魔法少女まどか☆マギカーanother mindー   作:ナハトムジーク

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人魚の騎士。あたしってほんとバカ

学校の初登校日。俺は毎ループ、授業をきちんと受けている。このループで終わるかもしれないし、あまりサボる訳にもいかない。

 

「はい、じゃあこの問題を……暁美さん。答えてください」

 

早乙女先生が俺を指名してくる。その問いに俺は。

 

「はい! わかりません!」

 

自信を持って答えた!

 

いや、別に分からない訳じゃないんだよ? こんな問題、毎ループ同じだし? 簡単に解けますよ。

 

「え!? そ、そんな自信たっぷりに!? じ、じゃあ、美樹さん「あたしもわかりません!」そうでしたね。それじゃあ、中沢君!」

 

「ええっ!?」

 

そんな感じで授業は進んでいった。

 

「いや~。まさかほむらがあたしと同じだったとはねぇ」

 

休み時間。さやかが楽しそうに俺に話しかけてくる。後ろにはまどかがついて来ている。

 

「数学を解ける人間の頭の中が知りたいわ」

 

「あははっ! 本当にわからないよね!」

 

「さやかちゃんは授業いつも寝てるじゃない。それじゃあ、わかるわけないよ」

 

笑っているさやかをまどかが呆れた表情で見ている。

 

「あなたとはシンパシーを感じるわ。得意科目とか教えてもらって良い?」

 

「俄然体育だね!」

 

「あと、音楽も得意なんだよ」

 

まどかが補足していってくれた。

 

「私も自己紹介の時話したと思うけど、体育が得意よ。もっとも、長い入院生活で身体がなまってしまっているから皆についていけるようになるのはもっと先ね」

 

「あ~そっか。そうだよねぇ。……あたしに出来る事があったら言ってよ。力になるからさ」

 

「ありがとう。じゃあ、さっき罰で先生に渡されたこの宿題をやってきてくれると嬉しいのだけど」

 

「そ、それは嫌だよ!?」

 

「ふふっ。冗談よ。これからも仲良くしてくれると嬉しいわ。まだ友達がいなくて」

 

「もっちろんだよ! あたし達とほむらは友達だよ! ねっ! まどか!」

 

さやかが振り向いてまどかに声をかける。

 

「うん!」

 

まどかも笑顔で頷いた。

 

 

 

――美樹さやかとの間にほのかな絆の芽生えを感じる……暁美ほむらは”戦車”のアルカナを手に入れた!

 

――鹿目まどかとの間にほのかな絆の芽生えを感じる……暁美ほむらは”星”のアルカナを手に入れた!

 

 

3/31日

 

「……さやか」

 

「何?」

 

病院の階段の踊り場。俺とさやかは向き合っていた。

 

「キュウベぇと契約してはダメ。言ってはいなかったけど、あいつは魔法少女のマスコットキャラなんて可愛い物じゃない。もっとおぞましい何かよ」

 

「何それ? 訳わかんない。いいから、そこどいて」

 

さやかが俺の横を通ろうとしたが俺はそれを阻止する。

 

「どかない。聞いて。魔法少女と魔女。どうしてこんなに名前が似てると思う?」

 

「はぁ? 知る訳無いでしょ。……マミさんがそう呼んでただけだし」

 

「そう、そのマミもキュウベぇから聞いた言葉なのよ。……ねぇ、さやか。魔法少女が大人になったら何になると思う?」

 

「魔法使いじゃない?」

 

「いいえ。あなたは勘が良い。もう今の言葉だけで察せているはずよ。魔法少女が「もうやめて!」……」

 

俺が真実を話そうとするとさやかが叫ぶ。

 

「うるさいのよあんた! あたしがどうしようがあたしの勝手でしょ!? それを余計な事ばっかり言って来て、うざいのよ!」

 

「……」

 

「昨日の魔女だってあんたが余計な事しなければマミさんが勝ってた! あんたがいけないんだ!」

 

確かにそうかもしれない。だけど当然だろ? 相性の悪い相手に向かって行ってるバカを何とかして止めなきゃとそう思ってしまったんだ。

 

「もうあたしの事は放っておいて!」

 

「あっ! さやか!」

 

さやかが俺を押しのけ階段を昇って行ってしまった。

 

 

 

4/5日

 

「さやか!」

 

俺はとぼとぼと学校から帰るさやかを呼び止めた。

 

「何さ」

 

「聞いたわよ。上条くんに告白するって宣戦布告されたって。今日1日待ってあげるとも言われてるんでしょう? どうしてこんなところにいるの?」

 

「まったく仁美もほむらも何でそういう勘違いするかな~? だからあたしと恭介はそういうんじゃないって」

 

さやかは笑いながら言った。顔に辛いと書いてある。

 

「このバカ! 意地はってる場合じゃないでしょ! あなたが一生に一度の願い事で助けた上条くんがあなたにとって大切じゃないはずないじゃない!」

 

「だから違うんだって。あたしは恭介のヴァイオリンのファンなんだよだから「良いから今から告白してきなさい! うまくいったら意識してもらえてそこから発展があるかも知れな」だから違うって言ってるでしょ!」

 

俺の言葉にさやかが怒鳴る。

 

「……っ!」

 

さやかが急に走り出す。

 

「さやか!」

 

この入院生活でなまったほむらの体では追いつけない。

 

「さやか……」

 

俺にできることはさやかの名前を呟くことだけだった。

 

 




連続投稿!まだまだオリ主には絶望をプレゼントします。

さやか達にもどんどん絶望してもらいます。

まぁ、最後はハッピーエンドなんで虚淵さんよりは優しいですよね?

次回はこの小説初登場のあの子!

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