ゼロの人造人間使い魔   作:筆名 弘

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四カ月ぶりでございます。

気付けば、新年どころか新年度が始まってしまいました。

第七十二話を投稿いたします。




 第七十二話

 聖オーガスティン修道院の最奥、禊の間―

 

 教皇ヴィットーリオは、自らの手にかけてしまった股肱の臣にして虚無の使い魔たるジュリオの遺体を両腕に抱えながら跪いていた。見る者が見れば、その光景はまるで一幅の宗教画のようであった。

 

 

 カッ!

 

 

 次の瞬間、数千年の時を越えて存続し続けてきた大陸最古の聖地を膨大な火の精霊力が飲み込んだ。屋根も壁も柱も梁も床も、全てが等しく蒸発していく。精霊力の開放が収束した後に残されたのは赤熱し続ける荒涼とした大地のみ、のはずだった。

 

 

 「……」

 

 

 ブリミル教の最高権威者であるヴィットーリオ・セレヴァレは、全くの無傷であった。彼は目蓋を灼く閃光を感じはしたものの精霊力の暴走による熱も爆風も、ヴィットーリオが纏う紫紺の教皇衣を毛筋ほども損なう事はなかった。

 

 

 「……」

 

 

 ヴィットーリオには解っていた。『始祖の加護』などであるはずがない、と。そんなものが現実にあるならば、『あの時』に、ぼくはすくわれてなければおかしいんだ、と。ならば、いかなる力が教皇と助祭枢機卿を蒸発という憂き目から救ったのか。

 

 

 「我が名は……」

 

 

 さらに数瞬を置いて、ヴィットーリオは詠唱を開始した。虚無の魔法ではない。メイジであれば誰でも使えるコモン・マジック、『サモン・サーヴァント』である。

 

 

 「……を召喚せよ!」

 

 

 キィィィン

 

 

 甲高い音ともに出現する銀色のゲート。本来であれば、ゲートから現れ出でる使い魔を事前に判別する術はない。だが、ヴィットーリオには解っていた。ゲートから現れる存在が『最後』の長身異形の亜人である事を。

 

 

 ギュピ ザン

 

 

 独特な足音と長大な尾を地面に叩きつけつつ、教皇の前に立ったのは、人造人間セルであった。正確には『四体の長身異形の亜人』の内の一体であり、召喚される寸前までアルビオン王国の虚無の担い手ティファニアに同行していたセルである。無論、ヴィットーリオには知る由もない事実ではあるが。

 

 自らが詠唱したサモン・サーヴァントによって出現した長身異形の亜人。ヴィットーリオの目には、つい先程、彼の価値観の全てを破壊してしまった、もう一体の亜人との違いは判然としなかった。

 

 

 「……」

 

 

 「……」

 

 

 キッ! ボンッ!

 

 

 数瞬の間、無言で視線を交える一人と一体。

 脈絡なくセルは視線を奔らせると最弱の気合砲を地面に向かい放つ。土砂が巻き上げられ、ちょうど人ひとりを埋葬できる程度の穴が出来る。

 

 セルの意図を察したヴィットーリオは、腕の中のジュリオに最後の一瞥を与えると静かに穴の中に彼の肉体を横たえた。そして、素手で周囲の土をかつての使い魔に掛けてやった。赤熱していた大地はセルの気合砲によって冷却されていたが、一人だけで、しかも素手で行うのは容易な作業ではなかった。

 

 

 「……」

 

 

 長身異形の亜人は、手伝う事はしなかった。埋葬が終わった時、教皇の額には汗が滲み、肩で息をする有様であった。

 

 

 「ふぅ、ふぅ……あ、ありがとうございました。まだ、契約もしていない私の為に」

 

 

 「今の爆発は、エルフの艦隊から射出された精霊石を用いた兵器によるものだ」

 

 

 「!」

 

 

 僅かに皮肉を込めた教皇の礼に対し、淡々と事実を伝えるセル。

 

