SAO 〜しかしあいつは男だ〜   作:置物

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お久しぶりです。
一月前くらいからログインはしていたのですが中々書けなかった置物です。
本当ならクラインやエギルの話を書きたかったのですが中身が全く書けなく、一時期はもうクラインとエギルの登場回なしで最終話まで突っ走ってALO編に入ろうかと思うくらいでした。
多分作家によくある「ネタは思いついたけど中身が全く書けない」現象、別名「スランプ」です(私にはよくあること)
今回の話はキリトがコノハに告白する前のいつかの朝の話です。
ほんとならエギルとクライン、本編登場してるシリカを書こうと思いましたが前者二人は登場してないし後者はネタが全く思いつきませんでした(


あと今更なのですが最近アニメのブラックブレット見てます。
小比奈ちゃんと夏世ちゃん可愛かったです。あと影胤さんと将監さん好きになりました。けど結構前半で夏世ちゃんと将監さん死んだのがもう「うわぁぁ!(椅子から転がり落ちながら)」ってくらい残念です。
そして何故か小説を1巻だけ買いました(


extra2 コノハ「休日」

【キリトの休日】

 

 

日曜日の朝5時、まだ日も昇らない時間に彼は目覚まし無しで目を覚ました。

眠た気な目を擦りながらベッドから降り、布団の暖かさを名残惜しみながら部屋を出て、階段を降りながらメインメニューを操作して服装をパジャマ(グレーのスウェット)からいつもの全身黒装備に変更し、洗面所で顔を洗う。

 

 

「さてと」

 

 

伸びた髪をポニーテールのように纏め、冷たい水で顔を洗って眠気を飛ばしたキリトは台所に入り、冷蔵庫の中身を確認して何が出来るかを冷蔵庫の中の材料と頭の中のレシピを照らし合わせながら考える。

ハムとキャベツ、トマトが残り少ないしパンを焼いてサンドイッチにするかと決めたキリトはメインメニューから黒色のエプロンを装備し、ハムとキャベツとトマトを取り出し包丁で手際良く切っていき、切り終えたそれらを皿に盛りラップをかけ冷蔵庫にしまった後、冷蔵庫の隣に置いてある棚から小麦粉、塩、ボウルを取り出し、パンの素を作る。ソースも作ろうかと悩んだが時間を見てエギルの店で買ったソースにしようと諦めた。

朝食の準備を終えたキリトはエプロンを装備から外すと二階に上がり、自分の部屋の隣にあるドアプレートのかかった部屋に静かに入った。

部屋の中はベッドと卓袱台とアイテムボックス、そして並べて置かれた三個の本棚しかないため広い部屋が更に広く感じるなぁとキリトは思いながら目的のベッドに近づく。

窓際のベッドには掛け布団を床に蹴飛ばして寝ているコノハがいた。ここはゲームの世界なので風邪を引くことはないがキリトは床に落ちている掛け布団をコノハに掛け直す。

 

 

「いつ見ても寝ている顔は可愛いな…」

 

 

ベッドに腰掛けコノハの髪を撫でながらそう言う。実はキリト、3日に1回コノハの寝顔を見る為だけに早起きするのだ。目覚まし無しで起きるのもコノハが起きないようにする為である。

撫で終えたキリトはベッドに入り、コノハの手を握って目を瞑り、コノハが起きるのを待つ。

一時間後、欠伸をしながらコノハが目を開け、キリトを見つけると呆れ顔でキリトを揺する。

 

 

「おーいキリト」

「ん…おはようコノハ…」

 

 

キリトはあたかも今起きたかのような眠気を含んだ返事をする。この時目を擦る事を忘れない。あざとい、キリトあざとい。

 

 

「お前また部屋間違えてるぞ。ったく、深夜の作業は控えろとあれ程言っただろうが」

「ふぁぁ…次は間違えないように気をつける」

「お前それ何度目だよ?」

「そんなことより朝ご飯にしようぜ」

「露骨に話を逸らされた気がするが…まぁ別にいっか」

「今日の朝ご飯は……?」

 

 

背中に悪寒を感じたキリトはパッと背後に振り向くが、そこにはまだ日の光がない、暗いアルゲードの街並みが広がっているだけだった。

 

