うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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59話      

 

先程の流れの途中でダッシュしたはいいものの、行く宛もなかったので普通にポケセンに戻ってきた。

そしてハカイオウ以外は平然としてやがる。お前等随分スタミナあるナー……。

ハカイオウは、まあ明らかに迅速系じゃないし仕方ないな。

 

 

どうせみんな一気に帰ってくるんだろーし、今から飯作っておくかぁ。

俺らでえーと、俺含めて7人とサンドパンとプリキュアで11人分か。

大飯喰らいも三人ほど居るし、15人分程度作ればすっきりするかね。

 

 

 

 

 

 

「せやからー、そんな気にせんでええねんてー。

 うちら旅が本業やないけど……人生こんなんよっかきついの、もっと沢山あるはずやで?」

「うん……」

「あ、あの……私達もちゃんと説得しますから……。

 お願いだから、元気出してください、ね?」

「うん……;;」

「あ、おかえりんさいー」

「ん、ただいまー」

「ただいま……」

「え、あれ?! ここ『ただいま』って言って良いシーンなんですかッ?!」

 

前回ので大分慣れたと思ったが、やはりミカンさんはミカンさんだったようである。

ここで『ただいま』と言わずなんと言えば良いのであろうか。

 

「とりあえず今晩食う飯はもう作っといてますから。好きにお椀に移して食っちゃってください」

「おうー、毎度毎度すまんねタツヤん! タツヤんの飯おいしーからうち大好きやぁ」

「そいつぁ有難い事で。もっさんも飯食って元気出してー」

「うん……」

「もっさん! しっかり! しっかりしてくださいッッ!!

 元凶に慰められてるところに違和感持ちましょうよッッ!!」

 

え、元凶って俺でしょうか? 俺なんかしたっけ。

っと、そうだ。もっさんにちゃんと渡しておこう。

 

「ねえねえ、もっさんー」

「ん、なぁに……?」

「ほい、これ。さっきの試合の賞金。」

「え……?」

「さすがに15円は冗談だよ。色々言われんのめんどくせーから逃げたけど」

 

そういって、俺は5,000円の入った封筒を渡す。

まあ中身は今の段階では皆には見えてないがね。

 

「……? ……?」

 

なんかもっさんは混乱しているらしい。

俺の言っている事とやっている事がわかっていないのか、封筒と俺の顔を何度も見比べてくる。

 

「そん中はサンドパンの進化祝いも入ってっけど

 一応は試合の賞金としてしっかり収めておいたから。俺に気にせず好きに使ってください」

「え、と……ありが、とう?」

「なんでそこで疑問系になるのかな」

 

ま、俺はとりあえず渡すもんは渡したし……。

俺の手持ちの子達を呼んでこなきゃな。飯出来たーって。

 

 

 

 

というわけで、全員をぞろぞろと連れて食堂へ───

 

「お、タツヤ君ー」

「ん。」

 

なんか呼び止められた、誰だろう?

 

俺は後ろを振り返ってみるとカズさんがいた。

そういえばここら辺でトレーナー戦やってるっつってたっけか。

 

「どもっすー、カズさんー」

「おう、三日か四日振りか? そっちの調子はどうだね」

「あーもう絶好調って感じですかねー。

 あ、いや、ごめん訂正します。絶好調どころか全部ぶっ壊れました」

「日本語でおkwwwwwwww」

「そういわれても本当にそうなんだっつーのwwwwww」

 

 

日本語でおkとかなんと失礼な。他にどう表現しろと。

預かった単一の進化無し型のやつらがまとめて進化したとかさ。

ついでに言えばポケモン図鑑まで進化したとか、一体どう伝えればいいのさ。

 

 

「ま、いいや。そっちもどうせこれから飯なんだろ?

 俺も一緒に行くからそん時に聞かせてくれや」

「あ、いいっすよー。なんならついでにカズさんも俺の飯食います?」

「お、マジか?! あれをもう一回食えるってんなら大歓迎だ!!」

「OKっすー、んじゃ行くべーさー」

「おうッ! しっかしダゲキお前よー、随分雰囲気変わったな!

