うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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一応前もって考えていたifのひとつという位置付けにはなりますが
既に連載していたのが1年も前であり、当時の文章力は無いか激変しています。
違和感バリバリかもしれませんがご容赦ください。

場面は98話中盤からの続きになります。

9/15 19:58 タイトル普通に入れ忘れてた。


呪いが解けたタツヤ編
EX1 ポケモンとトレーナーでは互いのやる気が違う時もある。


「……わかりました、不本意ですが受託しちまってる以上仕方がありません。

 大人しく出場する事にします」

「お、おぉぉ……!(本当に言った通りになってくれた……!)ありがとうございますっ!」

「今なんかボソっと言わなかった? ねえ、言わなかった?」

「き、気のせい、ですっ!」

 

なーんか不快な言葉が聞こえた気がすんだがなぁー。

まあ、どーでもいいか……サカキは後で殺しに行こう。

 

「とりあえずさっき俺と一緒に居た人達には説明しておいてください。

 スタッフさんの話を聞く限り、次のブロックが終わった後にすぐに俺の試合組まれるんすよね」

「はい、そうです」

「じゃ、俺も適当に作戦立ててますんで、連絡の方はお願いします」

「わかりました、では私はこれで……」

 

そうしてスタッフは控え室から出て行った。

 

本気で面倒なら俺もここでこっそり抜け出すという手はあるが……

土下座までしてきたあの人の誠意は、出来れば踏みにじりたくはない。

そんな事をするぐらいなら大人しく参戦して、善戦するだけである。

さすがに優勝とかはなかろうが、俺等は俺等で善処すればいい話だな。

 

「そーいう事になりました。全員、いきなり試合になるけど準備は良いか?」

『bbb』

「△▲☆★~♪」

 

うむ、4人とも良い返事だ。ムウマージ出すわけにはいかんけども。

ていうかドレディアさんの声が聞こえない。あの子なら張り切ると思ったんだが。

ふと部屋を見渡すために首を回してみたら───

 

 

 

既にミロカロスとボクシングのように打撃練習をしていたドレディアさんが居た。

コイツ頼りになりすぎる。

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

『さぁー今大会もAブロックから白熱した試合内容が繰り広げられました!!

 毎度毎度この大会にて実況させていただいている私でも、今回は思います!

 レベルがひっじょーに高い! 一体トレーナーの間で何があった?!』

 

やたらテンションが高いアナウンスが響き渡る、まあどこの会場でもこんなものなんだろーな。

この世界でここまでテンションが低い俺がおかしい自覚はあるんだが

試合出場ってなるとどうにもなぁ……今までの経験上、現代世界での対戦狂と例えても可笑しくない戦術を駆使するトレーナーにコテンパンにやられるのが目に見えていて、正直きつい。

 

『そんな今大会もついに本戦の始まりとなります!!

 本戦の開始より、大会側で定められたシード選手も混ざり

 さらに白熱したバトルを繰り広げてくれる事となるでしょう!』

 

しかもそんな状況でシード枠でこの場に居る俺ってどないやねんな。

この大会が終わったら、サカキの部屋に侵入して4箇所ぐらいから雨漏りしちまう部屋にしてやる。

地下の密閉空間で湿気と一緒に書類作業してもらおう。

 

「あ~もう本当になんだろうなぁこれ……どう思うよドレディアさん」

「ディ?」  ←とてもキラキラした笑顔

「うん、聞く相手を素で間違えたわ。どう思うよダグ達よ」

『───! bbb』

「だめだここ脳筋しかいねぇ」

 

どうやら俺の手持ち達は戦う機会が得られた事が非常に嬉しいらしく

かたや植物類はテンションMAXであり、かたや漢字だけは格好いい土竜類は『我等に任せろ、主!!』状態。

もう好きにしてください。

 

「──手! タツヤ選手、早く!!」

「──? あっと、もう出ないとイカンのか……」

 

何も心の準備が出来ていないのに、もう恥を掻く事が決定している時間が訪れる。

 

「……俺、もうこの大会終わったらテンガン山でにも隠居しようかな」

「ディァ?」

「…………まぁ、そうねぇ。人じゃない君等にゃ世間体なんてもんも、わからんよね」

『? ? ?』

 

ダグ共も全員「Why?」とでも言いたげな顔をこちらに向けてくる。

……シン兄ちゃん、まだシンオウうろついてんのかな?

