ゼロの人造人間使い魔   作:筆名 弘

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一ヶ月近くのご無沙汰でした。

大変長らくお待たせしてしまいましたが、第五十三話を投稿いたします。


 第五十三話

 

 

 「ミス・カトレア、随分と早く起床されるのだな」

 

 セルは、自身の主たるルイズの次姉に鷹揚に話しかけた。

 

 「ふふふ、あなたのおかげだわ。朝、自然に目が覚めて、痛みも苦しみも感じずに身体を伸ばせるのが、こんなにも幸福なことだったなんて……」

 

 ルイズと同じ鮮やかな桃色の髪を揺らしながら、カトレアは微笑んだ。貴族の令嬢が起床するには、早い時間帯である。ヴァリエール本城上層階の廊下には、長身異形の亜人と眉目秀麗な令嬢以外に人影はない。

 

 「申し訳ないが、主は今、少々立て込んでいるようなのだ。急ぎの用件でなければ……」

 

 ルイズの私室の扉を背にしたセルは、室内で転げまわる主を慮ってカトレアに再訪を促そうとするが、カトレアは首を横に振った。

 

 「いいえ、用があるのはルイズではないの。使い魔さん、あなたに会いに来たの」

 

 「わたしに?」

 

 「そう……えいっ!」

 

 

 ガバッ!

 

 

 セルの問いに頷いたカトレアは、突然セルに抱きついた。二メイルを遥かに超える長身を持つ亜人に対してである。まるで大人と子供の抱擁のように、カトレアの頭はかろうじてセルの腹部の黒い外骨格に触れる程度だった。それでも、精一杯両腕を伸ばし、セルの胴体を抱きしめるようにするカトレア。

 

 

 たゆん

 

 

 カトレアの豊満な双乳が、セルの外骨格に押しつぶされ、さらに魅惑的な曲線を描く。その破壊力たるや、正に想像を絶するだろう。

 「人造人間」の想像力の埒外だが。

 

 「……」

 

 女神の抱擁を受けたセルだが、微動だにせず、ただカトレアを見下ろすだけであった。そんなセルを見上げたカトレアが、首を傾げながら聞いた。

 

 「嬉しく……ないかしら?」

 

 「……ミス・カトレアが、わたしに対して敵意を抱いていないのは、解る」

 

 セルの言葉に目をパチクリさせたカトレアは、静かにセルから離れると、くすっと微笑んで言った。

 

 「ふふ、ごめんなさい、あなたにもお礼をしたかったのだけど。そうよね、亜人さんだと、やっぱりいろいろ違うのかしら?」

 

 「治療についてなら、すべては我が主が望んだことだ。主の望みを叶えるのが、使い魔の務め。わたしに礼をする必要などない」

 

 セルは、低く良い声ながら、真意を悟らせない平坦さで、カトレアに告げた。

 

 「見返りを求めない忠誠と奇跡すら起こす絶大なる力を併せ持つ使い魔……始祖の伝説に語られる「虚無の使い魔」とは、もしかしたら、あなたのような存在だったのかもしれないわね」

 

 まるで敬虔な信徒のように、カトレアは静謐な表情で言葉を続ける。

 

 「そして、そんなあなたを使い魔として召喚したルイズも……」

 

 一度、口を閉ざしたカトレアは、わずかに間を置くと、再度セルを見上げ、あえてにこやかに言った。

 

 「あなたは、わたしの命の恩人、そして、わたしの可愛い小さなルイズの使い魔。わたしにとって、家族と同じくらい大切な存在だわ。だから、お願い。決して……決して、ルイズを悲しませないであげて」

 

 「承知した、ミス・カトレア」

 

 セルは、その場に跪き、カトレアに頭を垂れた。

 

 「ありがとう、あ、それから、わたしやエレオノール姉さま、お父様やお母様のことも、「どうか、よろしく」ね」

 

