テンプレ神様転生TSチート能力持ち   作:いんやだ

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蓮×マリィは常識。
けど、蓮×蛍も好きだったりします。
いや、Diesは全員好きなんですけどね。



プロローグ2

 それからずっと、10分近くは泣き続けたと思う。

 

「あ~~」

 

 顔を抑え、あまりの恥ずかしさと、涙でふやけた目の辺りを温水に温めたタオルで顔を覆って蹲っている私を心配してか、マリィちゃんは寄り添ってくれるが、余計に気恥ずかしいので勘弁してくれると嬉しい。

 こう、優しく頭を撫でられると、自分が駄目になって行くのを感じてしまう。

 このままずっと、その感覚を味わいたいと思ってしまうから。

 

 因みにレン君は当初何処かへと行っていたが、温水で温めたタオルを持ってきてくれて、今は付かず離れずの距離でこちらを見守っていてくれている。

 非常にありがたいが、これではどちらが年上か解らない。

 もっとしゃんとしなければ。

 

 そして私と同じ顔をした娘は、やはり自分の泣き顔を見るというのは効いたのか、どこか気まずげにしている。

 因みに、髪を縛った女性とレン君達は初対面らしい。

 それであの親しさって、嘘だろ?

 

 それから少しして、落ち着いた私は先ほどのマリィちゃんの言葉の真意を聞いた。

 

「つまり、貴女はこの世界で言う神様で、死んだ私とそこの彼女」

 

「あ、私、ベアトリスって言います」

 

「ベアトリスさんを転生させようとしていた所、何故か私とベアトリスさんの魂がぶつかりあい、溶け合ってしまったと」

 

 そしてそれをどうにかするべく、知り合いに頼み込んで魂と魂を別けてもらったが、

 

「記憶と意識は別けられたが、魂の形、姿はどうにもならなかったと」

 

「ああ、推測だが、よっぽどアンタ達の魂の相性が良かったか、それとも波長が合いすぎたのか、ってところだ」

 

「なるほど」

 

 因みに、なぜこんな話を信じるのかと言う事に関して、こんな状況なら信じるしかないとしか答えられない。

 

「しかし何故彼女の方に引っ張られたのか」

 

「えっへん。それはですね、私の方が強かったからです」

 

 イラッとしたのはしょうがないと思う。

 だが、恐らくそれが真実に一番近いだろう。

 何故か記憶にある彼女の意思の強さ、想いの深さを思えば、弱い方が強い方に吸収されるのも納得というものだ。

 けど、男としての矜持が、ちょっとだけ納得してないんだけどね。

 しかも、話から推測するに、彼女は転生体であって、魂は同じでも本人そのものではないから余計に。

 まあ、それもどういう理屈か、レン君が呼びかければ戻るというのが何故か私には分かった。

 

「で、そこで何故マリィちゃんが謝るんですか?」

 

「だって、私がもっとしっかりしてれば」

 

「それは違う。人だろうが、それ以上だろうが、それでもどうしようもない事は存在する」

 

 だからきっと、今回の事もどうしようもなかったことの一つだったのだろう。

 

「けど、そのどうしようもない事から逃げださず、諦めず、こうやって何とかしようとしてくれた。なら、私から言えることはただ一つだけだ」

 

 マリィちゃんと、そしてレン君の顔を見て頭を下げる。

 

「ありがとう」

 

 私の言葉にレン君は照れたように少し頬を染めてそっぽを向き、マリィちゃんは驚いたように目を見開き、少しして嬉しそうに笑った。

 

「…アンタ、よくそんな恥ずかしいこと言えるな」

 

「感謝は言葉にせよ、悪意は胸の内に仕舞えっていうのが、我が家の家訓でね」

 

 私の言葉にレン君はしばし瞑目した後、苦笑して、

 

「解った。アンタ、苦手なタイプだ」

 

 どうも、私みたいなタイプは中々傍に居なかったらしい。

 基本、捻くれ者かおバカ系か、穏やかだったとしても腹に一物抱えているかのどれからしい。

 だが、私とてそうお人好しのつもりはないし、腹の中に溜め込んでいるだけで色々と思う事はある。

 そう伝えると、

 

