咲-Saki-消えゆく京-   作:神狼K

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今回は短いです。そしていつも通り活動報告で選択肢があります。書き方に改善点があれば、遠慮なくどうぞ!


月と星は京で交差する(前編)

「…あ!、あれは京太郎と天江衣!」

 

俺が衣さんの言葉に驚いてる中、淡が俺と衣さんのいる方へと速歩きやって来た。

 

 

「京太郎!」

 

「淡、おはよう」

 

「うん!、おはよう!……………じゃない!!」

 

「うわぁ!?」

 

俺が挨拶をして淡も返してくるが、突然淡は叫びだして俺は思わず驚いた。

 

「……何なのだ? このバカは」

 

「ば、バカって言ったわね!?」

 

「バカをバカと言って何が悪いのだ?」

 

衣さんの挑発に煽り耐久ゼロの淡は衣さんを睨み付けた。というか何でだ?、淡と衣さんって仲が悪かったのか?

 

「……なんだって?」

 

「おい、衣さんに淡、落ち着けって」

 

俺はとりあえず二人を撫でて落ち着かせる。

 

『あぅ//』

 

二人とも気持ち良さそうに目を細めている。案外愛でるとは凄い力を秘めているのかもしれないな。

 

「ほら、衣さんは謝る」

 

「む、むぅ…」

 

俺がそう言う。

 

すると衣さんは、自分が悪いという事に自覚があるのか、子供は拗ねているように顔を伏せた。

 

だが俺は手で優しく衣の顔を掴み俺の顔へと寄せる。

 

「衣さん…、謝ってください」

 

「…ふにゅ…。……ごめんなさい」

 

「ぷくく…京太郎に怒られてる…w」

 

「……ぐ、ぐぐぐ…」

 

淡が笑いを堪えて自分をバカにしているため、衣さんは歯軋りしている。

 

「お前もだ」

 

俺は淡の頭に軽くチョップする。

 

「いたっ!?」

 

「お前も簡単に挑発に乗るなよな」

 

まぁ、やったほうもそれもやり返したほうも悪い。所謂、喧嘩両成敗を俺はしているわけだ。

 

「……こっちもごめん」

 

渋々ではあるが衣さんに向かって頭を下げて謝る淡。

 

「うむ、衣はお姉さんだからな!、許してやる」

 

「ありがとう、ところで京太郎は何してたの?」

 

蟠りが無くなった途端、直ぐに俺の方へと向き直り俺に話しかけてくる淡。

 

この対応の早さはなんとも淡らしいなと俺は思いつつ、淡に昨日衣さん達の誘いにより別荘へ行っていた事を話した。

 

「ふーんそうなんだー。(こ、これはもしかしてライバル出現!?)」

 

「そういえば、淡はどうしてこんな時間に?」

 

俺は手元の携帯で今の時刻を確認するが、そこそこ早い時間であり、まだホテル周辺は静かなくらいだ。

 

「うーん、何となくこう京太郎来るなー、みたいな?」

 

「お前は犬か!」

 

思わず淡にツッコミをいれたが、淡は誇らしげにしている。

 

「ふふん!、何せ私は高校百年生なんだからね!」

 

指で100の形を作りながらどや顔で言ってくる淡の姿はなんだか少し和んだ。

「そうか、とりあえず中へ入ろうぜ」

 

「あれ、なんか雜?」

 

「気のせいだ」

 

「そうだよね!」

 

あれ?、この子こんなにアホだったっけ?

 

だがそんな事は気にせずに俺達はホテル内に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

そして衣さんと淡と俺は今俺の部屋に居る。

 

「そういえば、大会が終わったあとなのに何でまだ白糸台はここにとどまってるんだ?」

 

「あれ、京太郎は知らなかったっけ?」

 

「何が?」

 

「実は‐‐「10月1日に行われる高大交流戦に向けての準備だろう?」…………そうだよ」

 

淡が話そうとした時衣さんが先に言ってきた。

 

そのため淡は少し不機嫌になりながらも衣さんの言葉に頷く。

 

「高大交流戦?」

 

俺は大会に関して何も知らないため首を傾げるが淡が説明してくれる。

 

「高大交流戦って言うのは高校の雀士と大学の雀士が大会で戦う大会の事なんだよ!」

 

「その交流戦は高校麻雀連盟と大学麻雀連盟? っていう奴らが男女関係なく強い人を五人一組の五組をオーダーして、先に3勝した方が勝ちっていうルールらしいよ」

 

「へぇー」

 

淡の説明に俺は面白そうだと思った。

 

「そ・れ・よ ・り」

 

ダキッ

 

突然淡が俺に甘えるように抱きついてきた。

 

「な、なんだ?」

 

「こんなに近くに美少女二人がいるのに京太郎は何も思わないの?」

 

「いや、可愛いと思うけどさ」

 

「だけど、何で急にそんな事を言ってんだ?」

 

俺の疑問に淡は答えず急に顔を真っ赤にして悶絶し始めた。

 

「〜〜〜〜っっ////」

 

「ど、どうした!?熱でもあるのか!?」

 

俺が淡と額と額を合わせて熱を計る。

 

「あれ?意外と大した熱じゃないな」

 

だが淡の顔は真っ赤だ、何故だろうかと俺は思考していると、淡が突然前のめりに倒れてしまった。

 

「あ、淡!」

 

「どうしたのだ!?」

 

俺と衣さんはあわてて仰向けに倒れた淡を抱き起こした。

 

「あわあわ〜////」

 

淡は顔がゆでダコになってのびていた。

 

「うおっ!? 凄い真っ赤だぞ!、速くベッドに寝かせます!」

 

「こ、衣は冷たいタオルを持ってくる!」

 

俺達は余りにも突然の出来事にパニクったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん」

 

しばらくした後に、淡は目を覚ました。額に違和感を感じたのか、淡は手で額に触ってしまい衣が持ってきたキンキンに冷えていたタオルが落ちてしまった。

 

「ん、…あれ?私いつの間にか寝ちゃったんだ」

 

ベッドから起き上がる淡。どうやら俺達の頑張った甲斐もあり回復したようだ。

 

「目が覚めたか」

 

「き、京太郎…//」

 

そんな淡を俺は包み込むように抱き締めた。淡は少し恥ずかしがってバタつくが女の淡よりも力の強い男な俺なので、少ししたら淡は抵抗をやめた。

 

「き、京太郎…?」

 

「心配したぞ…、淡が急に倒れてさ」

 

「……」

 

「熱があるならいってくれよ」

 

「へっ?」

 

淡がすっとんきょうな声をあげるがそれに気付かずに俺はシリアス口調で続ける

「…もう無理するなよ」

 

「ちょ、ちょっと待って!?」

 

「何だよ?」

 

 

淡が急に大声出して立ち上がった。

 

「私は熱なんて出してないわよ! あれは……その、恥ずかしかっただけなんだから!」

 

淡は恥ずかしそうに俺の方を見てそう告白する。

 

つまり俺は勘違いしていて本当はなんか恥ずかしくなって気絶したのか。

 

「なんか悪かったな……。俺のせいだろ」

 

俺は自分のせいで女の子を気絶させてしまった事に内心かなりショックを受けた。それを知ってか知らずかあわてて淡は喋る。

 

「べ、別に京太郎のせいじゃないから!」

 

「……そうなのか?」

 

「うむ、衣も京太郎が悪くないと思うし、だからと言って淡も悪くない」

 

衣さんもそういってくれる

「そうか…? じゃあ気を取り直して何かするか…」

どんな事しようかな。


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