 カトレアは、それまで以上の微笑みと共に、自身の前に膝を突く亜人に言った。言外の含みを持たせて。セルは、以前ルイズが次姉カトレアは、どこか浮世離れしている所があって、時に怖くなるくらい「勘」が鋭い、と言っていたことを思い出していた。

 

 (ヴァリエール家次女カトレアか。よもやトリステイン軍出撃の事を知っているとは思えんが、さすがはルイズの姉といったところか。さて……)

 

 公爵家の次女が去った後、セルの元に、「もう一人」のセルからの念話が届く。まるで、図ったかのように。

 

 (イザベラが動く、か。止める事もできるだろうが、このタイミングであれば……ルイズとジョゼフとイザベラ、上手くいけば、「見極め」と「継承」を同時に進めることができる)

 

 セルは、決断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――トゥールーズ市から北に二十リーグ、トリステイン派遣軍陣地。

 

 護国卿ピエール・リオン・ド・ラ・ヴァリエール公爵は、陣地最後方の仮設司令部で最後の軍議を行っていた。だが、その場には、議論を戦わせる相手は、一人しかいなかった。公爵の妻であり、魔法衛士隊総隊長にして派遣軍総司令代行を拝命する鉄仮面の衛士「烈風」カリンその人であった。

 

 「全長八十メイルの巨大ゴーレムとはな……」

 

 公爵は、眉を潜ませながら言った。

 

 「土系統のスクウェアメイジが、複数でかかっても、造るだけならばともかく、その巨体を維持したまま、数百リーグを侵攻し、数千の軍を壊滅させるなど、ありえん話だ」

 

 「ですが、事実です。斥候の報告もそれを裏付けています」

 

 感情を感じさせない無機質さで応える烈風。それを聞いた剣聖は、思わず溜め息が漏れそうになる。

 

 (人間、いつまでも変わらんものだな、我が妻ながら……)

 

 「だが、報告に大きな誤りがなければ、我が軍の精鋭を集結させた、この奪還軍二万も、ウィンプフェンの二の舞になるかもしれん」

 

 「……討つならば、「人形」ではなく、それを操るモノを討つべきかと」

 

 「ふむ、「人形遣い」を討つ、か」

 

 妻にして、最高の相棒でもある烈風の言葉に、我が意を得たり、とばかりに頷く剣聖。およそハルケギニアの常識では、ゴーレムやガーゴイルなどの魔法兵器の運用には、制御者となるメイジが必須となる。長期間かつ複雑な行動を命令するためには、それだけ多くの「魔力」と「メイジ」が必要だった。魔法衛士隊の精鋭で編成された斥候隊は、トゥールーズ市に新型のガリア戦艦が入港しているという情報を持ち帰っていた。九分九厘、巨大ゴーレムの指揮船だろう。

 

 奪還軍本隊を囮に、ゴーレムを引きつけ、魔法衛士隊を中心とした少数精鋭で以って、指揮船を押さえる。

 

 「……任せるぞ、カリン」

 

 「……任された、リオン」

 

 伝説の衛士たちにブランクと呼べるものは皆無であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それにしても、ガリアのゴーレムがトリステインに侵攻してくるなんて……タバサの件の報復なのかしら?」

 

 「その可能性は、低いだろう。ガリアの上層部は、タバサがトリステインに居ることはおろか、アーハンブラ城が消滅したことさえ、未だ掴んではいないはずだ」

 

 「だといいんだけど……ううん、我が国が侵略を受けているんだもの。いいはずがないわ!」

 

 「その通りだ、ルイズ」

 

 「急いで、セル!」

 

 「承知した」

 

 カトレアの訪問とイザベラ・セルからの情報を得たセルは、巨大ゴーレムとトリステイン軍との激突に介入することを決め、すぐにルイズに状況を伝えた。尚もベッドで右往左往していたルイズは、突然入ってきた使い魔に奇声を上げて、枕や毛布を投げ付けたが、デルフリンガーを投げ槍のように投擲した後、どうにかセルの説得を聞き入れ、平静を取り戻した。

