うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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ちっくしょう閲覧者め。
ムウマージの可愛さだけにやられず本編の方でも突っ込んでくれよ。
トリトドンケーキマジ可愛いんだぞこのやろう。



幕間3 バグ

 

 

 

「ん~む、やはりいきなり状況の改善とまでは行きませんか」

「それはさすがにね……

 だが君が協力を申し出てくれたおかげで、前と今では比較にならない位にいい方向に進んでいるよ。

 私も睡眠時間が増えて体調が改善したよ」

「ミュィ」

 

俺がロケット団の指針に関してあれこれ言い始めてから、二週間が経過した。

 

元々が人という資材の提供となるため

元手が殆ど掛かっていないのもあり、働けば働く分だけ黒字が計上されている。

 

しかしそれでも、まだまだ自転車操業なのは否めない。

たったの二週間では、目に見える形で結果が出てくるわけではない。

それが非常にもどかしい期間といったところである。

 

「んん~~~~」

 

本も出版しはしたが、それも話題性が皆無なところからの発案。

やはりこちらも劇的な変化は起こっていない。どうにも、もどかしい気持ちが溜まっていくわけで……。

 

久しぶりにみんな呼んで、大道芸広場で音楽でも鳴らすべきだろーか?

しかしそんな暇があるなら───

 

 

「……思い悩んでいるようだね、それらが殆ど私達に関わる事であるのはうれしいが……。

 タツヤ君、たまには気分転換で出かけてみてはどうだね?」

「気分……転換、ですか」

「君がこちらに着てから休日らしい休日もないだろう?

 今日一日、これからフリーにしてやりたい事でもやってはどうだい」

「んんんん~~~」

 

やりたい事っつってもなぁ……特にないんだよなぁ。

やってみっか的な事はさっき述べた大道芸関連だが。

んでもまぁ……ここでウジウジしてたって仕事の邪魔になるだけか。

 

「わかりました、お言葉に甘えておきます」

「うむ、それが良い。こんな地下にずっといる事なんてないしね。

 私達の団員も頑張ってくれているからな。君一人を少しの間、自由にする余裕はあるつもりだよ?」

「はい、そんじゃまあ適当にブラついてきます」

 

 

そんなこんなで急に休暇が舞い降りてしまった。ポケセンに戻ってみんなと話し合ってみるか。

 

 

 

 

「ま、そんなわけで一日余裕が出来たんだが……みんなはなんかやりたい事とかあるか?」

 

俺の手持ちをみんな集めて、ひとまず聴いてみる事に。

 

「ディ~……」

 

ドレディアさんはすぐに思いつかないようだ。

スロットも最近飽きてきたって言ってたしな……

 

ドレディアさんの今のところの貯蓄枚数は8000枚程度に落ち着いている。

あの大爆発後から、徐々に徐々に減って行ってる感じなわけだ。

 

まあやる気が落ち込んで行くのはよくわかるがね。あの大爆発味わった後じゃな~……。

 

「ミロカロスは?」

「ホ、ホァ……ホォ~ン」

 

【わ、私はみんなでお昼寝でも出来れば……】と謙虚な答えが帰ってきた。

うーむ……いじらしい子やのう。お昼寝ってところがまた、な?

 

なんとなく傍に寄ってミロカロスの頭をグリグリ撫でておいた。

 

「ムウマージはどうだね」

「★」

 

【無し。】ですか。ストレートすぎてどうしよう。

 

皆そんなにやりたいのは無かったってことかね……ミロカロスのお昼寝でも取り上げようか?

 

 

○ノ  ←ダグONE

   

「ん?」

 

ダグONEが挙手した。何かやりたい事があるんだろうか?

