うちのポケモンがなんかおかしいんだが   作:右肘に違和感

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***話 33% 当事者達

 

 

彼がタマムシの郊外で襲われ、致命傷を負ってから半月が過ぎた。

これだけ長い時間が経っても、タツヤ君は一向に目覚める気配が無い。

 

せめてもの償いとして、彼の入院費用一式は全て弾頭で持つ事にした。

当然といえば当然ではあるが、未だにレンカ師匠に連絡が付かないため

後々だと確実にややこしくなる問題であり

彼の作り出した金の流れに関しても、1週間ほど前から突然跳ね上がった。

そのため入院費用の圧迫を計算に入れても、お釣りが来る程度に耐えられる。

 

彼が意識を失ってから1週間後。

弾頭全体が彼の恩恵を受けていたのは間違いなく

弾頭の社員全員が寝泊りするこの地下施設の空気も、微妙に重くなっていた。

そしてその空気を払拭する切っ掛けとなったのが、人材派遣での大躍進だ。

 

私も地道に知り合いの社長やら人事などを尋ねて周り

人材派遣における特色やら利点を説明して、お試しで派遣させてもらっていたのだが

お試しで弾頭の派遣員を向かわせた会社の会長から、派遣員が大絶賛を受けたらしい。

そしてその会長から複数の経営者や監督者に話が周り

弾頭の人材派遣部門の知名度が跳ね上がった、との事だ。

 

彼は意識を失う前にこう言っていた、「人の口コミに勝る情報媒体は無い」と。

彼の言っていた内容は、まさにこれの事なのだろうな。

 

現在人材派遣部門の就労率は85%を超える。

無駄が無い、といった意味合いからすれば理想的な数字だと思う。

とはいえ全員が全員希望通りの職に付いたわけでもないので

その手の枠に関しては会社との話し合いで、なんとか若手育成枠として貸してもらう事となった。

やってみて、思っていたより楽しいと考えてくれるのが一番ベストだ。

そのまま働き続けてくれるでも良いし、もし完全に違っても社会経験は身に付けられる。

その代わり新人を大量に職場に入れる関係上、賃金の方は1/2だ。

 

 

そして開発部門の方でもついに利益が出始めた。

彼が発案した『主婦の味方の器具』を、研究員達が片手間で魔改造したいくつかの品々が

最近になってテレビで紹介され、生産ラインを1本増やすにまで至ったのだ。

こうしたところでの利益の発生は息が長い上に

生産工場も発注が入る分利益が生まれる。いい循環が現れるのだ。

しかも使い勝手と頑強度合いに力を入れて魔改造していたがために

今のところ会社に対してクレームは入っていない。スタートとしては理想だ。

 

だが、研究員達が本腰を入れて研究したい内容に関しては、行き詰りかけているようだ。

0から1を作り出すというのは、本当にきつい作業のようである。

専門的なことは余り分からないが、私が前に研究室を訪ねた際には

3人とも泥のように地面に倒れて眠っていた。

やつれてこそいたが、好きな事を研究出来ているため寝顔はとても幸せそうだった。

 

そんなこんなと急に有限会社弾頭が成長し始めたため

私も1日全てを知り合いへの顔見せに回さずとも良くなり

彼に前々から提言されていた、ロケット団として逮捕された者達の引き取りに

ようやっと動き出せる形が出来たのだ。

 

現在私とミュウは、シオンタウンへ来ている。

どうやらここで私達『ロケット団』との接触で、彼の中でやらなければならない何かが芽生えたらしく

此処で捕まってしまった3人の足取りを追ってくれ、と前々から頼まれていた。

 

「受付はここでよかったですかな?」

「はい、どういったご用件でしょうか?」

「私はポケモンリーグから、ロケット団構成員の引き取り、再教育を依頼されている

 トキワジムリーダーのサカキという者です」

「え、トキワッ……!っと、失礼致しました。

 そうなると、この街に捕まっているロケット団員の引き取りがご用件ですか?」

「ええ、まず面会からお願い出来ますか」

「わかりました。手続きを行いますのであちらへお掛けになって、お待ちください」

 