 

 そして、セル曰く、強大な力(あるいはガリアの「虚無」かもしれない、という)を秘めた巨大ゴーレムが、トリステイン内に侵攻しており、これを排除するためにラ・ヴァリエール公爵率いる軍勢が進発したが、まともに戦えば、公爵の敗北は間違いない、という。

 

 ルイズは、直ちに父の援護に向かうことを決断した。

 

 しかし、母も従軍しているという事実から、軍への合流ではなく、単独でゴーレムの撃破を目指すことにした。

 

 軍務に就いている母の姿を想像したルイズは、身震いが止まらなかった。遭遇する必要がなければ、全力で回避して、何の問題もない、彼女はそう思い込むことにした。

 その為、ルイズとセルは、巨大ゴーレム「フレスヴェルグ」が陣取るトゥールーズ市と公爵率いる奪還軍が激突するだろう、市北部の平原にセルの高速飛行によって、先乗りした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「!……やっと、きたか。待ったぞ、「兄弟」よ」

 

 ラングドック城の上空に滞空しているアンリ・ファンドーム号の甲板から、面白くもなさそうに、数リーグの距離まで接近して来たトリステイン軍の布陣を睥睨していたジョゼフは、トゥールーズ平原の中間地点に新たな存在が飛来したことを直感的に理解した。自分以外の「担い手」の存在を遠隔から感知できるほど、ジョゼフの「段階」は進んでいたのだ。

 

 「さあ、わがミューズよ! 時は来た! 兄弟に、我らの「フレスヴェルグ」の力を見せつけてやろうではないか!」

 

 背後に控えるシェフィールドを振り返ったジョゼフは、目を爛々と輝かせ、使い魔に命を下した。

 

 「ジョゼフ様の御心のままに」

 

 シェフィールドも、自身の「ミョズニトニルン」としての能力が、未だかつて無いほど高まっている事を自覚した。主であるジョゼフが、「虚無の担い手」としての力を増大させたことに呼応しているかのようだ。今ならば、「フレスヴェルグ」の能力を十全以上に引き出すことが出来る。あの「ガンダールヴ」の化け物にも引けは取らない。

 

 シェフィールドは、自身と最愛の主の勝利を確信した。

 

 「猛けろォ! 「フレスヴェルグ」!! 呪われし魔剣の一撃を以って、我が主の敵を屠れっ!!」

 

 

 グオオオオォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

 周囲数リーグに響き渡る咆哮と共に、「フレスヴェルグ」は、大剣と大盾を大地に突き立てると、胸部の装甲を解放した。

 

 

 ガコンッ!

 

 

 都市を一撃で灰燼に帰す、最強の魔法兵器「ダインスレイヴ」が、その照準をトリステイン軍陣地後方に定めた。現行の長距離魔法兵器の射程を遥かに超える遠距離からの砲撃。「フレスヴェルグ」の威容に呑まれかけていたトリステイン軍は、何の対応も取ることが出来なかった。

 

 一人と一体を除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ん? あ、あれ、ひょっとして、ま、まずいんじゃないかしら?」

 

 ルイズは、一リーグ以上はなれた場所にいるはずの巨大ゴーレムが、なにやら怪しい動きをしていることに気付いた。

 

 「その通りだ、ルイズ。敵は、どうやら超長距離攻撃を可能とするようだ。このままでは、トリステイン軍は成す術もなく壊滅するだろう」

 

 「しれっと言ってんじゃないわよ! なんとかしなきゃ!」

 

 「無論だ」

 

 セルはルイズを背後から抱きすくめるようにすると、彼女に集中を促す。それを受けたルイズも気合を入れて声をあげた。

 

 「やるわよ、セル!」

 

 「ルイズ、敵の先制攻撃に対応せねばならん。「守り」を強く意識するのだ」

 

 「わかったわ!」

 

