ウルトラマンゼロの使い魔   作:焼き鮭

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第百九話「GOODLESS」

ウルトラマンゼロの使い魔

第百九話「GOODLESS」

宇宙商人マーキンド星人 登場

 

 

 

 老若男女様々な人間がエネルギーを取り囲む形になってテーブルに突っ伏している異様な光景。シルフィードはどういうことかタマルに問いかけた。

「こ、これは……!? 何をやってるのね……!?」

「見ての通りですよ。何もしてません」

「何もしてないって……」

 確かに言われた通り、座っている人たちは何もしていないが……。眠ったようにしながら時を過ごしている。

「座ってるだけです。楽でしょぉう? 故に貴族の方々に大人気なんですよぉ」

「……あの光ってるのは何」

 今度はタバサが質問した。それにマーキンド星人=タマルは、何でもないことかのように答える。

「さっきの装置を動かす、重要なエネルギーを採取してるんですね」

「それを、あの人たちから……」

「ああ大丈夫ですよ、全然痛くなんてないですから。何なら、聞いてみて下さいな。ほら、ちょうど終えられた方が」

 座っている者たちの内、若い男性の貴族が席を立ってこちらの出入り口に近づいてきた。ぼんやりとした表情で、足取りがふらふらとしたまま。

「ああ、タマル……」

「頑張られましたねぇ、卿。もう大分長いこと働かれてたようですが」

「うむ、ざっと百時間といったところかな……」

「それはすごい!」

「もう遊んで暮らす分には十分かな。いや、賭博で更に増やせば、もっと贅沢な暮らしが出来る。楽しみだぁ、ハハハ……」

 男はタバサとシルフィードの間を通り抜けようとしたが……その瞬間に崩れ落ちて、床に倒れ伏した。

「だ、大丈夫ですか!?」

 シルフィードたちは咄嗟にしゃがみ込んで、男の安否を確認する。脈と息を確かめたタバサが、普段以上に小さな声でつぶやいた。

「死んでる……」

 息を呑むシルフィード。一方、タマルは微塵も慌てないで言い放った。

「あ~あ、時々いるんですよねぇ、こういう無茶する方。だから遊ぶ時間は残しておくように、念を押したのに」

「……この人に何をしたの?」

 鋭い視線をタマルに向けるタバサ。だがタマルはケロリとしている。

「私は何もしてはいませんよぉ。彼が働きすぎただけです」

「……」

「こちらの仕事は、賃金は高くて楽なのですが、寿命が縮むんですよ」

「要するに、みんなを騙して、命を吸い取ってるのね!?」

 驚愕と、怒りを混ぜて叫ぶシルフィード。あのエネルギーは、ここの人間たちの生命力なのだ。

 目を吊り上げるタバサたちに、タマルは平手を向けて自己弁護した。

「いえいえ、それは誤解です。私は何も騙してなんかいませんとも。ちゃんと事前にリスクは説明しましたから。あなた方にも、これから申すところだったんですよ。本当ですよ」

「ふざけないで! こんなの、放っておけないわ!」

 シルフィードとタバサは左右に分かれ、テーブルを囲んでいる人々の頭に嵌まっている生命力吸引装置を取り外していく。

「起きて! 起きてなのね!」

「ちょっと、何するんですか!」

「うるさいのねッ!」

 シルフィードは風韻竜の力の一部を解放して、タマルの首根っこを掴んで空中に吊り上げた。

「うわッ! お嬢さん、すごい力ですねぇ~……」

「……改めて聞く。さっきの装置は、何をするためのものなの」

 タバサの詰問。タマルも観念したように肩をすくめて、回答し出した。

「簡単に言えば、攻撃兵器です。稼働させれば、どんな遠くの町も一撃で吹っ飛ぶ優れもの! ただまぁ動かすのに莫大なエネルギーが必要なので、こうして絶えず採取してるんですがね」

「そんな恐ろしいもの作るなんて、やっぱり侵略者なのね!」

 怒りを発露するシルフィード。

「だから、それは誤解ですよ! これらは頼まれてやってるんです」

「頼まれて?」

「確かに注文通りのものを作るために、私の星の技術は使ってますが、人間を無理矢理働かせてる訳ではありません。ちゃんと報酬だって支払ってますしねぇ。それが何かいけないことですか?」