 

席に座り少しの間、ミュウと今後について話し合っていた。

その間にあちら側の準備が終わったらしく、面会の準備が整ったとの事だった。

私達は、署員の案内に従って刑務所へと歩いて行く。

 

 

 

 

「はぁー……俺らいつまでここに居れば良いんだろうなぁ」

「まぁいいじゃねえかよ、少なくともここじゃ飯も食えるし最低限だけど体も綺麗に出来るしよ」

「息苦しいってのは間違いないけどな」

 

 

俺等が此処に捕まってから既に2、3ヶ月ってところだろうか。

現在俺等は所員の手により頭を丸坊主にされている。

どこの犯罪者もこんなもん、との事だ。

 

一応はこの刑務所で大人しくして、機械部品作りを毎日やっている。

逃げ出す事も考えはしたんだが、ポケモンを交えた監視の目をあざむ()く自信は俺等には無く

話し合った結果で、拘留期間を普通にこなした方が

最終的にロケット団に早く戻る事が出来るんじゃないか? という事になった。

 

外の情報に関しては、新しくこの刑務所に入ってきた奴に聞く位しか手が無く

ロケット団自体がどうなったかはよくわからないが、多分存続しているのだろう。

 

一応はでかい犯罪組織だからな。

解散やら崩壊やらとなれば、確実に誰かしら耳に入れているはずだ。

 

「とか言っといて、本当は新入りに話しかけるコミュ力がないだけだろうがww」

「……るっせぇよ」

 

どっちにしろ情報が無い事にゃ変わりは無ぇんだ。

下手に動いちまって俺等がボロ出したら、それだけでも今のロケット団にゃ致命的なはずなんだ。

きちんとお勤めしておきゃ害にもならない。これでいいんだ。

 

 

「しっかし、あの大口叩いてたガキはどうなったんかね」

「知らねーよ、大方アジトに乗り込んでボコられてんじゃねえのか」

 

突然他の2人が、あのガキの事を話題に出し始める。

俺等が捕まった直後に、なにがどうなってああなったのかよくわからんが

俺等を捕まえたはずのガキまであそこの留置所に入ってきたんだから驚きだ。

同業者かなんかかと思ったが、数日で出ていっちまった。

しかも俺等の事情を根掘り葉掘りと聞いた上でな……

 

ま、どうせ2人が言う通りになってるに決まってんだ。

ガキ一人でロケット団が動くやら消えるやらなんて、なるはずも無い。

 

そうさ、決してあの時言ってた『約束』を信じてるわけじゃねえんだ。

 

「───おい、お前達」

「……んぁ?」

「あん?」

 

 

看守がいきなり尋ねて来やがった。

今日は別段何も起こしてないはずだが……なんだ?

 

「お前達に面会希望者が来てる、移動するから出て来い」

「……面会、だと?」

「お前、心当たりあるか?」

「いや、特にねぇな……誰だ?」

 

こういう時は親だのなんだのってのが来るってよく聞くが

少なくとも俺等3人にゃ親なんて呼べるもんはいねえ。

全員、施設から逃げ出した孤児だからな。

んだからよくつるんでて、気がつきゃこの有様なんだがな。

 

ああ、でも親って言っても良い人なら一人だけ居たな。

俺等のボスの─────

 

「面会を希望した人は、かの有名なトキワジムリーダーのサカキさんだ。

 期待はしていないが、失礼の無いようにしろよ」

「…………。」

「…………。」

「…………はい?」

 

え……なん、で、ボスが?

 

いや、待てよ、看守が言うには……表の権限で来てるって事か?

