うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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44話 育て屋?

 

 

さて、そんなわけで皆と相談した結果俺等は育て屋をする事にしたのだが。

 

「で、だ」

「ディ。」

『──。』

「ホ~ァ」

「ミュ。」

「何から始めたらいいんだろう」

【【【【知らねえよ。】】】】

 

oh酷いわぁ。うちの子達が非行に走りよった……親の私への愛情はどこへ行った。

相談所へのダイヤルナンバーシックスエイト、オー♪ オー♪

 

 

まずは修行場所は前回のクチバみたいに郊外の森でOKだよな。

街の中じゃないなら街に許可取る必要も無い……のか?

日本じゃどの郊外でも住所がしっかり振られてて管轄とされていたが、ここじゃどうなんだろーねぇ。

 

あー、まずは街役場にでも行ってみるか。

わからん事はググれないなら人に聞いたほうが手っ取り早い。

 

 

 

 

 

てわけで街役場にやってまいりました。

 

 

「すみませーん。郊外を拠点に育て屋をやりたいんですけど

 そういうのって許可とか申請とか要らないんすかね?」

「なんで君みたいな年でそんな厳密な方向性まで知っているのかすっごい疑問だけど

 とりあえずは街の中での土地なら許可とかも必要よ」

 

と、受付のおねーさん。知ってる事は罪じゃないし良いじゃないかぁ。

 

「宣伝的なものは街の中で数日やりたいんですけど、そういうのには必要ですかね」

「あー一応それは許可取ってもらおうかな。

 道路使用許可証があったほうが何かと面倒は起こらないわよ。

 ただ1日500円掛かるけど。1日ごとにこっちに来てもらう事になるわねー」

「了解しました、それじゃあその道路使用許可証ってのお願いします」

 

 

 

てわけで発行してもらいました。これで大手を振って宣伝が出来る。

 

まあやくざなんて出てきたところで、この世界じゃチンケなロケット団だ。

もし現れたらロケット団以上にやくざなドレディアさんに任せてしまおう。

 

 

「ディーァ?」

「ホァー」

「ん、大丈夫だよん。ちゃんと許可もらってきたからこれで安心さぁ」

『ッddd』

「ミューィ♪」

 

街役場の中に入らず外で待っていたみんなに声を掛ける。

さて……ここらじゃどこで人が集まっているだろうか?

街頭演説みたいな形でいいのかな、さすがにそれはうるさすぎるか?

 

 

 

 

んなわけで街役場から移動して……やってきました我らがホーム、大道芸広場!!

どこの町でもしっかり賑わってるのー。それだけ娯楽の質が薄いのかね。

 

 

こちらに来る前にホームセンターに立ち寄り、適当に板と書く物を買った。

『育て屋受付中』と、でかでかと書いた看板をミュウに持ってもらい

適当な位置にどっかり座り込んだ。

 

 

「さて、どなたか来てくれますかのぅ?」

「ディ~」

 

んむ、まあ先の事なんぞわかったもんでもねえしな。

ミュウに板をふよふと浮かしてもらい、のんびりとご予約をお待ちすることに。

 

 

 

 

「君みたいな小さい子が育て屋……?

 どうにもちょっと育つかどうか怪しいんだけども……」

「ぬう、確かに説得力はないですね……」

 

 

 

 

「育て屋ってぐらいだしレベルはちゃんと上がるのよねぇ?」

「そうですね、たださすがに戦っているほうが成長は早いと思いますけど」

「ん~~~……街の西に行けばトレーナーの人達も賑わってるし

 利用する意味もないかなぁ……」

 

 

 

 

「期間はどの位を見積もっているのでしょうか?」

「一応は5日~一週間ぐらいと思っています。

 場合によっては延びると思いますし、それでお客さんが納得出来なくても

 教育が終われば引渡しという形になってしまいますね。

 あとは預けられた子の努力次第になります」

「きょ、教育……?」

 

 

 

 

───カー、カァー。

 

ヤミカラスが鳴き始めた。外はとっぷり夕暮れである。

 

 

ものっそいウケが悪かった。誰も予約とかしてくれないのねー。

まあわからんでもないんだけど……無謀だったか。

 

 

「こんな宣伝じゃ駄目なのかなぁ……

 やっぱラジオとか流してもらわないと認知とかもきついのかな……

 マスメディアって大事だよねぇ」

「ディ~;;」

「ホォ~ン……」

『;;;;;;』

「ミュィー?! ミューーーーゥ!!」

 

 