「当たり前なのね! 兵器を作ってる時点で、侵略者の仲間なのね!」

 シルフィードが言い切ると、タマルは何故か不敵に微笑んだ。

「侵略者の仲間ねぇ……。それは、ここにいる方々にもおっしゃってみたらどうです?」

「え……?」

 タバサたちによって吸引装置を取り外された人々は、二人の周りに集まってきた。皆怒りと不機嫌を顔に表している。

 だが、それらは全てタバサとシルフィードに向けられていた。

「邪魔しないでほしいんだけど」

 貴族の婦人が、はっきりと言った。

「えッ……」

「俺はまだ三時間しかやってないんだぞ! 大した稼ぎにならないだろ!」

 別の男が主張した。他の全員も、この二人と同様の気持ちでいるようだった。

「な、何を言ってるのね……?」

 予想外の事態に、シルフィードの声が震える。

「さっきの話、聞いてなかったの? あなたたちは、寿命を吸い取られてるのよ! しかもその全部が、侵略者に利用されてるのね!」

 繰り返し言いつけたが、人々の態度は変化しない。先ほどの男は、逆に問い返してきた。

「それが何か関係あるのか?」

「なッ……!」

 唖然とするタバサたち。シルフィードは動揺のあまり、タマルを手放した。

 婦人が告げる。

「あたしたちはお金が欲しいだけなのよ! 誰だって、お金を得るために時間を使ってる。あたしたちがやってることとどう違うのかしら?」

「ぜ、全然違うのね! こいつはウチュウ人なのよ! 人間の敵なのね!」

 シルフィードがタマルを指差して叫んでも、人々は白けた顔。

「ウチュウ人でもエルフでも、お金さえ払ってくれるなら誰だっていいわよ」

「ですよねぇ」

 したり顔でうなずくタマル。シルフィードはどんどんと顔が引きつっていった。

「あ、あなたたちの命で作られたもので、たくさんの人が死ぬのよ! それでもいいっていうの!?」

 その叫びも、人々の心を動かすことはなかった。

「そのたくさんの人ってのは、俺たちに金をくれるのか?」

 シルフィードは絶句した。人々の間からは、なおも声が上がる。

「しんどい思いをしてやっと金を手に入れるより、多少寿命が短くなっても楽に稼ぐ方がいいに決まってるぜ」

「たとえ長く生きられても、遊んでいられないんじゃあねぇ」

「表じゃろくに仕事にありつけなかった。食うためには仕方ないんだ」

「人が死ぬったって、どうせ見ず知らずの奴だろ? 関係ないし」

「資金を作ってカジノに戻って、今度は勝つんだ! 大金を手にするためだったら、このくらいのことは何ともないね」

 シルフィードの顔は冷や汗まみれになっていた。吐き気も覚えていた。

 シルフィードだって普段、愚行を繰り返す人間を冷めた目で見る時もある。だが、ここにいる者たちは……そもそも『人間』なのか? “良心”というものがないのか……?

 タマルは薄ら笑いを浮かべて、立ち尽くすタバサに問いかける。

「どうも、お嬢さまも上のカジノの支配人に勝つのに必死になってたみたいじゃないですか。そこまでするからには、勝たなければいけない理由があるのでしょう? ここで働かないことには、賭け金は得られませんよ。それとも帰りますか?」

 タバサの心中には、大きな迷いが生じていた。自分の任務に失敗は許されない。任務完了できずに戻ってきましたなどと言おうものなら、母の身がどうなってしまうことか、分かった者ではない。しかし……だからと言って、ここにいる連中と同じ立場になってしまっていいのか? それは……人として根本的に大切なものを、投げ捨ててしまうということではないのか?