 

 (エルフ族による侵攻。まさか、これほど迅速にアルビオン大陸に……しかも、『精霊石兵器』まで躊躇なく投入するとは)

 

 

 『始祖ブリミルの虚無魔法』を恐れるエルフ族が『虚無の担い手と使い魔』の相次ぐ出現に危機感を覚えるだろう事は、ヴィットーリオも予測していた。

 それにしても。

 

 

 (あまりにも性急過ぎる。専守防衛戦略を神聖視すらしていたエルフ族が、蛮族域と蔑むハルケギニアに宣戦布告もなしに侵攻するなど)

 

 

 教皇の脳裏に閃いたエルフ族侵攻の理由、それは、『恐怖』であった。強大な戦力を有するはずのエルフ族が自ら禁忌を破るほどの『恐怖』。今、蛮族共を滅ぼさなければ、滅ぼされるのは自分達だと思い込んでしまうほどの『恐怖』。

 

 

 (当代のエルフ族の上層部が『虚無』にそこまでの脅威を感じるとは思えない。まさか……)

 

 

 ヴィットーリオの眼前に立つ長身異形の亜人。虚無も精霊石兵器も、問題にすらしない圧倒的な力を持ち、ハルケギニア各国の中枢に喰い込み、エルフ族の侵攻すら見透かしていたかの様な言動をとる異形の存在。

 

 教皇は一つの疑問を亜人にぶつけた。

 

 

 「何故、私を助けたのですか?」

 

 

 「お前が虚無の担い手だからだ」

 

 

 教皇の問いに簡潔に答えるセル。契約はおろか召喚すらしていない担い手を救ったと言うのだ。そもそも、ヴィットーリオは『何から』助けたのか、とは問うてはいない。

 エルフ艦隊から発射された精霊石兵器の直撃。ピンポイントにヴィットーリオだけを、開放された精霊力の暴威から救ったのだとすれば、エルフの侵攻はおろかミス・ルイズ達とのやり取りすら、この亜人は把握していた事になる。ヴィットーリオは戦慄した。一体いつからこの亜人は自分に目をつけていたのか。 

 

 

 (事ここに及んでは、全てが仕組まれていたとしか……だが)

 

 

 (聡明なる教皇聖下であれば至極当然の結論に辿り着いた事だろう。フフフ、であったとしても)

 

 

 セルはほくそ笑む。聡明であるが故に教皇ヴィットーリオ・セレヴァレが選ばざるを得ない道筋を、正確に見透かしていたのだ。

 

 

 (だが、そうだとしても、もはや私には選択肢など残されてはいない。私は、私には、もう)

 

 

 ヴィットーリオは、決断を下した。

 

 

 「コントラクト・サーヴァントを」

 

 

 「承知した」

 

 

 ここに、『三体目』の長身異形の亜人の『虚無の使い魔』が誕生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エルフ氏族共同体ネフテスの重鎮ビダーシャルの影の腹心であり、様々な情報収集や非合法活動を担ってきた密偵ラーイド。

 彼はビダーシャルが率いる部族の出身ではなく、かつてネフテスにおいて隆盛を誇ったシャットーダ部族の親衛官の家柄に生を受けた。シャットーダ部族は五季連続で上席評議員を輩出するほどの名門氏族であったが、前族長の姫巫女が失踪して以来、坂を転げ落ちるかの様に凋落の一途を辿っていた。今では栄華を競い合っていたチャダルル部族の庇護下に甘んじている状態であった。

 

 

 「シャ、シャジャル様!?」

 

 

 そして、家門の仕来りに従い族長近親者の身辺警護に当たる親衛官に任官した若きラーイドの、最初の警護対象となるはずだったのがシャジャル姫。シャットーダ部族の姫巫女にしてティファニアの実母であった。

 

 

 「え、か、母さんを知っているの?」

 

 

 「母さん!?……何という事だ」

 

 

