ゼロの人造人間使い魔   作:筆名 弘

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お久しぶりです。今回も大変、お待たせしてしまいました。

えー、今回は二話連続投稿となります。



 第三章外伝 ぼくらのロサイス防衛戦 中篇

 

 

 その日の夜、ロサイス周辺の空は雲一つなく、天空の双月から降る月光が、町を照らしていた。

 三階建ての市庁舎別館の屋上から、コルベールはロサイスの町並みを見下ろしていた。すでに日付は変わっていたが、コルベールは素直に床につくことができずにいた。

 

 「ふう、少しばかり神経過敏になっているのかもしれないな……」

 

 コルベールが、屋上の手すりに、もたれ掛かりながら呟いた。すると、彼の背後から誰何の声がかけられる。

 

 「だ、だれだっ!? そこでなにをしている!?」

 

 振り返ると、あどけない顔の少年兵が、ランタンと短槍を手に緊張した面持ちで、屋上の入口に立っていた。夜間巡回中の歩哨らしかった。コルベールは、自分の杖と纏ったローブの襟に着けられた微章を少年兵に示した上で、自身の官姓名を名乗った。

 

 「アルビオン遠征軍教職小隊所属ジャン・コルベール教職中尉だ」

 

 学徒・教職小隊は、遠征軍にあっては、お飾りの部隊と揶揄されていたが、魔法学院のエリートのため、その家柄に関してはトップクラスの名門貴族が揃っていた。そんな部隊の中尉殿に無礼を働いたとなれば、平民出の二等兵など軍法会議どころの騒ぎではない。

 

 「し、し、失礼しましたっ! ち、ち、中尉殿!」

 

 見ていて気の毒になるほど狼狽する少年兵に、コルベールが穏やかに話しかける。

 

 「いや、気にすることはないよ。もう消灯時間も過ぎているのに、こんなところにいる私の方に問題があるのだから。君は、自分の職務を忠実にこなしただけだ」

 

 「き、き、恐縮です……」

 

 貴族といえば、平民を人とも思わない、いけ好かない連中ばかりだと思っていた少年兵は、コルベールの言葉に驚きを禁じえなかった。そして、この人になら聞いてみても大丈夫かも、と思いコルベールに問いかけた。

 

 「あ、あの、自分は、ロサイス守備隊第三警邏分隊所属ジュリアン二等兵であります。教職中尉殿にうかがいたいことがあります」

 

 ランタンの光が浮かび上がらせた少年兵の年の頃は、十四~五歳。入隊して間もないのだろう。自分の教え子たちに近い少年兵の問いに、鷹揚にうなずくコルベール。

 

 「自分の姉が、魔法学院でメイドとして働いているのですが、ご存じないでしょうか?姉の名は、シエスタといいます」

 

 いくら、コルベールでも学院で働くすべてのメイドを網羅しているわけではないが、今やミス・ヴァリエールの専属ともいうべき黒髪のメイドのことは、よく知っていた。

 

 「ほう、君はシエスタ君の弟かね。なに、シエスタ君なら、大丈夫だよ。学院のメイドとして過不足なく働いてくれている。それに最近は、あの名門ヴァリエール公爵家の令嬢の専属メイドとして頑張っているよ」

 

 「あ、あのヴァリエール家の……姉ちゃん、頑張ってるんだな」

 

 感慨深げに呟くジュリアン。

 

 「さて、わたしもいい加減寝るとしよう。ジュリアン君、巡回任務頑張ってくれ」

 

 「あ、ありがとうございます! コッペン中尉殿」

 

 「……いや、コルベールなんだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 --同時刻、ロサイス西部ミカクシ草原。

 

 

 ガサガサッ

 

 

 高さ二メイルのミカクシソウの草原を、数百人の人間が通過していた。ロサイス襲撃を画策する「レコン・キスタ」逃亡兵の部隊である。後からやってきたメンヌヴィル達に主導権を握られた彼らは、メンヌヴィル率いる白炎中隊が、港湾施設を占拠するまでの時間稼ぎとして、ロサイス西部への襲撃を強要された。