 その数珠とか胴衣はタツヤ君に貰ったのか?」

「お、オッス?」

「え、何その声」

 

 

おいちょっと待て。

ゴウキ、お前自分のトレーナーのカズさんにすらその声出してなかったのか。

いやー、もう何がどこからどうおかしいのかさっぱりわかんなくなってきたな最近。

 

ま、いいやーとりあえず食堂行くべ食堂ー。

 

 

「お、戻ってきたなタツヤん……と、どちらさんや?」

「うお、なんだこの美少女揃い踏みのうらやま空間は……とりあえずこんにちわっと。

 えーと……、俺ぁこっちのタツヤ君に、ポケモン預けて育ててもらってるモンだよ」

「ってぇことは……あの元ダゲキか元ナゲキか、どっちかの親御さんて事やな?」

「うんそうそう、俺のは元ダゲキのほうだね、元ダゲキ……も、元?」

「あれ、こっち来るまでに聴いてへんかってん?」

「いや、初耳だけど何その『元ダゲキ』、って」

 

あっちはなんか盛り上がってんな。放っておいてもいいだろう。

よっし全員席に着けー。ゴウキはカズさんと一緒に居ていいぞ。

久しぶりだし隣同士で飯食って来い。

 

「あ、あの、タツヤ君、ちょっといいかな」

「ん?」

 

なにやらもっさんが申し訳なさそうに俺に声を掛けてきた。

 

「あ、あの、えーとね? さっき封筒の中身、みんなで一緒に見たんだけどさ。

 5,000円って多すぎじゃないかって……」

「あーいっすよいっすよ。

 金額としちゃ確かに結構でけぇかもですけど……

 こっちもさっきのはさすがに後味悪い事しちゃったかなーって思ってましたし」

「お、思ってたんだ……」

 

最後の発言はミカンさんである。何? なんか文句あんのかおい。

こら、目ぇ逸らすなミカンさん。

 

「で、でも、ね」

「はーいそこまで。それ以上言っちゃうと次は賞金5円になっちゃうよ?」

「そ、それはさすがに嫌っ?!」

「ならもうそれでいいじゃないっすか。

 これからご飯ですし、ご飯は美味しく頂かないと食べ物への冒涜と同意義なんですよ?

 細かい事は気にせず、じっくり味わって食べましょうよ」

「…………。」

 

なーんかいつものもっさんじゃない感じがすんなぁ。

いつもだったら派手に突っ込んできてくれて俺もからかい甲斐があるんだが。

ま、とりあえずうちのみんなのご飯をよそってよそってーっと。

 

「タツヤ君っ!」

「うおっ?!」

「あ、ありがとうねっ!」

「いや、えーと……どういたしまして? 飯冷えるからはよ食え。」

「……わかったわ! よし、食べるわよサンドパン!!」

「キュッキュー!!」

 

んで、もっさんはアカネさんとカズさんが話している座席の方へと向かった。

サンドパンも一緒になって後ろへ付いて行く。かーわええー♡

 

っと……ん?

 

サンドパンがもっさんを追いかけながら向かう最中立ち止まってこちらを向いた。

 

「キュゥー!」

 

【タツヤさん、お金、本当にありがとうっ!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

や、やばい。

 

鼻血が出そうだ。

 

わざわざそれを言うためだけに立ち止まってくれたのか。ちょ、あ、やべ垂れてきた。

俺もサンド捕まえてこようかな。あれ可愛すぎる。鼻つっぺどこだ。

 

 

「ふふっ、はいティッシュ♪」

「あ、ミカンふぁん、どもっふ」

 

俺はティッシュ箱から急いで一枚取り、キュルキュルとネジって鼻つっぺを作る。

そして鼻にぶっ刺しておいた。

 

「ねぇ、タツヤ君」

「ん、なんふかミカンふぁん」

「君って、本当にカッコイイね」

「これでかッ?! 鼻つっぺしてんのにこれでかッ?!」

「い、いや、えーっと……ごめん、今はカッコよくない、かな」

「うむ、それで良い。人間正直が一番である」

 

こんな格好でむしろ格好良いとか、初期のカッコよさ0のハッサンが聴いたら泣くぞ?

まああのステータスって初期装備がかわのこしまきなせいで

-20になってるだけらしいけど。ちなみにドラクエ6の話です。

 

「でもね、えっとね? もっさんがお金使いすぎちゃったっていうのは聴いてたよね」

「ええ。まあ、はっきり言ってしまえば自業自得としか思えませんけど」

「そ……そこははっきり言わないでおいてあげようよ……。

 でもね、そういうのも考慮してあの金額にしたんだよね?」

「さぁ? どうでひょうかね。元々完全に気分屋でふし」

「……うん、やっぱり、君ってかっこいいよ」

「さっきから何寝言ばっか言ってんすかミカンさん。

 ちゃんと寝言は寝てから言わないとダメですよ?」

「ふふ、それも照れ隠しなのかもね? うんうん♪」

「おーい黄色い救急車来てくれー、ここに夢遊病患者がいるー」

 

 

なんなんだこの会話ー。日本語が通じないよー。助けてー。

 

って、そうだ。

 