「そんなこと思ってる時点でお人好しなんだよ、アンタは」

 

 そんな答えが返ってきた。

 一体どんな知り合いがいるのか、どうにも彼の知り合いは本当に捻くれ者ばかりらしい。

 

「アンタさ、何時か騙されて一生を駄目にしそうだな」

 

「む…」

 

 実際、会社を辞めさせられた時に、人生を無駄にしそうになっていた身としては、中々に痛い言葉だった。

 けど、それでもお人好しという言葉が少し嬉しいのは、そう言われることで先輩に近づいたと思いたいからか。

 

「しかし、年下にそんな事を言われるとは、私もまだまだ、と言った所か」

 

「は?何言ってるんですか。彼と彼女がアナタよりも年下な訳ないでしょう」

 

「ん?」

 

 ベアトリスさんの指摘に、はてと考えると、そりゃあ神様と――見た所、レン君とマリィちゃんの距離的に考えて良い仲――その連れ合いなら、見た目通りの年な訳ないか。

 どうにも、摩訶不思議な現象をその身で味わっているのに、己の目で見たこと、感じたことをすぐに信じてしまう。

 だがだとしたら、失礼な口を聞いていたのは私の方だったか。

 

「なんというか、すみま」

 

「ちょっとまった。別に俺もマリィも気にしてないから、そう言う事で謝るなよ。アンタは何も悪いことはしてないんだから」

 

 レン君がマリィちゃんに目線で合図を送ると、マリィちゃんも笑顔で頷く。

 それと、様呼びしようとしたら本気で嫌がられた。

 まいったな。

 どうにもさっきから、ダメダメな部分しか見せていない気がする。

 けどまあ、あんな泣きっ面を晒しているんだから、今更か。

 

「それにしても、お二人は夫婦神ということになるのかな?」

 

 夫婦の部分でレン君は気恥ずかしげにそっぽを向き、マリィちゃんは嬉しそうに頬を真っ赤に染めている。

 それをベアトリスさんはオノレリアジュウメなんて言っているが、私は彼等が仲睦まじいのが嬉しい。

 なまじ彼等が引き裂かれそうになった記憶を持っているが故に。

 だからか、嬉しさのあまり不意にこんなことを言ってしまったのは。

 

「幸せそうだなぁ」

 

 余計に赤くなるマリィちゃんと、逆に苦々しそうに私を見るレン君。

 どうにも、本格的に苦手意識を植え付けてしまったようだ。

 うーん、レン君みたいな人は結構好きなんだけどな。

 どうにも、悪役になりきれなさそうな所とか、なんだかんだでお人好しそうなところとか。

 

「はぁ、アンタと話してるとペースが崩されるな。いい加減話を本筋に戻そう。アンタの意識も無事だって確認取れたんだ」

 

 だからと、マリィちゃんに視線を向けるレン君。

 そのレン君の視線を受け、マリィちゃんは心得たと頷く。

 

「これからあなた達を、通常の輪廻に戻します」

 

 ということは、

 

「ここであった事は元より、生前の記憶も忘れちゃう、のかな」

 

「うん、少しは覚えてることもあるみたいだけど、それは特殊な例だから」

 

「そっか…」

 

 何となく、それは理解していた。

 だが、いざそれに直面すると、少しの躊躇がある。

 けど、もとより死した身だ。

 それこそ、決別しなければならない事だろう。

 ここで駄々を捏ねて、彼女たちを困らせるのは本意ではない。

 なんて格好つけてるが、男としてちっさなプライドみたいなものだ。

 

「なら、その前に一つだけ」

 

 レン君が訝しげな視線を向け、マリィちゃんは可愛く首を傾げている。

 私は、目を覚ます前から感じていた、伝えなくてはという想いをそのまま告げる。

 

「マリィちゃん、貴女の抱きしめる、来世で幸せになってほしいって想いは素晴らしいと思う」

 