 「ラーイド老、あのハーフエルフをご存じなのですか?」

 

 

 (何処かで見た事がある様な気はしていたけど……まさか『千賢の姫巫女』の忘れ形見だったとはね)

 

 

 驚愕の表情を浮かべるラーイドに何も考えず質問するアリィー。対してルクシャナは眉間に皺を寄せつつ黙考していた。

 

 

 「私の名は、ラーイドと申します。シャジャル姫様の側仕えの末席でございます。恐れながら、貴方様の御名前は?」

 

 

 アリィーの問いには答えず、ティファニアの前で跪くラーイド。

 

 

 「あ、えと、私はティファニア、です。母さんが遺してくれた指輪に宿る精霊の聖名だと聞いています」

 

 

 「!!……で、では、シャジャル様は?」

 

 

 「母さんは、五年前に亡くなりました」

 

 

 ティファニアの母シャジャルは、アルビオン王国王弟モード大公の愛妾であり、愛し合う両親の元にティファニアは生を受けた。だが、始祖の系譜を受け継ぐ四王国の王族とエルフ氏族の姫巫女。その婚姻を周囲が許すはずがなかった。ウェールズ家は王家としての体面を守る為に王弟と愛妾を誅殺し、シャットーダ部族は蛮族と姦通した

姫巫女を失踪扱いとし、事実上、追放したのだ。

 

 ティファニアは母親が人間達の手によって殺害された事をラーイドに伝えなかった。

 

 

 「姫様、このような異境の地で、なんと、おいたわしい」

 

 

 「……ラーイド老」

 

 

 瞑目し、肩を震わせるラーイドに気遣わしく声をかけるアリィー。

 

 

 

 

 

 しばしの時を置いてから、ラーイドはその場にいる者たちに現状を説明した。

 ネフテス史上最も短時間で『大評議会』は結審し、ネフテス軍の総力を結集した『災厄撃滅艦隊』の多方面同時展開による蛮族域侵攻作戦『アルアンダルス』は可及的速やかに実行に移された。『禁忌兵器』とも畏怖される『精霊石兵器』すら投入しての掃滅戦。さらに作戦の総指揮を執るのは対蛮族強硬派『鉄血団結党』の首魁エスマーイル。

 

 「蛮族域の滅亡は不可避とお考えになられたビダーシャル様は、私にお命じになったのです」

 

 いかなる手段を用いても構わない。ルクシャナとアリィーを必ず生きたまま、連れ帰れ、と。最も、ビダーシャル本人は蛮族域の滅亡には懐疑的であったが。

 

 

 「そ、そんな、『自滅兵器』を実戦に投入するなんて……」

 

 

 「伯父様がそんな暴挙を許すはずがないわ」

 

 

 アリィーは『精霊石兵器』の投入に驚愕し、ルクシャナはビダーシャルの介入があったはずだと主張した。ラーイドは淡々と告げる。

 

 

 「お二人の出奔の責をお引き受けになったが故です。ビダーシャル様は上席評議員職を除く全ての官職から退かれました」

 

 

 「!」

 

 

 「そんな、僕達のせいで」

 

 

 アリィーは茫然自失となり、さしものルクシャナも表情を歪ませる。

 

 

 「さきほどの衝撃は、第二支艦隊からの砲撃が北に位置する蛮族の聖地に着弾した際のもの。この都市も安全とは言えませぬ。近郊にフネを待機させております。お二人共、直ちにネフテスにお戻りください。恐れながら、ビダーシャル様からの厳命ゆえ、場合によっては力づくでも」

 

 

 「うっ、ど、どうするんだい、ルクシャナ?」

 

 

 「……承知しましたわ、ラーイド老。ただし、彼女達も同道させます。よろしいですね?」

 

 

 ルクシャナの言葉にラーイドは無言で頷いた。

 

 

 「あなた達もそれでいいかしら?」

 

 

 「……はい。姉さんもいいよね?」

 

 

 「ああ」

 

