魔法先生ネギま~とある妹の転生物語~   作:竜華零

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第51話「新たな関係」

Side 学園長

 

正直に言おう、わしは今、危機的な状況にある。

 

 

『・・・納得のいく説明をしてもらいたい』

『こちらとしても、こうまで東での近衛木乃香の後見人をないがしろにされてしまうと・・・』

 

 

執務室にて、わしは一人、遠方からの2つの通信を受けておる。

相手は、関西呪術協会の長にしてわしの娘婿、近衛詠春。

そして今一人は、わしの旧友であり、ネギ君やアリア君の母校であるメルディアナ魔法学校の校長。

 

 

何の通信かと言うと、ぶっちゃけ、抗議じゃ。

内容を一言で言うと、「アリア君の待遇、ひどくない?」じゃな。

さらに言うと、「自分らのこと、舐めてない?」でもある。

 

 

・・・うむ。

対外的に、大ピンチじゃ。わし。

 

 

『そちらの明石教授からのレポートによると、そちらに預けた2人の卒業生の扱いに明確な差があると聞く』

「ほ、ほう。そうかのぅ、わしとしては別に」

『明らかに通常以上の量の仕事をさせていたとか』

「ほ・・・」

『どちらがとはあえて言わんが・・・その間、残る一人は、卒業課題とは関係の無い修行に明け暮れていたとか』

 

 

その後、メルディアナの校長は、わしでも把握していなかった具体的な労働量、労働時間その他の待遇について、詳しく説明しだした。

・・・明石君、わしに見せたレポートの写しには、そこまでのことは書いてなかったぞい。

 

 

『関西としても、一度ならず二度までもアリア君に危害を加えられると・・・ちょっと』

「そ、それはじゃな婿ど・・・ではなく、詠春殿」

『いえ、私は良いんですが・・・けしからん、と言う者もいるのですよ』

 

 

婿殿、それは言外に「若いのが東へテロに行くかも」と言う意味を込めておるのか?

それから婿殿は、昨日のネギ君とアリア君の騒動の一部の映像を流し始めた。

それも編集された物で、「ネギ君がアリア君に暴行を加えた結果、超反撃されました」な内容の物じゃった。

さ、先に出されてしまった・・・。

 

 

い、いやそれよりも。

なぜ婿殿がこの映像を持っているのじゃ?

 

 

「さぁ・・・どうしてだろうな?」

「!?」

 

 

突然、冷気と共に、耳元で誰かが囁いた!

振り向くも・・・そこには誰もいない。

 

 

『どうかしましたか?』

「い、いや・・・今、誰かいたような気が」

『何を言っている、誰もいなかったぞ』

『ええ、金髪の少女など見えませんでした』

「・・・・・・そうかの」

 

 

というか、メルディアナの校長は突っ込まねばならん所じゃと思うのじゃが・・・。

どうやらわしに、味方はおらんようじゃ。

タカミチ君、早く帰ってこんかのぅ・・・。

 

 

ど、どうするかの、ネギ君を庇えばわしの地位が危うくなるし・・・。

と言って、わしが保身に走ればネギ君の立場が悪くなるし・・・。

とは言え、両方が何らかの責任をとらんことには、この2人は納得せんじゃろうし。

 

 

ふぅ・・・と、2人に気付かれぬように溜息を吐く。

目線を下げると、机の上には本国からの通知が。

内容は、元老院議員、クルト・ゲーデル氏が、アメリカのジョンソン魔法学校を含む複数の旧世界の魔法学校を視察する、と言う物じゃった。そこには当然、この麻帆良も含まれておる。

まぁ、とどのつまりは査察じゃな。

 

 

日程は、麻帆良祭期間中。

・・・わし、詰んだかもしれん。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

「えー、突然ですが、ネギ先生が入院しました」

「「「「えええええええええ――――――――――っっ!!!」」」」

 

 

おお、このクラスは今日も元気が良いですね。

皆さんが元気だと、私も嬉しいです。

 

 

「はい、では出席を取りますね」

「ち、ちょっと待ってくださいませアリア先生!!」

「雪広さんは29番目に呼びますからね」

「ね、ねねねネギ先生が入院って、どういうことですの!?」

 

 

雪広さんの出席欄に、静かに○を付けます。

それから、ふっ・・・と微笑んで。

 

 

「大丈夫、ネギ先生はいます・・・皆の、心の中に」

「それは確かに私の心の中にはいつでも、ネギ先生の笑顔がっ・・・!」

「さぁすが、アリア先生! 言うことが違うね!・・・意味は良くわかんないけど!」

 

 

明石さん、ノリとテンションだけで物を言うのはどうかと思いますよ?

