うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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このお話は最終話です。
もしもお気に入りからこの小説にすっ飛んできた方で
なおかつ前話を見ていない方は、速やかに一度お戻りください。












00話 おわり

 

 

 

「───ふぅ」

 

思わず、一人溜息を付く。

 

「はー、なんつーか……」

 

妙に、現実的なユメだったような気がすんなぁ。

たったの一晩寝ていた間に見た夢だってのに……。

 

本当に、あの世界で生まれてから11年、か?

しっかりとすごした記憶が、はっきりと思い出せる。

 

夢なんておぼろげなモンは、普通起きたらどんどん内容を忘れて行くモンなんだが。

ごく一部に例外は確かにある。やたら記憶にこびりついた夢は存在する。

 

が、しかし……あんなに年代ジャンプ的なモノも無く

現実的な感覚を持った夢ってーのは、なかなか無いだろう。

 

「───ま、夢は夢だ」

 

こんな呟きも、見る人から見れば厨ニ病のそれでしかない。

 

俺はとっととパジャマを着替え捨て、普段着に着替えてしまう。

今日も一日、適当な日が始まるのだ。

 

 

トントントン、と階段を下りていき……台所に行く前に通るリビングへと向かった。

 

そしてリビングへの扉を開けば、見間違う事も無いほどに見飽きた

田島家の、ちょっと狭い気もするリビングがあった。

 

───マサラタウンの俺んちの方が、広かったなー。

 

そんな贅沢な内容を思い浮かべ───

 

「あら、やっと降りてきたかい」

「おう、母、さん。おはよう」

 

母さんだ。

 

見間違う事すらない、母さんだ。

 

───生まれてくる種族を間違えた、母親じゃない。

本当に普通の、平々凡々とした……何処にでも居る普通の母親だ。

 

「……? 何、どうしたの。私の顔になんかついてんの?」

「─────いや、うん、なんでもない。なんでもない、さ」

 

そうさ、なんでもない。

 

ただ単に、普通に夢だっただけだ。

 

はー……本当に、本当に楽しい、夢だったんだけどな───

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで直哉、あの子達なんなのよ?」

「ん、何が」

 

リビングのソファーに置いてあったリモコンを取ってテレビのチャンネルを操作。

いつもの日曜の朝に見ているランキング番組に変える。

 

「だからあの子達よ。なんなのあれ? なんかペットの割には人間みたいに二足歩行してるけど」

「一体何の話をして───」

 

母親の声がするキッチンの方へ目を向けて───

 

 

 

 

???

 

 

「あれぇ?」

 

俺の目、おかしくなったかな。

 

うーん、いや……どんだけ目をこすっても、それが見える。

 

もう一度じーっと見てみるが、間違いなく俺の目に映っている。

 

なんか、台所のすぐ傍にあるテーブルにラーメンを置いて

 

 

 

 

 

 

 

勢い良くズゾゾゾゾゾゾゾゾッ!!とラーメンを食ってるドレディアが居るんだが。

 

 

 

 

 

 

あちらも俺に気付いたのか、ラーメンをすすりながらこちらに左手を上げてくる。

 

「デュゥィッ(ディッ)!」

 

おい全部口の中のもん片付けてから喋れ。行儀わりぃな。ん、あれ?

 

 

 

なんで俺の家のキッチンに、ポケモンが居るの?

 

 

 

俺の疑問も一切気にせず、ドレディア……ドレディアさんは

ラーメンどんぶりから器に残った汁を全力でゴッキュゴッキュと飲み干し

 

「ディアッ!」

 

【おかわりっ!】と叫び、母親にどんぶりを渡す。

 

「んもーこの子は……もう4杯目じゃないのよ!

 直哉! あんたのバイトの給料からちゃんと出しなさいよ!」

「えー、あー、うん。うん? あれぇ?」

 

 

なんだこれ?

 

しかも良く見れば部屋を仕切るガラス扉の奥にも、なにやらうごめく巨大な影が沢山見える。

 

 

「しっかしあんた達良い体にいい格好してるわねぇ。

 何食ったらそんなに細いマッチョになるのよ?」

「ッb」

「ッd」

「dッb」

『ッッッbbb』

「ホァァ~~♪」

 

…………。

なんか、なんか……さ?