 

 神妙に答えるティファニアだったが、問われたフーケは生返事一つを返しただけだった。 

 フーケは懊悩していた。もし、自分たちに付きまとっていた長身異形の亜人が当初の目的通りに『虚無の使い魔』になったのだとしたら、自らが『真のセル』となる為には未だ『虚無の使い魔』を召喚していないテファの存在が邪魔になる。

 担い手は多くとも一時代に四王家毎に一人のみの計四人。それが一人減った場合にその王家の血に連なる誰かに自動的に発現するかは未知数である。むしろ、今まで『担い手』の存在が伝説に近い形でしか伝承されて来なかった事を鑑みれば、死んだから即補充とはいかない可能性が高い。

 トリステインの担い手ルイズと『フーケを捕らえた』セル。ガリアの担い手イザベラ女王と『女王の使い魔』セル。そして、さきほどまで『自分やテファの傍にいた』セルを召喚したであろうロマリアの担い手。

 

 ロマリアの担い手が何者なのか? セルからも特段の情報はなかったが、始祖『ブリミル』の系譜である以上はロマリアの各分王家の出身者だと考えるのが妥当だろう。無論、テファという例外中の例外もあるにはあるが。

 

 

 (テファがアルビオンの担い手だと知っているのは今、ロマリアにいるであろう、あの亜人野郎だけだ。あいつが、自分のご主人様にアルビオンの担い手を始末すれば、四体の内、一体のセルを『虚無の使い魔』から締め出せるぞ、なんて吹き込んだら……)

 

 

 フーケの全身を恐怖と絶望が包み込んだ。

 

 

 (あの野郎は瞬間移動なんて出鱈目な力を持っている。今この瞬間にもあの化け物面を引っ提げてあたしたちの前に現れるかもしれない。あの化け物が相手じゃエルフの大艦隊だろうが何だろうが盾にすらならない。『四体の亜人』の話がある以上、いまさらトリステインのガキを頼るなんざ本末転倒もいいところだ)

 

 

 努めて苦悩が表情に現れない様に押し殺しつつ、一人黙考し続けるフーケ。そして、初対面のラーイドから極めて丁寧な扱いを受けて困惑した様子のティファニアもまた一人考えていた。

 

 

 (……やっぱりどう考えても、私がセルを召喚する以外に方法はない。でも、私が召喚するのは、全く別のセルなんだわ。子供達と遊んでくれたり、姉さんをからかったり、私を大降臨祭に連れてきてくれた『あの』セルじゃない)

 

 

 ほんの短い間ではあったが、長身異形の亜人との触れ合いにこれまでは感じたことのない温かさを覚えていたティファニア。新しいセルの存在を許容できるか、今の彼女には判断できなかった。

 

 

 (でも悩んでいる時間はないかも。私が姉さんやみんなを守らなきゃ。それに、私が『四体の長身異形の亜人』の、ご、ごしゅじんさまになれば、また『あの』セルと会えるかも)

 

 

 ティファニアの決断は素早かった。そして、本質的に冷静でもあった。

 

 

 (今すぐじゃなくて、もうちょっと様子を見よう。母さんの事も詳しく聞きたいし)

 

 

 

 

 

 「ううっ、まさか僕たちの短慮がビダーシャル様のお立場を悪くしてしまうなんて」

 

 

 頭を抱えるアリィーだったが、ビダーシャルの姪であるルクシャナは内心安堵していた。

 

 

 (これも怪我の功名っていうのかしらね。前線に出ないのなら伯父様があの亜人と戦場で接触する可能性は低いわ)

 

 

 ティファニアとルクシャナの二人は、エルフの大侵攻『アルアンダルス』が九分九厘、失敗すると考えていた。もし、一年前にこの大侵攻が起きていたなら、確かにハルケギニア大陸の命運は風前の灯火となっていただろう。だが、今は全てが違う。

 長身異形の亜人、セル。その存在があらゆる前提を覆してしまうだろう。

 