 

「─────、─────。」

「ほう、ジムか……そういや確かに一度も行った事無いな」

 

ダグONEは、【戦わずとも良いので、ジムという施設が何たるかを確認させて頂きたい】と言っている。

 

ゲーム中ならチャンピオンロードに入るため、必須なバッヂであるが

俺自身別に最終目標がそこにあるわけでもなく、どうでもいいなと思いながら旅を続けていたわけで……

確かに見学とかそっち方面ならありか、と思ったのだ。

 

「みんなはどうよ?」

「ディァ!」

「ホ~ァ」

「b」

「d」

「△▲~☆★~」

 

 

全員問題ない、との事である。

 

そんじゃーのんびり見学でも行きますかー。 

 

 

 

 

ってわけでやってきましたタマムシジム。ゲームだと生け花教室も兼ねてんだっけ?

ひでりロコンとか持ってったら凄いちやほやされそうな場所だ。

 

「おっす! 未来のチャンピオン!」

「あ、ごめんなさい。俺挑戦者じゃないっす」

「ぅおう! いきなり消極的だな。お兄さんちょっと悲しいよ」

 

別に良いじゃないかー。

そんなわけで中に入って行く俺。

 

 

※初代の赤緑だと男禁制なため、アドバイスくれるお兄さんは外につまみ出されてます

 

 

「あら、新しい挑戦者の子~?」

「うわぁ、今回もちっちゃいねぇー。可愛いー♪」

「おぉぉうなんだなんだ、俺は挑戦者じゃなく見学に来ただけでござるますよ?」

「あれ、そなの」

 

なにやら入り口でお兄さんと会話している間にサーチされてしまったのか

入り口のほうにどんどん人が群がってきてしまった、ジムの都合上みんな女性で居心地が非常に悪い。

 

そしてふと入り口のすぐ横に立っていた石像が気になり、ちょいと閲覧。

 

タマムシジムにんていトレーナー!! 2かげつばん

 

─────

─────

─────

グリーン

─────

─────

─────

─────

レッド

─────

─────

 

……

 

おほー……やっぱりレッドさんより遥か前にここを突破していたか、グリーンさん

意外な事にレッドさんも既にこちらを突破していた。本当にあの人いつこの街に来たんだ?

もしかしたらこの二週間の間にすれ違っただけかもしれないが。

 

「ん、石像……?」

 

石像ってそういえば……。

 

 

「あれぇ、皆さん~どうなさったんですかぁ~?」

「あ、エリカさんー」

「挑戦者じゃないんだけど、見学希望って子が来てましてー」

「あら~そうなのですか~、……あれぇ? 何故かどこかで見たような~……」

 

なにやら後ろで、なんかサントアンヌ号の人質室辺りで聞こえたような声がするがとりあえず放置。

俺はこの石像に関して色々と思案してみる。

 

「ミロカロスは今なみのり覚えてないし……覚えてた所で多分やれないよな。

 っと、そうだ……確かミュウを釣り上げた時にコンパクトにしといた釣竿が……」

「ディ……?」

「ホ、ホァ……?」

『……???』

 

ふむ、よし……やってみるか。

なみのりのが一番楽しそうだったが。

 

「こんにちわ~。えーと、どこかで~、逢った事……

  ? あれ、なにをやっているんですかぁ~?」

「ど、どしたのボク。釣竿なんて出して」

「すいません、皆さんちょっと離れてください」

「あ、はぃ~」

「??? はーい」

「ディァー」

「ホァ~ン」

 

そうして俺はちょっと皆に距離を開けてもらい、石像を前に釣竿を構えた。

 

「えっと、本当に何してるのかな?」

「まさか壊すつもりじゃ……でも釣竿で壊れるわけないわよねぇ」

 

よし、準備完了。多分起こる。

 

「ていっ」

 

ひゅんっ。

 

 

 

 

 

ぽちゃ。

 

 

 

俺が釣竿から重りを放物線上に石像に放ち

そして重りは石とぶつかった音ではなく、まるで水が波紋を打つかの如く

やわらかい音を残し、ズブズブと糸が石像の中に沈んでいった。

 

 

 

「「「「「「え。」」」」」」

 

 

「んん~、やっぱり出来たかー……さて何が……っと来たか、せいっ!!」

 

ボロの釣竿だし、全然期待はしていないが

きっちり出来た事に意味があると差別化し、釣竿を引っ張った。

 

 

ザッパァァァン!!

