魔法少女まどか☆マギカーanother mindー   作:ナハトムジーク

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究極の一射。もう何も怖くない

 

3/26日

 

俺は薔薇園の魔女の結界に来ていた。マミ達を助け、コミュニティを作るためだ。

 

魔女の結界の中を進んでいくとマミが魔女と戦っていて、まどかとさやかはそれを見ていた。

 

「助太刀するわ!」

 

俺は魔女の前まで走り、マミに言う。

 

「あなたは?」

 

マミが優雅に聞いてくる。

 

「通りすがりのペルソナ使いよ。あなた、前衛? それとも後衛?」

 

俺は魔女に注意して、マミに尋ねる。

 

「どっちかって言うと後衛ね」

 

「分かったわ。なら、私が前に出るから支援をお願い」

 

「あ、待っ!」

 

マミが制止してくるが無視して薔薇園の魔女に突っ込んでいく。

 

 

「行って! ヘルメス!」

 

ヘルメスが魔女を殴り付ける。魔女も負けじと触手でなぎ払ってこようとするが、マミが触手を紐でしばって動きを止めている。

 

「おっと……ありがとう」

 

「どういたしまして。また来るわよ!」

 

魔女が縛られていない触手を振り回してくる。マミも援護してくれているが数が多く、縛った触手のリボンも千切られてしまい、俺を押し潰そうとしてくる。

 

「あくっ!?」

 

ついに触手の攻撃が当たってしまい俺は吹き飛ばされる。

 

「転校生!」

 

「ほむらちゃん!」

 

「つぅ~……大丈夫よ」

 

俺は吹き飛ばされるがすぐに立ち上がる。ペルソナによってパワーアップしているため、このくらいではやられない。

 

とはいえ、ダメージを受けていない訳じゃない。額から血が流れ落ちる。

 

「ペルソナ! ピクシー!」

 

ーーディア!

 

ピクシーの回復魔法で傷を治し、すぐに攻撃した。

 

ーージオ!

 

 

Weak!

 

 

電撃の威力で魔女が地面に倒れる。……まさか、弱点を突いたのか? なら!

 

「今よ! 一斉に攻撃して!」

 

「わかったわ! さぁ、これで最後よ!」

 

俺とマミが一斉に攻撃を仕掛ける。いわゆるボコスカアタックだ!

 

「ヘルメス!」

 

ーーアギラオ!

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

俺のペルソナから紅蓮の炎が、マミの魔法で作った大砲から強力な射撃魔法が、それぞれ放たれる。

 

二人の攻撃で薔薇園の魔女は消滅する。

 

 

「あなた……何者なの? さっきはペルソナ使いとか言ってたけど教えてくれないかしら?」

 

マミが聞いてくる。

 

別に隠すような事でも無いよな。

 

「良いわよ」

 

「そう。じゃあ、私の家に行きましょう?」

 

マミが家に招待してくれた。家につくとマミがリビングにある三角形の机にケーキと紅茶を用意してくれた。

 

「それじゃあ、話してもらえる?」

 

「はい」

 

ペルソナ使いの事を説明する。

 

「一人につき一体のペルソナって言ってたけど、あなたは2つ持っていたわよね?」

 

「私はワイルドって言って。ペルソナ使いの中でも更に稀少な能力を持っているんです。ワイルドの能力者はペルソナをいくつも持てるんです」

 

俺はマミに答える。

 

「愚者ってバカって意味だよね?……てことは」

 

「さ、さやかちゃん!」

 

「私も最初に聞いたときはそう思ったけど、違うわよ。ここでの愚者はアルカナの愚者。正位置は自由や可能性。逆位置は軽率や落ちこぼれって意味よ。あなたのアルカナは戦車じゃない? 突進好きそうだし」

 

「にゃにおう!? 私が突撃バカって言いたいの!?」

 

「あはは」

 

「美樹さん。戦車のアルカナは積極性や行動力、勝利の意味があるわ。むしろ美樹さんにぴったりのアルカナだと私は思うわ」

 

「え!? そ、そうですか?へへへ……」

 

どうやらマミに褒められて嬉しいらしい。

 

 

「今までペルソナ使いは僕達でも観測出来ていなかったんだけど、なぜなんだい?」

 

キュウベぇが俺に聞いてくる。癪だが、ここで拒否反応を見せてマミの反感を買うのは俺にとっても良くない。だから答えておくか。

 

「それは仕方ないと思うわ。ペルソナ使いがそもそも少ないうえに、活動しているのが異空間だからね。そうそう、見つかるものじゃないわ」

 

「異空間って例えばどういうのなのかな?」

 