 私も死の直前、彼女に抱きしめられた事でそれを感じた。

 きっと、私の想いは僅かでも来世の私へと引き継がれ、幸せな未来を紡ぐための糧となるだろう。

 それはいい。

 マリィちゃんの素晴らしい想いだと思う。

 だが、

 

「けど、この世界には、貴女に抱きしめられる資格なんて欠片も無い奴も居るんだ」

 

 記憶にある、あの映像の三つ目の邪神などが最たるもの。

 きっとアレは、彼女の手を振り払うどころか、逆に敵として攻撃してくるだろう。

 彼女の守護者たちがアレを倒せるのならいい、だが、あの時のように、手も足も出ないときは、きっと悲惨な結末しかない。

 それは、それだけは何としても回避しなくてはならない。

 私は彼女達の悲痛な姿は、もう二度と見たくない。

 けれど、いきなりこんなことを言っても伝わらないだろう。

 だからこんな忠告めいたことしか言えない。

 

「けどきっと、貴女はどんな外道でも抱きしめてしまうと思う」

 

 誰であろうと幸せな来世を祝福する、だからこその彼女だ。

 例え、どれだけ手を振り払われたとしても。

 そしてそんな彼女だからこそ、私も似合わない真似をしてまで、守りたいんだ。

 

「だからレン君、マリィちゃんから離れちゃ駄目だよ」

 

 私の言葉に、真剣な様子で頷く。

 突然の意味不明な筈の言葉に関わらず、しっかりと話を聞いてくれる彼は、やっぱりお人好しだと思う。

 

「ありがとう」

 

 私の心配に、マリィちゃんはふわりと微笑んで礼を言う。

 それに、訳もなく照れてしまう。

 

「い、いや、私は別に…」

 

 顔が訳もなくにやけるが、そんな場合ではないと顔を引き締める。

 レン君の呆れ顔と、ベアトリスさんのにやけた顔が今は気恥ずかしい。

 

「こほん、それじゃあ、伝えることは伝えた。後は、きっとあなた達次第だと思う」

 

 照れ隠しに咳を一つ。

 私にできることはここまで。

 けど、きっと彼等なら大丈夫と、確信できる。

 

「うん、それじゃあ」

 

「いつかまた、きっと会いましょう」

 

 彼女に包まれるなら、死は怖くないと理解したから。

 けどそれは、決して生を蔑ろにしていい事ではなく、精一杯生きた末に、また彼女に会うのだと、そう言った想いを込めた再会の言葉だった。

 

「こんな縁があったんですから、また会う事もあるでしょうね」

 

「…アンタとはあまり会いたくないから、精々長生きしろよ」

 

 ベアトリスさんは私の言葉に賛同し、レン君はエールを送ってくれた。

 ただ何となく気付いたが、レン君って…

 

「ごめんね。レンって、つんでれだから」

 

「「あ、やっぱり」」

 

「ちょっ、マリィ!?」

 

 3人で笑い合って、レン君が憮然とした顔で拗ねてしまって、 それに慌ててマリィちゃんと謝って、ベアトリスさんはそれを笑って見ていて。

 それでさらに一悶着あったが、それに今度は4人は笑い合って。

 そしてさよならを言い合って彼女に抱きしめられ、

 

Amantes amentes―Omnia vincit Amor(す べ て の 想 い に  巡 り 来 る 祝 福 を)

 

 私達は転生を果たしたのだった。

 

 

 

 

 

                 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 彼女たちが転生をした後、それ(・・)は姿を現した。

 それは影絵のような存在で、まるで此処に居ないかのようにさえ感じる。

 ボロを纏った男は、だが確かに異様なほどの存在感を撒き散らしながら其処に居た。

 その男の名は数多くあれど、彼を知っている者はこう呼ぶことが多い。

 

 カール・クラフト

 

 或いは、

 

「メルクリウス」

 

 男神であり、女神の傍に寄り添い続ける彼、藤井蓮はその男に警戒の目を向ける。

 そして女神であるマリィ、マルグリット・ブルイユは、その男から隠れるように蓮の後ろへと隠れる。

 それを見て、男は笑う。

 いいや、この男は常に何かを笑っている。

 女神と友以外、彼にとっては嘲笑う対象であるが故に。

 だが今は違う。

 なぜなら、

 