 タバサも額に脂汗を浮かべて、返答に窮していると、シルフィードが苛立ちを爆発させたかのように怒鳴った。

「いい加減にするのねッ! これを見て、目を覚ましなさいッ!」

 シルフィードが懐から出したのは……こんな地下の人工施設なのに、一匹の小さなイタチのような生物だった。普通のイタチと違い、大きな青い、澄んだ光る目を持っている。

 それを見たタマルがギョッと驚く。

「それは!」

「これは“エコー”! 偉大なる古代の幻獣なのね! さっき廊下に出てたら、助けを求める声が聞こえて、それで見つけたのね! 上では、このエコーの親たちの“変化”の“精霊の力”を利用してイカサマをしてたのよ! あんたたちの稼いだ金も、こうやって巻き上げられる仕組みだったのね!」

 子供のエコーがすんすん鼻を鳴らすと、上の階のカジノから、この地下深くまでにも聞こえる絶叫と怒号、喧噪の声が発せられた。人間には聞こえない鳴き声で、成獣のエコーたちが“変化”を解き、イカサマが暴かれたのだろう。

 ここにいる人々も初めは呆気にとられていたが、事態を理解するとともに、表情が憤怒の色に染まった。

「おい! こりゃどういうことだ!」

「お前、このこと知ってて黙ってたな!?」

「このインチキ野郎ッ!」

 人々は一斉にタマルに詰め寄って非難轟々となった。

「い、いえ! 私とカジノはあくまで外部協力ですから、企業秘密を勝手に明かす訳には……」

「そんな言い訳が通るかッ! 馬鹿!」

「俺は賭博で全財産スッてここに来たんだぞ!」

「金返せッ!!」

 殺気立つ人々にタマルも身の危険を感じたか、開き直ったかのように言い放った。

「分かりましたよ! 返せと言うなら返しましょう! そらッ!」

 と言って床にばらまかれたのは、数十枚の金貨。

 その途端、人々の視線の先がタマルから金貨に移った。

「金だ!」

「金だぁッ!」

 我先に金貨に群がり、這いつくばる人間たち。瞳には金しか映らず、誰もが手当たり次第に金貨をかき集め、激しい取り合いにまで発展する。

 シルフィードにはその様子が、地面にぶちまけられた残飯に群がる害虫そのものに見えた。

 しかしこの間に、タマルが身を翻して部屋から飛び出していった。

「!」

「あッ! 逃げるのね!」

 タバサとシルフィードは、金貨集めに必死な人々を置いて、タマルの背中を追いかけていった。

 

「待つのね!」

 通路に出たところで、タバサたちはタマルに追いつく。振り向いたタマルは肩をすくめて言った。

「お嬢さま方、よくもビジネスを台無しにしてくれたものです。いえ、この事態を招いたギルモアの欲深さを恨むべきでしょうかね。時には身を切るのもビジネスには大事だと忠告してたのですが……彼にはやはり商才がなかったようですねぇ」

「うるさい! あんたみたいなのは放っておけないのね! 成敗してやるのね!」

 シルフィードが怒鳴って宣言すると、タマルは真顔になって眼鏡を外した。

「乱暴なことは嫌いなんですがねぇ……やると言うからには、私も本気を出しますよ」

 と言ったタマルの身体が急激にひび割れ、化けの皮が剥がれるように下からマーキンド星人の本性が現れた。

 ここでシルフィードはハッと気づく。今のタバサは杖を持っていない、丸腰の状態だ。戦いになったら、彼女の身が危ない。だが杖を取りに行っていたら、マーキンド星人には確実に逃げられてしまうだろう。

 しかしこの時、タバサの眼鏡のレンズが閃光を発して、等身大のミラーナイトが飛び出してきた!

『宇宙人! この娘たちに危害を加えることは許さないぞ!』

「ミラーナイト!」

 ミラーナイトが駆けつけてくれたことにほっとするシルフィード。タバサは彼女を見上げて告げた。

「わたしたちはギルモアの方を」

「は、はいなのね!」

 タバサたちが上の階への道へ向かっていくと、ミラーナイトが戦いの構えを取った。だがそれを制するようにマーキンド星人が言う。

『おっと! 私を倒すと言うのなら、ここの人間たちも倒すんだろうな?』

『何!?』

 動きの止まったミラーナイトに、マーキンド星人は語る。

『お前も見てたのだろう。ここの人間たちは自ら望んで侵略兵器にエネルギーを与えてる。奴らだって私と同罪だ。違うか?』

 マーキンド星人の言葉に、ミラーナイトは反論できなかった。

『星の滅亡に手を貸す人間! 自らの命を売りに出す人間! お前たちはそんな連中のために戦うのか? それとも自己満足か?』

 マーキンド星人の問いかけに、ミラーナイトはしばし無言だったが、その末にこう答えた。

『……私たちは、一生懸命に生きる人が一人でもいるのなら、そのためにどこまでも戦うッ!』

『ふッ、勇ましいことだな……』

 マーキンド星人はクルリと背を向けると、急加速して通路の奥へと逃亡していく。ミラーナイトも床を蹴って跳び、それを追いかけていく。

 そうして二人は地上に出て、無人の開けた路地裏で着地した。

『ここがいい。せっかくあそこまで作った装置だ。壊されちゃ大損だからな』

 そう言ったマーキンド星人が、手の平から怪光線を放って攻撃を仕掛けてきた!

