神を喰らいし者と影   作:無為の極

175 / 278
本編がシリアス続きの為に空気が壊れる可能性が極めて高いです。
実験的に書いて見たので、何かとツッコミどころが多いかもしれませんがご容赦下さい。





番外編11 犯人は誰?

「ハルオミさん。ゴッドイーターってやっぱりモテるんですか?」

 

夕方には少し早い時間に、ハルオミは時間の合間を縫ってコーヒーを飲んでいると、背後から急に声をかけられていた。

 

 

「ええっと……君は一体誰なんだ?」

 

ハルオミが振り向くと、ここでは見た事も無い人物が立っていた。右腕には腕輪が装着されている事からゴッドイーターである事に変わりないが、その顔に見覚えが無い。これが女性であれば多少なりともチェックしていたのかもしれないが、男性の時点でハルオミの記憶の中から該当する人物にはヒットしなかった。

 

 

「実は先週からここに配属になったんです。色々な事を聞いていたら、ハルオミさんがここの事に着いて何かと詳しいって聞いたんで声をかけさせて貰いました」

 

笑顔で答えはしたものの、顔見知りでも無い人間に対してどう何をどう説明すれば良いのか、流石にハルオミも迷っていた。態々自分の事を紹介し、なおかつ一番最初に出た言葉から考えれば、該当する人物に心当たりが無かった。

 

 

「そう言ってもらえると嬉しいが、一体誰からそんな事を聞いたんだ?」

 

「実は第1部隊のコウタ隊長から聞きました」

 

笑顔がそのままで話す内容がそれならばコウタも恐らくは手を焼いた結果であろうことはハルオミにも理解出来ていた。しかしながら、この姿から見れば間違い無く新人である以上、どこまで詳しい事を知っているのか疑問は有る者の、今は時間にゆとりがある事もあってか、ハルオミも少しだけ付き合う事にしていた。

 

 

「なるほど。君は中々見どころがある様だな。う~ん、確かにゴッドイーターはモテるかもしれない。でもそれは必ずしも自分に繁栄される訳では無いぞ」

 

「それは勿論です。僕…いや、俺も今はまだ訓練ですが、一人前のゴッドイーターになって皆からモテたいんです」

 

この場にツバキが居ようものならば確実に鉄拳が飛んでくるであろう言葉ではあったが、生憎とクレイドルの遠征もあってかアナグラには居ない。こんな時間である以上は恐らくは訓練が一息ついたのか、それとも単純に時間にゆとりがあったからなのか、些細な時間つぶしとなる程度には世話を焼ければいいだろうと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハルさん。例の書類ですが……あっ!何かミッションの打ち合わせ中でしたか」

 

「いや、今はそんなんじゃない。彼は最近入った新人なんで俺が色々とここでの事についてのレクチャーをしてるんだ」

 

カノンの隣には見慣れない男性が椅子に座っているが、確かにハルオミが言う様に、どこか初々しい雰囲気が漂っている。ハルオミの言葉を信用したのか、カノンは新人に対して挨拶をしていた。

 

 

「私は第4部隊所属の台場カノンです。で、こちらが知ってるとは思いますが、部隊長の真壁ハルオミさんです」

 

カノンの性格だからなのか、丁寧に説明をしている。既に新人はカノンの方に視線を向けてながらも、ある部分を見たからなのか顔を赤くしながら挨拶をしていた。

 

 

「すみませんが、ハルさん。この書類は明日までなので早めにお願いします。何でも本部で必要らしいのでチェックをお願いします」

 

カノンがそう言いながら書類を渡すと同時に、内容を確認している。パッと見た瞬間、これはちょっと厳しいなどと思いながら先ほどまで話ていた新人の事を忘れていたのか、隣を見れば感動した様な表情を見せていた。

 

 

「やっぱりハルオミさんは凄いですね。さっきの人は…台場さんですか、一緒に出たりするんですか?」

 