「賞金5,000円だってんなら俺がさっき渡した15円返してもらわないと!!」

「ダメッ?! それはダメっ!! 綺麗に纏まったのに色々台無しになっちゃうよ!?」

「な、なんでだッ?! あんた15円稼ぐのに

 人間どれだけ苦労しなきゃならないか知らんのかッ?!」

「で、でも駄目だよっ! だったら私の15円あげるからっ!」

「貴様ぁ……! この俺をたかが15円で買えると思っているのかッッ!!」

「もうどうすればいいのよーう!!!」

 

 

 

~~~~~~~

 

 

 

「あっちはあっちでなんか盛り上がってんねぇ。あの子タツヤ君の彼女かなんか?」

「いや、ちゃうよ? まあうちらみんなタツヤんの事それなりに好きっちゃ好きやけど」

「あぁ、やっぱそうなんだ……リア充撲滅すべしと思えてきた」

「まーまー。あの子のそばにおると色々と規格外で楽しいねん」

「そりゃわかっけどさぁー。なんなの美少女3人に同時に好かれてるとか」

「う……い、いいじゃないのよ、誰が誰を好きになろうと……」

「まぁ……あのやまおとこさんみたいにちっこい子にハァハァ言わなきゃ

 確かにどうでもいいっちゃ、いいかなぁ」

『え、なにそれ』

「いや、前にタツヤ君に話したんだけどねぇ……───」

 

 

 

~~~~~~~

 

 

 

そして飯になったわけだが、大いに盛り上がっております。

 

完全に意気投合したのかアカネさんとカズさんは

もっさんまで巻き込んで一緒にゲラゲラ笑いながら食べておりますし

俺も俺で手持ちの子達が勢い良く食べていくため、作り手冥利に尽きると、ね。

 

「ん~♡ おいしぃー!」

 

正面でミカンさんも喜んでおります。

おっとその横ではドレディアさんが既にどんぶり四杯目だぁーッッ!

 

一体、どうなってしまうのかー!!

 

ちなみにミュウはサイコキネシスでおかずとご飯を小さく丸めて

口にぽいぽい入れておいしそーーーに食べている。

ダグ共はもともとの性格もあってなのか、飯の最中は一番行儀がいい。

加えて食べる量も少しずつなため、見習うならこいつらしかいないといった感じである。

 

「ホァ、ホァ」

「ん、これ? ほいよ」

「ホァ~♡」

 

ミロカロスは基本、俺と一緒に食べている。

体はでっけぇんだがこいつもダグ並に小食なため、俺が少し箸でつまんで食べさせてやれば事足りるのだ。

 

 

「お、そうだタツヤ君よー」

「ん、なんすかカズさーんー」

「リア充しねー」

「るっせーおめーがしねー」

「まあそれはいいんだけどさー」

 

いいんだ。てかアカネさん横で笑いすぎ。

 

「まだ期間満了してないけど……

 よかったら君の手持ちと、このゴウキでバトルさせてみたいんだけど駄目かなー?」

「ああ、別に構わないっすよー。やっぱ持ち主としちゃ気になるでしょうしー」

「おーう、あんがとなー。じゃあ飯食い終わって落ち着いたらやるべー」

「おっけーっすよー。ちゃんと金出した分は既に間違いなく育ててますから期待しててくださいー」

「りょっかーい。しかし相変わらず飯うめぇぞこらー」

「ざまぁーwwwww」

 

 

そして最後には男友達独特のノリで締めくくる。

やはり横ではアカネさんが「あんたらなんなんよwwwww」と腹を抱えている。

まあやっぱカズさんと話してんのも楽しいわー。性別気にしなくていいから楽だし。

 

 

「ま、ああいう話になりましたが」

『??????』

 

突然振られた会話に俺の手持ち全員が【なんぞ?】とでも言いたげに俺に振り向く。

 

「うちからはドレディアさんで行くから。ドレディアさんしっかり準備しといてくれぃ」

「ディーァー!」

 

ドレディアさんは元気に返事をしてくれた。

おい行儀悪いぞ。手を振り上げるから箸にあった食べカスがぽろぽろ落ちたじゃないか。

もう、この子は駄目な子ね。おしおきかしら。

 

 





評価10が1個消えた。
だからあれほど「入れる前に本当にそのポイントでいいのか考えろ」と……


まあ俺は少なくとも人に見せて恥ずかしくないレベルであろうと判断して
自分自身で読んでそれなりに面白いから公開してます。

それぞれ個人個人で合う合わないはあろうかと思いますが
【しっかりと】評価をしてください。

俺ならまあ、7ポイントかね……。俺自身が読んで面白くねぇ文章は載せてねぇぞ。

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