『はッ!』

 ミラーナイトは瞬時にディフェンスミラーを張って光線を反射するが、マーキンド星人は素早い動きではね返された光線を回避。ミラーナイトの右に回り込んで、目から光弾を撃ち出す。

『とぁッ!』

 ミラーナイトも跳躍して光弾をかわしながら、マーキンド星人に飛びかかった。が、マーキンド星人はそれからも逃れる。

 マーキンド星人のスピードはミラーナイトと同等以上もあり、立ち回りで彼と互角に張り合う。

 何度かの間合いの取り合いの末、マーキンド星人とミラーナイトが同時にジャンプ。その結果、ミラーナイトの飛び蹴りがマーキンド星人の腹部に突き刺さる結果となった。

『ぐあッ!』

 マーキンド星人は地面の上を転がる。戦士ではない彼では、スピードは互角でもミラーナイトからは数段実力が劣るようであった。

 腹を抑えながら立ち上がったマーキンド星人は、いきなりミラーナイトに告げた。

『お人好しのお前に教えてやろう。私にあの侵略兵器を頼んできたクライアント、それは……人間だ!』

『……!』

 ミラーナイトの動揺したところを狙って飛びかかろうとするマーキンド星人。しかしミラーナイトはすかさず、時間差で二発のミラーナイフを放った。

 身体を傾けてミラーナイフをかわすマーキンド星人。が、一発目は空中で停止して鏡に変化し、二発目がそれに当たって反射。マーキンド星人の背面から胸部を貫通した。

『ぐああぁぁぁぁぁぁッ!』

 倒れたマーキンド星人が青い炎となって爆破炎上した。肉体の破片はそのまま燃え尽き、跡には何も残らなかった。

『……』

 ミラーナイトはしばらくの間、そのまま立ち尽くしていた。

 

 ギルモアの方も、タバサによって捕らえられ、エコーの子供は親たちに返された。ギルモアはやはり、イカサマで巻き上げていた金を貧しい人に分け与えたりなどせず、全て自分の懐に入れていたようだ。事の顛末は結局、ギルモアの自業自得といったところだろうか。侵略者に協力した門で罪に問われるかもしれないが、タバサはギルモアのその後の行く末を何も知らなかった。興味もなかった。

 地下のカジノと、工場は閉鎖されることとなった。工場で働いていた人間はその後、何事もなかったかのように元の生活に戻っていった。……その内の一人は、こんなことをぼやいたそうだ。

「あーあ、楽だったのになー」

 ……この事件の後は、普段はお肉食べたいと主張するシルフィードが、ずっと無言のままであった。タバサもまた気持ちが良くなかったが、同時にシルフィードがいなかったら危うかったこと、イカサマのタネを見破れなかったことを反省し、もっと賢く強くならなければいけない、と決心を固めたのだった。

 が……それも結局は、無為に終わってしまった。

 

 タバサの意識が現実に戻る。ふと気がつくと、窓が外からコンコンと叩かれていた。

「パムー」

 目をやれば、窓の縁に黄色いふわふわとした毛を生やした、小さな獣のようでありながら、しかし背中に一対の白い羽を生やした、見たことのない生き物がいた。それが窓ガラスを叩いていた。

 タバサが窓を開けると、生き物は小さな羽をパタパタ動かして宙を飛び、ポスンとタバサの腕の中に収まった。

「パムー」

 生き物は喉をごろごろ鳴らしてタバサに甘える。

「この『イーヴァルディの勇者』は実に興味深いな」

 不意に声がした。顔を向けると、ビダーシャルが部屋に入ってきていて、今しがたタバサが読んでいた『イーヴァルディの勇者』に視線を落としていた。

「我らエルフの伝承は、似たような英雄を持っている。聖者“アヌビス”だ。彼は“大災厄”の危機にあった我らの土地を救ったとされる。この本によると、光る左手を勇者イーヴァルディは持っているな。我らの“アヌビス”は、やはり聖なる左手を持っていた。エルフと人間の違いはあれど、興味深い共通点だ」

