プレイヤーネーム ユウキ
性別 女
使用武器 片手剣
本作のヒロインでカエデと同じくSAO最強プレイヤーの一人。SAOでは珍しい女性プレイヤーの上、五指に入る美少女なので知らぬ者はいないほどの有名人。圧倒的な強さから〈絶剣〉のふたつ名を持っている。カエデのことが好きでコンビになるまでは漕ぎ着けているがまだ踏み出せていない様子。原作では病気によって命をおとしてしまうが、作者の熱い要望により(どう見てもただの我儘です。本当にありがとうございました。)もし健康体でSAOをプレイしていたら?という設定で参加。病気なんて最初からなかったんだ・・・。
追記
フルダイブ時間は原作と違い、キリトたちと同じなので絶剣の強さには多少の下方修正がかかっています。それでも十分強いですが・・・
「にしても思いっきり逃げたな」
「うん!久しぶりに本気で逃げた気がする!」
「私もすっごい久しぶりだよ。まあキリト君が一番凄かったけどね!」
「・・・・」
安全エリアに指定されている部屋に飛び込んで一息つくと、さっきの逃走劇について話をしていた。キリトがアスナから指摘を受けてバツの悪そうな顔をしているが、冗談抜きでキリトの逃走速度は尋常ではなかった。敏捷寄りにステータスを振っている俺やユウキ、アスナにしっかりついてきてなおかつ追い抜こうとしていたくらいだ。
そんなキリトの表情を見てアスナがくすくすと笑い続けていたが笑いを収めると
「あれは苦労しそうだね・・・」
と引き締まった表情に切り替える。
「だな。見た感じ特殊攻撃・・・ブレスとかありそうだな」
「確かに・・・ボク、ブレス苦手なんだよなぁ・・」
「盾装備が10人は欲しいな・・・。まあ当面はちょっかいを出すことになるだろうけど」
俺、ユウキ、キリトの順でアスナの言葉に反応する。たしかに一筋縄じゃいきそうにない相手だし盾装備のやつがたくさん欲しいのも事実だ。でもキリトよ。いいのか?墓穴を掘って。
「盾装備、ねぇ」
声をかけようとしたが、アスナのほうが早かった。意味ありげな視線でキリトを見ている。
「君、なにか隠してるでしょ」
「いきなり何を・・・」
「だっておかしいもの。片手剣のメリットって盾を持てることでしょ。でもキリト君はそうしない。速度とかスタイル優先で装備しないって人もいるけど、君の場合はどちらでもないよね・・・あやしい」
正直なところ、アスナの予想は当たっていた。キリトにはひとつ、隠している技がある。それも秘密兵器と呼べるほどのやつを。
「そういえばカエデもだよね?」
「え?」
「だってそうじゃん。リズに作ってもらった短剣だってほとんど使ってないし。性能も今、使っているやつとそんなに変わってなかった。なにかあったの?」
「・・・・」
ほら、キリト。俺まで被害にあったじゃん。まあ俺の場合はそろそろ話そうとしてたからいいけど・・・
「まあ、いいわ。スキル詮索はマナー違反だもんね」
「うーん・・まあいつか教えてね?」
どこから話せばいいかと考えていたがアスナの言葉によって、いったんこの話は終わりを迎えた。
・・・・いつ話そうか。 今でしょ!とか思ったやつは自分のID×100ほど腹筋な
「じゃあ、遅いけどお昼にしましょうか」
視線を時計に合わせて時刻を確認するとアスナはそう宣言した。
そういえばいろいろありすぎて確認してなかったもんな。
「なにっ」
急に色めき立つキリト。相変わらずの食い意地だ。
「愛妻弁当・・・青春だねぇ・・・」
「あ、愛妻!?私はまだキリト君とは・・・」
俺のいじりに面白いくらい反応をして自滅するアスナ。
「ほう。つまり予定はあると?」
「いや、だからその・・・」
顔を真っ赤にさせ、途端に口を閉じる。キリトも脳の演算が間に合わないのか黙ったままだ。もちろん顔は赤い。
「いいなぁ・・・」
そしてユウキがなにかをつぶやいた気がするが気のせいだろう。うん、そう思いたい。
「・・・早く食おうぜ、アスナ」
俺がそう判断しているとキリトは持ち直したのかアスナに催促している。まだ少し顔が赤いが。
「んじゃ、俺達も食べようぜ、ユウキ」
「うん!」
このままいじり続けるのもいいが、少しかわいそうなのでやめておこう。
まあ、食事のあとにすぐ再開するつもりだけどな。
そんなことを考えているあいだにユウキは手早くメニューを操作してバスケットを出現させていた。そして中から大きな紙包みを二つ取り出すとひとつを俺に渡してくる。
「はいっ!どうぞあなた!」
「 」
このタイミングで最も言ってはならない言葉を放ちながら。
さっきのつぶやきはこういうことか・・・。
「あ、あれ?カエデ?」
俺がフリーズしていることに気付いてかユウキが慌てて声をかけてくる。
少しは恥ずかしさを感じているのだろう。その頬はほんのり赤みを帯びていた。
そして視界の端でキリトがさっきのお返しと言わんばかりにニヤニヤしているのが見える。
・・・許さん。
和やか?な昼食を終えると安全エリアには穏やかな空気が流れていた。
