うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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てきとーにでっち上げたポエムみたいな歌詞があります。
そういうのが苦手、嫌いな方はバックオーライして電柱に衝突してください。


タマムシシティ交流 滅亡の子

 

 

★ムウマージ★

 

 

 

 

『萌えとはなんたるや』という事について、朝からミュウツーと話し合っていた所

色々と決裂してしまい、尻尾を掴んでジャイアントスイングしていたら疲れてしまったので

気楽に散歩と洒落込んでいる。

 

おぉ、今日もエアーマンは元気に『ぼうふう』やってんなぁ。

なんであいつああなったんだろう。

 

と、そんな事を軽く考えながら歩き続けていると

ふよふよ~んとムウマージが横切っていくのが見えた。

 

ここら辺でムウマージなんぞ出ないし、あいつは俺らと一緒に居るムウマージだろう。

 

「ぉーぃ、ムウマージ~~」

「 ? ……! △▲☆★~!」

 

やはりそうだったらしく、俺を見つけるとこちらに飛んできて頭へと抱きついてきた。

 

「今日はどこ行こうとしてたんよ、ムウマージ」

「~~~。△▲☆★」

「ん、そかそか。お前も別に予定があって動いてたわけではない、とな」

 

【ん~】と手を顔に当てて考える仕草を見せて、ムウマージは可愛らしく俺に返答をしてくる。

 

「俺も別段用事があるわけじゃないんだけどな……

 互いに暇なら一緒にどこか行こうか」

「△▲☆★ー!」

 

笑顔で体を広げて見せて、元気一杯に同意を示すムウマージ。

いやぁ、本当にマジカルな子ですねムウマージは。

一部のポケモンてなんでこんなに愛らしいんだ。

 

 

 

 

そんなわけで、金も特段持ち歩いて居ない俺らが向かう場所といったら

やはり大道芸広場ぐらいしかないのであった。

 

サイクリングロードの方はもうなんか色々とウザったい事になりそうだし

色々と暇つぶしになるといったら、もうここいらしかないのである。

 

「△▲☆★~~~」

「ほー、お前もここには結構来てんのか」

 

元々ムウマージにも金は持たせたりしてないので、基本は無料どころをふらついているそうだ。

そんなら森の日光浴に適したところとかも知ってたりするのだろうか。

 

でもこいつゴーストタイプだからな……ゴーストが日光浴って何事よ。

健康オバケとかどういう矛盾であろうか。

 

「はいっはいっはいッッ!! いつもより多めに回っておりまーすッ!!」

「ガッゴガーグォーォォンッ!」

 

あちらでは和風テイストな傘を差して、その上でマルマインを大回転させてる芸をしている。

危ないからこそ他の人達もハラハラしながら楽しんでいるのだろうか。

 

「ギャァグォーンッッ!!」

「さぁさぁよってらっしゃい見てらっしゃい! 世にも珍しいリザードンの火絵図だよッ!」

 

こちらではリザードンが吐く炎を用いて、焼き跡での絵だったり

火そのものに流動的な動きを加えて、絵図としている芸のようだ。

 

なんともはや、この世界も多彩だねぇ。

 

「♪ ♪ ♪~」

「いや、本当タマムシとかまで来るとこういうところでも改革的なもんだな」

 

基本的に娯楽に飢えまくってるこの世界の方々だが

こういった芸術点を見せられると、あちらで真似出来ないものばかりなため

普通に感心させられて、とても楽しいものである。

 

「───さぁさぁー! 歌唱力コンテストの受付ももうすぐで締め切りだよー!

 みなさん奮って参加しておくれー!」

 

……ん?

 

「歌唱力コンテストか」

「★ー」

 

声を出して参加者を募っている人からチラシをもらい、その内容を閲覧してみた。

どうやら人間とポケモンで一緒に参加して、なんか色々競い合うらしい。

 

この手のイベントはミロカロスと一緒にやったら間違いなく一位だろうなぁ。

しかし締め切りももう間近との事で、呼んでくる暇はなかろう。

 

「よし、ムウマージ。せっかくだから暇つぶしに参戦してみようか」

「 ! △▲☆★~~!」

 

俺の発言に対して、またも笑顔で答えてくるムウマージ。

 

一応これでも弾き語りをしてた時とかは、俺が歌ってた時もあったからな。

喉もそこそこ鍛えられてんだぜ、まあ音痴じゃないってレベルなだけだが。

 

参加者を募っている人に登録場所を教えてもらい、俺らはその会場へ向かった。

 

 

 

 

『……では、ゼッケン16番! タツヤ君とムウマージでーす!