 次いでビダーシャルは、タバサの腕の中の生き物に目をやった。

「その生物がこの部屋の外に泊まっているのを見かけて、見に来たが、お前には懐いたようだな」

「この生き物は何?」

「分からん。我らの知識の中にもない。我がこの城に来た時からここにいるが、誰にも近寄るところを見たことがない。それなのに、お前は大分気に入られたようだな」

「パムー」

 黄色い生き物は、タバサと目が合うとひと鳴きした。

「これも“大いなる意思”の導きだろう。短い期間となるが、この出会いを大事にした方がいい。何かが変わるかもしれぬぞ」

 ビダーシャルはそう言いつけて、部屋を出ていった。

 いつもの知識欲の強いタバサなら、この不思議な生き物に大いに興味を示しただろう。しかし、これから心をなくすという諦めは、彼女の知識欲をも奪っていた。

「パムー」

 タバサは自分に懐く生き物を追い出す気にもならず、そのまま膝に乗せ、再びベッドに腰掛けて『イーヴァルディの勇者』を開いた。今度は、母と生き物に朗読を聞かせ始めた。

 このようにタバサは時を過ごし、運命の日が来るのをじっと待ち続けた。

 

 その一方で、ガリアへの密入国を果たした才人たちが、着々とタバサの囚われたアーハンブラ城への道程を進んでいた。

 

 

 

≪解説コーナー≫

 

※「GOODLESS」

 

 元ネタは『ULTRASEVEN X』第三話「HOPELESS」。脳が異常に委縮した死体が連続で発見される事件が発生し、DEUSの指令によりジンとケイは調査を開始。すると被害者が全員、仕事を持たない通称「ホープレス」であり、死の直前に大金を得ていたことが分かる。ジンたちはホープレスに謎の仕事を斡旋しているタマルという男に行き当たり、潜入調査を開始するが、目の当たりにしたのは彼らの想像を絶する事態だった……という話。シリーズでも屈指の後味が悪くなるエピソード。現代日本の抱える社会問題に深く切り込んでおり、観た人は自省をさせられるだろう。

 

 

※生命力を吸い取る装置

 

 ホープレスのふりをして潜入をしたジンとケイに、タマルは二つの仕事を紹介する。一つは怪しい装置を製造する肉体労働。もう一つは、ただ座っているだけの仕事だった。だが実は生命力を装置の動力として吸い取っており、その装置も侵略用の兵器であった。これを知ったジンたちは直ちにやめさせようとしたのだが……。

 

 

※「仕事」を止めて非難されるタバサとシルフィード

 

 あろうことか集められたホープレスたちは、金を得るために自ら進んで生命力を吸引されていたのだ。彼らはタマルが言った通り、全部を知らされた上で報酬目当てに協力していたのである。他人の命どころか自分の命までも無頓着なホープレスのありさまに、ジンは絶句していた。

 

 

※人間たちを罵倒するマーキンド星人

 

 ホープレスの醜態をマーキンド星人がジンに指摘し、彼らのために戦うことに何の意義があるのかと問うてくる。それにジンは、答えを返すことが出来なかった。

 

 

※侵略兵器を依頼したのは人間

 

 ウルトラセブンXとの戦闘中、マーキンド星人はいきなりそんなことを告白した。一連の事態は、何もかも人間が招いたことだったのだ。しかしどこの誰がマーキンド星人に依頼を通していたのかは謎のままであった。

 

 

※「楽だったのになー」

 

 地下から地上に強制送還されたホープレスの一人が最後に言い放った台詞。どん底まで落ちぶれた者の価値観、倫理観を端的に表している。




 才人たちは遂にタバサが捕らえられているアーハンブラ城にたどり着いた。しかし立ちはだかるは脅威の力を持ったエルフのビダーシャル! 才人たちはビダーシャルに勝つことが出来るのだろうか? そして、更なる暗黒が彼らを待ち受けている……! 次回「その名は“邪悪”」みんなで見よう!

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