なんかあったらシン兄ちゃんを頼ろう。

 

そんなことを思いながら、フィールドのトレーナーサークルへと俺は歩いていく。

 

『…………おっとぉ? なにやらAサイドから出てくる選手はとても気怠そうだぞ?

 何かあったのでしょうか? 加えて手持ちのポケモンも周りに出しているようですが……』

『…………? 確かに、いつもの彼の様子ではないですね』

 

ふと、アナウンサーの声とサカキの声が場に響き渡る。

あぁそうか、公的な立場もあるから対戦における解説者役でもやってんのかあの人。

しかもいつもの彼の様子とか、さらりと身内バレしないでくんないかな。

 

※登場前アナウンスで既に思いっきり秘蔵っ子扱いされてたけど彼には聞こえていません。

 

「ぁ~もう本当にやってられねぇ……なぁもう俺帰っていいか?

 戦うってだけならお前らチャンピオンロードでやってただろ」

「ディーァ(ブンブン)」

『;;;』

「ホ、ホァ……」

「~~☆★……」

 

あ、そうですか、ダメですかちくしょう。

さすがポケモン、戦う遺伝子なんたらと言われているだけある。

後ろではアナウンサーとサカキがなにやらグダグダ述べているが、正直どうでもええわそんなモン。

 

 

『さぁ、タツヤ選手はこの内容でも全く緊張して………あれ?

 タツヤ選手、タツヤ……タツ、ヤ……!?』

「すいませーん、さっさと始めたいので試合したいんすけどー」

『え、あ、いや、でもタツヤって……えっと───失礼致しました、どうやら色々熱が入りすぎてしまったようで、試合開始を長引かせてしまいましたか』

「うん、もう帰って寝たいんだわ俺」

『ハッハッハ、相変わらずだねタツヤ君、でも君の力を見せるチャンスだよ? 頑張ってくれたまえ』

「………………」

 

うんもう色々と突っ込みたいけど、どうでもいいです。

アナウンサー席にいるのに普通に選手に話しかけてるとか、押し付けられたチャンスになんの意味があるのかとか、色々あるけどさ。

 

『それではサカキさんの秘蔵っ子と相対する選手もご紹介致しましょう!!

 Dブロックにて意外すぎる一手を用いて相手を完封した猛者、常在戦場タクティクス、ユウジ選手だぁーー!!』

 

「ハナダシティ出身、ユウジ選手──前へ!!」

「フッ……」

 

審判のコールがされ、俺の対戦相手が試合会場へと出てくる。

うむまあ、例に漏れずエリートトレーナーさんですね。ややキザ掛かっているけど。

ついでに言うなら、なぞのみせの宿泊組の人ではないようだ。顔を見たことが無い。

 

『前回のCブロックの総当たり戦にて、地味ながらも卓越したポケモンへの指示で勝利を引っ張り込んだ叩き上げ! 相手は現役最強リーダーの秘蔵っ子で少しきついでしょうが、果たしてどのような戦略の花を我々に見せてくれるのかーーーー!!』

『ユウジ選手が総当たり戦の最後で見せた指示は、お互いをしっかり理解していないと出来ないモノでした。

 ある意味では、この戦いも予想外の決着となるかもしれませんね』

 

これはもう100%現実世界での絡め手タイプの人でござるwwwww アカン(白目

……うん、もう諦めた★

 

「あのサカキさんの秘蔵っ子だかなんだか知らないが……僕の戦略の前では全て無力さ。

 総当たり戦で戦った記録も、ジム戦の記録もないようだが……生半可な手であれば、全て無効化させてもらうよ?」

「……あぁ、はい。サクっと楽にしてください」

「おや、僕のオーラの前にもう諦めてしまったのかな?