「ああ。俺しかいないからな。彼女一人でのミッションはちょっとな」

 

ハルオミとしては誤射の事が一番気がかりだからこそ、肉の壁の代わりに自分も駆り出されるからと言ったつもりだったが、やはりそんな考えは届かなかった様だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁコウタ、例の新人の事なんだが、何か聞いてるのか?」

 

部隊編成など関係無いとばかりにハルオミはコウタとカノン、エリナと一緒にミッションに出ていた。内容そのものに関しては対しては元々エリナの経験値とカノンの誤射を減らす為に組まれた内容であった事も影響したのか、内容そのものに問題はなく時間にゆとりがあるからと以前に紹介された新人の話を持ち出していた。

 

 

「いえ、何かあったんですか?」

 

「問題は無いんだが、ちょっと真っ直ぐすぎると言うか馬鹿っぽいって言うか…まぁ、あれだな。ちょっと気を付けた方が良いかもしれんな」

 

何気に出された話はやはりラウンジでのやり取りだった。こんな時代に使命感を持ってゴッドイーターになる人間はあまり多くは無いが、ああまで自分の欲望に素直すぎる人間もそうはいない。ましてやハルオミを紹介したのが目の前のコウタである以上、ある程度の情報収集は必然だった。

 

 

「やっぱりそうでしたか……あの性格ならハルさんに合うかと思ってんですけど、何かやらかしました?」

 

「いや。特には無かった……いや、あったな。あれはまぁ、何かを期待してゴッドイーターになったんじゃないかと思うんだが。俺が一番最初に聞かれた事がモテますか?だからな」

 

あの時の光景は嫌が応にも思い出されていた。どうやら極東の特集をした広報誌を見た瞬間、これだと確信したのかすぐにフェンリルに問い合わせした様な人間である以上、尋常じゃない程の行動力があるのは間違いない。しかも、本人に悪気が無い為に下心すら感じる事もなく、何だかんだと終始和やかにしている光景は何度も見る機会があった。

 

 

「コウタ隊長、それって例の新人の事ですよね?私も話をした事がありますけど、何か勘違いしている様な気がします」

 

「勘違い?」

 

「一言では言い表せないんですが、私の感覚だと単純にモテたいからゴッドイーターになったって感じです。何だか全員がそう思われるのは癪なので、私は相手にしませんでしたが」

 

エリナはエリックの意志を継ぐ様に自分の家の事を考えずゴッドイーターの道を選んでいた。当時も今もエリナの考えは何も変わる事が無く、自分の信念に基づいて行動をしている。そんなエリナから見ればその新人に関しては、見る事すら気持ちの良い物では無かった。事実、エリナの考えはエイジに近い物があり、エイジに対して信念の基に慕う部分が存在していた。

 

 

「確かにここには魅力的な女性は多いから目移りするのかもしれないが、そうなると厄介な可能性があるな」

 

「……でしょうね。多分、俺が考えている事とハルオミさんが考えている事は同じだと思うんです。どうすれば良いですかね?」

 

2人には共通した考えが確かにあった。極東には現在の所一時期に比べると男女の比率が少しづつ均等に近づきつつあった。それは生存率が高まった事もだが、一番の要因は極東支部のアピールの仕方だった。これまでに何度も広報誌で掲載されるだけではなく、一般に比べればゴッドイーターの方が何をするにしても優遇されている。これは今に始まった事では無いが、美容に関する事なども含め、ちょっとした事がほぼ極東発である事が一番の要因だった。

 

もちろん、ゴッドイーターになる以上は神機の適合だけではなく、厳しい訓練をこなす必要があるも、それでもやはり魅力的な物に見えている現実がそこに存在していた。

 

 

「顔が知れているのであれば、あとは本人が気が付くレベルがどうなのかだな。でも、それは完全に個人の自由だからな。俺達がどうこうするのはお門違いだろう」

 

「ですね」

 