 

 「くそっ! わざわざ、月夜の晩に襲撃をかけろだと!? あの盲目野郎め!」

 

 そう毒づいたのは、逃亡兵部隊を指揮していたメイジ崩れの生き残りである。他の連中が、メンヌヴィルに焼き殺された後、数少ないメイジとして部隊の指揮を任されていた。空には雲一つなく双月の月光が、ロサイス周辺を照らしている。彼としては、もう数日は待機して、月明かりのない晩を待つつもりでいたのだ。

 逃亡者部隊の先鋒が、草原の半ばを通過する。そして、指揮官メイジが直属の小隊とともに、その位置に達する。

 

 ラインを超えた。

 

 

 パカッ

 

 

 「テキダ! テキダ! メイジノテキダ!」

 

 草原の中盤に設置されていたコルベール謹製「しらせるくん」の上部のフタが開き、小さな蛇が姿を見せる。警告音を発し、それに逃亡兵部隊が気づいた次の瞬間―

 

 「シンゴウダンハッシャ!」

 

 

 ポンポンポンポンッ

 

 ヒュ~

 

 ドゴゴゴォォォンッ!!

 

 

 計二十個の「しらせるくん」から発射されたコルベール式轟音拡散信号弾は、草原の上空数十メイルで炸裂。轟音と閃光を撒き散らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 市庁舎別館の屋上から、その様子を確認したコルベールは、右手の杖を強く握り締める。

 

 「やはり、きたのか!」

 

 「ち、中尉殿、い、今のは一体……」

 

 突然の轟音と閃光に、地面にへたり込んでしまったジュリアンがコルベールに尋ねる。コルベールは、ジュリアンを無理やり立たせると、真剣な表情で言った。

 

 「ジュリアン君いや、ジュリアン二等兵。これは、敵襲だ。西部の草原から、おそらくメイジ率いる部隊が進攻中のはずだ。わたしは、学徒・教職小隊を直ちに召集する。君は、すぐに駐屯所に戻り、守備隊全員を叩き起こして、西門への増援と市民の避難誘導を速やかに行わせるんだ。これは、教職小隊からの厳命だと伝えるんだ。さあ、行け!!」

 

 「り、了解しました!」

 

 ぎこちない敬礼をしてから、ジュリアンは駐屯所に向かった。コルベールも大急ぎで階下へ下りる。

 

 「い、今の爆音は何なんだ?」

 「ま、まさか敵襲か?」

 「おい、当直の兵はどこだ?」

 

 学徒、教職小隊の宿泊施設となっている市庁舎別館2階の廊下には、轟音に飛び起きた士官たちが右往左往していた。そこに屋上から下りてきたコルベールが姿を見せる。

 

 「全員、そのままで聞いてもらいたい!! 先ほどの轟音は、町の西の草原にわたしが設置した警戒装置にメイジがかかったためと思われる。まず襲撃と見て間違いない。守備隊本陣にも伝令が向かっているが、我々も防衛戦に加わらなければならない。全員すぐに軍装の上……」

 

 コルベールの言葉に一人のメイジが割り込む。彼の同僚であり、風のスクウェアメイジ、ギトーだった。

 

 「待ちたまえ、ミスタ・コルベール。あなたは何の権限があって、そのようなことを言っているのかね。敵襲だと確認されたわけでもないのに我々に戦闘準備だと? しかも、先ほどのバカでかい音は、あなたが設置した装置のモノだと? 全くあなたは、どれだけ越権行為をしでかせば、気が済むのかね? 大体……」

 

 今は、一分一秒でも惜しい。なのに、さらに益体のない言葉を重ねようとするギトーに、コルベールは二十年前の自分に戻る覚悟を決める。

 

 「黙れ!!」 

 

 突然の怒号に、絶句するギトー。コルベールの全身から凄まじい魔力と殺気があふれ出す。

 

