ガンダムビルドファイターズ～EDGE OF THE FAITH～ 作：鷲塚慶一郎
ミンスリードームで開かれたガンプラバトルイベントには様々なファイターが参加している。
一般のファイターはもちろん、ガンプラ甲子園の予選を敗退した者、甲子園で惜しくも1回戦で敗退した者、名の知れたファイター。
そしてまだ名も無き実力者ファイター。
ジュウゴロウはその一人かもしれない。
そういったファイターのバトルを観れるのも、このイベントの醍醐味だ。
ここにも熱いバトルを繰り広げる、名ファイター達がいる。
｢すげぇ・・・こんなバトルが見られるなんて・・・！｣
｢黒鋼学園模型部のファイターと、“不落の鷹”の異名を持つファイターがバトルするなんて・・・こんな夢のバトルはない！｣
｢レベルが高過ぎる！｣
フィールドの荒野で有名なファイター同士が交戦している。
｢1回戦敗退とは言え、なかなかの実力！｣
｢“不落の鷹”も伊達じゃないな！こんな楽しいバトルはない！｣
両者共に引けを取らない。
｢さぁ！とっておきの技を見せてやる！！くらいやがれぇ！！｣
｢私もありったけのパワーをぶつけよう！！｣
しかし、突如として“不落の鷹”のガンプラが爆破する。
｢な、なんだ！！何が起きた！｣
煙から不明のガンプラの影が現れる。
｢お遊びは終わりだ・・・！｣
｢一体何をした！！お前は誰だ！！｣
｢邪魔なものを破壊して何が悪い。｣
｢ふざけやがって！！！｣
突然の乱入者に不穏な空気が流れる。
｢そこにいる全員、まとめてかかってこい・・・全部ぶっ壊してやる・・・！｣
銀色の素体に漆黒の青の装甲のガンプラ。
禍々しいただならぬ覇気を醸し出している。
カメラアイに閃光が走る。
｢生意気な・・・後悔しても知らんぞ！！！｣
｢許さない！！バトルの邪魔するとは！！！｣
｢泣き声吐かせてやる！！｣
｢やってやらぁ！｣
観戦していた3人がGPベースとガンプラをセットした。
くそっ！！と破壊されたガンプラの主が嘆いて乱入者を睨み付ける。
その対戦相手が先手を切り、交戦。
3つのガンプラも突撃する。
様々な攻撃を反撃も付け加えて華麗に受け流す。
｢4対1でこれかぁ・・・張り合えねぇなぁ・・・しょうがない“お楽しみ”と行くか｣
｢こいつぅ！！！｣
激昂してビームサーベルで飛び掛る。
こちらもシールドのビームサーベルを展開
体当たりして攻撃を防ぎ、相手の体勢が崩れたところで両腕を切断。
間もなく後ろから横槍の射撃。
｢後でな｣
目の前の敵を蹴飛ばし、そのまま飛び上がって弾幕の回避―が、ミサイルが追尾する。
｢こんなもん！！｣
ライフルでミサイルを撃墜し、周りのミサイルも誘爆。
だか2発だけ残り被弾。
｢やった！｣
｢甘いんだよ！！｣
煙幕からビームが飛び、右脚に被弾。
倒れる寸前にも左肩にビームが被弾。
そのまま後ろに倒れる。
｢そんな！？｣
煙幕が消え去り機体が現れる。
ほぼ無傷だがシールドが無くなっている。
｢次はどいつだ・・・！？｣
｢・・・ちっ！｣
今度は一機が牽制射撃をしながら自分の得意とする適正距離まで相手との距離を取る。
｢小賢しい野郎だ！！｣
そうはさせまいと距離を詰め寄る。
しかし相手も後退、なかなか距離が縮まらない事にイライラして腰のビームサーベルを抜き放ち、
｢鬱陶しいんだよ！！！！｣
そのまま投槍の様に相手に向かって投げ、頭に突き刺さり倒れ込む。
機体の元に行き、サーベルを回収。
｢お前が最後か｣
最後の一機を確認。
圧倒的な強さに立ち竦んでいた。
3つのガンプラの悲惨な姿に恐怖し震えた。
｢い、いいやだっ・・・！｣
勢いよく飛び込んで、右手の斧を振りかざす。
｢ひっ！｣
ビビって避けるも、左脚の蹴りが入り、脛の刃が胴体を切りつける。
吹き飛ばされて、尻餅をつく。
相手の顔は恐怖で真っ青になっていた。
｢いいねぇ〜その顔！壊しがいがありそうだ！｣
その後ろで頭を刺された機体が立ち上がる。
ビームサーベルを出して乱入者に向かって突進した。
｢いい加減にしろぉ！！！｣
突進に気付き、咄嗟に回避し左頬をかすめた。
｢てめぇ・・・どこまで鬱陶しいんだ・・・！？｣
斬りかかった相手を再認識し、恐怖を感じて身動きが取れない。
｢ひ、ひいい！｣
右腰のビームサーベルで胴体斜め上に居合い斬り。
斜めに真っ二つになった。
先ほどの機体に振り向きざまに呟いた。
｢始めようか・・・楽しい破壊の時間を｣
いつの間にか騒ぎを聞きつけたギャラリーが集まっていた。
その中にジュウゴロウの姿が―