そして雪広さん、妄想の世界から帰ってきてください。

 

 

「・・・まぁ、真面目な話をすれば、ちょっとした過労みたいな物で、すぐに退院できるそうです」

「過労! ああ、委員長たる私が、いたいけな少年の疲労に気付けないなどと・・・っ」

「ねぇねぇ先生、ネギ君のお見舞いに行っちゃダメ?」

「お気持ちは嬉しいのですが、過労ですので、休ませてあげてくださいね。まき絵さん」

「うう~、そっかぁ・・・」

 

 

ネギ先生が「過労」になるという言葉に、誰か突っ込んではくれないのでしょうか。

まぁ、生徒の立場からすると、教師が授業以外にどんな仕事をしているかなんて、わかりませんからね。

未だにトリップしている雪広さんはとりあえず置いておくとして、出席を取りましょう。

朝のHRの時間は、限られていますから。

 

 

・・・なんというか、一部の生徒が私を見る目が厳しいですね。

特に、明日菜さん。次点で宮崎さんでしょうか?

まぁ、宮崎さんはどこか、怯えも混じっているようですが。

事情を知っている方からすれば、今の私の姿は、面白くないでしょうね。

 

 

ネギの居場所を、奪ったような物ですし。

 

 

「さて、ご存知の通り、学園祭が近いわけですが・・・我がクラスはまだ出し物が決まっておりません」

 

 

出席の後(全員出席)、速やかに学園祭の出し物について話し合います。

そろそろ決めないと、時間的に不味いです。

 

 

「いやしかし、それは難しい問題ですぜ、アリアの親分」

「誰が親分ですか。先生と呼んでください」

「メイドカフェを超える集客数となるとねぇ・・・」

 

 

渋くキメ顔で話す、明石さんと早乙女さん。

メイドカフェが却下されたら、もう撃ち止めなんだ・・・。

その時、椎名さんが「はーい!」と手を挙げました。

 

 

「『ドキ☆女だらけの水着大会・カフェ♪+アリア先生ご奉仕バージョン』が良いと思いまーす!」

「前半だけでも突っ込み所が満載ですが、あえて後半に絞ります。私に何をさせる気ですか」

「え? だからご奉仕」

「その内容、詳しく聞かせろ・・・!」

 

 

なぜかエヴァさんが激しく反応しました!

あと早乙女さん、「・・・それだ」じゃありません。

貴女の脳内では、どんな映像が繰り広げられているのですか。

そして続々と提案が。

 

 

「じゃあ、『女だらけの泥んこレスリング大会喫茶+アリア先生を汚してみない?』で!!」

「負けねーぞ!『ネコミミラゾクバー+アリア先生でにゃんにゃん』!!」

 

 

まき絵さん、風香さん、2人とも後で職員室に来なさい。

そしてなぜ、それが通ると思ったんですか。

さらに言えば、メインが「私に何をさせるか」になっている気がします。

 

 

「・・・もう、素直に『アリア先生限定・ノーパン喫茶』でいいんじゃないかしら」

「「それだあぁっ!」」

「は、80年代に、実在・・・!!」

「全員後で職員室に来なさい!」

 

 

なぜか、千鶴さんの提案が一番喰いつきが良かった。

そんなに私を辱めたいのですかこのクラスは!

あと茶々丸さん、ハカセさんが「オ、オーバーヒート・・・!」とか言って目を輝かせていますから、頭から煙を出すのをやめてください。

 

 

「あ、アリア先生、私・・・女だらけとか、意味がわからないんですけど・・・あと強く生きてください」

「大丈夫ですよ、史伽さん。私にもまったくわかりません。・・・主に私が被害者ですし」

 

 

涙目の史伽さんに慰められると言う、不可思議な現象が起こりました。

そしてそんな私と史伽さんの肩に、真名さんが手を置いてきました。

 

 

「キミ達は知らなくても良いことだ。そして良い子は周りの大人の人に尋ねてもいけない。キミ達とお姉さんとの約束だ!」

「何をどう約束するのか、まったくわかりませんよ真名さん」

 

 

そのままHR終了まで、クラスの人達は騒いでいました。

一部を、除いて。

 

 

 

 

 

Side のどか

 

結局、明日までにアリア先生に案を提出、明日のHRで投票した後、本格的に役割を分担して準備に入ることになった。

正直、時間はあんまりないけど・・・。

 

 

で、でも、どうしよう・・・。

さっきは違う理由だったけど、ネギ先生、すごい怪我をしてるって・・・。

 

 

今朝、夕映や明日菜さん達と一緒に、学園長先生に呼び出された。

いきなり何かと思ったけど、ネギ先生のことだって聞いて、すぐに行った。

そこで、昨日の出来事を聞いた。

 

 