もしもその通りだってんなら、ロケット団のボスってのをバラすわけに行かない。

 

「……ボロ、出すなよ」

「おめーこそな」

「わーってらい、おめぇもだ」

 

この手の内容なら、看守の言う『失礼の無い』という部分に関しての会話としても不自然ではない。

日頃、俺らがここで表に出してる態度もやたらめったら悪く映るものではないはず。

言葉の裏に隠された本当の意味を全員で認識し終えて、俺等は面会室へ向かった。

 

 

「こんにちわ、君達がロケット団を名乗る者かな?」

「えっと、はい……」

 

面会に来たって人はやっぱり俺等のボスだった。横に変なピンクなやつも居るが。

あちらも他人行儀で合わせ、こちらも初対面としては問題ないレベルで対応する。

 

(おい、やっぱボスだぞ)

(なんだこれ、どうしたらいいんだ)

(とりあえず話し聞いてからだろ、上手く合わせろ)

 

もしかしたら、どういう方法かはまだ予想も出来ないが

俺等をここから出すために四方八方に手を尽くしてくれたのかもしれない。

 

「私は、トキワジムでジムリーダーを務めるサカキという。

 今回、ロケット団の崩壊にあたって団員がバラバラになり、各個で悪さをしない様に

 ポケモンリーグにロケット団残党の、再教育と監視を依頼されてね」

「は、はぁ」

「そうっすか」

 

ボスが目の前に居るのにロケット団が崩壊とはどんな笑い話なのだろう。

 

全部が全部作り話……だよな? 多分。

適当に話合わせてりゃ付いて行くって名目で、俺等もここから出られんのか?

でもそうなると表のボスに負担が掛かっちまうよな。

どうせ俺等は何かしら悪い事やらねぇと組織の役に立てねーし……

 

「それで、現在ロケット団構成員を全員社員として

 有限会社の弾頭と名乗り、色々な方面に手を出しているんだ。

 君達はここで色々と学んでもらいたいわけでね。

 納得してくれるのなら、私が釈放されるように動いておくよ。

 リーグからのお墨付きも既に得ている、『何も問題は無い』ぞ」

『!!』

 

最後の一言で理解した。

頭の悪い俺等にゃよくわかんねーが、少なくともボスは

表の顔を使っても比較的安全な「何か」を既に策に組み込んでいるんだ。

だからこそ、『何も問題は無い』と言ってきたんだ。

 

他の2人に目を合わせてみた。

……よし、これは全員理解出来ているな。

 

「わかりました。一度そちらに行ってみたいと思います」

「俺もです、よろしくお願いします」

「俺もだ、b……サカキさん、よろしくお願いします」

「うむ、快諾してくれて何よりだ……それでは看守殿。

 すまないが件の通りになったので、彼らの此処の出所手続きの更新をお願いします」

「はい、了解しました。サカキさん。

 こいつらはこの刑務所でも比較的大人しいやつらでしてね。

 きっと迷惑は掛けんと思います。のんびり見てやってください」

 

おっさんがボスに俺等の事をプッシュする。

あんた、俺等のことそんな目で見ててくれたのか……

内に腹黒いもんを携えながら虎視眈々と機会を伺っていただけだってのに……

少し罪悪感が出てきちまったな。

 

「では、少し失礼するよ。また後で、な」

「はい、わかりました」

「お待ちしてます」

 

そうして一旦俺等は牢へ戻り、ボスは俺等の出所手続きに向かっていった。

 

 

「お前等、もう戻ってくるんじゃないぞ」

「おう、わかった……おっさん、元気でな」

「世話んなったな」

「あぁ、しっかり(しご)かれて来い。お前等も元気でな」

「君達、挨拶はもう良いか? では看守さん、私達はこれで失礼します」

「ええ、こいつらの事、宜しくお願いしますな」

「はい、私の立場に賭けまして。」

 

互いに挨拶を交わし、俺等は刑務所を後にする。

しばらく進み、刑務所の門が見えなくなったところでボスが俺らに振り返った。

 

「色々と聞きたい事もあるだろう。

 だがこの場では君達も周りを気にして喋りづらい筈だ。

 一度我々の活動拠点であるタマムシに向かう。そこで今回の経緯を話す事になるが良いな?」

『了解しました。』

 

