咲-Saki-消えゆく京-   作:神狼K

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どうも神狼です。

なんかこんな物語を書きたかったので書きました。

基本できるだけキャラのアンチは避けます。


プロローグ
急速の余命宣告


俺の名前は須賀京太郎だ!

 

清澄高校の一年生で、まぁ金髪しか特徴のない平凡な高校生──だった。

 

──今は麻雀部に入っている。

 

しかも男子は俺だけだ。……ははっ! “どんなハーレムだよ”と思っていた時代が俺にもありました。

 

今は雑用や買い出しをやらされているが、まぁ俺は麻雀弱いしこれぐらいはな! ……と明るく振る舞ってみたが、男子が一人だけというのは周りの視線が冷たかった。

 

ハハッ……。

 

……さてと、俺は今買い出しの帰り道であり、ちょうど部室についたところだ。

 

ガチャ、と俺は荷物片手に扉を開けて部室に入る。流石の俺も重たい荷物が体に染みるぜ!

 

「流石に皆帰ってるか……」

 

誰もいない静かな部室を見て、思わずそう独り言を漏らした。……とりあえず掃除して、それから帰るとしますかね。

 

俺は何やってんのかな……。俺なんかがいて意味なんてあるのかな。

 

「はぁ……」

 

部活やめようかな……。

 

そうふと頭を巡った。

 

「……なんか今日は変だな。ネガティブな事ばっか考えちまうな。……帰るか」

 

嫌なことばかり頭を遮り、気持ちを切り替える為に帰ろうとした……その時。

 

ドグン……ドグンッ! と心臓が握り締められるような激痛が走った。

 

「心臓が……い…た…い」

 

あまりの痛さに思わず踞ってしまう。頬には大量の汗が吹き出し、目がチカチカする。吐き気もする……っ!

 

……これが最悪な物語の始まりだった。

 

「どうなってんだよ……がぁっ! はぁはぁ……っ!」

 

ドグン、ドグンと鼓動が強く、激しく打ち付ける。これをなんとか耐えて、立ち上がる。とはいえ、壁を支えにしながら、やっと歩けるという状態である。

 

なんとか痛みは収まったが……病院いったほうがいいかもな……。

 

こうして俺は家に帰った。

 

 

 

 

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次の日の朝、俺は学校に登校した。

 

心臓の謎の痛みについては母さんに話さなかった。心配掛けたくなかったら……。

 

「……」

 

ガラガラと開けたスライドドアの音が響きわたる。

 

今の俺はクラスの除け者だ。悪意があるわけではない。あくまでも嫉妬や憎しみだ。

 

何でアイツが麻雀部の部員なんだ? あんな弱くて情けない奴が、てな……。

 

皆は悪くない全部それの引き金となった俺の自業自得なのだ。

 

「あ、京ちゃんおはよう!」

 

「ああ、おはよう」

 

咲は俺にいつも挨拶してくれる。なんだか些細な事がとても嬉しく思えた。

 

思わず表情が暗くなってしまい、俺は咲から顔を背けた。こんな顔をアイツに見せられねぇからな。

 

「…京ちゃん大丈夫?顔色が悪いけど」

 

咲は俺なんかを気にかけてくれる。その好意はとても嬉しいが……。

 

「えっ? ……いや別に大丈夫だぜ。心配すなよ。それよりチャイムなったぞ」

 

「え、……うん」

 

咲は納得いかなそうな表情をしていたが、チャイムが鳴りそうなのは本当なので、渋々といった感じで、自分の席に向かう。

 

こんな良い奴だからこそ心配させたくない。

 

咲は、俺と違って全国が近いんだから。

 

 

 

 

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放課後になったため、俺は咲に声をかけた。

 

「咲」

 

「なに?京ちゃん」

 

咲は不思議そうにしながら、俺の方へ振り返った。

 

「俺ちょっと用事あるから部活出られないから伝えといてくれ」

 

俺は申し訳無さそうにしながら、咲に言う。

 

「うんわかったよ。また明日ね!」

 

「ああ」

 

俺は、和のいる教室の方へ走って行った咲を見つめていた。

 

 

 

 

 

俺は病院に行くことにした。

 

いきつけの病院に着くと、けっこう広い病院内は意外と混んではいなかった。強いていうなら、ご老人や子供と付き添いの母親などがいるくらいかな。

 

「須賀さん」

 

「はい」

 

ナースさんから、俺の名前が呼ばれ診察室に入る。中にはクールビューティーな感じの美人な女医師がいた。

 

「こんにちは、京太郎君」

 

「はい、こんにちは先生」

 

この人は千冬先生、毎回この病院に俺は通っている。この病院に風邪を引いて行くときは、酷い場合は先生に家まで車で送ってもらうほどに、この病院と先生とも長い付き合いで、仲良しだ。

 

流石に今では送り迎えを遠慮している。だって一人の患者に肩入れしたり、身内ひいきはあまり良くないからな。

 

「今日はどうしたの?」

 

「……最近心臓に激痛が走るんですよ」

 

「……なるほど、それは検査したほういいわね。こっちに来て」

 

「分かりました」

 

俺は検査をしてもらった。なんか最先端の精密検査だったな。なんか凄いや。

 

検査終了後、千冬先生はレントゲンを見ながらかなり深刻そうな顔をしていた。

 

「検査どうでした?」

 

「原因不明の心臓病ね……。このままだと余命2ヶ月ないかもしれないわ……」

 

「そうですか」

 

なんだか頭が真っ白になる。そんな事言われても、何がなにやら……。自分が死ぬなんて、理解出来ねぇよ。何で俺なんだよ……っ!