学園長先生は、すごく疲れた顔で「今回の件でアリア先生を悪く思わないように」って。

明日菜さんは怒ってたけど・・・でも夕映は「ネギ先生が先に手を出したんだから」って、言ってたし・・・。

わ、私は、どうすれば良いんだろう・・・。

とにかく、ネギ先生の所に行きたい。クウネルさんの・・・前に一度だけ会った、ネギ先生の魔法の先生の所にいるって言ってたから・・・。

 

 

「はい、どうぞ。宮崎さん」

「え、あ、あの・・・ありがとうございます」

 

 

アリア先生が、急に何かの冊子を手渡してきて、すごく驚いた。

慌てて受け取ると、そこには「英語対策・宮崎さん用」と書かれていた。

私だけじゃなくて、クラスの皆にも。

 

 

「アリア先生、これなーにー?」

「皆さんの過去の成績、傾向などを基に作成した、個々人の対策冊子です」

 

 

私達のクラスの中間試験の成績は学年4位。

悪くはないけど、良くもないし・・・アリア先生としては、もう少し成績を上げさせたいみたい。

でも、これ・・・。

 

 

「・・・うぉ!? ハルナの、萌える英単○帳みたいなのになってる!?」

「わ、私のは、ハイデガーの英訳です・・・」

「か、格闘マンガが全部英語に・・・横に英単語の中国語訳まで付いてるアル」

「これからの英語の時間は、それぞれその冊子を進めてくださいね。週に一度か二度、進捗具合に応じて小テストを実施します」

 

 

これ、作るのすごく時間がかかったんじゃ・・・。

 

 

「・・・アリア先生」

「はい、なんでしょうか茶々丸さん?」

 

 

茶々丸さんが、アリア先生に何かを囁いた。

すると、アリア先生の顔がみるみる内に青ざめていって・・・。

そして突然、アリア先生が身体を直角に曲げた。

 

 

「申し訳ありませんでした!!」

「あのアリア先生が絡繰さんに謝った!?」

「茶々丸さん最強伝説!?」

 

 

よ、良くわからないけど・・・。

たぶん、良い先生・・・良い人なんだと思う。

でも・・・。

 

 

でも、私はあの人が怖い。

あの笑顔が、細められる瞳が、言葉を発する口が。

怖くて怖くて、仕方が無い。

 

 

良い人なのに、優しい人なのに・・・。

どうしてだろう。私は、あの人が怖い。

アリア先生のことが、怖いんです。

 

 

ぎゅっ・・・と、膝の上に置いたアーティファクトの本を握りしめる。

実は何度か、カモさんにアリア先生の心を読んでほしいって、頼まれたことがある。

でも私は、一度も読み取ろうとしたことが無い。

読もうとすると、頭が割れそうなくらい痛くなるからって言うのもあるけど・・・。

一番の理由は、怖いから。

 

 

アリア先生の心の中を見た時、私の中の何かが終わりそうで。

私は、あの人の心を見ることができません。

 

 

 

 

 

Side 瀬流彦

 

「どうですかな瀬流彦先生、今夜皆で食事でも」

「あ、良いですねー、さっちゃんのお店ですか?」

 

 

お昼休みに、新田先生とそんな会話をした。

学園祭準備期間中は、さっちゃんのお店が毎日やってるから、嬉しいなぁ。

アリア君も誘おうかな。もの凄い量の荷物を持って、嬉々としてクラスに行ってたみたいだけど。

大変そうだったから「手伝おうか?」って言ったら、なぜかビクビクしながら、「い、いえ、今の私、力持ちですからっ」とかわけのわからないことを言って出て行っちゃった。

 

 

あれはたぶん、新田先生から隠れていたに違いないと、僕なんかは思うね。

最近、新田先生に隠れて密かに仕事を増やそうとするから、タチが悪い。

今日、全部暴露してやろうと思う。新田先生の前で。

 

 

「あ、瀬流彦先生。ちょっと良いかしら?」

「はーい? あ、しずな先生」

 

 

振り向いてみると、しずな先生が微笑みながら立っていた。

相変わらず、綺麗な人だなぁ・・・。

タカミチさんと良い感じだって噂を聞くけど、どうなんだろう。

まぁ、僕みたいな奴には、関係の無い話だよね・・・言ってて悲しくなってきた。

 

 

「どうかしました? ぼうっとして・・・」

「え、あ、いえ、あはは・・・」

「・・・? 生徒の子が、相談があるそうですよ?」

「あ、はい。わかりました」

 

 

相談・・・誰だろう?

新田先生とかじゃなくて、僕を指名する生徒なんて・・・って。

 

 

「こ、こんにちは、アル」

 

 

えーっと、アリア君のクラスの、古菲君だっけ?

彼女が、どこかモジモジとしながら立っていた。

 

 

「えーと、先日の一件について、個人的な相談をしたいアルが・・・時間をもらえないアルか?」

 

 

先日の一件。

個人的な相談。

その単語から察するに、魔法先生としての僕に相談ってことかな?