アスナが自分の肩をキリトの肩に触れさせ寄り添っている。こいつらほんとに仲良いな。
そしてそれを見たユウキもゆっくりと体を俺に預けてくる。
「平和だね・・・」
「ああ・・」
何気ないやり取りだったが俺はそれをひどく幸せに感じていた。
最近攻略に根を詰めていたのが原因かもしれない。この層を攻略したらしばらく休養でもとるか?そうユウキに提案しようとした時。
不意に下層側の入口からプレイヤーの集団がやってきた。
「おお、キリト、カエデ!しばらくだな」
現れた六人パーティーのリーダー、クラインは俺たちに気付いて笑顔で近寄ってくる。
「まだ生きてたか、クライン」
「まだ独り身か、クライン」
「相変わらず愛想のねえ野郎共だ。てかカエデ!それは関係ないだろ!」
俺たちのぶっきらぼうな反応にクラインはツッコミながら返してくる。
「それにしてもお前らが一緒にいるなんて珍しいな。連れもいるの・・か」
荷物をストレージにしまい、立ち上がったアスナとユウキを見て、クラインは目を丸くした。
「あー。一応紹介するよ。こいつはギルド<風林火山>のクライン。でこっちは<血盟騎士団>のアスナ」
「そんでもって、俺とパーティーを組んでるこの女の子は<絶剣>ことユウキだ」
俺たちの紹介にアスナはちょこんと頭を下げ、ユウキは「よろしくね!」と笑顔で挨拶をしたが、クラインは依然として完全停止したままだ。
「おい、何とか言え。ラグってんのか?」
キリトが肘でクラインの脇腹をつついてやるとようやく動き出し、凄い勢いで頭を下げる。
「こっ、こんにちは!クラインというものです。24歳独身」
なんだか意味の分からないことを口走ってる。てか24歳だったのか。
キリトも俺と同じようなことを思ったのだろう。クラインの脇腹に先ほどより強い力で拳をいれる。
そんなコントのようなコミュニケーションをとっていると
「キリト君、軍よ!」
とアスナがささやいた。
軍のプレイヤーは俺たちとは反対側に停止し、どさりと座り込むと唯一座らなかったリーダーらしき人物が近づいてくる。
「私はアインクラッド解放軍、コーバッツ中佐だ。」
なんだその中二病的な階級は。
「キリト、ソロだ」
若干、引き気味にキリトがみんなを代表して答える。
引いてやるなよ。向こうはマジなんだから。しかし中佐(笑)はそれを気に留めることなく偉そうな口調で聞いてくる。
「君らはもうこの先も攻略しているのか?」
「・・ああ。ボス部屋の手前まではマッピングしてある」
「うむ、ではそのデータを提供してもらいたい」
この中佐は口調だけでなく態度も横暴らしい。さも当然と言わんばかりにマッピングデータを要求してきた。
「な!?てめぇ、マッピングする苦労が分かって言ってんのか!?」
クラインがここにいるみんなの気持ちを代弁するかのごとく喚く。
「我々は君ら一般プレイヤーの解放のために戦っている!」
クラインの言葉を聞いて中佐は大声を張り上げた。
「反吐がでる。お前らに解放を頼んだ覚えはない」
俺は腰から剣を抜き、戦闘態勢に入ろうとしたが寸でのところでキリトに止められてしまった。
「どうせ街に戻ったら公開しようと思っていたデータだ。構わないさ」
「おいおい、そりゃあ人が好すぎるぜキリト」
「クラインの言うとおりだ。渡す必要はない」
俺たちの言葉にコーバッツは少しの反応も示さなかった。そしてキリトからデータを受信すると、部下を引き連れて安全エリアを出て行った。
「大丈夫かな・・・」
「いくらなんでもぶっつけ本番でボスに挑んだりはしないと思うけど・・」
ユウキとアスナが心配そうにつぶやく。
「一応様子だけでも見に行くか?」
全員が嫌な予感を感じていたのだろう。キリトの提案に俺たちは間を入れずに頷いていた。
安全エリアを出て30分が経過。こういう時に限ってたくさんのモンスターと遭遇してしまい、俺たちが軍の連中に追いつくことはなかった。
「ひょっとしてもうアイテムで帰っちまったんじゃねえか?」
「いや、あれはプライドの高い男だ。ボスを目の前にすぐ帰るとは思えない。」
クラインがおどけて言った言葉を俺はすぐに否定していた。キリトたちも不安が拭えないかさっきからまともに口を開いていない。
そしてその悪い予感は的中する。
「あぁぁぁ・・・」
かすかに聞こえたそれを悲鳴だと判断するのに時間はかからなかった。
瞬間、俺たちは声のした方向へ全力で駆けた。
チッ、死ねよリア充・・・
というわけで4話完成です(笑)
今回は前書きにユウキの設定を入れたのですが年齢ってあれで合っているんですかね?
詳しい方がいましたらコメントください。←おい
それと、この話から文章の行間を考えてみました。読みやすかったですか?
今までの話って文が固まり過ぎて読みにくかったような気がするんですよね・・・(汗
それでは次回またお会いしましょう!
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