 

沸き上がる激情を押さえながら、俺は千冬先生の名前を呼ぶ。

 

「先生……」

 

「…いつも通り千冬でいい」

 

プライベートでは名前だけで呼んでいる。仕事場では今まで一度も呼んでいないが、この時ばかりは不安で一杯で素直に頷いた。

 

「千冬さん、俺は治りますか?」

 

「……手術の成功率10%以下、でも見つけるから成功率を伸ばす手術法を」

 

「ありがとう、千冬さん、俺帰るよ……家で頭を整理する…」

 

「……わかった」

 

あまりにも絶望的な宣告に、俺は家に帰るしかなかった。今はとにかく母さんや親父、そしてカピバラのカピーに会いたかった。

 

 

 

 

 

 

俺は家に帰って、部屋に戻り、少し休む事にした……。

 

ん? 携帯が鳴ってるな。

 

相手は……部長からか。

 

流石に買い出しは勘弁してほしいな。無視します! ごめんなさい……。

 

俺は眠気に身を任せて、カピーを抱きながら寝た。

 

翌日……。

 

俺は学校を休んだ。

 

理由は朝から発作が二回も起こったからだ。こんなに辛くて酷いんだ。もう学校辞めるしかないのかな……。

 

このままじゃ出席日数が足りなくて留年だしな……。ふぅ、明日は学校に行くか……。

 

「ん? また部長からか……。俺は動けないのに……」

 

もう俺には部長に心配されるという可能性を考えるほど余裕がなくなっていた……。雑用や買い出しの連絡であるとしか思えなかったんだ。

 

……部長を無視するのは心が痛むが、それ以上に心臓が痛むのだ。本当に痛い。辛い……っ!

 

さらに翌日……。

 

コンコン

 

「失礼します」

 

ガチャ

 

俺はノックをして、職員室に入る。

 

向かう先は担任の可愛い先生のところだ。

 

「須賀君身体はもう大丈夫なの!? ……どうしたの?」

 

 

俺の真剣な雰囲気を察したのだろう。俺の目の前にいる、俺の担任のは心配そうな眼差しで、俺を見つめる。

 

「これ……」

 

それは退学届けだった。

 

「須賀君……? 何か嫌な事があったの? もしかして……先生のせいかな?」

 

 

先生は悲しそうにウルウルと、目に涙を潤ませながら、俺は見つめる。

 

「ち、違いますよ……」

 

俺はあわてて、訂正する。

 

そんな、まるでこの世の終わりのような目で、俺を見ないでください……。

 

「……事情を話してくれないかな?」

 

先生は真剣な顔で言うが、俺は首を横に振った。

 

「無理ですよ。いくら先生でも……」

 

「そう……部活はどうするの?」

 

「退部届けを出しに行きますよ……」

 

「そう……あのこれ先生の番号とメールアドレスだから何かあったら頼ってね?」

 

「ありがとうございます」

 

この先生はいつも俺の事を気にかけてくれる……。先生と別れるのは寂しいな……。でも、これは仕方のない事なのだ。もう決まったことであり、覆すことはできなのだから……。

 

「では、〝さようなら〟」

 

「〝またね〟須賀君」

 

俺は先生の目から、一筋の涙が零れ落ちているのを見てしまった。

 

 

 

 

 

 

俺は職員室しつから出ていって、現在は部室にいた。

 

「あれ? 誰もいない」

 

しかしそこにはボードに〝合宿〟と書かれていた。

 

「はぁ、なんだ……俺に知らせもしないで行っちゃったのか……」

 

俺は所詮その程度の存在なのかな。

 

そう思いながら俺は退部届けを机に置き俺は部室を出た……。

 

もし俺がこの時ボードの裏の紙に気づいてれば(原作の京太郎に向けてのメッセージ)少しは変わったかもしれない……。

 

俺はその後千冬さんと共に東京に行くことになった。

 

東京になら、治療、最悪の場合は延命が出来る病院があるかもしれないからだ。ちなみに、千冬さんは親の代わりの付き添いである。

 

 

「……もうすぐ出発するけど、大丈夫?」

 

「はい、大丈夫ですよ……」

 

「……じゃあ行こうか!」

 

「はい!」

 

千冬さんは俺に明るい笑みを向けてくれた。そんな千冬さんに元気付けられ、少しだけ元気になった。

 

しばらく移動していると……。

 

「……京太郎君、君は何か悩みはない?」

 

「悩み……ですか」

 

「うん、学校で何かあるとか、または…部活とか?」

 

「っ!!」

 

「大丈夫!? 京君!」

 

「だ、大丈夫です…あれ今京君って」

 

「うっ……」

 

年上で、あのクールビューティーな千冬さんの顔が真っ赤だ。そんなに俺が子供の時に呼んでた愛称が照れ臭いのかな?

 

「昔みたいに呼ばれて嬉しかったですよ千冬姉?」

 

「そ、そう? なら京君って呼ぶよ、き、京君……」

 

「…ありがとう千冬姉さん」

 

俺達は暖かい気分になりながら時間が過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

一時間後……。

 

「東京に着いたわよ」

 

「ここが東京……」

 

「今から病院に話を着けるからあそこの公園で待ってて」

 

「分かりました」

 

俺はそこの公園で待つ事にした。

 

「はぁ、いいな太陽が暖かいなぁ」

 

なんかいいな、俺はこんな平和な日々が病気一つで壊れてしまうんだな。俺はどうなるんだろうか?

 

「惨めに死ぬのか?」

 

「救われるのか?」

 

「それとも……」

 

俺は言うのをやめた怖かったからだ

 

「千冬姉まだかなぁ」

 

「あれ?こっちに誰かくる……」

 

果たしてそこにいた人物は?

 


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