なるほど、それなら新田先生じゃなくて、僕かもしれないね。

でも・・・。

 

 

言い方を、考えてほしかったなぁ・・・。

だって、しずな先生の視線が急に厳しくなったんだもの・・・。

しかも、なぜか新田先生が僕の肩に手を置いてきた。

 

 

「瀬流彦先生・・・」

「・・・残念でならない」

「ちょ・・・何かすごくベタな誤解してません!?」

「?」

 

 

助けて、アリア君!

たぶん、この状況をなんとかできるのはキミだけだと思う・・・!

 

 

 

 

 

Side 夏美

 

放課後、近所の保育園の手伝いに行ったちづ姉の代わりに、夕飯の買い出しに行った。

そしたら、途中でガラの悪い人に絡まれた。

いわゆる、ナンパと言う物で・・・。

 

 

たぶん、高校生くらいだと思うんだけど・・・。

な、なんでこんな普通な私に?

 

 

「なー、いーだろー?」

「痛っ・・・!」

 

 

まごまごしてたら、腕を掴まれた。

力が強くて、痛かった。

こんな時ドラマとかのヒロインだったら、主人公の男の子とかが、颯爽と助けてくれるんだけど。

 

 

私みたいな、普通で、何のとりえもない脇役な子には、そんなの・・・。

実際、周りの人も遠巻きに見てるだけで、助けてくれそうにないし。

こんな時、ちづ姉がいてくれたら・・・!

 

 

「なぁ、そこのねーちゃん」

「へ?」

 

 

その時、昨日の黒髪の男の子が、いつの間にか側に立ってた。

最初は、なんでそんな所にいるのか、わからなかったけど・・・。

男の子は、人懐っこそうな笑顔を浮かべると、私の持ってる買い物袋を指さして。

 

 

「悪いんやけど、その白味噌譲ってくれへんか? おつかい頼まれとるんやけど、この辺の店は全部品切れらしくてなー」

「え、えっと?」

「おい、ガキ。邪魔だ。消え・・・」

 

 

私の腕を掴んでいた男の人が、苛立った顔で、その子に手を伸ばした。

あ、危な・・・。

 

 

次の瞬間、男の子がその腕を掴み返して、その人を放り投げた。

私に絡んでた男の人は、そのまま数メートルほど投げ出されて、植え込みに落ちて、動かなくなった。

・・・え?

 

 

「えええええぇぇぇぇっ!?」

「なんや、ねーちゃんも白味噌派なんか? まいったなー、他にスーパーとかあったかいな?」

 

 

白味噌って、私の買い物袋に入ってるやつ・・・だよね?

タイムサービスで買った、安くておいしいの。

ちづ姉が好きなんだけど・・・じゃなくて!

 

 

「い、今、男の人がぽ~んって!」

「千草ねーちゃんは赤でもええて言うやろうけど、月詠のねーちゃんがなー。あれで結構味にうるさいしな」

「え、ちょ、ちょっと待って!」

 

 

その男の子・・・10歳くらい?

その子が、そのままどこかに行こうとしたから、慌てて呼び止めた。

えっと、よくわかんないけど、助けてくれた・・・んだよね?

だったら、お礼。お礼を言わないと!

 

 

「えっと・・・これ!」

 

 

さっき買った白味噌を差し出すと、男の子は驚いた顔をした。

 

 

「ええんか?」

「う、うん・・・助けてくれて、ありがとう」

「うん? ・・・あー、アレか。二度と捕まったらあかんで、ねーちゃん」

「へ?」

 

 

捕まる?

あー、タチの悪いナンパにってこと?

 

 

「やー、助かったわー。もう6件くらい回っとって、うんざりしてたんや」

「そ、そうなんだ・・・」

「ありがとな、ねーちゃん。ほな俺、急いどるから!」

「あ・・・ち、ちょっと、名前! 名前教えて!」

 

 

そのまま、今度こそ駆けて行った男の子に、名前を聞いた。

助けてくれた人を、「男の子」なんて漠然とした呼び方をするのは、なんだか嫌だったから。

 

 

「名前? 俺の名前か? ・・・小太郎や!」

「コタロー・・・小太郎君? わ、私は村上! 村上夏美!」

「村上夏美・・・夏美ねーちゃんやな! 覚えたで!」

 

 

男の子―――小太郎君は、一度だけ手を振ると、今度こそどこかへ走って行っちゃった。

・・・小太郎君。

また、会えると良いな。

 

 

どうしてか、素直にそう思った。

 

 

「・・・お味噌、どうしよ」

 

 

 

 

 

Side 刹那

 

強い―――。

素直に、感嘆するしかなかった。

 

 

「脇が甘い!」

「ぐっ・・・!」

「相手の攻撃を止めた後、動きを止めない!」

 