 

 (下手な刺激は、伝説に伝わる『古竜王の尾を知らずに踏む』の故事そのままの結果になりかねないわ)

 

 

 (わたし達のセルはともかく、他のセルがエルフの土地にまで仕返しに行ったら、取返しがつかない事になっちゃう)

 

 

 多くの者達の煩悶を余所に、アヌビス級高速偵察艇『オシリス』号は一路、ネフテスを目指して飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ど、どういう事だっ!? メジ―ト砲は確実に命中したはずではないかっ!」

 

 

 ネフテス総軍災厄撃滅艦隊第二支艦隊旗艦『へカート』号の指揮艦橋にマッダーフの怒声が響き渡った。ネフテス水軍に属し、水将を拝命するマッダーフは第二支艦隊の兵站幕僚長として艦隊指揮系統の第三位に位置している。表向きには。

 

 

 「メジート砲の着弾及び精霊力の開放量は想定の九割以上を観測しております」

 

 

 空軍の観測士官が正確に報告する。空軍肝いりの汎精霊力監視装置は、着弾点の精霊力が収束した後も爆心地に禍々しい『存在』が健在である事を告げていた。

 

 

 「では何故、『月の悪魔』の反応が消えんのだっ!?」

 

 

 マッダーフの問いに答えられる者は艦橋にはいなかった。 

 

 

 「兵の士気に関わります。どうか落ち着いてください、マッダーフ水将」

 

 

 「落ち着いてなどいられるかっ!」

 

 

 丁寧な口調で諭す、第二支艦隊司令ヤズデギルド空将に対してすらマッダーフは声を荒げる。第二支艦隊は蛮族域の浮遊島制圧を主任務とする為、戦力の大半を空軍から抽出していた。司令をはじめとする艦隊上層部もマッダーフを除いて全て空軍の所属である。

 

 

 「……め、メジート砲、第二射を用意しろ!」

 

 

 「マッダーフ殿! 同一地点に複数の精霊石兵器を使用すれば大地に深刻な影響が!」

 

 

 「黙っていろ! お前たちは私の命令に従っておればいいのだっ!」

 

 

 マッダーフは水軍の将である前に『鉄血団結党』の重鎮でもあった。これまでは拮抗していたはずの水軍と空軍の勢力図もエスマーイルの災滅艦隊総司令就任を機に大きく変動してしまった。形式上はマッダーフの指揮権限は艦隊第三位であるが、災滅艦隊の切り札である『メジ―ト砲』に関する全権を付与されており、事実上の督戦官として艦隊を掌握しているのだった。

 

 

 「し、司令」

 

 

 自身の直属幕僚の声かけに苦々しさを隠し切れないヤズデギルドは眉間に大きな皺を刻みつつ、命じた。

 

 

 「メジート砲、第二射用意。目標、蛮族神殿跡」

 

 

 「り、了解しました!」 

 

 

 艦隊司令の命令を受け、メジート砲再発射に向けて艦橋内が慌ただしくなる。艦隊の意識が数リーグ前方の蛮族神殿跡に集中する中、気付いている者は居なかった。神殿跡南方に位置する都市に向かって航行していたはずの蛮族の艦隊の一部が、『転進』していた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 長身異形の亜人と、その主たる教皇が去ってより幾何かの時が流れた、聖オーガスティン修道院跡地―

 

 墓標としてだろうか、盛り上がった土の中心に流麗な装飾が施された短剣が突き立てられていた。

 その前に立つは、またしても、長身異形の亜人。アルブレヒト三世に付き従っていたセルの、さらなる分身体である。長大な尾を揺らめかせながら悠然と墓に近づく亜人。

 

 

 セルは、あらゆるモノを利用する。そこに生者と死者の区別など存在しない。

 

 




第七十二話を投稿いたしました。

ご感想、ご批評のほど、よろしくお願いいたします。


2021年最初の投稿となります。

遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。

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