 セルの助言を受けたルイズが両目を瞑り、集中を高めていく。これまでよりも、さらに素早く彼女の脳裏にスペルが浮かぶ。

 

 敵の大規模攻撃を防ぐ障壁を展開する「虚無」の呪文。

 

 以前、「王権守護戦争」時に使用した「アブソーブ〈吸収〉」は、相手が同じ「虚無の担い手」の場合は、無効化されてしまうため、使えなかった。ルイズが編み出したと思われる呪文も、「虚無」というカテゴリーの制約は受けるのだ。

 

 「ゴール・ドウ・ハヴ・ベン・ガール・ノス・クリル・ルウン・アーウ・スヴェル・イーズ・レス・ナウン……」

 

 それは、またしてもデルフリンガーの記憶に存在しないスペルだった。

 

 (いまさら驚くことでもねえが。この感じ、嬢ちゃん自身が編み出しているようにも、旦那がそうなるように誘導しているようにも見えるな、しかし……)

 

 インテリジェンスロッドの自意識の思考とは関係なく、「始祖の秘宝」代替機能は、正常に作動していた。

 

 そして、詠唱が完了した。

 

 「オブストラクション!!」

 

 

 キィィィィィィィィンッ!!

 

 

 平原に木霊する甲高い音を響かせながら、青白く、途方も無く巨大な壁が、ゴーレムとトリステイン軍陣地の中間に出現する。

 

 それとほぼ同時に。

 

 「ダインスレイヴ、発射!!」

 

 

 バシュゥゥゥ!!!

 

 

 シェフィールドが命令を発すると、秒を置かず、「フレスヴェルグ」の胸部から真紅の光弾が発射される。通常の火砲を遥かに超える初速でトリステイン軍に迫る光弾。

 

 しかし、光弾は、ルイズとセルが展開した「虚無」の障壁に衝突する。

 

 

 カッ!!!

 

 ズガガガガガガガガッ!!!!

 

 

 光弾に込められていた純粋なる「火」の魔力が、あらゆる物を焼き尽くす熱量を解放し、その全てを障壁に叩き付ける。熱線と衝撃波が、平原の大地を凄まじい勢いで掘削していく。

 

 結果、障壁は光弾を防ぎ切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、あれが、ガリアの「虚無」の力なの?」

 

 ルイズは、やや困惑した声をあげた。たしかにゴーレムの放った光弾の威力は凄まじいモノだった。彼女とセルが展開した障壁に防がれたとはいえ、平原にはその爪痕として巨大なクレーターが出現していた。だが、ルイズが予感していたほどの脅威は感じられなかった。

 

 「あのゴーレム自体は「虚無」と直接の関係はないようだ。恐らく「虚無の担い手と使い魔」によって性能を強化されているのだろう」

 

 「じゃあ、強化されてあの程度ってこと?」

 

 拍子抜けしたように言うルイズをセルがたしなめる。

 

 「ルイズ、油断は禁物だ。限界まで強化されているとは限らん」

 

 「まだまだ、強くなるかもしれないのね」

 

 気を引き締め直すルイズを見たセルは、考える。

 

 (ルイズが、ジョゼフを倒す……それも悪くない。だが、「担い手の継承」を把握するためには、もう一人、必要だな)

 

 もう一人のセルの、もう一人の主が、戦場に到着するには、若干の時間が必要だった。

 

 (この場でルイズの仕上がり具合を、視ることもできる、か)

 

 「ルイズ、わたしが時間を稼ぐ。その間に君は、あのゴーレムを撃破し得る、新たな「虚無」を組み上げるのだ」

 

 「は? じ、時間を稼ぐって?それに「虚無」を組み上げるなんて、あ、あんたと一緒じゃなきゃ、わたし一人で出来るわけ……」

 

 「君は、このわたし、「人造人間」セルの主なのだ。そして、君は成長している。もはや「虚無」を唱えるのにわたしの助けは、必須ではない。それは、君自身わかっているはずだ」

 