 

エヴァンジェリンさんの訓練で、基礎力は付いたと思う。

だが剣士としての腕は、むしろ鈍ったのではないかとすら思う。

この人を・・・。

 

 

青山素子様を、相手にしている時は。

 

 

凛とした佇まい、鋭い剣筋。

京都で修行していた幼い頃、長の剣を何度か見たことがあるが、素子様の剣筋は、長よりも鋭く、容赦が無い。

同じ流派でも、振るう人間次第でこうまで違うのか。

 

 

先月、この方に稽古を付けてもらえると聞いた時には、どこか遠慮する気持ちもあったが・・・。

今は、この機会をくれたアリア先生とエヴァンジェリンさん、そして長に感謝している。

この方と剣を交えれば、私は・・・。

 

 

「神鳴流奥義、斬岩剣!」

「技の入りから発動までが長い!」

 

 

私は、もっと強くなれる!

だけど、今は。

 

 

「あっ・・・ぐ!?」

 

 

斬岩剣の発動の瞬間を見切られ、腕を取られる。

そのまま身体を回されて、ズダンッ、と床に叩きつけられた。

衝撃と痛みから目を開けた時には、すでに眼前に木刀を突き付けられている。

 

 

「・・・参りました」

「ありがとうございました」

 

 

素子様に助け起こされながら、思う。

今はまだ、私は弱い。

 

 

「・・・筋は良いです。基本もできていますし・・・良い先生がついていたようですね」

「あ、はい・・・ありがとうございます」

 

 

別荘で私を鍛え上げてくれたエヴァンジェリンさん達のことを褒められたような気分になって、なんだか嬉しくなった。

素子様に稽古を付けてもらうのは、まだこれが二度目だ。

学校が終わった後、アリア先生の『どこでも扉』で素子様がいる道場にお邪魔している。

だけど、この方が素晴らしい剣士であると同時に、人間としても素晴らしい方だと言うことはわかる。

 

 

「はぁ、はぁ・・・素子は~ん・・・」

「・・・赤い顔で私を見るあの子は、なんとかなりませんか?」

「も、申し訳ありません・・・」

 

 

ちなみに、この稽古には、あの月詠もついて来ている。

再会した時は、正直その場で切り捨ててやろうかと思ったが・・・天ヶ崎千草共々、もはやこのちゃんに興味は無いとのことだし、アリア先生も無害を保証してくれたので、保留している。

何より、このちゃんに「何かあっても、せっちゃんが守ってくれるやろ?」と笑顔で言われてしまっては、私はもう何も言えなかった。

 

 

それに実際、月詠は神鳴流剣士としてもかなりの実力者だ。普段の練習相手としては申し分ない。

ただ、流石に素子様との稽古にまでついて来ると聞いた時は、良い気分はしなかった。

本人と長の許可はもらっていると言うので、表向き不満は言わなかったが・・・。

 

 

出会い頭に、連れが宗家の人間に斬りかかる気分を、アリア先生達はわかっているのだろうか?

・・・まぁ、素子様はこともなげに、一撃で月詠を道場の壁にまで吹き飛ばしていたが。

 

 

今も、壁際で逆さまになった体勢のまま、月詠は私と素子様の稽古を見ていた。

 

 

「・・・あの子はとりあえず、邪気の御し方からでしょうか?」

「素子はん、素子はん。もっぺんやりましょ?」

「足腰立って無い子が、生意気言わない」

 

 

それにしても、素子様は月詠の扱いというか、あしらい方が上手い。

私も、参考にしよう。

 

 

「刹那さん」

「は、はい!」

「そんなに緊張しなくても」

 

 

し、しかしですね。青山宗家の出である素子様は、私のような者にとってはまさに雲の上の存在でして。

稽古中ならともかく、面と向かって緊張するなと言う方が、無理な話で。

 

 

「・・・聞いてた通りの子ですね。まぁ、そのうち、気にしてられなくなるでしょう」

「は・・・?」

「こっちの話です。さて、刹那さん。刹那さんは基礎はできていますから・・・基本的に、教えられることはあまりありません。試合の中で、自分で掴んでいく方法を取ろうと思います」

「は、はい! よろしくお願いします!」

「ん・・・ならば」

 

 

行きます、と笑って、素子様は木刀を手に、向かってきた。

私も、自分の木刀を握りしめて、迎え撃つ。

 

 

強くなりたいと願う度に、思い浮かべるのは、このちゃんの笑顔。

今はまだ、私は誰よりも弱いけれど。

 

 

いつか、きっと。

 

 

 

 

 

Side エヴァ

 

「超包子」は、私も贔屓にしている店だ。

茶々丸も手伝っているし、何よりも料理人のサツキは、私も認める人間だ。

見ていて、気分が悪くなると言うことは無い。

まぁ、たまに鬱陶しい客も来ることもあるが・・・。

 