「いやいや、心温まるものを見せてもらったよ」

 

 男が信奉する女神の為、彼と彼女の魂を分断するという離れ業をしたにも関わらず、邪険に扱われているというのに、男は何よりも今、機嫌が良かった。

 その様子が分かるだけに、彼と彼女は警戒するのだ。

 警戒する理由は言うまでもない、過去に男に酷い目に合わされたからに決まっている。

 その男が開いた歌劇によって、多くのものを結果的に得た。

 それがこの女神の世界でもあるが、同時に数多くのものを失った。

 この男が女神の世界をどうこうする筈もないのはこの場の2人は知っていたが、同時に、男が動けば必ず何かを起こすに決まっている。

 

「あの…」

 

「何かね?」

 

「ありがとう」

 

 だがそれでも、それを抜きにしても、マリィは礼を言わなければならなかった。

 蓮も、それを解っているからか、警戒の目を向けながら頭を下げるマリィに何も言わない。

 だが、男には意外だったのだろう、常に浮かべている笑みを消し、目を見開く。

 

「だって、私が困ったとき、私のお願いを聞いてくれた。本当は無視しても良かったのに、それをせずに何とかしてくれたもの」

 

 その言葉を聞いて、なるほどと理解が及んだ。

 彼女となってしまった彼のお蔭かと。

 元より、マリィが助けを求めれば、男は何を置いても助けただろう。

 それを彼女達は知っている筈だが、それでも言う事に価値があると、そう教えられたから。

 だから、意外な形で女神からの礼を貰った男は虚を突かれたのだ。

 

「なるほど、アレの事だけではなく、この事についても礼を言わなければならないようだ」

 

「アレ?」

 

 だが、不穏な言霊、とでも言おうか。

 その言葉が持つ質量は、彼等をして無視できるものではなかった。

 

「アレこそは最低最悪、極限なまでの下種。いつかの未来で確実に訪れるであろう最悪な災厄。たとえ我等覇道の神が束で掛かったとしても、勝利はあり得ぬ極限の愚物」

 

 そうして男が語るのは、マリィが座の神となるのは二度目であり、一度目はあの最悪の、塵屑にすら劣る畜生にとの戦いにおいて、なんとか相打ちまで持ち込み、しかしメルクリウス以外は全滅という事態を受け、永劫回帰の理を流れ出させこと。

 その時、融合し、渇望が上乗せになった事で強度が増し、何とか残ったベアトリスの欠片が彼の目の前を漂ったときに、メルクリウスは一計を案じた。

 もしもこの永劫回帰でこの破滅を忘れてしまっても、思い出せるよう咄嗟に欠片に対して術式を掛け、出会い、記憶を覗くことで未来の危機を思い出すようしたのだ。

 もちろん、この出会いがあることも、その欠片がどちらのものだったのかも不明であったため、半場以上賭けだったが。

 

 だが、こうして彼は忘却しつつも賭けに勝った。

 

「もちろん、彼、今は彼女か、彼女も無意識ではあるが、私の術式を維持に協力してくれていたからこそ、このような奇跡が成ったのだ」

 

 あまりにも荒唐無稽。

 なるほど、去り際に明確に言わず、ぼやけたような言い方しかしなかったのはこの為かと、2人は理解した。

 確かにこのような話は、与太話としか普通受け取らないだろうし、あの様子から見るに、明確に思い出したと言う訳でもないのだろう。

 だというのに、

 

「それでも、マルグリットの世界を愛していたからこそ、彼女はそれを口にせずにはいられなかったのだ。たとえその結果、痴愚と見られることになったとしても。故に彼女には最大級の感謝を」

 

 なるほどと納得する想いだったが、それでも疑いの目で見てしまうのは、ある意味で本人の人徳のなせる業だろう。

 嫌な人徳もあったものだが。

 