 「我々が、ここに居るのは、そも何のためだ? 観光か? 修学か? 否! 戦争のためだ! 敵を屠り、味方を助け、市民を守る! そのために我々は、学徒・教職小隊は、ここに居るのだ!」

 

 コルベールの言葉に、ギトーを始めとする学院のメイジたちは、直立不動の姿勢で聞き入るしかなかった。ギトーに近付きながら、コルベールがさらに言葉を重ねる。

 

 「ギトー教職大尉殿、貴官は「偏在」の使い手だ。それを以って市内各所への伝令及び偵察の任をお願いしたい」

 

 学徒・教職小隊で唯一のスクウェアクラスであるギトーは、小隊最高位の教職大尉を拝命していた。最も、小隊長自体が存在しない部隊では、さしたる権威を持つわけではないが。コルベールの迫力に飲まれてしまったギトーは、口をパクパクさせるだけで返事もできない。鼻がくっつくほど、顔を近づけたコルベールが、一呼吸を置いてさらなる怒号を発した。

 

 「復唱、どぉうしたぁ!!」

 

 「さ、さ、サー!! イエッサー!! ギトー教職大尉、た、只今より伝令・偵察の任に就くでありますっ!!」

 

 転がるようにしてその場を後にするギトー。コルベールは、呆気に取られていた学院のメイジたちにも指示を飛ばす。

 

 「今より、我々も西門に向かう。各員軍装を整え、集合。二分以内だ。各員、駆け足っ!!」

 

 学徒・教職小隊が、一斉に各々の部屋に散っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 --ロサイス西門守衛所。

 

 「くそっ! この辺りに敵はいないんじゃなかったのかよっ!」

 

 守衛所に詰めていた二十人ばかりの分隊を率いるベテランの軍曹ニコラは、ミカクシソウの草原を越えて現れた百人以上の敵兵の攻撃に耐えながら、大声を上げた。幸いにも、彼も含めてほぼ全員が寝入っていた守衛所分隊だが、突然の爆音に飛び起きたため、敵部隊からの完全な奇襲は免れていた。とはいえ、多勢に無勢の状況には変わりなく、西門を突破されるのは時間の問題だった。

 

 「ぐ、軍曹! 敵部隊後方にメイジです! すでに詠唱中!」

 

 「ちくしょうっ! 攻撃魔法かっ! 各員、衝撃に備えろ!!」

 

 守衛所の床に身を伏せるニコラ以下の分隊。

 

 

 ドゴォォン!!

 

 

 一呼吸を置いて、爆音が響く。守衛所ではなく、敵部隊の中央で火球が炸裂した。身を起こしたニコラが呆然としていると、トリステイン軍魔法隊の軍装を纏った二十人ほどの集団が、守衛所に入ってくる。

 

 「あ、あんたたちは……」

 

 「アルビオン遠征軍学徒・教職小隊コルベール教職中尉だ。きみが守衛所の指揮官か?」

 

 「西門分隊長ニコラ軍曹でさ。書生さんと先生方に、わざわざお出で頂くたぁ面目次第もありやせん」

 

 ニコラは、心底からそう言った。彼をはじめとしたロサイス守備隊の面々は、学院仕官を役立たずのお荷物だと考えていたのだ。

 

 「いや、きみたちが踏ん張ってくれなければ、敵はすでに市内に侵入していただろう」

 

 分隊の労を労ったコルベールは、守衛所の窓下に身を滑り込ませると、わずかに顔を上げて敵兵の様子を伺う。コルベールの放った「フレイム・ボール」を不意打ちで喰らった逃亡兵部隊は、若干足並みを乱したものの、すでに態勢を整えはじめていた。

 

 「守備隊の本隊もすぐに駆けつけてくれるはずだ。それまでは、我々でここを死守する。皆もいいな!?」

 