 

「…?どうした?」

「今視線を感じたような…」

「気のせいだろ」

「そう…だよな…」

 

 

キリトはまだ寝惚けてるのか俺?と頭を掻いて窓から視線を離し、コノハと共に部屋を出る。

扉が閉じられた後、窓の外に栗色の何かが通った。

 

 

 

 

【アスナの休日?】

 

 

朝4時、キリトの全身がプリントされた抱き枕を抱いて綺麗な寝息を立てていたアスナはぱっちりと目を開けて体を起こす。

 

 

「おはようキリト君」

 

 

体を起こした先の壁に貼られた等身大のキリトの写真に朝の挨拶をした。この写真の方角にはキリトの住居があるので間接的にキリトに朝の挨拶をしている事になる(とアスナの中ではなっている)。

朝の挨拶をしたアスナはシャワーを浴び、メインメニューを操作して。しかしその装備はいつも装備している血盟騎士団のユニフォームである白を基調にした物ではなく緑や茶が入り混じった迷彩服のような物だ。

それを装備し、髪を後頭部に纏め、アイテムボックスから記録結晶3個と煙玉と閃光玉を取り出して準備体操を始めた。記録結晶が3個の理由は視聴用、保存用、予備用と用途別の為だ。

 

 

「今日も始めましょうか。キリト君盗sゲフンゲフン観察日記」

 

 

キリトの家に向かうべく玄関、ではなく自室の部屋の窓から外を確認し、安全と分かると窓を開け外へ飛び出し隣の家の屋根に屈伸を上手く使い音も無く飛び乗る。

屋根の上から顔だけを覗かせて玄関のドアノブを見てみると、糸がドアノブの横の壁の黒い箱に伸びていた。黒い箱は恐らく対レアモンスター用の、糸が引っ張られたら設置主にメッセージを送信する罠だろうとアスナは推測した。扉を開けていたら設置主、クラディールにメッセージが発信され、即座にクラディールがこちらに来てアスナは拘束されていただろう。

 

 

「甘いわねクラディール。貴方の考える事なんて手に取るように分かったわ。わたしを捕まえたかったらもっと機転を利かせることね」

 

 

アスナはドヤ顔でそう言って屋根伝いに転送門に向かった。目指すはアルゲード、手に入れるはキリトの寝顔。アスナの口からは涎が止まることなく流れていた。まさか自分が出てきた窓に玄関に仕掛けられていた罠と同じ物があったとは知らずに…。

 

 

 

 

【ヒースクリフの休日】

 

 

「あ、アスナ君…いい加減に仕事をしてくれ…」

 

 

うーん、うーんとアスナを戒める寝言を言いながら痛んだ胃を休めていた。

 

 

 

【リズの休日】

 

 

リズの休日の朝は大体机の上から始まる。リズが突っ伏している机の周りにはコマ割りされた紙や設定画が散らばっているが、どれもコノハかキリトが描かれていた。次の日が休みだとリズは一週間で少しずつ溜まった脳内案を朝方まで紙に貪るように描くのだが、今回は中々納得行く作品が出来ず、描かれた紙が100を超えていた。

十分睡眠を取った(睡眠時間1時間30分)リズは机の横に設置されている冷蔵庫から栄養ドリンクを出して一気飲みをし、周りに散らばる紙を椅子を回転させ、椅子から降りずに拾いあげて一枚一枚をはぁぁと溜息を吐きながら見ていく。

 

 

「どれもこれもしっくり来ないのよねぇ。特に設定。なんかいい設定ないのかしらねぇ」

 

 

長時間椅子に座るのも腰的にキツくなってきたリズは、ネタがないのなら探しに行けばいいじゃないと決まったリズは、朝ご飯にもありつきたいなぁとまだ覚醒しきっていない脳で考えて攻略組では珍しい朝型のコノハとキリトの家に行った。

もう起きているか家の中を窓から覗いてみると、正方形のテーブルの一辺に迷彩服を着たアスナとポニーテールにいつもの黒装備のキリトが、向かいに「天下統一」と書かれた白のTシャツを着ているコノハが座っており、アスナの後ろ、リズが覗いている窓の斜め前に血盟騎士団のユニフォームを着ているクラディールが腕組みをしてアスナをじっと待っていた。