 みなさん拍手でお迎えくださいー!!』

 

しばらく控え所で他の参加者達が歌う歌を聴きながら待機していると

俺らの番になったようである。

 

よっしゃ、こういう大会っぽいのに出るの初めてだし、少し気合いれて頑張らせてもらおうかね。

 

「……さ、行くかムウマージ!」

「△▲☆★ッ!」

 

二人で元気良く壇上へと上がり、その舞台へ俺等の姿を見せる。

前々の参加者達が気合を入れて良い歌を歌っていた関係上、会場のボルテージもかなりのものだ。

俺らも気合をしっかり入れたが、観客達まで拍手に気合を入れており

会場の人数と比例しても結構な拍手の音が聞こえてきた。

 

これはちょっとふざけてはいられんな。

 

ちなみに歌う曲は残念ながら前世のアーティストが生み出した曲ではない。

演奏してくれる人達がこの世界の人達の関係上、再現が出来ないのだ。

本来なら「クワガタにチョップしたらタイムスリップした」とか歌いたかったんだけど。

 

故にこの世界にある曲で、ポケモン達との共存などをテーマにした曲を歌う事にした。

 

『さぁ、こちらではあまり見ないポケモンのムウマージを連れているタツヤ君!

 一体どのような歌声を披露してくれるのでしょうかー!

 では……歌って頂きましょう! 「空からの足音」』

 

司会者の声が会場に鳴り響き、そして「空からの足音」の演奏が始まった。

 

基本的に「日本語」、つまりは意味のある単語を紡ぐのは人間側の仕事だ。

そしてその後ろで色々と声を出し、さらに深みを出していくのがポケモン側の仕事である。

 

(いつもはあっちの世界の曲ばっかり歌ってはいるが……)

 

やはり、こちらの演奏だってあちら側のものに負けては居ないと思う。

本当に、演奏出来る人達ってのが少なすぎるのが難点ではあるが……。

 

俺は軽く息を吸い込み、マイクを口元に持ってきて───歌い始めた。

 

 

 

 

いつも通りの毎日を 過ごす事は出来ただろうか

 

初めての『トモダチ』の君と 別れてしまったのはいつだったか

 

そして泣き そして悔やみ そして乗り越え

 

次の『トモダチ』と歩む私は いつも通りの私なのかな

 

起きるには早すぎる刻に ふと目を覚ましてしまう

 

夜明けに姿を見せた太陽から 重なるように現れた君

 

そして喜び そして嬉しく そして───

 

 

夢だったのに 君が話した言葉は とてもとても……

 

ありがとう たのしかった わすれないで

 

それは私の言いたい事で だけど君はそれを伝えて

 

次の『トモダチ』と一緒でも きっと僕も一緒だから

 

別れてしまう運命でも 全てが無くなるわけじゃない

 

だから私は歩んで行ける きっと『トモダチ』と歩いていける

 

だから  あなたも   わすれないで……───

 

 

 

 

歌い終わって、演奏の終わりと同時にまた拍手が鳴り響いた。

元々歌唱力に関しては、認められる域でもないのでごく普通であるはずだ。

 

「ありがとうございますー」

「△▲☆★ー」

 

もっと大歓声を浴びれるような歌声でも持っていればよかったのだが

暇つぶしでの参加としては……『トモダチ』とも良い思い出を残せたのではなかろうか。

 

『はい、タツヤ君とムウマージのペアで「空からの足音」でしたー!

 これで参加者全員が歌い終わりまして、優勝者が発表されます!

 さぁタマムシ歌唱力コンテストの優勝者は───って、ええええええええええ!!』

 

「▲☆ーー?!」

 

そんな司会者の絶叫を聞きながら

 

 

 

 

 

 

 

俺はぽてりこと倒れた。

 

 

 

『ちょ、ちょっとタツヤ君ッ?! どうしたんでしょうかッ?!

 あ……これなんかやばそうだッ! ちょ、救急車ーーーーーッッ!!』

「△▲☆★~! △▲☆★~!!」

 

俺は……なんで……倒れてるのかなぁ……?

 

司会者の雄叫び(?)を聞きながら、俺は意識を失って行き───

 

 

 

 

 

気付いたらポケセンで寝かされてました。

どうやら病院に行く程のものではなかったらしい。

 

 

そして起き上がった後にちょっと検証してみたんだが

どうやらムウマージの歌声は普通に『ほろびのうた』だったよーでございます。

『わざ』欄に無かったから油断してた。どうやらこいつのVOICEはデフォルトでやばいようです。

 

「△▲☆★~;; △▲☆★~;;」

 

申し訳なさそうに謝るムウマージの頭をベッドで撫でながら

その日一日の午後はポケセンのベッドで過ごす事になってしまった俺でしたとさ。

 

 






歌詞は本気でテキトーです。
歌っぽければそれでいいや、と。

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