 コルベールは、背後に控える教え子たちと同僚たちを振り返った。皆一様に緊張しているものの恐怖に飲まれている者は、今のところ一人もいない。即席の士官教育も無駄ではなかったようだ。士官教育すら、受けていない留学生仕官であるキュルケなどは、自慢の赤髪を掻き揚げ、その豊満な胸を揺らしながら言い放った。

 

 「もう、待ちきれませんわ、ミスタ! 「微熱」が放つ熱の本当の熱さを、敵に思い知らせてやりますわ!」

 

 「……油断は禁物」

 

 キュルケの恐れなしの言葉に、冷静に突っ込むタバサ。彼女などは、普段と何一つ変わらないように見える。頼もしい、コルベールは素直にそう思った。

 

 「敵兵の数は、中隊規模だ。守備隊本隊が合流しても、数の不利は否めない。我々の魔法の使い方が勝利の鍵だ。まずは、ミスタ・ギーシュ!」

 

 コルベールは、ギーシュに向かって呼びかけた。まさか、自分が呼ばれるとは思っていなかったギーシュは、妙な声をあげてしまう。

 

 「ほ、ほえっ!? ぼ、ぼく、いえ、自分でありますか?」

 

 うろたえるギーシュを尻目に、コルベールは学徒・教職小隊に作戦を伝達する。

 

 

 

 

 

 

 

 「ちっ、まさか守衛所にメイジが、詰めてるとはな」

 

 風メイジである逃亡兵部隊の指揮官は、コルベールの放った「フレイム・ボール」の直撃を風魔法によって防いでいた。敵メイジを警戒して、一時的に部隊の前進を停止させていたが、攻撃魔法の追撃がないことから、敵メイジは一人だと判断した。

 

 「数で押しつぶしてやる。全隊前進!敵の魔法は、オレが防ぐ!」

 

 後方に待機していた部隊も投入し、総力戦の構えだ。銃隊と護衛の短槍隊が、守衛所に殺到する。ギリギリまで引きつけたところで、コルベールが命令を下す。

 

 「土隊、かかれっ!」

 

 「り、了解!」

 

 「「「イル・アース・デル!」」」

 

 コルベールの号令を受けたギーシュ他数人の土メイジが、「錬金」を発動する。

 

 

 ボコッ! バコッ! ズボッ!

 

 

 殺到する敵兵の足元の地面に、小さな窪みや出っ張りが、突然出現する。先頭の短槍兵が、出っ張りに足を取られ、盛大にこける。続く兵士たちも次々に転び、後方の兵まで巻き込まれる。敵部隊の足が止まったことを確認したコルベールがさらなる命令を発する。

 

 「敵の足は止まった!炎隊、薙ぎ払えっ!」

 

 「待ってましたわっ!」

 

 「「「ウル・カーノ!」」」

 

 

 ゴォォォォ!!

 

 

 キュルケをはじめとする炎メイジが、団子状態の敵部隊に「発火」を唱え、帯状の炎を浴びせかける。間髪入れず、コルベールの指示が飛ぶ。

 

 「風隊、炎を巻き上げろっ!」

 

 「……了解」

 

 「「「イル・ウィンデ!」」」

 

 

 ヴァオオオォォ!!

 

 

 タバサを筆頭とする風メイジたちが、「ストーム」の呪文で、「発火」の炎を巨大な火炎竜巻に変貌させる。巻き込まれた数十人の兵士が瞬く間に炭化する。さらに周囲の兵たちは、地面の陥没や突起に足を取られ、逃げることさえできない。とどめとばかりに、コルベールが守備隊分隊に号令する。

 

 「銃隊、一斉射用意!」

 

 「了解でさ! おまえら、貴族の方々がここまで、お膳立て下さったんだっ! 外すんじゃねぇぞ!!」

 

 「「「おうっ!!」」」

 

 「放てっ!!」

 

 

 ドパパパパッ!!