普通の朝の光景が服装を変えるだけでこんなにシュールなるんだとリズは思いつつ窓から離れ表の玄関に行き呼び鈴を鳴らす。

待っていると目標の一人のコノハが疲れた顔で出迎えてきた。

 

 

「やっほー」

「リズか…。なんでこうもうちに人が集まるかねぇ…」

「人望じゃない?」

「絶対違うだろ。人望で来るやつがキチガイ染みた身体能力で盗撮してたり玄関に来る前に窓の外から覗くかよ」

 

 

アスナがいたのはそういう事かと納得したと同時に覗き見していた事がばれていたことに驚くリズ。

 

 

「あ、ばれてた?結構慎重に見たんだけどなぁ」

「普段からストーカー(アスナ)で鍛えられてるからな」

「流石にアスナを超える隠密技術は誰も習得できないわ」

「アスナ並も無理だろうな…。で、リズも食っていくか?キリトお手製サンドイッチ」

「いいの?丁度朝ご飯どうしようかなぁって思ってたところだったのよ」

「どうせここに来れば食べ物にありつけると思ったんだろ」

「ソ、ソンナコトナイッテバー」

「違うんだったらこっちを見て言え」

「ソンナコトナイッテバー」

「そんなペロちゃ○みたいな顔で言われても」

「もうなんでもいいでしょ!早く中に入れてよ!」

「逆キレされた!?」

 

 

コノハがリズと共にダイニングルームに入ると、アスナの足を掴んで外に出ようとするクラディールとキリトの足を掴んで仕事したくないと嫌がるアスナとどうすればいいんだと困惑しているキリト。この数分で何があった?

 

 

「あ、リズ!丁度いい所に!クラディールを何とかして!」

「コノハ様!アスナ様をキリト様から離すのを手伝って下さい!」

「あはは…おはようリズ」

 

 

アスナはリズに、クラディールはコノハに救援を求め、キリトは頬を掻いて苦笑の入った挨拶をした。

この事態を終わらせるためコノハはアスナの手をキリトの足から剥がしクラディールにアイコンタクトで連れてけと伝える。

掴む物を失ったアスナは「この裏切り者〜」と怨嗟の声を上げながらクラディールに引き摺られて連れて行かれた。

アスナがいなくなった椅子を引き「まぁ座れよ」とコノハが手招きしたのでリズは「ありがとう」と言って座る。

 

 

「邪魔者もいなくなったし、キリト、リズの分のサンドイッチも頼む」

「わかった」

 

 

女の子のような顔のキリトが台所で料理し、コノハがアルゴ新聞を読むのを見てリズの頭の中にピーンとネタが浮かんだ。

 

 

「(もういっそのことキリトが女の子になってコノハに告白するTS恋愛物描くのも偶にはいいかも)」

 

 

二ヶ月後、初めて描いたTS恋愛漫画「純粋な愛は性別を超える」が発売。リズが初めてTSで恋愛物を描いたことで過去最高の速さで完売し、突然TSした事に戸惑い、そして性別の壁を取り払われたキリトが友情を取るか恋愛を取るかで葛藤する際の心情描写が見る者をキュンキュンさせ、続編、小説、実写化希望の声が殺到するとはリズはこの時思いもしなかった。




小ネタ
・アスナは攻略組の副団長であるため明確な休みがない。そのため「アスナの休日?」となっている。
・服装が血盟騎士団のユニフォームではないのは何処所属か見ただけで分かるため、煙玉と閃光玉は見つかった時の目くらまし。
・クラディールの罠は玄関、アスナの部屋の窓の他にも下水道、煙突といった出れそうな場所全てに設置されていた。6時になったら自主回収する予定だった。
・キリトは告白する前はポニーテールに出来るくらい長かったが、その日の夜に「結構長くなってるし切ろうか?」と言われ切ってもらった。
・「純粋な愛は性別を超える」を買いに来た列の中には明らかに対象年齢以下の少女がいた。

リズはやっぱり書きやすい(

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