まさかここでのやり取りが今後の大事になる可能性を秘めているとは誰も気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、アリサ先輩。俺と一緒にミッションに出て貰えませんか?まだ新人なんで動きとか教えて欲しいんです。因みに中級までのカリキュラムは終わってますので」

 

「私ですか?……今は大丈夫ですよ。あの、他には誰が一緒なんですか?」

 

暫くしてから何が有ったのか、その新人はアリサと一緒に動く事が多くなっていた。一時期、エイジが長期遠征に出ている際には厳しい顔をする場面が多かったが、ここ最近は割と短期で戻る事が多く、今はクレイドルが動く様な大規模な物は何も抱えていなかったからなのか、アリサの表情は穏やかなケースが多かった。

 

 

「今は俺だけなんです。他の奴らは皆払っているので、アリサ先輩の時間さえよければなんですが」

 

「私で良ければ構いませんよ」

 

「ぜひお願いします」

 

クレイドルの任務をこなしていると、どうしてもアナグラいいる事が少なくなるのと同時に、クレイドルに来る人間は最低でも曹長以上の実力が求められる以上、アリサの周りに新人が来る可能性が極めて低かった。

そんな中でアリサを慕う様に来た事もあってか、偶には良いだろうと考えそのまま承諾していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇアリサ。エイジと何かあったの?」

 

アリサがラウンジでの休憩をしていると、同じく休憩で来ていたのかリッカがアリサの隣に座り話かけていた。突然の言葉にアリサはリッカが何を言いたいのか理解出来ない。ひょっとしたらからかっているのかとも思ったものの、その表情は少し心配している様にも見えていた。

 

 

「えっ?何もありませんよ。昨日だって普通に話をしましたけど?」

 

「だったら良いんだけど、一部の噂でアリサが別れたんじゃないかって話が出てるからさ、ちょっと気になってね」

 

平静を装いながらもリッカからの突然の話にアリサは混乱していた。確かにエイジは遠征に出ている関係でここには居ないが、昨日も何事もなかったかの様に普通に話しをしていた。内容はともかく喧嘩する要素も無ければ怒る要素すら無い。リッカの言葉はまさに寝耳に水と言える内容だった。

 

 

「それって誰がそんな事言ってるんですか?」

 

「そんな顔しない。私も噂って言ったでしょ。多分、それが原因じゃないのかな?」

 

リッカの視線はアリサの右手に移ってた。以前にエイジから送られたリングは今は何故か外されているのと同時に、ここ数日は新人と一緒にミッションに出る事が多く、それがトータルで判断された可能性が高かった。

 

古参の人間や既にここに1年以上居る人間であれば、冗談程度にしか思わないが、最近入った人間からすれば、そんな事は何も分からない。ただでさえ派兵でエイジやリンドウの顔を知らない人間が居る以上、噂レベルであるとは言え、それはある意味仕方ない部分があった。

 

 

「リングは今磨きに出してるんです。もう仕上がってるんですけど、中々取りに行けないんです」

 

「なるほどね。だからなんだ。本当の事を言えば私も詳しい事は分からないんだけど、確かに新人を中心に出てるのは間違いないよ。アリサに限って無いとは思うけど、それでも何も知らない人間からすれば、それもまた興味本位の元でもあるからね。特にここ最近は特定の新人と一緒に出てる事があるから余計に出たのかもね」

 

リッカの言葉にここ数日の記憶を遡っていた。確かにここ数日はクレイドルとしての要件は少なくなった事から割と現場に出る機会が多く、またその新人の言葉には確かに該当する人物の顔は直ぐに浮かび上がっていた。

しかし、2人でのミッションは数回だけで、その後は他のメンバーも一緒になる事が多く、それが噂とどう関係するのかが何も分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えばコウタに聞きたいんですが、私の噂が出てるらしいんですが、誰がそんな事言ってるんですか?」

 