「あぁ、だからマルグリット。アレの誕生を防ぐため、多少君の世界で動くことになるが、許しておくれ。これも、君の治世を盤石とするため。必要な犠牲と割り切ってほしい」

 

 そう言って、今すぐに動き出すのだろう、メルクリウスの体が透け始める。

 だが、その形が無くなる前に、

 

「言っておくぞ。アイツらに、いや、俺の知り合いに何かしたら、絶対に許さないからな。覚えておけ」

 

 蓮はメルクリウスをねめつけながら言い、メルクリウスも笑いながら首肯する。

 

「勿論、私からは何もしないと、約束しよう。これでも約束は守る性質でね。それについては保障しよう。安心したまえ」

 

 そう最後に告げると、今度こそ彼等の前から消え去った。

 

「だから、お前ほど安心できない奴はいないんだって」

 

 だから、メルクリウスが去った後、蓮がそう告げ、マリィがそれに頷いた事は知らなかった。

 

『そう、私からは何もしない。何時か、彼女が私の助力を求めるまでは。なに、安心したまえ。私は約束は守る性質でね。彼女の"望み"は確実に叶えると約束しよう』

 

 たとえそれが滅びに向かう道だとしても。

 それが約束であり契約だから。

 神話において、契約を何より重んじると言われた彼の名に懸けて、そう誓うのだった。

 

 だから、メルクリウスが彼等から去った後、そう呟いていたことは知る由もなかった。

 

 全ては、女神の治世を永遠とするために。

 彼にしてみれば、全てが必要な犠牲でしかないから。

 

 

 

 

 

                 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ふぅっ」

 

 程よい疲れを、体を解すことで取る。

 隣で眠る彼女は、既にベットで眠っている。

 やはりあれだけ動けば、疲れもすると言うものだ。

 私も同じだけ動き、酷く疲れた。

 

 無防備に眠る彼女の金の髪を撫でつけると、むずがるように、けど嬉しそうに私の手に頭をこすり付ける。

 それを微笑ましそうに見ながら、私もまた、体を休める為に同じベットで眠ることにした。

 隣に同じ規格のベットがあるものの、彼女は同じベットで寝ないとごねるのだ。

 だから渋々、あくまで渋々ではあるが、同じベットで寝ている。

 

「まったく、ベアトリスは我儘だな」

 

 この言葉から解る通り、彼女はベアトリス。

 前世で私の魂と融合しかかり、この世界の女神たちに助けられた彼女本人である。

 その彼女が隣で寝て、私と同じベットで寝ることを強要する。

 関係は明白。

 

 つまり―――私達は双子と言う事だ。

 近所では有名だ、顔立ちの似ている美少女姉妹として。

 

 そして今はお昼寝の時間である。

 実はさっきから我慢しているが、眠くて眠くて仕方なく、うつらうつらとしながら思考している。

 

 私達が転生し、5年が経った。

 つまり5歳と言う事だ。

 なぜ前世の記憶が有るのか、それは解らない。

 私も一月ほど前、不慮の事故により思い出したのだ。

 遊んでいる最中、ベアトリスと頭をごっつんこして、私だけが記憶を取り戻した。

 元からあった意識も私と統合され、完全に元の私と言えるかは解らないが、今、こうして私はここに居る。

 

 そうそう、現世での名前を紹介していなかったな。

 

ジークルーネ

ジークルーネ・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン

 

 

 それが私の名前であり、私の今世での立場はベアトリスの妹であり、不思議な魔法が存在するらしい世界で、それなりに有名らしい魔法使いの両親を持ち、その道で将来を有望視されている姉と違い、少し落ち零れ、いや嘘はよそう、両親は気にせず愛してくれているが、割と落ちこぼれ気味な魔法使い見習い。

 それが今の私だ。




(女)神様転生、TSなど、様々な地雷臭がしますが、さらに酷いのはプロットを考えていない事だったりします。
そして一番酷いのは、原作をどこかにしまっていること。
さて、何処に仕舞ったのか…

更新は、すぴばるで更新している作品が完結するか、合間に書いたのを投稿するという形になると思うので、期待はしないほうがいいかと。
早く向こうも更新せねば…

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