見えなくなったとはいえ、一体何処で監視の目やら何やらが動いているとも知れない。

あくまでも俺等は、最初にボスに言われた内容に矛盾しないレベルで返答をする。

そうして、そらをとぶポケモンを用いてタマムシまで飛んでいった。

 

 

 

 

そしてタマムシの地下アジトに付いた俺等は唖然とする。

 

別の入り口が出来ていて、そこから入りアジトに入ると……

顔見知りの団員が、黒っぽい制服……だがロケット団指定のものではない服を着て

バインダーを片手に廊下を歩いていた。こちらに気付き、挨拶をしてくる。

 

「お帰りなさいませ、ボス。

 今朝方、お電話があった会社様からの案件と内容を纏めたものを書類にしておきました。

 社長室に置いているので、よろしければこの後ご一読をお願い致します」

「うむ、わかった……留守中、何かあったかね?」

「いえ、特には……彼も、相変わらずです」

「……そう、か」

 

最後の方の会話で、どちらも少し沈んで空気が悪くなる。

2ヵ月半振りのアジトは、もはや俺等には事情すら分からなくなっていた。

 

「貴方達も久しぶりね……シオンでドジ踏んだんだって?」

「あーまぁな……やたら強ぇークソガキにぶちのめされた後に

 さらに待ち構えてたガキが居てな、お縄になっちまってたんだわ」

「そう……貴方達が居ない間にここも物凄く変わっちゃったけど、早く馴染む様にね。

 みんな、やる気満々でボスのために働いてるわよ」

「充実、だと……?」

 

犯罪に関して開き直ってるって事か?

 

「私が居る前でそれを言うな……恥ずかしいだろうが」

「あらあら、これは失礼致しました。それでは私は受付のほうへ戻りますので」

「うむ、了解した」

 

そうして見知った団員と別れ、前まで物置だった一室へと俺等は招き入れられる。

中はどうやら会議室の様に改造されたらしく、ボスに促されて俺らも席に座る。

 

「さて、どこから話したものかな……」

「えーと、では俺達から質問、いいですか?」

「わかった、何が聞きたいかね」

「刑務所で表の名前を出して俺等を釈放してましたが……その、大丈夫、なんですか?」

「その事か、全く問題ない。安心したまえ。

 ロケット団という組織は、文字通り既に崩壊したのだからな」

「なっ……!」

「その話、マジだったんっすか……!?」

 

 

てっきりあの場の凌ぎの会話と思って──……って、あれ?

 

「でも解散したのに、ボスはボスのまま……なんですよね?」

「うむ、まあ厳密に言えば代表取締役だがな」

 

さっきの顔見知りの団員もボスの事はボスと言っていた。

そんならロケット団が解散ってより……組織としての立ち位置が変わった───

 

 

 

─────!? ま、まさか……

 

 

 

「あのガキかッ?!」

「え、ど、どうした?」

「なんだよ、ガキって───え、いや、さすがに無いだろ……」

「……あるんだよ。お前達、正解だ。

 ロケット団は、お前達が言う『彼』のおかげで生まれ変わったんだ」

「あ─────」

 

 

やりやがった。

あいつ、マジでやりやがった。

本当に、約束を果たしちまいやがった。

あの時の俺等なんぞ、ただの一介の犯罪者でしかないのに。

あいつは俺等と交わした、たかが口約束を、立派に果たしやがったんだ。

 

どういう形で変わったのかは、わからない。

だがボスが言うには、代表取締役……つまり『会社』のTOPだ。

『犯罪組織』のTOPとは訳が違いすぎる。表にも堂々と顔を出していい肩書きだ。

 

 