みんなで残念な反省会をしている。

ミュウはあのクチバの時と同じように、小さい子供にとッ捕まって振り回されている。

まあ頑張れ、人間悪い奴等ばっかじゃねえからさ。

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

今日は宣伝で回らず、誰か来る事を期待して必要物資を買っておこうと思った。

適当な掘っ立て小屋やらなんやらの寝床は郊外であろうと

ポケモンの力を使えばすぐに簡素なモノは出来上がるだろう。

なんだったらドレディアさん達はボールに入って寝てもらえばいいし。

野宿で外に出て寝てるよりいいだろう。

 

 

そんなわけでまたホームセンター。

まあ主にダグトリオのせいで奇異な視線で見られているが気にしない。

カイリキーボディーじゃないだけ良いじゃないのさ。のさ。のさ……

 

「まあ、まずはしっかりと疲れを癒すためにってことで……

 タオルとかの清潔感が大切かな? ……これが汚れてたらやる気も出ないよなぁ」

『(うんうん)』

 

ダグトリオ達がうなずいてくれる。

 

「じゃあタオルはとりあえず6、7枚買っておこう。

 ミロカロスも技じゃもう何も使えないけど、水を出す位だったら出来るよね?」

「ホァ~~♪」

 

うむ、それなら綺麗な水で洗う事に関しても問題は無い。

そもそも来てくれるかどうかもわからんが、まあこちらの人数+α程度でよかろう。

 

 

あとは……あ、そうだ。

 

「でかめの(たらい)でも買っておこう。

 ミロカロスが水出せるし、訓練終わった後のひとッ風呂って感じで汗も流せる。

 えーと、盥、盥……風呂用具コーナーになるかな?」

「ドレ~ディァ。」

 

みんなでテクテク風呂用具コーナーに歩いていったが

あるにはあったけど風呂という意味では小さい気がした。

お子様用プールで代用できると思い、そちらを購入する事に。

 

 

「他に何か必要そうなもんってあるー?」

『…………。(ん~』

 

みんなが悩み始めた。

安めのモノならまだまだ資金に余裕があるし、準備出来るからな。

それで訓練の度合いが上達するようなものがあれば儲けものだ。

 

「っ! ディアッ!!」

「お、なんだいドレディアさん」

【うまい飯っ!! 飯うまかったら超やる気出るッ!!】

「街で食えぇぇぇェェーーーッッ!!」

 

 

ズパァン。

綺麗な突込みが決まった。

 

基本、食事は俺の自炊だ。安上がりになるだろうし。

本当に美味い飯食いたいなら訓練が全部終わって街に帰った後にでも食ってください。

 

「他はー?」

 

後ろで後頭部からぷすぷす煙を立てて倒れてるドレディアさんは気にしない方向で。

 

「ホァ~。」

「ん、ミロカロス……何かある?」

【縄とかいかがでしょうか?

 ガードマンというのなら、その場にあるものを全部使いこなしてでも

 護衛対象なり自分を守るのがお仕事ですよね?】

「ふむ、縄か。いいねそれ、採用」

「ホァァァ♪」

 

訓練って度合いなら、縄は色々と万能性もありそうだ。

落ちているものとして使うもよしだし、適当な木片を縄で括って吊るして

ボクサーがやっているような小さい袋をぺしぺしするかの様に使う事も出来るし

不規則に動かして命中率訓練とかにも使えそうである。

 

「ダグ共はなんかないかー」

「……;」

「───;」

「────ッ!」

「お、ダグⅢなんかあるか」

【防衛を考えるのであれば自陣を強化するが得策。

 簡単にハンマー等を買い入れて即席陣訓練を取り入れてはいかがだろうか】

「ほう……まあ使う要素は薄いかもだが

 それも状況判断強化って意味じゃ有りだな。採用しておこう」

「───!!」

「ッ♪ ──♪ ──♪」

「(えっへん)」

 

ダグⅢ態度でけぇww

他の2人は自分達から無事にアイディアが出たことにほっとしてⅢを褒めている。

 

「ミュウはどうよ」

【僕はブロック塀の部品ぐらいしか思いつかないよ。

 ぶっ壊してその破片投げて、って感じで】

「あーそれは多分郊外の森でも木片やら何やら落ちてるだろうし

 さすがに不採用かなぁ」

「ミュィ」

 

元々採用されると思っていなかったのか素直に案を引っ込めた。

 

まあこんなところだろうか?

とりあえず買うもの全部買い入れて、会計を済まそう。

 

 

明日は誰か来てくれるといいなぁ。

信用度が見た目からして0どころかマイナスなのだけが気になるが。

 

 

 


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