「いや、俺は知らないな。確かに新人の中ではそんな話が出てた位の記憶がはあるけど、誰がと言うのは分からないな」

 

久しぶりにコウタとのミッションを終え、帰投準備中の時間にアリサはコウタに確認していた。コウタは立場上新人と同行する機会は割と多く、またアリサとしてもコウタに聞けば何かしら手だてが分かると踏んでいた。

 

 

「本当に使えないですね。一体誰がそんな事を言ってるのか該当する人物位出てこないんですか」

 

アリサの言葉に怒気が含まれている時点で、この場をいかに脱出するのかをコウタは本能的に悟っていた。このままでは何かしらの攻撃が来るのは間違い無い。

 

いくら見知った人間とは言え、今回の内容は普段のからかいとは次元が違う。まだアリサだけで止まっているが、これがエイジの耳に入れば待っているのは地獄絵図さながらの状況を体感する未来しか見えない。今のコウタには慎重すぎる程の選択肢が迫られていた。

 

 

「……多分なんだけど、ハルさんが関係している可能性があると思う。以前にモテたいとか言いながらハルさんと話してた新人が居た記憶があるから。それとここ最近は新人の間では簡単なミッションに男女二人で出るのがデートだって認識があるらしい」

 

「ミッションがデートってふざけてるんですか」

 

コウタの言葉にアリサは少しだけ頭が痛くなっていた。ハルオミの性格はともかく、何も知らない新人がその言葉を鵜呑みにして実行しているのであれば、今後の予想は容易に出来る。

 

ただでさえエイジとは任務の関係上、一緒にいられる事が少ない中でこんなくだらない噂で空気が悪くなるのは面白くない。それならばと帰投して早急に問いただす必要が出てくる。まずは帰ったら真っ先に確認しよう。今のアリサのやるべき事が決まった一瞬だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハルオミさん。話があります」

 

「よう!そんな怒った顔して綺麗な顔が台無しだぞ」

 

「そんな事はどうでも良いんです。それより聞きたい事があります」

 

怒りの表情を浮かべたアリサに身の危険を感じたのか、まずは様子を探るべく軽く言葉をかけるが今のアリサにはそれが通用しなかった。この時点で戦略的撤退を本能が告げるも、生憎とアリサは先回りしたのか撤退すべき退路は塞がれていた。

 

 

「俺に分かる事であれば?」

 

「実は私が別れたなんて根も葉もない噂が出てるんですが、それが特定の新人を中心に出ていると聞きました。で、その人物はとある第4部隊長から何やら薫陶を聞きそれを実行しているとも確認しています。記憶にはありませんか?」

 

アリサの言葉に漸くハルオミは理解していた。恐らくはあの新人が周囲にそんな話をした可能性が高い。見た目は大人しそうな雰囲気はあったが、案外としたたかな一面があるんだと考えながらも、今はこの場からの脱出をどうするのかに専念していた。

 

 

「俺は知らないな。ただアドバイスはしたけど」

 

「アドバイスですか?」

 

「そう。好きな女性がいるなら全力で口説くのは男の本能だって。それ以上の事は知らないが」

 

そんなやり取りをよそに、タイミングが良いのか悪いのか、例の新人がアリサを見つけたのか近くまでやって来ている事に2人は気が付かなかった。

 

 

「あのアリサ先輩。これから一緒に……」

 

「大体私は別れてもいませんし、そんな予定はありませんから!」

 

アリサの言葉に新人が固まっている。叫んだ瞬間誰かが近づいて来たのはハルオミも知っていたが、まさか渦中の人物の疑いが強い新人である事は気が付かなかった。

 

 

「あ、あの…アリサ先輩って彼氏と別れたんじゃないんですか?」

 

「ああ…貴方は。誰がそんな事言ったのか知りませんが、そんな事は有りませんよ」

 