 

 

 ニコラ以下の分隊火力による正確な一斉射が、逃亡兵部隊を捉える。その内の一発が、指揮官である風メイジの頭部を貫く。杖を取り落とし、後方に倒れる風メイジ。完全に浮き足立った逃亡兵部隊に、さらに別方向から射撃が加えられる。ジュリアン二等兵が叩き起こしてきた、ロサイス守備隊の本隊百名である。

 

 「コッパゲ中尉殿ぉ!! 遅れて申し訳ありませんっ!!」

 

 本隊の先頭に、ジュリアンの姿が見える。

 

 「いいタイミングだっ!……あと、コルベールだから」

 

 形勢は逆転した。逃亡兵部隊は、まだ、二百近い兵を擁していたが、指揮官であるメイジは戦死し、百以上の兵を失ったことで戦意を失い、一部は潰走しはじめていた。

 

 「これで、決まりですわね! ミスタ・コルベール!」

 

 キュルケが、弾んだ声でコルベールの腕を抱くようにした。その豊満な胸を押し付けるように。本来であれば、狼狽するはずのコルベールだが、まるで気付かず、戦況を冴えない表情で見つめていた。

 

 「……おかしい。あまりにも脆すぎる。仮にも重要拠点に夜襲をかける部隊にしては、メイジが少ない上に士気も低い……」

 

 「ミスタ?」

 

 キュルケが、コルベールの呟きに首を傾げると、守衛所の裏扉から黒ローブの人物が転がり込んできた。

 

 「はあ、はあ、はあ、ぎ、ギトー教職大尉、た、只今戻りましたぁ!」

 

 それは、コルベールの命令で「偏在」を使っての市内各所への伝令と偵察の任務に当たっていたギトーであった。

 

 「ミスタ・ギトー、ご苦労様でした。市内の様子はいかがでしたか?」

 

 コルベールの問いに、荒い息を吐きながらも答えるギトー。

 

 「はあ、はあ、市内各所は、今のところ襲撃は受けていないようです。守備隊の別働隊が、市民の避難誘導に当たっています。港湾施設は、元々無人だったので、問題ないかと……」

 

 ギトーの言葉に、目を見開くコルベール。

 

 「港湾施設!! 敵の本当の狙いは、ロサイスの港湾能力を奪うことかっ!!」

 

 囮の部隊を使って敵戦力を誘引し、その隙に別働隊で重要拠点を押さえる。戦術の初歩中の初歩だが、実に効果的である。恐らく敵は、メイジ中心の少数精鋭部隊だろう。コルベールは、ギトーに再度要請する。

 

 「ギトー教職大尉殿、いえミスタ・ギトー、ここの指揮は、あなたにお任せします。わたしは、これから港湾施設に向かいます。もし、わたしが戻らなければ、港湾施設を封鎖して遠征軍本隊に伝令を送って下さい」

 

 そう言って、コルベールはギトーに深々と頭を下げる。

 

 「ミスタ・コルベール……了解しました。ご武運を」

 

 コルベールが、港湾施設に向かおうとすると、キュルケ、タバサ、ギーシュが彼の前に立ち、杖を掲げた。コルベールが何か言う前にキュルケが、言った。

 

 「ミスタ、格好つけ過ぎですわ。わたし、ミスタの事をもっと、もっと知りたいんですの。ここで、今生の別れなんてごめんですわ」

 

 「……一人では、無謀」

 

 タバサの言葉は、よく聞けば自分に言い聞かせているようにも見えた。ギーシュも、若干腰が引けつつも、言った。

 

 「命を惜しむな、名こそ惜しめ。父の言葉ですが、今ミスタ・コルベールを一人で行かせたら、ぼくは父に顔向けができません!」

 

 「きみたち……わかった。わたしに力を貸してくれ」

 

 コルベールの言葉に三人が杖を高く掲げ、唱和する。

 

 「「「杖に賭けて!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第三章外伝中篇をお送りしました。

ま、まさか、外伝が三部構成になってしまうとは……

次話は、外伝後編となります。

ご感想、ご批評をよろしくお願いします。

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