 

「珍しいネ、エヴァンジェリン。一人カ?」

「超か・・・」

 

 

カウンターで一人で飲んでいると、超が顔を出した。

茶々丸の生みの親の一人であり、この「超包子」のオーナーでもある。

以前であれば、多少は気を許して話せる人間だったが・・・。

 

 

この超鈴音が、ぼーやの枷を解いた張本人でなければな。

 

 

「・・・言い訳を聞こうか、超鈴音」

「随分な言い草ネ」

 

 

どこか得体の知れない笑みを浮かべて、超は私を見た。

この超は、一見ポヤポヤしたマッドサイエンティストだが・・・。

その実、全世界に魔法使いの存在をバラすなどと言う、大それたことを計画しているバカだ。

正直、興味がなかったから、深くは聞いていないが。

 

 

アリアが得たぼーやの記憶の中には、この超がぼーやの枷を外した、とあった。

実の所、超にそこまでの実力があるとは思えなかった。

だが、アリアが魔法具の扱いを失敗するなどと言うことはあり得ないし、そんなくだらん嘘を言う奴でもないと知っている。

ならそれは、真実なのだろう。

 

 

「貴様、どういうつもりでぼーやに手を貸した?」

「手を貸したつもりは無いヨ? ただ、アリア先生との関係を決定的な物にしたかっただけネ」

「アリア・・・?」

 

 

そこで何故、アリアが出てくる?

ぼーやとアリアが完全に仲を違えることが、超の計画に何の関係がある?

 

 

「あのままでは、アリア先生とネギ坊主の関係は、曖昧なままずっと続いていたヨ」

「それは・・・そうだろうな」

「それは正直、困るからネ。アリア先生とネギ坊主は、完全に決別してもらわないと困る」

「なぜだ?」

「・・・それは、言えないネ」

 

 

人差し指を唇に当てて、超は言った。

ほぅ・・・。

 

 

「おおっと、待ってほしいネ。貴女と事を構えるつもりは無いヨ」

 

 

微かに魔力を漂わせると、慌てて超はその場から下がろうとした。

しかし、私の人形遣いの糸が、周囲を取り囲んでいる。

一歩でも動けば、首が落ちるぞ?

 

 

「・・・ありゃりゃ。これは困ったネ」

「だったら全部話せ。隅から隅まで、包み隠さずな」

「そう言われても、言えないアルよ・・・言わないんじゃ無く、言えない。私がギリギリ言えるのは、ここまでネ」

 

 

困ったような顔で、超が言う。

ふん・・・貴様の都合など知らん。

言えないと言うなら、それも良いだろう。だが・・・。

 

 

「貴様は、ここで終わる」

「おや、良いのかネ? アリア先生に嫌われるアルよ?」

「はん・・・心配無用だ。殺さずとも、全ての記憶を奪って無力化すれば問題無い」

「それは怖いネ。怖いアルから・・・」

 

 

超は、懐から羽ペンのような物を取り出した。

それが何かはわからん。わからんが・・・詮索は後でできる。

動く前に、無力化する。

 

 

「一応、一つだけ言っておくと・・・」

「なんだ? 辞世の句でも読みたいのか?」

「・・・私は、アリア先生の幸せを願っているネ」

 

 

その言葉に、一瞬だけ糸を操る指が止まる。

ほんの一瞬、言葉の意味を考えてしまう。

その、一瞬の間に。

 

 

「では、また明日、教室でネ♪」

「ぬ・・・」

 

 

超の持つ羽ペンが淡く輝いた直後、超が姿を消した。

周囲を探るも、すでに気配は無い。

それなりの距離、転移されたらしい。

 

 

だが、転移魔法の痕跡は無かった。術式構成も見えなかった。

この私が、超ごときの転移を止められないばかりか、追跡もできんだと・・・?

 

 

「また明日、だと・・・舐めたコトを言いおって・・・」

 

 

それは、言ってしまえば私からはいつでも逃げられると言うことか。

・・・良い度胸じゃないか、超鈴音。

 

 

だが、それはそれとして、超について茶々丸と話す必要があるな。

あいつは、私には嘘を吐かん。

サツキは・・・おそらくは、何も知らんだろう。

超め・・・。

 

 

アリアの幸せを願うと言う言葉が本当なら、危害は加えんかもしれんが・・・。

超の願うアリアの幸せと、アリアの願うあいつ自身の幸せが、同じとは限らん。

・・・脳裏に、超の笑みが浮かぶ。

 

 

バリンッ・・・持っていたグラスを、いつしか握り潰していた。

 

 

 

 

Side アリア

 

「・・・?」

 

 

今、一瞬だけ、2つの大きな魔力が弾けたような。

エヴァさんと、もうひとつは・・・。

 