夢の中ですっげーよく聞いた覚えのある声、今したんだけど。

あの美声は一度聞いたらなかなか忘れないだろ。しかも一度どころじゃねーし。

 

 

トストスとリビングからキッチンに歩み寄り、ガラス戸をスパンと開けてみる。

 

 

 

「ったく、ほら。直哉もとっとと食べなさい。

 この子達に食べられても昼まで作らないからね」

「あ、ああ、うん……」

 

そして開けた扉の先に広がっていた光景は。

 

 

広さ的に8畳も無いキッチン件食事処で、所狭しと座り、控え。

俺の母親が出した飯を黙々と食っている、夢の中に居た俺のポケモン達だった。

あ、ドレディアさんがラーメン6杯目に入る。

 

 

 

 

 

俺は、思わず言葉を漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           「なんだこれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   うちのポケモンがなんかおかしいんだが

 

 

 

                              『完』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~おまけ~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

【お、起きたか。貴様が寝こけているから、母君の説得には苦労したぞ。

 とっととこの世界にある萌え絵のなんたるやを私に説明しろ】

【あ、起きたんだね! ねぇねぇ!! テレビゲームやろうテレビゲーム!!

 あの黒い四角い奴、凄い気になるんだ!! 早くやろう!!】

 

 

「おめーらもかよッッッ!!」

 

 

 

 






~あとがき~


個人的な趣向なのですが、俺はA●Bが大ッ嫌いです。
CMですら、出てくるたびに嫌悪感を覚えます。
そんなA●Bが、俺の趣味であるスロットにまで殴りこんで来た事は、本気でイライラしてました。

2週間程前。
10時半辺りに、馴染みの店へ、碌に金も無いのにスロットをやりに行き(予算3~4000円
たまたま座った台の隣にA●Bの台がありました。
なるべく気にせずペチペチと自分のスロット(5スロ)を打っていたところ
こっちは特に期待大なモノも何も来ないのに
となりのA●BをやってるおっさんはART中だわ、結構出して終了したと思ったら
すぐにREGでARTを引き戻したと思ったら、ボーナスやら+100Gやら+300Gやら。

A●Bじゃなくても殺意の波動に目覚めたダゲキになること請け合いの状態。

しかもトドメに、超絶チームサプライズコンボ?だかで なんと + 8 6 0 G

なるべく表に出さず、俺の中身で限りなく黒い何かが渦巻き始めたところで……
おっさん、なんかチラチラ腕時計を見てる……?

「……?」と思いながら、自分の台を打ってたら
おっさん、時間が無いらしく、ARTが1260Gも残ってる状態で俺に譲ってくれた。

うん、まあ、金欠だしね?うれしいにはうれしいさ。
でも……A●Bは……あかんやろ……

そして座ってやりつづけ、結局そこから俺自身も合計で+2200G位の上乗せ+復活で繋げて
表示上9896枚でARTをフィニッシュ。文無し覚悟から+42,000円という驚愕の結果に。


ここまで来たら話のオチも予想できるかもだが……
貴方の予想はハズレましたー!!


ものの見事にA●Bがさらに嫌いになったんだ。

金を俺にくれたのはいい、全然良い。

でもさ、ベルナビGETのところまで棒読みで。
いろいろな演出でも棒読みで、「うれしいんでしょ」とかってセリフまでも棒読みで。
寒気すらしたわ。まだゆっくりボイスのが感情あるんじゃね?って思うぐらい。

こいつら俺の趣味に対して手抜きしすぎじゃね?
いや、パチスロとてパチンカスと世間じゃ呼ばれる様なもんですが……いくらなんでもひどくね?

しかもおっさんが+860Gも上乗せした演出で、俺たったの+260Gとか、本気で腹が立ったさ!

最終的には700Gハマりでガッツリ削れた後、さらに当たらずART終了後に出るストック300Gに
終了した後の復活ARTすら食い尽くして、1400Gでボーナス1回フィニッシュさ!笑えよ!


コインを流している時に店員さんに言われた。
「A●B48であんなに出てるの、初めて見ましたよ。
 出してて楽しかったでしょう(笑顔」
俺はその発言に対して、こう断言した。
「俺、実はA●B大ッッッッ嫌いなんですよ。やってて本気で吐き気がしてました。
 出来る事なら、どんな機会であっても 二 度 と やりたくないですねッ!」

店員さん、唖然としてた。
そんな作品の内容とまったく関係ないあとがきな夏の日。


あ、例のごとく最終話は最終回ではありませんので。
エピローグ残ってます。


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