その瞬間、新人は表情こそ乏しかったものの、ショックを受けていた事がハルオミには理解出来た。それと同時に一つの懸念も持ち上がる。これが自分のアドバイスの通りに実行したのであれば、確実に矛先が自分に向くのは間違い無かった。

 

今はアリサだけの話だが、これがエイジの耳に入れば最悪はツバキにまで届く可能性がある。このままでは暗い未来しかありあえない。まだここに弥生が居ない事がせめてもの救いだとハルオミは内心安堵していた。

 

 

「な〜んだ。やっぱりハルオミさんが出所だったの?」

 

どこかで聞きなれた女性の声が聞こえている。まるで油が切れた機械の様に首を捻ると、そこには弥生の姿だけではなく、急遽アナグラに戻っていたのかエイジの姿があった。

 

 

「い、いや。それは俺のせいじゃ……」

 

「ハルオミさん。随分とご機嫌な事をしてくれたみたいですね。これからどうですか?本部でも一目を置かれた業を教えたいと思うんですが、構いませんよね?」

 

突然のエイジの登場に、アリサは少しだけ涙ぐみ、ハルオミはまるで凍結したかの様に動く事はなかった。エイジを見れば表情は穏やかな様にも見えるが、目は冷酷と言える程に怒りに満ち溢れている。その姿を見ていた新人はこの時点で誰がアリサの彼氏であるかを察知すると、その場から消える様に去っていた。

 

 

「俺は……すまんがギルにケイトにちょっと会ってくるって誰か伝えておいてくれないか」

 

その後の訓練室から出てきたハルオミはまるで魂が抜けたかの様に灰になっているのが発見されていた。

 

 

 




「エイジ。いつ帰ってきたんですか?」

「さっきだよ。今回は神機の関係で一時的な帰還だから、明後日にはまた行く事になるよ。それよりも弥生さんから聞いたんだけど、大変だったね。でも何でリング外してたの?」

ハルオミに制裁の名の下での訓練が終わるとエイジはアリサと自室に戻っていた。確かにエイジが言う様に、一時的な帰還の為にリンドウとツバキは来ていない。今は穏やかな空気が部屋の中に漂っていた。


「実は、この前の任務で少し壊れたと言うか、歪んだので調整と磨きに出してたんです」

アリサの右手には存在感を示す様に光り輝いたリングがはめられていた。まさかこんな事態になるとは思っても居なかった事に凹んだ部分はあったが、想定外のエイジとの邂逅に今までの事は過去の彼方へと消し飛んでいた。


「そっか。でも……そろそろ新しい物に変えた方が良いのかな?」

「でも…良いんですか?新しい物って…それって…」

「今の任務が終わったらにするよ。それまで待っててくれないかな」

「はい。待ってます」

甘い空気が充満している一方でラウンジには何とか生き延びる事が出来たハルオミがギルと呑んでいた。


「今回は流石にヤバかった、ケイトが笑顔で川の向こうで手招きしていたぞ」

「ハルさん。いくらなんでもアリサさんは危険すぎるんじゃないんですか?以前も似たようなケースがあったって聞いてますけど」

ギルが伝言を聞き、訓練室に駆け込んだ時には既にハルオミの息は絶え絶えだった。慌てて回復錠をかけた事で事無き事を得たが、内容を聞けば半分以上は呆れる様な内容だった。


「まあ、それも含めて俺のアイデンティティだからな」

「それはそうと北斗に聖なる探索で駆り出すの止めて貰えませんか?シエルとナナから抗議が来てるんで」

「そこはもう少しやりたかったんだが……まあ、仕方ないな。ツバキさんには言わないでくれよ」

懲りる気配が無いままに夜が過ぎていく。今夜はきっと違う意味で寝る事は出来ないだろう。ギルはそんな事を考えながらハルオミと酒盛りを繰り広げていた。















気分転換のつもりで書きました。
これに懲りずにネタが出れば色々と出していきたいと思いますので、これからも宜しくお願いします。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。