 

私が、す・・・と、目を細めていると、隣のしずな先生が、不思議そうな顔で私を覗き込んできました。

 

 

「どうかしましたか、アリア先生?」

「あ、いえ・・・なんでもないです」

 

 

すぐに笑顔を浮かべて、そう答えます。

私は今、「超包子」で夕食を食べています。

いつもはエヴァさん達と食事をとるのですが・・・。

今日は、一人で飲みたいとのこと。

それにせっかくのお誘いですし、ご一緒することにしました。

 

 

「いやぁ、今日もさっちゃんの勇姿が見れちゃいましたねぇ!」

「ハッハッハッ。楽しんでおりますかなアリア先生!」

 

 

私の横には、新田先生と瀬流彦先生もいます。

さっちゃんの勇姿というのは、先ほど大学生の喧嘩を諌めた四葉さんの行動のことですね。

・・・新田先生、私がいるからアルコールは不味いですなぁとか、言ってたじゃないですか。

お気になさらず、と言ったのは私ですが。

 

 

「ま、ま、どうですかなアリア先生も一杯!」

「え・・・あの、それはちょっと・・・」

「わ、わ・・・ダメですよ新田先生! アリア君にはこっちの甘いのを・・・」

 

 

そう言って、瀬流彦先生が私に別のコップを渡してくれます。

あはは・・・新田先生、できあがってますね。

 

 

「困ったものね」

「・・・そうですね」

 

 

しずな先生にそう答えつつ、受け取った飲み物を口に含みます。

・・・あ、本当に甘い。

 

 

 

 

 

Side しずな

 

・・・すごいわね。

何がすごいって、甘酒で酔っ払ったらしいアリア先生が。

 

 

「せ、瀬流彦君、何を飲ませたのかね?」

「あ、あれー? どうしたんだい、アリア君」

「・・・瀬流彦君、こりゃ甘酒だよ!?」

「ええ----っ、しまった!?」

 

 

むしろ、狙ってやってるんじゃないかしら?

まぁ、それよりも今は・・・。

 

 

「うふふふ、新田せんせー?」

 

 

アリア先生が絡み上戸だったということに、驚くべきかしら。

お酒が入ったからか、顔も赤いし。

アリア先生は新田先生に寄りかかりながら、人差し指で新田先生の胸を突っついている。

そのまま、上目遣いで新田先生を見て。

 

 

「しごと・・・ください?」

「ぬぐぉっ!?」

 

 

ズキューン。

そんな音が聞こえてきそうなくらい、今のは強烈だった。

そして、酔っ払ってなお、仕事が欲しいってどうなのかしら?

どうやったら、こんな風に育つのかしらね。

 

 

「だめ、ですか・・・?」

「・・・し、仕方ないですな・・・」

「だ、ダメですよ新田先生! その子、隠れて仕事増やしてますよ!」

「・・・はっ!」

 

 

・・・どうでも良いけど、この子、将来とんでもない悪女になるんじゃ。

 

 

 

 

 

Side 明日菜

 

「明日菜さん、もう遅いですから・・・」

「バカ言ってんじゃないわよ、あんた放って行くわけないでしょ」

 

 

図書館島の地下、クウネルさん・・・ネギのお師匠様の家に、お邪魔してる。

ネギはそこに設えられた大きなベッドで、休ませてもらってる。

私は、放課後にここに来て、包帯を変えたり、食事をさせたり、ネギの面倒を見てる。

 

 

配達とかもあるから、ずっといるわけにはいかないけど、できるだけ側にいてあげたい。

怪我してるのに一人ぼっちなんて、可哀想じゃない。

さっきまでは、本屋ちゃん、夕映ちゃん、朝倉もいた。

くーふぇだけは、どうしてか来ないけど・・・。

 

 

「・・・ふふ、熱心ですね。明日菜さん」

「へっへっへっ・・・明日菜の姐さんは兄貴にぞっこんラブなんですぜ、旦那!」

「ほぉ、そうなんですか? それはそれは・・・」

「ちょ、違います!」

 

 

その時、本屋ちゃん達を出口まで送っていたクウネルさんが、戻ってきた。

その肩に乗ってるカモが、何か勝手なことを言ってる。

クウネルさんは、なんだか不思議な笑みを浮かべて、私を見ていた。

 

 

・・・どうしてか、私はこの人に、もっと前に会ったことがあるような気がする。

そんなはず、ないんだけどなー。

 

 

クウネル・サンダースさん。

ネギのお師匠様で、しかもネギのお父さんの友達だったって。

クウネルさんは、包帯だらけのネギを心配そうに見て。

 

 

「大丈夫ですかネギ君。一応、峠は越えましたが・・・」

「あ、はい・・・ありがとうございます。マスター」

「キミの杖については・・・正直、直せるとは言えません」

「そう、ですか・・・」

 

 

アリア先生に折られたネギの杖は、クウネルさんが預かってるんだけど。

クウネルさんじゃ、直せないみたい。

クウネルさんは、落ち込むネギの肩に手を置いて。

 

 

「その代わりと言うわけではありませんが、私が新しい魔法発動体を用意しますので、気を落とさないで」

「・・・はい、ありがとうございます。マスター」

 

 

涙目だけど、それでもネギはクウネルさんにお礼を言った。

・・・うん! これよ! こう言うのが、「師弟関係」って言う物だと思う!

