せっかくだからクッキーでも作ろうかなと思いまして、衣さんと淡はクッキー好きか?」
「うん!大好きだ!」
「わ、私も大好き!たくさん作って!」
「…私も」
「そうですか、じゃあ作ります……?」
あれ?今一人だけ返事が多かったような……。
俺は後ろを振り返ると、そこには目をキラキラさせた照さんの姿があった…………………。
「って!?、何で照さんがここにいるんですか!?」
俺は突然現れた事に驚いて心臓をドキドキさせながら照さんに突っ込んだ
「『お菓子』これこそが私を召喚させる呪文」
「そんな単語でインハイ美少女チャンプ召喚できるんだー、すげぇ…」
俺は考えるのを止めた
照さんも加わっての四人分のクッキーを作って皆に配った後、トランプの何をやろうかと考えていた
「うーん、最初だからここはババ抜きにしましょうか?」
「うむ、衣はそれで良いぞ!」
「私も良いんだけど、テルーってトランプとかものすごく強そうだよね」
「そうかな?」
「あー、確かに照さんってポーカーフェイスとか得意そうだな
俺は照さんとの対局した時に照さんが常に無表情だった事を思い出しながら淡の言葉に同意する
「じゃあババ抜きだな」
俺は掌からトランプを取り出した、「どこから出したの!?」という淡の言葉が聞こえてくるが、そこは雑用クオリティという事で納得してもらった。
俺はトランプをシュッシュッという音をたてながら切る。
「よし、混ざった」
俺は照さん達にトランプを平等に配る、その間照さん達はクッキーを美味しそうに食べていた、美味しそうで何よりだ。
配り終わったあとは重なっているトランプを整理していよいよババ抜きの開始だ。
俺はポーカーフェイスは得意な方だが淡達にはなんか見抜かれそうで怖い。
だが日頃麻雀で負け越しているから、トランプぐらいは勝ちたいと、気合いを入れ直して、向かいにいる淡からカードを引く。
ちなみにババ抜きの順番は……
京→淡
↑机↓
衣←照
という順番だ。
まず最初に照さんがあがった。
「どれにしようかな」
ちなみに俺の残り手札は一枚、淡と衣さんは二枚ずつだ。
俺は右のカードを選ぶ素振りを見せる
「……よし」
「(…おーい淡ー、そんな嬉しそうな顔するなよ…、声もすげぇバレバレなんだけどー!?)」
これは驚いた、淡も衣さんもポーカーフェイスが超下手くそだったのだ。
……いやいや!?、どんだけ下手くそなんだよ!?。
「……えっと」
左を選ぼうとすれば…。
「………ぅぅ」
目に涙を溜めてウルウルしてくるのだ。
……一体どうすれば?、と意外に本気で悩んだ結果………………。
「ほい」
「あ……」
運命とは残酷なものだ、人は皆勝ちたいという欲望には勝てないものだ。
まぁそんな重いもんではないが、俺は左のカードを選んだ。
「あがりっと…」
「う、うわぁぁぁぁん!!、ぎょうだろうにまげだぁぁぁぁぁぁ!!!!」
淡は大声でわんわん泣き始めてしまった。
…やばい、マジ泣きだ。
「あ、淡、元気だせよ…、い、一回負けただけだぜ?」
ナデナデ
俺は淡の頭を優しく撫でながらできるだけ優しい声で淡を励ます
「……うぅ、ヒック…………わたしはぁ…」
「遊びたから、な?」
「……うん」
こうして淡のメンタルが脆い事に一瞬で気付いたこの場の全員は黙ってトランプを片付けた
トランプを片付けたあと、今後の事を考えていた。
千冬姉は自分より更に上の医者を探すと出掛けている、そして今の俺はこのままいけば今は8月後半で、9月に入るから…、11月には俺は死んでしまうらしい。
「照さん達に衣さんを任せたが大丈夫かな」
そう、俺の雰囲気で察した照さんが上手く淡と衣さんを誘導してくれたわけだ。
「それにしても咲達はどうしてるかな…」
咲達は今は大会が終わって長野県に帰っている。
正直、わざわざ東京に来たんだから、このまま手ぶらで帰って死ぬわけにはいかない。
だけど咲達が心配な気持ちは消えない……が…
「まぁ咲達なら大丈夫だよな、むしろ雑用の俺の事なんて忘れて新しい部員が入ってるのかもな」
もしそれが本当ならゾッとするが、仕方のない事だ。
何故なら俺が麻雀で結果を残せてないせいなんだからな……。
「あ、そういえば泊まる場所はどうしようかな」
選択肢は活動報告にて