「まさか、本当にやっちまうなんて─────」

「じゃあ、ボス……ロケット団は、どうなったんですか」

「まず、私の側近である幹部達が自主的に逮捕された。

 そして複数の口からの証言として、『ボス』の存在は

 幹部が作り出した、下を上手く操るための虚像という形にしてくれたんだ。

 結果、私は最初からロケット団には一切関わっていない事となり

 再教育係の位置に立つ事が出来たわけだ」

「な、なるほど……それならもう、ロケット団の肩書きが」

「ボスの足を引っ張る事も、ないわけなんですね」

「そう捉えてくれて問題ない」

 

 

そうか、あれはつじつま合わせの都合の良い言い訳じゃなく

正真正銘の、ボスの現在の立ち場を使ったモノだったんだ。だが……

 

「でも……俺等じゃ新しい組織でボスの役に立てません……」

「だな、俺等は自力で金を稼ぐ手段なんざねぇし……」

「そこについても心配は要らない。タツヤ君が良い道を示してくれているからな」

「良い道、ですか?」

 

そしてボスの口から、人材派遣部門の話を聞く。

社会に慣れる為にも、一旦は若手育成枠に入って

社会での労働経験を培わせる、という内容だった。

 

なるほどな……お試し期間ってことで長続きするかしないかを認識するってか。

上手い具合に出来てやがる。戦力にならない間は給料もガクっと下がるって事か。

 

「それに、短期間とはいえ君等は刑務所でも労働していたのだろう。

 ならば大丈夫だ。のんびりと自分に合った作業を探してみてくれ。

 その都度その都度、相談に乗ってくれる者は回りにいくらでも居るはずだ。

 私も余裕があれば相談を受けているからな」

「そう、っすか」

 

本当に変わってしまった。

 

本当にあのガキ、何者なんだ。

 

「で……その、タツヤってのは、どこにいるんですか?

 此処に来るまで全然見てないですけど」

 

俺が思考の海を泳いでいる間に素早く復活したのか、横の一人がボスに尋ね───……あれ?

なんだろう……ボスの顔がいきなり渋くなったような……?

 

 

「そうだな、これも伝えなければならないだろうな……。

 ……今、彼は───」

 

 

どう言う事だ。

 

なんっつー理不尽だよ、これは。

 

あのガキは……あいつは……!

俺等をここまで変えておいて、その代償で死に掛けてるってか……!?

いや、厳密には死に掛けてるわけじゃないらしいが……それでも半月の間意識不明。

どちらにしろ、自由を完全に奪われている事には変わりが無い。

 

そうか、さっきのあいつとボスの会話の最後は、この事だったのか……!

 

「彼をあんな目に合わせた愚か者達は、捕まえられた分だけ既に警察に引き渡した。

 しかし───そんな事をやったとて、この先彼がどうなるかはわからない。

 少なくとも、医者は絶望的だと診ているようだ。

 だが、それでも……彼が私達に示してくれたこの道を絶やすわけには行かない。

 彼は、合理的に、私達を、確かに『救ってくれた』のだ」

 

間違いない、元々俺らに関わっていることはボスにとってデメリットでしかなかった。

それを消した上に、ボスが捨て切れなかった俺らにまでテコ入れ。

 

 

これが救いじゃなくて、なんだってんだ。

 

俺等の悲願は、俺らと関係ないガキが一人で果たしちまった。

 

 

「───お前達も、これから彼に報いてもらうぞ」

 

ボスが発するその重い声も、今の俺等からすれば心地が良い。

……だが、一応筋だけは通しておかねぇとな。

 

「その前に、ひとついいっすかね」

「どうした?」

「そのタツヤってのに、礼を言いに行きたいんですよ……行っても、大丈夫でしょうか?」

「あ、俺も……行かせてください」

「俺も、言いに行きたいっす」

「───わかった。弾頭の構成員の服の予備はまだ幾らか有る。

 それに着替えて、病院へ向かおう。私も同席する」

 

 

例え、意識が無くて聞こえてなくても

 

 

言わなきゃなんねえ事って、あるよな?

 

 

 

             (ドクン)

 

                                            (ドクン)

 

 

 

 


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