 フフン、まあそれも仕方がないか……なんせ君の周りの子達は対戦にはあまり向かない子ばかりのようだしね」

 

ピキッ

 

ん、なんか今変な音聞こえたぞ。

それにうちの子達が対戦向けじゃないってのは無い気がするんだが……

観客席のマチスさん達も苦笑しとるやん。

 

「サカキさんの名を借りて出た大会で申し訳ないが……君にはここで退場してもらおう。

 僕の目指す先は、リーグの頂点だけでは物足りないんでね……遠慮なく、踏み台になってくれ」

「ねぇジャッジさん、あの人暴言で訴えていいっすか?

 なんか聞いてて発言イラついて来るんすけど、訴えて勝ちますよ?」

「なっ!?」

「あ、えーと……すまない、試合前のやり取りもこちら側としては一種の論戦と認めててね……。

 今まで見逃してきた事例も多くあるし、ここで退場させるのは難しい、かな?」

「ホッ……フ、フフン、実力で勝てないと思って別の手を使ったのかな?

 君はそれで勝ってうれしいの───」

 

「ぁーぃ試合開始ねー、いけー、ドレディアさ~ん(棒)」 

 

「───って、聞けよッッ!!」

 

うるせーわい、そんなに戦いたいなら勝手に始めて勝手に終わらせれ。

アナウンサーもサカキも、なんかテキットーな事を後ろで喋ってるし。

うちの子もなんかやる気になってたし痛い責任俺には追求しねぇべさ。

 

「ま、まぁいいさ……この場は僕の通過点に過ぎないんだからね。

 この僕に対して草単体のタイプでしかないドレディアを出した事を後悔してもらおう!!」

「はい」

「……───」

 

なんかまだネチネチとグダグダ述べているなぁ、早くやっちゃえばいいじゃないのさ。

とりあえずドレディアさんには慰めとして、夜のおかずにポテトサラダでも加えてあげようか……。

何故か対戦に弱い俺のポケモンになったばかりに、こんな大舞台でこれだもんなぁ……本当にスマン。

 

「しかしドレディア、君も不幸な子だね……対人戦の右左もわからない馬鹿な主にこんな場に出されて……。

 まぁ、すぐに楽にしてあげよう、安心して散ると───」

 

 

 

  ブ  チ  ン

 

 

「──ん? 今なんか音が……なんだ?」

「……確かに、僕にも何か聞こえたが……とりあえず、僕のポケモンにも出てきてもらおうかな。

 さぁて、素早く終わらせるんだぞ──行けっ、マニューラッ!!」

 

個人的には音の方が気になるんだが、とりあえず対戦相手のユウジはモンスターボールをフィールドへと投げた。

ペカァァァァンという音と共に現れるは、宣言通りにおっきい爪のマニューラちゃんでした。

 

「ニャァァァーーーーー…………ッッ!?」

「な、なんだ、どうしたんだマニューラ?」

「へ……?」

 

そして登場の鳴き声と共に何故かいきなり体をビクーンと震わせたマニューラ。

……って、あぁそうか、あれだ。ドレディアさん、特性『いかく』だし……。

 

「つーかそんなコトよりさっきの音はなんなんだよマジで。

 負け戦なんぞハナっからなんでもいいっての、ダグ達も聞こえたべ?」

『───(((';ω;`)))』

「え、なんでお前らそんな震えてんの……って、ミロカロスもかいっ」

「ホ、ホアァァ~~;;」

 

ダグ共にさっきの件で訪ねようとしたら、三人とも(細マッチョの)体を縮こませて身を寄せ合っている。

そして視界に映ったミロカロスまでダグの後ろで震えていて何が何やら。

ムウマージだけはやや平然としているみたいだが、それでもフィールドを見てるな……。

 

これは、怖がってるのとあの音に共通性でもあったのだろうか。

 

「では、両者準備は良いね? 試合……───開始ィィーーーー!!」

 

ジャッジさんの声と共に会場のボルテージは極限まで高まり、試合は開始される事となった。

 

 





一応ダグトリオ戦まで構想はありますが、連載が続くかは微妙なところです。

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