まどかが聞いてくる。

 

「私が知っているのは毎日12時零秒と一秒の間にできるペルソナ使い以外には認識できない時間。影時間ね」

 

「ふぇ~。そんな時間があるなんて知らなかったよ。まどかは?」

 

「ううん。知らなかったよ」

 

さやかの質問にまどかは首を振ってこたえる。

 

「もう一つはテレビの向こう側に存在する世界。これはペルソナ使いとその触れている物しか入れない空間よ。まぁ、入ったら変な所に飛ばされちゃうし、向こうにテレビが無かったら一生出てこれないっていうかなり怖い空間なんだけどね。そして、そこにはペルソナ使い共通の敵、シャドウが現れるの」

 

「シャドウ?」

 

マミが聞いてくる。

 

「シャドウって言うのは人の心の一部分が具現化した存在の事よ。基本的には負の感情が多いわね。私にもそしてあなた達にも普段何気なく抑え込んでいる感情があるはず。それを具現化したものがシャドウなのよ。本質的にはペルソナもシャドウも同じなのよ。違うのはそれを制御できるか出来ないかの違いだけ」

 

「なるほどね。魔法少女と魔女の関係と似てるわね」

 

マミのこの言葉を聞いた瞬間。俺は顔が青ざめたのが分かる。

 

「そ、それはどうして?」

 

「魔法少女は女の子の祈りから生まれるの。例えば、幸せになりたいとか、お菓子がおなか一杯食べたいとかね。対して魔女は呪いから生まれる存在なの」

 

「なるほど。あなた達、魔法少女と対をなす存在が魔女と言うわけね。確かに、ペルソナとシャドウの関係に近い物を感じるわ」

 

俺は何とかそういう方向に向かわないように話を進めていった。

 

「もうこんな時間ね。今日はもう帰るわ」

 

「そう。わかったわ。今度また、話を聞かせて貰える?」

 

「…………良いわ。それでちょっと提案があるんだけど」

 

「なにかしら?」

 

マミが首を傾げながら聞いてくる。

 

「今度から魔女退治に付き合わせてもらえないかしら? 私も人を守るペルソナ使いとして魔女の被害を少なくしたいの」

 

「え? ほ、本当に!?」

 

マミが凄い勢いで食いついてきた。

 

「え、ええ。あなたが嫌でなければだけれど」

 

「嫌な訳無いわ! これからよろしくね」

 

 

――巴マミとの間にほのかな絆の芽生えを感じる……暁美ほむらは”女教皇”のアルカナを手に入れた!

 

 

3/30日

 

俺がマミの仲間になってもまどか達が魔法少女への憧れが無くなる訳じゃなく、俺とマミについてきたりしていた。

 

そして今日。お菓子の魔女が現れる日だ。そしてアニメではマミが殺される日。

 

そんな事は絶対にさせない。幸い、俺とマミの関係は良好だ。間違っても縛られる事はないだろう。

 

前方にお菓子の魔女の第一形態が見える。相変わらず弱そうな姿だ。だが、俺はこの姿を擬態だと知っている。能力は脱皮をする事による身体の修復。対処法は中から焼き殺すか、最大火力での消滅。

 

「行くわよ!……え?」

 

俺が魔女に向かおうとした瞬間。俺の周りがドーム状のリボンで覆われる。

 

「マ、マミ!? これはどういうこと!?」

 

俺はリボンを掴み、外にいるマミに問う。

 

「……暁美さん。あなたは強いわ。おそらく、この魔女なんて一人で倒せるくらいに」

 

マミはお菓子の魔女の第一形態を見てそう言う。

 

「だから私にあなたと一緒に戦えるって所を見てほしいの。私もあなたに負けないくらい強いんだって証明したいの。だから、今回はそこで観戦していて」

 

「なぁ!?」

 

あ、ありえないだろ! 今は共闘中だぞ!? それなのに妨害されるのか!? これが他の魔女だったらいい。でもその魔女だけはダメだ!

 

「マミ! ダメだ! その魔女はお前じゃ勝てない! 相性が悪いんだ! だから早くこの魔法を解け!」

 

「……やっぱり、信用してくれていなかったのね?」

 

俺の言葉にマミがショックを受けたように悲しそうな顔をする。

 

「違う! 他の魔女なら一人で戦ってもいい! でもその魔女だけはダメだ!」

 

「いいわ。そこで見てて。この魔女を私が倒して、あなたに認めさせて見せるんだから」

 

そう言ってマミはお菓子の魔女に向かって走っていく。

 

「マミィイイイイイッ!!」

 


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