 確かに、さきほどの「オブストラクション〈障壁〉」を詠唱する時、今までよりも、あらゆる面で、あらゆる要素がスムーズに組み上がっていくことをルイズは実感していた。

 しかし。

 

 (で、でも、セルに後ろから抱いてもらっている方が、あ、安心できるし、こ、心休まるって言うか……)

 

 ルイズは、「虚無」の単独詠唱には消極的だった。

 

 「……ルイズ、わたしの背中をきみに任せる」

 

 「え?」

 

 セルの一言に、ルイズの気持ちは大いに奮い立った。いつも、守られるばかりだった自分が、セルに頼りにされている。使い魔の言葉を、そう解釈したルイズは、全身に武者震いを感じるのだった。

 

 「ま、任されようじゃない! ご主人さまの偉大な力を、たっぷりと見せてあげるわよ! だ、だから、あんたもしっかり時間稼ぎしなさいよね! な、何なら、あんたがあのデカブツ、ギッタンギッタンにしちゃってもいいわよ!!」

 

 頬を染めながら、気勢を上げるルイズの言葉に、セルは凄みのある笑みを浮かべながら応える。

 

 「承知した。では、丁寧に、丹念に、徹底的にギッタンギッタンにするとしよう」

 

 「あ、あの、セル? 気付いたら、地平線の向こうまで、荒野になってましたとか、やめてね、その、お願いだから」

 

 「……無論だ」

 

 主の不安げな声に、いつも通りの良い声で答えると、セルは高速飛行で、「フレスヴェルグ」に接近した。

 

 「……本当に大丈夫かしら?」

 

 「心配なら、旦那が本気出す前に嬢ちゃんが、あのデカブツを仕留めるしかねえぜ……」

 

 「デルフ、あんた起きてたの?」

 

 「まあ、なんつーか、最近考えることが多くてね。」

 

 ルイズの問いに、やや疲れた答えを返すデルフリンガーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて、まずは……四十倍というところか」

 

 ルイズの傍を離れたセルは、「フレスヴェルグ」から、およそ六百メイルの距離に滞空していた。そして、おもむろに四肢に力を漲らせると、一つの「技」を発動させた。

 

 「ぬうんんんんんっ!!」

 

 

 ググ、ググググ、ググググンッ!!

 

 

 その結果、セルの肉体に起こった激烈なる変化を、その時、平原に居た全ての者が目撃した。

 

 

 自身の使い魔に「背中を任せる」と言われ、気勢を上げていたルイズが。

 

 ゴーレムの砲撃とそれを防いだ障壁の出現に、驚愕していたラ・ヴァリエール公爵が。

 

 制御者を押さえる為、直属の衛士隊とともにトゥールーズへ迂回しようとしていた「烈風」カリンが。

 

 待ち望んでいた同胞たる「担い手」の実力に満足気な笑みを浮かべていたジョゼフが。

 

 必殺の「ダインスレイヴ」の一撃をあっさりと防がれたことに臍を噛んだシェフィールドが。

 

 その光景を前に、皆一様に呆けた表情を晒した。

 

 

 ズズズンッ!!!

 

 

 大地を揺るがす轟音とともに、「それ」は降り立った。昆虫のような外骨格を纏い、体表に無数の黒い斑点を備え、二本の角と一対の羽を持ち、そして長大な尾を振るう異形の存在。

 

 だが、その全長は、実に百メイルにも及ぶ「巨身」の亜人。

 

 それは、かつてピッコロという名の異形の戦士が編み出した「超巨身術」と呼ばれる、自身の肉体を超巨大化させる秘技を発動した、人造人間セルの威容であった。

 

 

 

 




第五十三話をお送りしました。

原作では、ピッコロも天下一武道会決勝戦でしか使用していない「巨身術」ですが、作者は、「魔貫光殺砲」の次に好きな技です。「魔空包囲弾」や「激烈光弾」も好きですが、神コロ様になってからの技ですから、本作のセルは使えません。

今後の物語にご期待ください。

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