こう、厳しいばっかりじゃなくて、ちゃんとフォローしてくれるって言うの?

そういうのが、ネギには良いのよ!

 

 

「明日菜さんも、今日はもう遅い。泊まって行くと良いでしょう」

「あ、はい! ありがとうございます」

「失礼ながら、寝間着はこちらで用意しました」

 

 

そう言ってクウネルさんが渡してきたパジャマ・・・というか、ネグリジェ?

もの凄い少女趣味で、フリフリがたくさん付いてるやつ。

私、こういうの似合わないだけど・・・。

 

 

「大丈夫。きっと似合いますよ」

「ちょ、心を読まないでください!」

 

 

すごく良い笑顔で言うクウネルさん。

・・・昨日の超さんといい、ひょっとして私、顔に出やすいのかなぁ?

 

 

「それにしても、あれほどの高位の発動体を完全に破壊するとは・・・並大抵のことではありませんね」

「あ、はい・・・強かったです」

 

 

クウネルさんの言葉に、ネギは言った。

 

 

「・・・アリアさんは」

 

 

アリア「さん」って、言った。

ネギはこれまで、アリア先生のことはアリアって呼び捨てにしてた。

でも今は、アリアさんって、他人みたいに言う。ううん、ネギにとっては、もう他人。

 

 

ネギにはどういうわけか、アリア先生が「妹」だった記憶だけが無かった。

アリア先生と一緒の土地で育って、同じ学校で学んで、そして麻帆良に来たことは覚えてる。

でも、アリア先生が妹だったことだけは、覚えてない。

どうしてアリア先生がそんなことをしたのか、全然わかんない。

 

 

妹が、お兄さんに忘れてほしいって思う気持ちが、私にはわからない。

 

 

「・・・世の中には、いろいろな人がいると言うことヨ。明日菜サン」

「え・・・」

 

 

 

 

 

Side 超

 

いやー、危なかったネ。

覚悟はしてたアルけど、いざ相対してしまうと、アレほど怖いこともないヨ。

エヴァンジェリンとの敵対は、リスクが高かったアルが・・・仕方が無いネ。

 

 

正直な所、それほどの問題でも無いアルから。

 

 

「超さん!」

「ど、どうしてここに!?」

「おや・・・」

 

 

ネギ坊主達の反応は、ほぼ予想通りネ。

もう一人、ある意味で最大の不安定要素、アルビレオ・イマ。

こっちは、目を細めて私を見ているアル。

まぁ、警戒するのも仕方が無いアルな。どうでも良いアルけど。

 

 

「ネギ坊主、お見舞いに来たネ」

「え、あ・・・ありがとうございます?」

「どういたしましてネ♪」

 

 

何か言いたげな明日菜サンは放っておいて、私はネギ坊主の側に。

 

 

「聞いたアルよ、ネギ坊主。教師を辞めるらしいネ?」

「なっ・・・」

「ど、どうしてそれを・・・」

 

 

驚いてるアルねー。

でも、ここでアリア先生との約束を無かったことにされても困るからネ。

アリア先生は、こういう所が甘かったらしいアルから。

 

 

「そうそう、知ってるアルか? ネギ坊主」

「え、な、何をですか・・・?」

「・・・ネギ坊主の父親は・・・」

 

 

父親のことを話されて、ネギ坊主がますます驚いた顔をしたネ。

それに比例して、アルビレオ・イマの表情が固くなったアル。

 

 

それら全てを無視して、私はネギ坊主に微笑みかけるネ。

そ・・・と、ネギ坊主の頬に触れて、囁く。

 

 

「ナギ・スプリングフィールドは、魔法学校を中退してマギステル・マギの道を歩み始めたらしい、ヨ・・・?」

 





アリア:
アリアです。事件後の翌日です。
気のせいか、ネギがいないと、全てがスムーズな気が。
・・・まさかですよね。


次回は、麻帆良祭の準備に入りながらも、少し日常を描く予定です。
麻帆良祭に入るのは、次々回か、遅くともさらにその次。
さて、様々な人・勢力が関係してくるようですが・・・。
・・・何も起こらない、という選択肢だけは、どうやらあり得ないようです。
では、またお会いしましょう。

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