 

 

「コッコッコイコィコィコィコィコィコィッッ!!!」

「よし、釣れた!」

 

「「「「「「何これぇーーーーーーー!??!?!?」」」」」」

 

「あらぁ~」

 

 

とりあえずコイキングが襲ってきたので

ドレディアさんのストンピングでぺちぺち踏んづけて追い返しておいた。

キャッチアンドリリースとは違うが、逃がす場所が石像しかないので

ドレディアさんに石像に放り込んでもらった所、やはり戻っていった。

 

ん、周囲が唖然としている。

 

あー……まあ当然といえば当然か。

俺も現実で忠犬ハチ公の像を使って釣りをし始めて、なおかつサバとか釣れたら同じ反応になるだろうし……。

 

「……よかったら、やってみます?」

「……え? 私にも出来るの?」

「多分出来るかと……どうぞ」

「え、ええ……、ふー…─えいっ!!」

 

 

ぽちゃ。

 

 

やっぱり出来た。

 

「う、うわ!? 来たっ、来たよ!! 本当に来てるッッ!!」

「え、ちょっとちょっと本当に!? 頑張って頑張って!!」

「う、くくくく……えぇーーーいッッ!!」

 

 

ザパァーーン。

 

今度はメノクラゲである。ぼろいからLv5だが。

 

「キャーキャーーーー!!」

「何これすっごーいッ!!」

「えー!? なんなの、なにこれどういうこと!?」

「と、とりあえずフシギソウ! やっちゃいなさいッ!!」

 

ペカァァァン。

 

「フッシー!!」

 

あちらではメノクラゲとのバトルが始まった。

まあ楽しんでくれてるみたいだし、しばらく釣竿は貸しておこうか。

 

 

そんなこんなでタマムシジムにてバグを試したところ、やはり出来たのだった。

ジムの見学もそこそこさせてもらい、トレーナーとの対戦などを見て

相変わらずこの世界はそこらのトレーナーの腕がやばいなと認識した休日だった。

 

マニューラまもみが耐久型とかアホじゃねーのマジで。

しかもきっちり勝ってたし。

 

 

 

 

後日談として。

 

このタマムシを発祥として、各カントージムに『試してみてくれ』との連絡が通達され

カントー全体に石像で釣りが出来るという謎現象が発生し

結果……ジムどころか、ポケモンリーグ横の石像ですら出来たとの事である。

 

加えてニビジムでは何故かミニリュウが釣り上げられ、大いに賑わったらしい。

 

発見者が俺だということをサカキに伝えた所

苦笑しながら「予想してたよ」と言われたのはどう考えればよいのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 

「うん、今日はなかなか楽しい日だったな」

「ディーァ!」

『bbb』

 

突然の休日に最初は一体どうすればいいのか迷ったものだが

旅をし始めて一度も訪れた事が無いジムを尋ねたのはなかなか楽しかった。

 

思いつかなくてもやれることなんて一杯あるもんだね。

そういうのが知れたってだけでも、本当に良かった気がする。

 

正直なんかクチバから出てからずっと切羽詰ってたような気がしないでもないしなー。

 

 

「よし、今日はみんなで一緒に風呂でも入ろうか。

 のんびり茹でダコになった後でゆっくり晩飯食おうぜー」

「△▲☆★ー!」

「ホァ~~~!」

 

今日の晩飯は何作るかねー。

ダグ共に手伝ってもらってうどんでも作っちゃいますかね。

 

あぁ、お風呂も晩飯も楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ~ うちのポケモンがなんかおかしいんだが ~

 

 

                BAD END 17  宇宙消滅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       fin

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






年末は凄まじく忙しくなる可能性が圧倒的に高いので
1週間近く更新出来ない可能性があります。


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